国民分党合流、実質立憲吸収も期待できない「二大野党」合流(一部改正・追記)

国民民主党の玉木雄一郎代表が11日、党内に立憲民主党への合流に反対する勢力が根強いため、国民を分党して立憲を合流することを決断した。しかし、「合流新党」も①日本を破壊した新自由主義との完全な決別②積極財政と消費税廃止を見据えた抜本的税制改革③原発稼働即時停止④連合との決別−を打ち出せない限り、国民の期待と支持は確保できない。総選挙での投票率は上がらず、第二の「社会党」になるだろう。

◎追伸:本日8月12日新型コロナ感染者数は、東京では午後15時の時点で222人。朝日デジタル12日15時30分公開記事によると、「発表される感染者数はおおむね3日前の検査の結果を反映しているといい、9日の検査件数は速報値で1132件」とあるから、推測だが陽性率は19.6%。推測にしか過ぎないが、憂慮される。民法も検査人数を明らかにしているが、NHKのサイトは報じていない。東京都は速報値もサイトで公開すべきだ。全国では20時30分の時点で977人。沖縄県では県民65人(累計1307人)、在日米軍基地3人(同320人)の新規感染者が確認され、レベルを最高度の「感染まん延期」に引き上げることを検討中のことという。
なお、広島地裁での「黒い雨」訴訟で原告側勝訴の判決が出たことに対し、安倍晋三首相、加藤勝信厚労相は広島県、広島市を操って最高裁まで争うという意思を表明した。河井克行前法相、河井案里参院議員の起訴があったが、主犯と言われる自民党本部の最高責任者まで検察の捜査が及んでいない。検察が首相官邸と手を打ったと見られているが、広島県の政界は大混乱していたがこれも不問にしている。検察を使って広島県、市に圧力をかけている可能性がある。いずれにしても、原告側の年齢や地裁判決に照らす限り、暴挙だ。特に、国民の声明を守る加藤厚労相にはあきれてものが言えない。

国民の泉健太政調会長(細野豪志衆院議員=自民党二階派の客員会員で自由民主党・無所属の会所属、集団的自衛権容認=とも親しい)らの反対もあり、なお紆余曲折が予想されるが、玉木代表が分党を決断したのは、①前原誠司衆院議員(松下製軽巡出身・新自由主義者が多い)ら東征を目論む日本維新の会との合流を目指す勢力が立憲との合流に根強く反対している(前原衆院議員は分党を評価)②合流賛成派が早期合流決断を求める署名活動を行っている②代表戦では立憲の枝野幸男代表に破れ、執行部が立憲出身議員中心の構成になり、来る総選挙での「自公政権反撃体制」を含め、合流新党運営の主導権を握られる公算が大きくなってきた−ためであると推察される。

枝野幸男立憲代表と玉木雄一郎国民代表

枝野幸男立憲代表と玉木雄一郎国民代表(https://www.j-cast.com/2020/02/26380671.html?p=allによる)

国民の始まりは、東京都議会の地域政党「都民ファーストの会」(東京都知事・小池百合子の支持基盤)が都議選圧勝を受けて国政進出することになり、小池都知事に近い議員が中心となって2017年(平成29年)9月25日に結成された「希望の党(実質的には絶望の党)」にある。当時、民進党の前原誠司代表が小池百合子都知事と組み、「安倍晋三政権を打倒する」(安倍晋三首相に憲法改正するから首相の座を明け渡せと要求していたとの観測が流れた)ために民進党と希望の党の合流が画策されたが、この時、小池都知事の記者会見でジャーナリストの横田一氏が「民進党内のリベラル派を排除するのか」との誘導質問に「排除する」と明言した。

このため、民進党は蜂の巣をつついたような騒ぎになり結局、民進党から枝野幸男氏らがリベラル派議員を連れて民進党から分裂、立憲民主党を立ち上げた。残る前原代表ら「右派」の民進党議員は小池百合子都知事とともに希望の党を結成した。しかし、排除の論理が「反安倍政権」の国民の期待を裏切ることになり、同年10月22日に行われた第48回衆議院議員総選挙では、①「排除の論理」が「自民党」の悪政に反対する国民の期待を裏切ることになった②国民の支持が期待できなくなったことから、共同代表だった小池都知事が人生をかけた信念の「自分ファースト」を貫き、「都政に専念する」ことを理由に総選挙に立候補しなかったことや選挙運動を行わなかったし、できる状態にはなかった−などから、公認候補235名のうち小選挙区で18議席、比例代表で32議席の50議席の獲得に留まった。そして、野党第一党は54議席を獲得した立憲民主党となった。

どんぐりの背比べのようなものだ。

しかし、立憲では事実上の枝野独裁体制が敷かれるようになり、次第に安倍政権の悪政を理解している日本国民の支持を失っていった。同時に、今年7月5日の東京都議選では、国民の支持基盤であり、政府=安倍政権を支持する日本労働組合総連合会(連合)傘下の連合東京が、自公両党と同様に現職の小池都知事を応援したことから、連合がやはり御用組合であることを改めて自ら明らかにするなど、国民が国民の安倍暴政政権にまともに反対する「確かな野党」ではないことがさらに明確になった。なお、玉木代表は「消費税率5%」への引き下げを主張したが、①税率引き下げ期間は1年限りでしかない②価格支配力をもたず、消費税を価格に転嫁できない下請け企業には赤字企業でも代理納税しなければならないうえ、輸出大企業は膨大な還付金を受け取ることができる悪税であり、将来は原則廃止すべき税制−などの深い認識がなかった。

このため、立憲、国民とも政党支持率は凋落の一途である。政府=安倍政権の広報紙と揶揄される読売新聞社が今月行った世論調査でさえ、内閣支持率が54%まで上昇、不支持率が37%まで下がったことが注目されたが、政党支持率では公明党が半減、日本維新の会も1ポイント低下したが、不思議なことに自民党が1ポイント上昇するという摩訶不思議な調査結果になっている。また、立憲や国民の支持率も横ばいで、国民の期待ははっきりいってない。

読売新聞社が行った8月の世論調査

読売新聞社が行った8月の世論調査(https://www.ntv.co.jp/yoron/)より

なお、日本共産党はコロナ禍対策が評価されたと見られ1ポイント上昇した(ただし、スターリン主義は批判するが弁証法的唯物論・史的唯物論・資本論の理論的総括は行っていない)が、れいわ新選組は0%になっている。これは、「政治が国民の生命を選別すべきだ」と発言した大西恒樹構成員への処分(最終的には除名処分)が遅れたことを反映した結果と見られる。いまだに、山本太郎代表からの公式の発言はなく、支持者を中心とした国民に対して今後の党運営について、代表としての見解を分かりやすく説明する記者会見を開き、行うべきだろう。れいわと立憲は言わば、「仲が悪い」。日本維新の会も吉村洋文知事が「大阪方式」なるものを導入したが、新自由主義に基づいて府内の保健所を切り捨てたりしたほか、PCR検査の大規模実施や医療機関の再建対策を行う意思を表明していないため、大阪府でのコロナ禍対策に失敗し、支持率は急落している。

自民党は前原衆院議員が引き連れて分党して吸収されることになると予測される日本維新の会と組み、実質的に「敵基地先制攻撃策」を柱に国家安全保障政策の憲法違反大転換を行う公算が大きい。公明党は敵基地先制攻撃論に一応、反対しているが、自民党は同じ新自由主義に立ち、いわゆる「保守反動」の性格を持つ「日本維新の会」と親和性が強いから、公明党は切り捨てても構わない。公明党としては、切り捨てられることを恐れて、最終的には「敵基地先制攻撃策」を柱にした国家安全保障政策の憲法違反の大転換に賛成を余儀なくされるのではないか。創価学会を支持基盤に持っているから、まともな世論調査なら支持率が半減するなどのことは有り得ないが、創価学会会員としても婦人部を中心に現在の自民党べったりの山口那津男率いる公明党に批判的な勢力が増加してくるだろう。

こうした状況だから、立憲と分党した「リベラル」系の国民民主党議員が合流しても、国民の期待と支持が高まることはない。枝野代表は新自由主義は批判しているものの、未だにその政策敵柱になっている最悪の税制である消費税に対して抜本的な批判を行っていない。自民党の悪政・暴政の根本原因は理念としての「弱肉強食(自己責任という名の弱者切り捨て)の新自由主義」であり、政策としての「緊縮財政」なのである。この政策を自民党が2000年代の小泉純一郎政権から(竹中平蔵パソナグループ取締役会長、オリックス社外取締役[1]、SBIホールディングス社外取締役、森ビルアカデミーヒルズ理事長、日本経済研究センター研究顧問の頭を借りて)加速してきたことが、日本経済の長期低落の根本原因となっている。その結果、日本の世界経済に占める経済規模はどんどん低下している。

コロナ禍で米国は新自由主義とともに凋落しているが、中国はともかくも新型コロナウイルスを制圧しており、GDP上位ランキング国では唯一、2〜3%の経済成長率を確保する見通しだ(ただし、6%以上の成長がなければ「赤い資本主義国」であるだけに貧富の格差はさらに拡大する)。このままの状況が続けば、内容はともかく、世界一の経済・軍事大国になる可能性を否定できない。ただし、清に続く「中国共産党王朝」のままだと、清が滅びたように確かな未来は保証されないだろう。

コロナ禍対策も含めて最も重要なことは、理念としては共生共栄博愛主義への抜本転換であり、政策としては①プライマリーバランス論(政策支出を税収の範囲内で行う)の停止②積極財政と消費税廃止を見据えた抜本的税制改革と社会保障費などのプログラム支出は切り捨て国政選挙で勝つための利権支出は拡大している歳出構造の徹底的改革③感染集積地(エピセンター)制圧のためのPCR検査などの重要な検査の大規模な実施を柱とした抜本的なコロナ禍対策の提示③原発の即時停止④消費税増税を求め、原子力発電所は安全性の面でもコストの面でも最悪ということが世界の常識になっているのに、未だにガラパゴス的に原子力発電所に固執する御用組合の連合との決別−が必要である。

こうした理念と政策を掲げて「確かな野党」が大同団結しない限り、酷使されている非正規労働者(今や勤労者の50%近くを占めるに至っている)を中心とした国民の理解と支持は得られず、投票率も50%程度に低迷することは確実だ。まずは、低投票率を防ぐためにコロナ禍の下では解散・総選挙をさせないことが第一。そのうえで、「確かで大胆な政策」を掲げ、投票率は最低でも65%に上昇できるよう、「無党派層」という名の政治不信・政治絶望層の信頼を回復することが重要だ。第二の「社会党」を目指してはいけない。

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