JX通信社とABC朝日放送の「大阪都構想」世論調査で初めて前回比賛成派が増加、反対派が減少ー正確な情報が必要

JX通信社とABC朝日放送が10月17日、18日の土日にかけて行った5回めの世論調査で政令指定都市である大阪市を廃止し、4つの特別区に再編すること(以下、大阪都構想)の可否を問う住民投票(11月1日)の世論調査で、前回と比べ賛成が2.5ポイント増え、反対が1.9ポイント減り、調査開始以来初めて賛成が増えた。立憲民主党大阪府連は大阪都構想に反対しているものの反対の広報・街宣活動が弱く賛成に回る同党支持層の割合が次第に上昇し、前回は大阪都構想に反対した公明党が支持層=創価学会員に対する締め付けを強化していることが原因と見られる。反対派の大阪市議団も菅義偉首相・総裁の圧力を受けている。住民投票の結果は、大阪府・大阪市の発展を左右し、国政選挙にも重大な影響を及ぼすため、反対派は残る10日間で巻き返しを図る必要がある。

10月20日火曜日コロナ感染状況

10月20日火曜日の新型コロナ感染状況は、東京では1周間前の13日火曜日の166人より27人少ない139人だったhttps://www.fnn.jp/articles/-/61484)。厚生労働省の基準よりも少なくなる東京都独自基準の重症者は前日比変わらずの24人。全国では午後23時59分の段階で483人の感染者と2人の死亡が確認された。東京都のモニタリング(https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/)では、7日移動平均での感染者数は175.6人、PCR検査数は4030.1.件だかったから、陽性率は4.36%。東京都独自の計算方式では3.8%。感染経路不明率は55.41%。
東洋経済ONLINEhttps://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/)では、1019日時点の実効再生産数は東京都が前日比0.01人減少の1.01人、全国が同0.01人増加の1.03人だった。東京では前週の同じ曜日に比べて新規感染者数が少ない日が続いているが、まだ安心できる状態ではない。

Wikipediaによると(https://ja.wikipedia.org/wiki/JX%E9%80%9A%E4%BF%A1%E7%A4%BE)、JX通信社はツイッターを監視して、事件・事故などの投稿を自動で収集・判別し報道機関に配信するFASTALERT(ファストアラート)、個人向けのニュースのキュレーションサービス(特定分野のインターネット・サイトを紹介するサービス)であるNewsDigest(ニュースダイジェスト)、世論調査サービスなどを提供している。自社に記者を置かずネットからの情報収集に特化している仮想通信社。本社は東京都千代田区一ツ橋。

ABC朝日放送(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%9D%E6%97%A5%E6%94%BE%E9%80%81%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%93下図の画像も)は、近畿広域圏を放送対象地域とする地上波テレビジョン放送会社で、テレビ朝日系列。本社は大阪府大阪市福島区。

大阪府大阪市福島区にあるABC朝日放送本社

大阪府大阪市福島区にあるABC朝日放送本社

両者は今回の住民投票の世論調査(https://www.asahi.co.jp/abc-jx-tokoso/)を9月19、20日から行っており、今回は5回目。当初は賛成派が反対派に対して10ポイントリードしていたが、調査を行うごとに賛成派と反対派の差が縮まっていた。しかし。今回は初めて賛成派が前回の45.4%から47.9%へと2.5ポイント上昇した半面、反対派は42.3%から40.4%へと1.9ポイント低下した。5回の合計では賛成は1.2ポイント減、反対は5.1ポイント増となった。ただし、必ず投票に行く層では、賛成が49.4%、反対が42.7%となった。賛成と反対の差は6.7ポイントに開いている。

もとより世論調査であるから、参考程度ではあるが、賛成派が巻き返しを図っていることは確かだろう。しかし、賛成の大きな理由として、①二重行政解消が期待できるから②大阪の経済の成長につながるからーが示されているのは、常識的には考えられないことである。この点については、過去の投稿記事を参照して頂きたい。

しかし、二重行政については、2020年8月21日の大阪市議会本会議で、大阪市の松井一郎市長は「今、二重行政は無いんです」と語っている。また、府民・市民に幻想を與えるような「大阪都構想」に執着している理由として、「大阪の経済成長を止めるな」というスローガンを挙げている。しかし、大阪府、大阪市の「維新自治体」の成長はむしろ低下している。これは下図のグラフ(最下図は政府の公式統計)。賛成派が、こうした間違いを賛成の主要理由にするのは理解できない。地元の新聞やテレビなども「イメージ戦略」で世論捜査に加わっているのだろう。

維新政府で成長していない大阪

維新政府で成長していない大阪

維新政府で成長していない大阪

維新政府で成長していない大阪

データで見る「維新政府による大阪経済成長」の失敗

データで見る「維新政府による大阪経済成長」の失敗

なお、松井一郎大阪市長は、これまで大阪都構想に関する過去の記者会見や重要な資料なとのアーカイブを削減している(毎日新聞10月15日付、https://mainichi.jp/articles/20201015/k00/00m/040/275000c)。これは、れいわ新選組の山本太郎代表が大阪市御堂筋北口前のソーシャル・ディスタンス街宣で改めて明らかにしていることだ(https://www.youtube.com/watch?v=bqRWrRAXl3oの40分ころから説明)。毎日新聞の記事を引用させて頂く。「大阪都構想」に批判的な質問があった住民説明会、記者会見の松井市長による動画隠しが疑われている。

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前回39回行われた住民説明会は、新型コロナウイルスの影響で9月下旬から10月上旬に計8回に減らして実施され、質疑では批判的な意見も多く上がった。動画は当初、後日でも視聴可能、としていたが、市は12日の告示日になって、政治的中立性を確保する条例に準じ、投開票が終わるまで住民説明会や過去の定例記者会見の動画を削除。説明会の議事録は残したが、記者との質疑応答の掲載はやめた。
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松井一郎大阪市長の住民会説明と市長記者会見動画削除事件を追及したれいわ山本太郎代表の街宣

松井一郎大阪市長の住民会説明と市長記者会見動画削除事件を追及したれいわ山本太郎代表の街宣

しかも、JX通信者とABC朝日放送の世論調査では、いわゆる「大阪都構想」(首都になれるわけではない)についての正確な理解や府・市側の住民に対する説明が足りないと批判している市民が少なくない。また、コロナ禍で大阪市の行政サービスが十分にできなくなっている現状、11月1日に住民投票を行うことに対する批判も強い。やはり、全国でもトップレベルにある大一級の「政令指定都市」を解体し4つの特別行政区を設置するというのは、橋下徹元府知事が指摘するように「大阪市の豊富な財源と力、権限を府が巻き上げることにある。

大阪市住民は大阪市(実質維新)側の説明が不十分と批判している

大阪市住民は大阪市(実質維新)側の説明が不十分と批判している

コロナ禍での住民投票実施に参加する住民も多い

こうした重要な問題を抱えるイメージ構想過ぎない「大阪都構想」に賛成するのは、大阪市民・府民にとって危険だ。また、また、この住民投票が賛成多数と慣れば、大阪市以外の市は住民投票を行わず、市議会の議決だけで市を解体される可能性も出てくる。東京都は23の特別区と三多摩その他の市町村からなるが、これはそれまで市であった東京市の力が強くなりすぎて、1889年(明治22年)に成立したものの、戦時中の1943年(昭和18年)に市が廃止され、特別区に再編された結果であり、特別区の区長たちは現在も解体に反対している。第一級の政令指定都市である大阪市の解体と特別区に再建するのは、やはり、大阪府の豊富な財源と権限の奪取を狙っている。

実質的に維新が「大阪都構想」を進めるのは、新自由主義の理念・政策に立つからであり、インバウンド(外国からの観光客訪問人数の増加)やカジノ、大阪万博の成功を狙っているからであり、そのためには大阪府の財源ではとても足りないからだ。

また、2012年9月、日本維新の会が2012年衆院選の候補者を選定するための「公募委員会」委員長に、PFI(Private Foreign Initiative、国民の血税で築かれた国民の資産を外資を含めた民間に売却し、手数料を取得する「民営化」路線)の推進役だった竹中平蔵パソナ会長・東洋大学教授を起用するなど、維新と竹中氏の関係は強い。菅政権は菅政権が新設した有識者会議「成長戦略会議(議長・加藤勝信官房長官)」の民間有識者メンバーとして竹中氏を起用している。維新は竹中氏を通して警察独裁国家樹立に驀進する菅政権と、一段とつながりを強めている。民間有識者の間では、菅政権は安倍晋三前政権以上に危険な政権と指摘され始めている。

菅政権と日本維新の会は連携

菅政権と日本維新の会は連携

さて、今回のJX通信とABC朝日放送の世論調査で賛成派が巻き返しを図っていることが示されてるが、その主な理由は、①立憲民主党大阪府連は大阪都構想に反対しているものの反対の広報・街宣活動が弱く、賛成に回る同党支持層の割合が次第に上昇している②前回は大阪都構想に反対した公明党が同党の山口那津男代表が大阪入りして凱旋するなど、支持層=創価学会員に対する締め付けを強化していることーにあると思われる。そのことを示す図が下図である。これに加えて、自民党府連は「大阪都構想」に反対だが、菅政権が圧力をかけていることも推察される。自民党支持層の酸性派の割合がほぼ横ばいだ。自民党市議団には、反対の情宣を行う資金力が乏しい。ビジネス・ジャーナルの次の記事https://biz-journal.jp/2020/10/post_185120.htmlも参照にされたい。

大阪市民が11月1日、政令指定都市である大阪市を廃止し、4つの特別区に再編することの可否を決める「住民投票」は今後の国政レベルの政局・解散総選挙にも甚大な影響を與える。民主主義を守り、深化させるためにはもはや残された道は政権交代しか無い。中でも、野党第一党の立民の枝野幸男代表には立民大阪府連にテコ入れして住民投票で反対派を強化し、拡大するとともに、真正野党の強力を得て、共生主義の理念を具体化した強力な政策体系を築き、政権構想を示す必要がある。