新型コロナウイルス感染症の指定感染症への指定について

政府=安倍晋三政権は1月28日、中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルス感染症を感染症法に定める指定感染症に定めました。このため、医療の現場で大きな混乱が生じるもとになっています。これについて私見を述べてみます。

感染症法第六条によると、「この法律において『感染症』とは、一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症、五類感染症、新型インフルエンザ等感染症、指定感染症及び新感染症をいう」となっています。そして、感染症法に定める感染症の一類、二類、新型インフルエンザ等感染症、指定感染症に罹患した患者は原則として、症状の重い、軽いに関係なく全ての患者が指定医療機関に入院して、治療を受ける義務が生じます。指定感染症に政令指定され、新型インフルエンザ等特別措置法の附則事項に盛り込まれた新型コロナウイルス感染症に罹患した患者も「帰国者・接触者外来」を持つ840程度の医療機関に症状のいかんにかかわらず入院になります。こうした措置は厚生労働省の新型コロナウイルスの感染力、毒性を過小評価していることの表れでしょう。

感染症法について新型コロナウイルス感染症
分類 感染症名または対処法
1類 エボラ出血熱、ペスト、ラッサ熱など
2類 結核、SARS、MERS、鳥インフルエンザ(一部)など
3類 コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性、大腸菌感染症、腸チフスなど
4類 E型肝炎、A型肝炎、狂犬病、マラリアなど
5類 インフルエンザ、梅毒、はしかなど
新型インフルエンザ等感染症 新型インフルエンザ等特別措置法を制定
新型コロナウイルス感染症 指定感染症に政令指定後、改正新型インフル等特措法に含まれた

ご自分自身医師でもあられる医療ガバナンス研究所の上昌広理事長は。新型コロナウイルスは感染患者が強制入院をよぎなくされることから二類感染症相当の指定感染症に定められたとの見方を取っておられるようです。

二類感染症は、➀急性灰白髄炎②結核③ジフテリア④重症急性呼吸器症候群=SARS=(病原体がベータコロナウイルス属SARSコロナウイルスであるものに限る)➄中東呼吸器症候群=MERS=(病原体がベータコロナウイルス属MERSコロナウイルスであるものに限る)⑥鳥インフルエンザ(病原体がインフルエンザウイルスA属インフルエンザAウイルスであってその血清亜型が新型インフルエンザ等感染症の病原体に変異するおそれが高いものの血清亜型として政令で定めるものであるものに限る-からなります。

いずれにしても、➀指定感染症に政令指定されると治療できる医療機関が極めて限られる②定められた指定感染症発症のもととなるウイルスの感染力が極めて強いものである-ことが重なると、医療機関の防疫体制が十二分に取られない場合は院内感染が深刻なものになり、医療崩壊をもたらすことになります。

現在の感染症法を厳密に適用すると、新型コロナウイルス感染者を「延期になった」東京オリンピックのためのホテルや選手村などで治療することは、不可になります。感染症制定時に今日のような事態は想定していなかったため、できるだけすみやかに感染症法を改正する必要があるものと思われます。ただし、国会で同法の改正に取り組んでいる余裕はないと思われます。このため、法的な根拠なしに、軽症者の移設などがなし崩し的になされる結果になる公算が大きいと思われます。

ただし、わが国日本は法治国家を建前としておりますので、早期に何らかの法的措置を講じる必要があるかと存じます。新型ウイルス感染症の指定感染症への政令指定に関する記事で、若干の混乱がありました。お詫びと訂正の意味で、本記事を投稿させていただきました。

おすすめの記事