エピセンターでの全員検査を中心に大規模検査を徹底化しコロナ不況の恐慌への暗転防げ

8月10日、11日の新型コロナ感染確認者は高水準ながらやや少なかったが、12日は前2日より多かった。コロナ感染の第二派が襲来・感染拡大していることは明らかだ。都道府県の各地方自治体は少なくとも、政府コロナ感染症対策本部会分科会(「専門家会議」から格下げ)が示した6つの数値を公式に発表し、感染拡大状況を国民・住民に正しく伝えるべきだ。「感染拡大は自己責任で」というのは新自由主義そのもので、政府のあいまいで支離滅裂な対応(憲法違反の臨時国会召集拒否など)では、経済活動の再開さえ不可能になる。政府=安倍晋三政権も都道府県も感染拡大状況を国民・住民に正しく知らせ、早急に手を打たないとコロナ禍大不況が大恐慌に暗転する可能性が高くなる。

◎追記:13日の新規感染者は、複数のメディアによると東京で午後15時、2日連続の200人台の206人。朝日デジタルによると「都が発表する感染者数はおおむね3日前の検査結果を反映しているといい、10日の検査件数は速報値でピーク時の3分の1以下の1698件」。これから単純推測すると陽性率は12.1%。10%を上回っているフシがあり、入院態勢厳しくなりつつあることから、推測だが「感染急増」から「感染爆発」のステージへの移行段階の様相。全国では午後22時30分の時点で再び千人を突破し、1176人の新規感染者と10人の死亡者が確認された。沖縄県は県民だけで97人の感染者が確認され、警戒レベルを最高レベル(第4段階)の「感染まん延期」に引き上げた。ただし、対策としては「自粛要請」しか打ち出せていない。

朝日デジタル、NHKなど大手メディアの報道によると昨日12日の全国の感染者は979人とまた千人台に迫った、東京都は222人で3日ぶりに200人台に乗せた。全国でも最も厳しいのは、沖縄県だ。NHKが8月12日20時02分に「沖縄 新型コロナ 警戒レベル『感染まん延期』に引き上げ協議へと」と題して報道した記事内容によると沖縄県民の新規感染確認者は65人(累計1307人)、在日米軍基地感染者は3人(同320人)。「11日までの直近1週間の感染者数は、人口10万人当たりで沖縄県が41.52人と12日連続で、全国で最も多くなっていて、2番目に多い東京の15.95人の2倍以上となっています」。感染者は人口100万人/10万人当たりで把握するものだが、沖縄県は全国最悪だ。

沖縄県庁・那覇市役所
沖縄県庁・那覇市役所(https://skyskysky7.hatenablog.com/entry/2014/12/05/153330にわる)

医療体制の逼迫も懸念され、「現在294人が入院中で、このうち集中治療室での治療が必要な重症者が11日より1人減って11人、酸素吸入が必要な中等症が71人となっています。県内で確保できている重症者向けの病床の利用率は47.8%です」。他の感染者はホテルや自宅で療養していると見られるが、最近は自宅内感染が多発している。コロナ感染症以外の重症の方もおられるから、近いうちに沖縄県の医療体制は危機に瀕することは確実だ。本来は内閣、総務省と厚労省が支援するべきだが、県民が「辺野古基地建設反対」の意思を表明しているため、政府=安倍政権にとっては基地建設を「妨害」したとみなし、見せしめのため何ら関与していない可能性もある。日本国憲法が規定している「生存権の保証」を踏みにじる憲法違反の政府になってはならない。しかし、過去の悪政・暴政から推測すると、不可能な話だろう。

さて、大手マスメディアの仲にはNHKのように日ごとの感染者しか伝えないメディアもあるが、朝日デジタルのように「感染者数はおおむね3日前の検査結果を反映しているといい、9日の検査件数は速報値で1293件と、ピーク時の5分の1ほどだった」と補足するメディアもある。「感染確認者」はPCR検査などの検査件数に大きく左右されるから、この数字だけでは国民には詳細は不明だ。ここはやはり、政府のコロナ感染症対策本部の分科会が示した数値をもれなく公表すべきだ。下図の内容である(毎日新聞のサイトhttps://mainichi.jp/articles/20200808/ddm/001/040/142000cより)。

新型コロナウイルス感染症の流行状況の指標
新型コロナウイルス感染症の流行状況の指標(https://mainichi.jp/articles/20200808/ddm/001/040/142000cによる)

都道府県にによって、感染状態として公表する数値は異なるが、できるだけ早くシステム化(コンピューター処理化)して、政府(官邸と厚労省)と都道府県で共有した方が良い。政府も都道府県がバラバラの対応を取っていては、正確な感染状況の把握と正しい感染防止対策に問題が生じる可能性がある。ただし、基本はステージ3(感染急増段階)とかステージ4(感染爆発段階)に移行しないようにすることが基本だが、すでにそれらの状況に達している都道府県も存在すると思われる。特に、医療機関の逼迫状況については、地方自治体が現場の声を正しく拾い、厚生省に報告する(突きつける)ことが不可欠。そうしないと、政府=安倍政権が正しく把握しない可能性があるが、聞く耳は持たないのだろう。

これ以上の感染を防ぐためには、①感染震源地(エピセンター)は全員検査②地方自治体の職員や警察・消防、郵便局、医療機関、介護施設、電機・ガス・水道など社会インフラを支える職場の職員や社員なども全員検査③それ以外の地域では、住民の希望に応じて保健所を介さずに近場のかかりつけ医やその紹介検査センターで検査する体制を早急に確立する④検査機関も「積極的疫学調査」という名の行政検査で厚労省と国立感染研究所を調査とした行政機関が独占するのではなく、大学や民間の調査期間も含めた検査機関をフル活用できるように法律・政令・省令を整備する⑤陽性判定者の保護施設を確保する−などの対策を早急に行わなければならない。

それだけでも、臨時国会は早急に召集しなければならない。那覇地裁の6月の判決の判決は「合理的機関内に少々する法的義務がある」とし、召集までの期間についての「最良の幅は限定的」と判断している。当たり前の判決だ。自民党の改憲草案のQ27では「20日以内に召集しなければならない」としている。しかし、政府=安倍政権は、裁判は内閣が任命した最高裁判所ですべてひっくり返せるから、地方裁判所の判決など問題にしてないのだろう。しかし、それでも不服なら控訴しなければならない。

萩生田光一文科相率いる文科省は当初、「知らぬ存ぜぬ」を貫いていたがさすがにここに至って、大学などの検査可能な機関を開放するようだ(「PCR検査拡充へ大学保有の機器活用 文科省 新型コロナ」)。さて、ここからが本題である。デモクラシータイムスの「どうするポストコロナの日本(https://www.youtube.com/watch?v=xNsyJOR7EKw)」で立教大学特任教授が行った基調説明によると、遺伝子工学(ゲノム解析)に詳しい東大先端科学技術研究所の児玉龍彦東大名誉教授からの情報として、国立感染研究所は日本だけが襲来を受けているコロナ第二波のコロナウイルスの遺伝子解析情報を公表しなかったようだ。

金子特任教授はまた、「コロナ感染拡大予防策と経済活動」の両立は有り得ず、まず徹底的な大規模検査を行い、無症状感染者と軽症感染者は保護と療養、中等以上の症状の患者は医療機関での治療が必要で、先にそうしないと経済活動の再開も不可能になるとのことだ。サイト管理者もこの考えに賛成する。というより、当たり前のことだ。なお、ロシアと米国でワクチンが開発されたとの報道が大きくなされているが、まだ「抗体」が出来たという段階。これは、ワクチン開発の第二相であり、その次に第三相の数万人規模での治験(①抗体の免疫力の強さ②抗体の副作用(ADE反応、抗体が逆にヒトの正常細胞を攻撃するかどうか)の有無−などの確認)を行い、確かなワクチンであることを確認する必要がある。

医療ガバナンスの研究所の上昌広理事長や児玉東大名誉教授ら、政府=安倍政権のコロナ禍対策に疑問を呈している専門家の間では、効果のあるワクチンの早期開発には懐疑的だ。中国広東省で2003年に発生した急性呼吸器症候群(SARS)を引き起こしたSARS-CoVウイルスに対するワクチンはまだ開発されていない。もし、確かなワクチンなら、今回の新型コロナウイルスは米国が仕掛けた可能性が強い。武漢市で新型コロナが発生する数カ月前にビル・ゲーツ財団を含む国際会議が開かれ、今回の新型コロナウイルス問題を驚くほどの正確さで予測していたからだ。

さて、新型コロナ第二波に直撃されている現在の日本の新型コロナウイルスは武漢型とも欧米型とも異なるようだ。ロシアや米国で開発されたと言われるワクチンも日本で使用可能か、人体実験にならないよう日本で慎重に確認する必要がある。なお、デパートやコンビニでも感染する可能性があることに注意。例えば、コンビニ最大手のセブンイレブンでは従業員に新型コロナ感染者が発生したことを明らかにして、対策を講じている(https://www.sej.co.jp/company/coronavirus.html)しかし、資本力のあるデパートやコンビニでは情報公開を行うが、中小の店舗では情報公開しないところもあるようだ。第一次、第二次コロナ禍によって、中小企業、零細企業は大きな打撃を被っており、自主廃業や倒産に追い込まれる企業が異常に多発している。

なお、今年第2・四半期の実質国内総生産(GDP)は8月17日の午前8時50分に内閣府より発表されるが、金子特任教授などによると、データが改ざんされる可能性も否定できないという。マイナス成長でも意外に減少幅の少ないデータが公表されるなら、疑ってかかるべきだろう。ただし、長期にわたって虚偽のデータを公表し続けることはできない。データの整合性を問われるからだ。

さて、日常生活に不可欠なデパートやコンビニ、食料品店が閉鎖・廃業・倒産に見舞われたり、生産活動も自主閉鎖や倒産などで生産ができなくなると、輸入に依存しなければならなくなるが、サプライ・チェーンが切断されているうえ、決済はドル建てなので、供給には困難が生じる。一番懸念されるのは、食糧の確保だ。日本は新自由主義の影響もあり、農家の切り捨てを行い、輸入に依存する体制に変えてしまった。今後、食糧不足が大きな経済社会問題になる恐れがある。米国や欧州では農業保護政策が強力に取られている。

こうした供給力に問題がある場合には、現代貨幣理論(MMT)による積極財政は適用できなくなる。機能的財政論を提唱しており、積極財政の限度としてインフレ率を挙げているからだ。供給力が大幅に低下すれば、デフレ状況ではなくなる。だから、財政政策が効かなくなる場合も想定しておかなければならない。下手をすれば、大規模なスタグフレーション(失業者急増加の物価高)に陥る可能性もある。そういうことが予想される場合には、MMTが提唱している雇用保証プログラムを上図に応用する必要があるだろう。

特に、農林水産業に上手く応用すべきだろう。第一次産業は、国家安全保障政策の要(かなめ)だからだ。欧州の共通農業政策では、農業従事者は公務員扱いだ。日本も種苗法の改正などで外資(米国系多国籍業)に農業を譲るなどの反国家安全保障政策は止め、農家や農業従事者を地方公務員にして、手厚く保護すべきだ。

また、失業者も生産能力維持のため、雇用保証プログラムを応用して、生産能力を落とさないようにする必要がある。現在のコロナ禍では需要と供給がともに蒸発するというのが特徴だ。需要については、統合政府(政府と中央銀行)に通貨発効権があるため何とかなるが、供給力を失ってしまえばインフレ率が過大になり、MMTが指摘するように積極財政だけではどうにもならなくなる。

金子特任教授は「消費是率の5%への引き下げ」には問題があるとしており、反対だ。これは、消費税が実態としては「代理納税」の義務のある企業に対する課税になっていることを前提にしての持論である。価格支配力の弱い下請け企業は消費税を価格に転嫁できず(価格だけに左右されない性能面での優れた製品を開発・生産している下請け企業は消費税を価格に転嫁できる)、親会社から納入価格の引き下げを要求される。その場合は、赤字企業であっても代理納税をしなければならないという過酷な税制になる。

しかし、下請け企業が倒産しては生産能力が低下する。また、消費税率10%というのは、非正規労働者を中心に庶民に打撃を与えている。だから、日本経済の生産能力(供給能力)を低下させないよう工夫したうえで、①消費税率を取り敢えず、5%に引き下げ、赤字企業に対しては代理納税不要とする(免税措置)②消費税率を0%にする−のいずれかを選べば良い。また、今年は年4回に分けて代理脳性するということを止める。消費税は滞納率が一番高いが、14%程度の金利がつく滞納税のを廃止する必要がある。

これまではバブル崩壊→金融機関の破綻→実体経済への悪影響というパターンが続いてきたが、今回のコロナ禍では、①実体経済の悪化②金融機関の破綻③金融業界の大混乱の悪循環が生じるというパターンになるだろう。これを防ぐには、政府=安倍政権の「自己責任でコロナ感染防止」というコロナ禍「対策=無策」ではだめだ。これまで悪運に「守られてきた」政府=安倍政権の新自由主義政策に対置できる理念と「異次元の財政政策・税制政策・構造政策」を体系的に展開できる「確かな野党勢力の結集」が不可欠だ。

なお、れいわ新選組の山本太郎代表はしばらく音沙汰がなかったが、①党規約の改定②コロナ禍下の企業と国民の生活の実態把握③このコロナ禍の時には解散・総選挙はとんでもないことだが、政府=安倍政権が強行する場合に備え受けて立つための準備−などを行っていた。詳細は次のYoutubeの動画を視聴下さい。https://www.youtube.com/watch?v=iC_zR3_vmVw

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