29日の国内新規感染者は初の千人台の1259人、野党憲法53条に基づき臨時国会の召集要求書31日に衆院に提出

週央29日の新型コロナウイルスの新規感染確認者は初の千人台に上る1259人、大阪府は221人、愛知県は167人と過去最多になった。これまで感染者が出なかった岩手県でも2人の感染者が確認された。東京新聞7月30日付1面記事によると、東京都では7日間の移動平均のため陽性率は6.5%に減少したが、入院患者は前日よりも増え、重症患者も前日の18人から22人に増加し、全体として次第に増加しつつある。全国的に感染の第2波に直撃されている。このため、野党側は日本国憲法第53条の規定に基づき、週内に臨時国会召集の要求書を衆院に提出する。政府=安倍晋三内閣は今のところ、憲法に違反して臨時国会を召集しない意向と伝えられるが、召集しないようでは退陣いただく以外にない。

◎追伸:TBSテレビが7月30日午後12時28分に伝えたニュースによると、同日の新型コロナ確認確認者は360人を超えることが分かった。NHKのサイトでは、7月30日 13時49分の報道で過去最多の366人だとしている。小池百合子都知事率いる東京都は、酒による「接待を伴う飲食店」などで感染が拡大しているといういつもの説明に終始し、「感染拡大特別警報』の状況だ」としている。そのうえで、営業時間の短縮を要請し、要請に応じた飲食店には協力金を支給する方向で検討しているという。これには、後述するように疑問がある。なお、全国レベルでは午後19時の段階で昨日29日を上回り、最多の1266人となっている。

朝日デジタルが2020年7月30日午前1時44分に「感染者が初の1千人超え 大阪の陽性率10%台に上昇」と題して投稿した記事によると、「大阪府では221人の感染が確認された。28日に続いて2日連続で過去最多を更新し、初めて200人を超えた。このうち約7割の感染経路がわかっていない。感染者は年代別では、30代以下が67%、60代以上は18%で、若者が大半を占める。直近1週間の陽性率の平均は10・1%に達し、4月末以来3カ月ぶりに10%を超えた」。

大阪府の人口は6月1日時点で882万4394人で、同時点の1399万9568人の東京の63.0%。29日の東京都の感染者数が250人だから、その63.0%は158人。人口当たりに換算すると、大阪府の221人は東京の158人より多く、コロナ禍対策で政府=安倍政権をリードしてきたと「評価」されてきた大阪府の吉村洋文知事(日本維新の会副代表)にとっては、このところ新規感染者数が急増していただけに、衝撃のはずだ。吉村府知事と大阪市の松井一郎市長(日本維新の会幹事長)らと協議して、10万円の休業補償金を定期的に出し、休業要請に踏み切ることも検討している。

一方、東京都の小池百合子都知事は、「新型コロナウイルス対策完備ポスター」を店舗を中心に張り出すことを「条例」として定める意向だという。いずれにしても、7月5日の東京都知事選挙前から東京都、埼玉県で新規コロナウイルス感染確認者が急増し始めた原因や専門家からは第二波と指摘されている今回のコロナウイルス拡大の原因とウイルスの遺伝子解析による感染力の強度、毒性の強度など最も基本的な内容の調査・公開、感染集積地(エピセンター)の明確化など感染の全体像を示し、防疫体制の確立と都民・府民の生活を守るという行政のの本来の使命からは程遠い。





要するに、政府=安倍政権の無策とは変わらない。あくまでも参考程度だが、時事通信社の7月の世論調査では、日本維新の会の支持率は急落している。

首相官邸での経済財政諮問会議(官邸のサイトhttp://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/202007/30keizaishimon.html)より

時事通信社のサイト(https://www.jiji.com/jc/article?k=2020071700765&g=cov&p=20200717ax06S&rel=pv)による

ただし、支持率が急落しているのは、日本維新の会だけではない。どの政党も軒並み急落し、「支持政党なし」の政治不信・政策不信が急増している。なお、重要なことは安倍首相が事実上雲隠れしているのは、「Go To トラベル」キャンペーンを前倒し実行したことなどから、国民をわざと感染させて「集団免疫」を獲得させるという戦略に転じたとのうわさも出ているほどだ。事実、Youtubeでは日本の「集団免疫獲得成功」との番組を流すチャンネルもある。ただし、この「集団免疫獲得戦略」はコストが少なく、効果があれば良いが、大きな犠牲を伴うというのが偽らざるところだ。最初にこの対策を取った英国は犠牲者(死亡者)が多すぎて、集団免疫獲得戦略を撤回した。

新型コロナウイルス関連の情報をリアルタイムで公開しているhttps://www.worldometers.info/coronavirus/によると、グリニッジ標準時刻で7月29日午後23時03分現在、人口が2019年で1023万人と東京以下のスウエーデンでは、7万9782人が感染し、5730人が死亡した。人口100万人当りでは7896人が感染、587人の死者が出ている。死亡率は7.4%だ。日本は、①東アジア地域に所属しているため交差免疫(各種のコロナウイルスに対する免疫力)が根付いている②PCR検査人数が世界最下位であること−などから、人口100万人当たりの死亡者は8人と少ないが、それでも東アジア諸国では、インドネシア、フィリピンに次いでワースト3位だ。7月29日午後23時20分 時点で、日本人の日本国内だけで3万3576人の感染が確認され、死亡者は1264人で、死亡率は3.76%。世界全体の感染確認者数1714万8059人のうち、死亡者66万8804人だから、世界全体での死亡率3.90%とそれほど違いはない。

東京都中央区にあるさいとう内科・循環器クリニック(https://saito-heart.com/column/%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%97%87%E3%81%A8%E9%9B%86%E5%9B%A3%E5%85%8D%E7%96%AB%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6)によると、「今コロナウイルスでは1人の感染者が2-3人に感染を伝搬させると言われている(再生産数2-3)。この流行を終息させるためにもし人口の60-70%の人にコロナウイルスの免疫力があれば、1人のひとから1人しか感染者を出すことができないため、やがて流行が終息していくことになる」としている。

この過程の下で、単純に計算をしてみると、今年7月1日時点での人口推計値では日本の人口は1億2596万人。だから、さいとうクリニックの見立てでは、1億2596万人×60%×3.76%=284万人が死ななければならない勘定になる。異常な事態ではないか。また、PCR検査人数が世界最下位と信じられない少なさである。保健所はスルーして、通常の医療保険による医療行為の一環として検査が受けられるようにして、大学や民間調査機関の力を借りれば、感染者数や死亡者数(死亡率)、陽性率も本当の姿に近づき、「集団免疫獲得戦略」の問題点も明確になるだろう。概して、新型コロナウイルスについては、集団免疫獲得戦略は犠牲が大きすぎるため、あまり評価されていない。

しかし、政府=安倍内閣のコロナ禍体格を見てみると、国民が疑問に思う「Go To トラベル」の繰り上げ強行(除外された東京も団体旅行の責任者が東京に住民票がなければ可能という抜け道を作っている)で集団免疫路線に転換したような無策ぶりだ。森友・加計学園問題から始まって不況突入時の昨年10月の消費税増税、コロナ禍対策の支離滅裂さ、集団免疫獲得路線に転じていると思われるようなコロナ禍対策の最重要の問題に至るまで、問題山積の内閣だ。

こんな具合だから、マスコミの世論調査では概して高めの支持率になる内閣支持率だが、時事通信社が発表した7月の世論調査でも「安倍内閣の支持率は35.1%、不支持率は46.2%だった。不支持が支持を逆転したのは3カ月連続。新型コロナウイルス感染拡大をめぐる政府の取り組みについては「評価しない」が46.0%で、「評価する」の33.1%を上回った」とせざるを得ない。

時事通信社(https://www.jiji.com/jc/article?k=2020071700765&g=pol)による

まずはコロナの第二派、九州熊本県・大分県の集中豪雨被害への対策が中心だが、森友・加計疑惑から桜を見る会前夜祭問題、広島県の河井克行前法相・河井案里夫妻の逮捕・収監という前代未聞の大不祥事、これにかかわったと見られる河井陣営への自民党本部からの1億5000万円の拠出の問題など、政府=安倍政権が野党を通して国民から追及されなければならない問題は山ほどある。このため本サイトでも指摘してきたように、臨時国会召集は待ったなしだ。野党は29日に、自民党の森山裕国対委員長に対して臨時国会の召集を申し入れ、週内には日本国憲法第53条に基づいて週内に臨時国会召集の要求書を衆院に提出する。

日本国憲法は第99条で、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」と定めている。憲法(当然、憲法に基づく法律をも)をまず守らなければならないのは、権力側の首相を始めとする閣僚である。閣僚は、日本の政治体制(議院内閣制)から言って与党(主として自民党)から選ばれるから、政府・与党とも憲法に従わなければならないことは当然だ。第二次安倍政権の発足以来、野党は2015年10月と2017年6月に臨時国会の開催を要求したが、2015年10月の要求は無視。また、2017年6月の要求には、9月28日に臨時国会を召集し、冒頭解散を行うという暴挙を行った。

これに対して、野党側が沖縄県の那覇地方裁判所に持ち込み、那覇地裁は「(臨時国会召集を受けた内閣には召集の)義務があると解される。(召集しなければ)違憲とされる余地はある」と安倍内閣の取った措置の是非には触れずに、一般論を述べるだけだったが、それでも内閣の不作為に「憲法違反の余地がある」と認定したことは大きい。不作為を再三続ければ、内閣は総辞職に追い込まれるだろう。また、コロナ禍に集中号不災害が起こり、国民が生存権を覆される事態に陥っていることから、総選挙では大敗を覚悟しなければならない。安倍内閣は、退陣前に国民の前に良心を見せるべきだ。


なお、日本のコロナ禍は天災に加えて、政府=安倍政権の真剣な対応がなく、支離滅裂な「対策」に終止したことから人災でもある。コロナ禍対策の誤りの原因のひとつは、強い感染力を持ったウイルスと最先端の遺伝子工学や情報工学、制御工学に対応できていない古ぼけた感染症法にある。東大先端科学技術センターに所属し、大学や民間の検査機関で構成されている新型コロナウイルス抗体検査機利用者協議会のリーダーである児玉龍彦東大名誉教授によると、コロナ禍第一波で問題視されなかった無症状の感染者が多数集まっている(集積している)場所が、大量に新型コロナを放出する「感染震源地(エピセンター化)」し、首都圏から首都圏外に新型コロナウイルスが持ち込まれ、第二波が発生したと指摘している。この見解は、国会の参考人招致で陳述、テレビでもインタビューを受けて報道されている。現段階では、児玉東大名誉教授の見解が最も妥当と思われる。

児玉東大名誉教授は7月16日に「新宿区のエピセンター化を防げ」というデモクラシータイムスの対談番組で既にこのことを明らかにしている。要点を下図に示させていただきたい。

下図は、現行の「積極的疫学調査」と「自粛要請」では、コロナ対策としては原意があることを示したものだ。

現行のコロナ禍対策の抜本転換を図る必要性を図示したものが下図だ。特に、現在の検査制度は感染症法第15条による「積極的疫学調査」という名の行政検査になっているため、国立感染症研究所、地方衛生研究所、国または地方自治体傘下の保健所にしか検査の権限が与えられておらず、「補助的」に保健所が認可もしくは依頼した医療機関でしかPCR検査、抗体検査などの検査が行えないことになっている。この検査独占体制が、人口ベースでの検査人数が世界第157位という考えられない事態をもたらしている。

いずれにしても、旧態依然とした感染症法に基づく「積極的疫学調査」では、現下のコロナ感染第二派は防げないだろう。精密抗体検査とPCR検査を適宜併用し、保健所に縛られない大規模な検査体制を築き、防疫体制を確立することが必要だ。また、コロナ禍は経済にも多大な悪影響をもたらしいる。エピセンターから発生した感染の第二波の防止を最優先させ、そのうえで経済活動を徐々に再開させていくということが、求められる、ただし、コロナ禍対策の抜本的転換が遅れれば遅れるほど、事態を収拾することが困難になる。状況によっては再度、改正インフル特措法による「緊急事態背現」を再発令し、「休業補償付きの営業自粛」を求める必要が出てくる。その場合は感染集積地(エピセンター)を突き止め、PCR検査と抗体検査などで全員検査し、感染確認者の隔離と保護・治療を行うとともに、防疫体制を確立する必要がある。自粛と自粛緩和・撤廃を繰り返しても、悪循環に陥るだけだ。

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