臨時国会を早急に開き、コロナ禍対策を抜本的に改めよ−野党は保身ではなく「政策連合」結成せよ(22日の新規感染者数追記)

各種メディアの報道によると、昨日7月21日の新型コロナウイルス感染確認者は東京で237人、全国で632人に上った。例えば朝日デジタルが2020年7月21日 21時46分に投稿した「全国で632人の感染確認 愛知や福岡などで過去最多に」と題する記事によると「新型コロナウイルスの国内感染者は21日午後9時半現在、東京都で237人など新たに632人が確認され、累計で2万6544人となった。愛知県と福岡県でそれぞれ53人の感染が確認され、いずれも1日の新規感染者としては過去最多となった」という。

多くの地方自治体は「若い世代、無症状・軽症状」の感染者が多いからと言って、「接待を伴う飲食店」の名前を公表するか否かでもめているくらいで、PCR検査を多少強化する程度。基本的には、発送の転換がないままに従来のコロナ禍対策をそのまま踏襲している。しかし、全国抗体検査協力会議で事実上の責任者を行っている児玉龍彦東京大学名誉教授の衆院予算委員会などでの発言によると、無症状感染者の中にも有効な免疫ができないうちに、新型コロナウイルスが変異して「東京・埼玉型」の新たなウイルスになり、東京都の新宿区歌舞伎町や池袋の繁華街が既成の型の新型ウイルスによる「集団感染(クラスター)」ではなく、新たな型の「震源地(エピセンター)」になり、首都圏を始め全国に拡大している可能性があると強く主張している。

なお、NHKの2020年7月22日 22時36分の報道によると22日の東京都の公表感染確認者は「238人」とのこと。23時09分の報道によると全国では4月11日の720人を上回り795人と最多の新規確認者人数になった。

NHKのサイト(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200722/k10012528101000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_006)による。
小池百合子東京都知事(ニュースウイーク日本版による。https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/07/2123013100.php)
朝日デジタル(https://digital.asahi.com/articles/ASN7P74P3N7PUTIL01D.html?iref=comtop_urgent_img)による

朝日デジタルが2020年7月21日19時11分に投稿した「4連休は『不要不急の外出控えて』 小池都知事呼びかけ」の記事によると、東京都の小池百合子都知事もやむなく、「新型コロナウイルスの感染者が東京都内で増加する中、23日から始まる4連休について、小池百合子知事は21日、都民に対して「不要不急の外出はできるだけ控えていただくよう呼びかける」と述べた。新型コロナを担当する西村康稔経済再生相との会談後、報道陣に明らかにした」という。

東京都が21日午後20時30分に更新したモニタリングデータによると、陽性率は上昇傾向にあるし、PCR検査もシンガポールなど他の東アジア諸国に比べれば極端に少ない。

本来、都道府県各地方自治体の首長はまず、現在の新型コロナウイルス感染確認者の検体を採取し、地方衛生研究所を通して国立感染研究所に送り、その遺伝子構造(ゲノム配列)を詳細に調べる必要が在る。そして、エピセンターが生じているなら、エピセンターを特定し、大規模な抗原・抗体・PCR検査を行って、感染者を特定し無症状患者を隔離するとともに、感染症学、制御工学、情報工学など最先端の技術を駆使して、適切な治療を行わなければならないところだ。

ところが、東京都では世田谷区(社民党から転じた保坂 展人=ほさか のぶと=区長)が全国抗体研究協議会と連絡を取りながら、東京都の財政的支援なくそうした動きを行っているだけだ。21日に日本共産党の田村智子副委員長兼政策委員長が「与野党連絡協議会」で質したところ、厚生労働省や内閣府では各地方自治体からホームページやファックスであげられてきたデータを紙の上で足し算しているに過ぎないという。

こんな旧態依然、大昔のやり方では、現在の日本の新型コロナウイルス感染の詳細を把握することは不可能だ。政府の対策本部に設けられた「専門家分科会」は何をしているのかと問いたい。

政府=安倍晋三政権に良識があれば直ちに、安倍首相が追求されることを恐れて開かないことに決めた臨時国会を開き、野党の質疑に対して誠実な回答を行い、国民の不安に応えるべきだ。ただし、疑惑のデパートと化し、しかもその多数の疑惑隠しを行っている安倍政権のことだから、同政権の「良識」は期待できない。

それなら、日本国憲法第五十三条「内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない」に従って、臨時国会召集を求めるべきだ。6月10日に沖縄県の那覇地裁が「日本国憲法53条に基づく内閣の臨時国会の召集は『憲法上の要請に基づき行う必要がある』とし『これは単なる政治的義務と解されるものではなく、憲法上明文をもって規定された法的義務』と指摘。『臨時会を召集するかしないかについて、内閣に認められる裁量の余地は極めて乏しい』とし、条文上、召集の時期は決められていないが『召集時期に関する裁量も必ずしも大きいものとは考えられない』という裁判所としては初の判断を示した。

ただし、政府=安倍政権は野党側が国会に設置された各種委員会での質疑・答弁を求める通常開かれる臨時国会の召集を求めたのに対し、安倍政権は召集はしたものの冒頭で解散・総選挙を行うという暴挙に踏み切った。このため、野党側としてはこれに対抗する体制を敷いておかなければならない。

現在、立憲民主党が国民民主党に対し、事実上の吸収合併を行う「立憲・国民再合流」工作を行っているが、まともな政策協議を行うこともない。特に、玉木雄一郎国民代表の消費税減税を含む積極財政への政策の抜本転換の主張には聞く耳を持っていない。立憲は政治屋であることを維持するためだけの単なる野合を国民に求めているに過ぎない。

これでは、解散・総選挙に持ち込まれたら国民の関心は全く高まらず、コロナ禍の中で投票率もさらに下がることが予想される。「野党」と称する政党の完敗になる公算が高い。コロナ禍の緊急事態を逆利用して、形だけの民主主義も最後に崩壊し、憲法に「緊急事態条項」を盛り込む憲法改悪がなされて日本は事実上の独裁国家になる公算が大きい。

やはり、①プライマリーバランス論に象徴される緊縮財政から大胆な積極財政への転換②改正インフル特措法の「改悪」ではなく、「自粛・休業陽性」とセットにした「補償の明記」と「行政検査の見直し」を柱とした「改正」と②国民の幸福を前提とした生存権の保証(消費税は減税から廃止へ、最低賃金は大幅に引き上げる)③原子力緊急事態がまだ解除されておらず、放射性廃棄物の処理が不可能な原発の即時稼働停止(福島第一原発の「処理水」という名の汚染水は、汚染水を貯めていたタンクの敷地に余裕がなくなったため、福島県沖の海洋に捨てれられる方向だ。取りあえずは、チェルノブイリ方式=巨大なコンクリートの石かんで、破壊された原発施設を覆う方式を採用する)−など、共生主義を理念とした政策連合を形成しておかねばならない。

財源論が問題になるが、ケインズ経済学を貨幣の歴史的・実務的分析を明らかにして現代的に再編した「現代貨幣理論(MMT)」が基礎になるだろうが、財務省はこっそり認めているものの、現状では広範な理解を得るのには時間がかかる。取りあえずは、財政問題に留意した財源論を準備しておく必要が在るだろう。

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