公明党は解散・総選挙を拒否、野党は3補選で統一候補擁立ー政治決戦本格化へ(変異株加筆)

複数のメディアによると、公明党の山口那津男代表は4月、5月の解散・総選挙は拒否する考えを明らかにしており、菅義偉首相が描いていると見られる4月上旬訪米後の衆院解散・総選挙が実現する可能性は極めて低くなった。宮城県、大阪府、兵庫県に「まん延防止措置」を適用することを本日4月1日に決めるなど、変異株の市中感染もあり新型コロナの感染状況も悪化していることもある。野党側は今月4月25日投開票予定の北海道2区、参院長野選挙区、広島選挙区で統一候補の擁立で合意している。経済政策面に不安が残るが、2021年政治決戦が本格化してきた。

4月1日木曜日のコロナ感染状況
複数のメディアによると本日4月1日木曜日の新型コロナ感染状況は、東京都では新規感染確認者は1週間前の3月25日木曜日の394人から81人増加して475人になった。7日移動平均では372.3人になり前週木曜日比116.5%になった模様。7日移動平均は3月11日以降、前週を上回っている。死亡者は4人、東京都基準の重症患者は44人。20代の感染者が114人と群を抜いて多かった。
全国では、午後23時59分の時点で2606人が新規感染、18人の死亡が確認されている。重症者は前日比2人減の380人。大阪府は616人と東京都を3日連続で上回った。
【参考】東洋経済ONLINE(https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/)では、3月31日時点の実効再生産数は全国が前日比0.02人増の1.28人、東京都は30日時点で前日比0.01人減の1.12人だった。全国と各都道府県で推定日時が異なる場合があります。全国の実効再生産数は増加傾向を続けており、感染拡大が懸念される。

日曜日のNHK日曜討論会で、立憲民主党の安住淳国対委員長は、政府=菅政権がコロナ第4波の拡大を阻止できなかった場合、衆院に「内閣不信任決議案」を提出すると発言した。これを受けて、自民党の二階俊博幹事長は記者団に対して提出すれば、「解散・総選挙を菅首相に進言する」と野党側を牽制した。しかし、立憲民主党と日本共産党、それに連合傘下の野党分断政党ではあるが、国民民主党の3野党は3月30日、国対委員長会談で改めて時期を見て(コロナ第4波の状況)を見て「内閣不信任決議案」の提出を再確認をした。

まず、コロナ感染状況だが、政府=菅政権は独自にGo To イートを行った宮城県、「緊急事態宣言」を早期に解除して、府民や県民のコロナ警戒感が希薄になったところを感染力、重症化力の強い英国型を中心とした変異株に見舞われた大阪府、兵庫県で感染爆発が生じてしまったため本日4月1日、これら1府2県に改正インフル特措法に盛り込まれた「まん延防止措置」を適用することを決めざるを得なくなった。沖縄県も在日米軍基地(新型mRNAワクチンを接種しているはず)も含めて、感染状況が悪化しているが、見送られた。「辺野古基地」建設反対を行っている沖縄県に対する嫌がらせの可能性がある。

コロナ感染拡大要因は、➀季節性要因(秋から冬場、春から夏場)②変異株の交替要因ーのニつであり、これに人の移動要因が波の振幅を拡大する。日本では英国型の変異株が感染の主流に移行しつつあり、これにゴールデンウィークまで人の移動要因が加わる。その後は、季節要因が台頭してくる。このため、第4波の急拡大、ないし感染爆発を指摘する感染症の専門家は多い。昨日の新規感染者数は全国で2843人になり、2月4日の2575人以来の2500人超えになった。少なくとも第4波の到来は明らかで、感染の主流が変異株に移行していることもあり、感染急拡大の兆候が出て来ている。最悪の場合は、米国グーグル社のAI技術に基づく感染爆発になる。

こうした中で、解散・総選挙を行えば、コロナ感染を沈静化させることができなかったことや、選挙運動にも大きな支障が出てくるため、国民の大きな批判を買ってしまう。加えて、6月25日金曜日公示、7月4日日曜日投開票の国政選挙並みの東京都議選がある。都議選と総選挙のダブル選挙には連立与党の公明党は大反対だ。このため、公明党の山口那津男代表は早い段階から早期の衆院解散・総選挙には反対してきた。「4月解散、極めて非現実的 山口公明代表」と題する1月26日の報道記事(https://www.jiji.com/jc/article?k=2021012600600&g=pol)がそのひとつだ。

山口那津男公明党代表

山口那津男公明党代表

公明党の山口那津男代表は26日の記者会見で、4月に予定される衆院北海道2区と参院長野選挙区の2補欠選挙に合わせた衆院解散・総選挙の可能性に関し、「極めて非現実的だ」と否定的な考えを示した。

NHKもWebサイトで3月30日、山口代表の「解散・総選挙」反対の報道を行った(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210330/k10012944321000.html?utm_int=news-politics_contents_list-items_026)。

衆議院の解散・総選挙をめぐり、自民党の二階幹事長が、内閣不信任決議案が提出されれば菅総理大臣に解散を進言する考えを示したことについて、公明党の山口代表は、解散は(菅首相の後ろ盾ではあっても、自民党の二階幹事長ではなく)総理大臣の専権事項であり、菅総理大臣の判断に委ねるべきだという考えを示しました。(中略)

そのうえで「先日、菅総理大臣と懇談した際には解散の話は出ず、当面、取り組むべき重要課題として新型コロナウイルスへの対応をしっかりやっていくことを確認した。仮に野党側が内閣不信任決議案を提出すれば、与党として否決する対応をとることになるのではないか」と述べました。

【立民 福山幹事長「この感染状況で何が大義な(の)か】
立憲民主党の福山幹事長は記者会見で「感染の第4波が起きれば、菅総理大臣の責任は大きいが、内閣総辞職するのか衆議院を解散するのかは、総理大臣が考えるべきものだ。野党が内閣不信任決議案を出す、出さないに関係なく、この新型コロナウイルスの感染状況で、解散ができるものならやってください。何が大義なのかということだ」と述べました。

こうした中で、野党側は今月4月25日投開票予定の北海道2区、参院長野選挙区、広島選挙区で統一候補の擁立で合意した。神津里季生会長率いる日本労働組合連合会とその傘下にある国民民主党(玉木雄一郎代表)の日本共産党排除と原発継続による分断工作については注意が必要だが、立憲は日本共産党と政策協定を結んだし、3月30日には改めて「原発ゼロと再生可能エネルギーへのエネルギー政策」の転換を明確に打ち出した。また、大規模な検査と感染者の保護・隔離を中心とした「ゼロコロナ」政策を打ち出しているが、これは日本共産党のコロナ禍対策と軌を一にする。

枝野幸男立憲代表が衆院予算委員会で提示し「Zeroコロナ」対策

枝野幸男立憲代表が衆院予算委員会で提示し「Zeroコロナ」対策

ただし、立憲、共産党ともに財源論が弱い。立憲民主党の基本政策の経済政策では、「異次元緩和により財政ファイナンス化した金融政策の正常化」を図るという文言で、大不況下の株価・不動産バブルを引き起こしている政府・日銀が勧めている量的金融緩和政策には反対しているが、肝心の財政政策には触れていない(https://cdp-japan.jp/about/basic-policies)。ただし、立憲の政調会長である泉健太政調会長は消費税凍結・廃止・積極財政派である。また、立憲の原口一博副代表も現代貨幣理論(MMT)を日本に応用した「機能的財政論」の考え方に基づいて「反緊縮」の立場から、昨日の3月31日に日本版積極財政を検討する「日本の未来を創る研究会」を正式に発足させた(https://www.youtube.com/watch?v=Imo6hJNhpYI)。

第一回目の講師は、MMTの日本での正しい啓蒙に努めている藤井聡京都大学大学院教授である。また、背後に政界大御所の小沢一郎衆院議員や馬渕澄夫衆院議員ら大物議院も存在する。

総選挙前に、立憲が泉政調会長や原口副代表らの提言を選挙公約にすることは考えにくいが、どんな政策を実行するに際しても財源論は必要である。泉政調会長や原口副代表らの声に耳を傾けなければならないだろう。少なくとも、MMTに基く斬新な財源論・積極財政論を展開している山本太郎代表率いるれいわ新選組に対して、「積極財政」や「消費税廃止」のシグナルを送る必要がある。れいわは東京都議選で「ダークホース」になりそうだが、国政レベルでも同一歩調を取るべきだ。「保守反動」勢力と「リベラル」勢力の政治決戦に本格突入した。

まん延防止措置の問題点

まん延防止等重点措置は、改正インフル特措法第45条に記載されているが、その重点項目を次に示しておく。政府が都道府県知事の要請も踏まえて対象の都道府県を決め、都道府県知事が業態や市町村を指定する。ただし、「時短」しか要請・命令できない。世界保健機構(WHO)など、世界公認の感染症の基本対策である徹底的な検査と保護・隔離は特措法自体にも盛り込まれていないので、名称とは裏腹に、「まん延防止」は不可能だろう。

  1. 特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態において、新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため必要があると認めるときは、当該特定都道府県の住民に対し、新型インフルエンザ等の潜伏期間及び治癒までの期間並びに発生の状況を考慮して当該特定都道府県知事が定める期間及び区域において、生活の維持に必要な場合を除きみだりに当該者の居宅又はこれに相当する場所から外出しないことその他の新型インフルエンザ等の感染の防止に必要な協力を要請することができる。
  2. 特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態において、新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため必要があると認めるときは、新型インフルエンザ等の潜伏期間及び治癒までの期間並びに発生の状況を考慮して当該特定都道府県知事が定める期間において、学校、社会福祉施設(通所又は短期間の入所により利用されるものに限る。)、興行場(興行場法(昭和二十三年法律第百三十七号)第一条第一項に規定する興行場をいう。)その他の政令で定める多数の者が利用する施設を管理する者又は当該施設を使用して催物を開催する者(次項及び第七十二条第二項において「施設管理者等」という。)に対し、当該施設の使用の制限若しくは停止又は催物の開催の制限若しくは停止その他政令で定める措置を講ずるよう要請することができる。
  3. 施設管理者等が正当な理由がないのに前項の規定による要請に応じないときは、特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため特に必要があると認めるときに限り、当該施設管理者等に対し、当該要請に係る措置を講ずべきことを命ずることができる。

法律用語で分かりづらいが、基本的には営業の「時短」命令と行政罰・過料が中心となる(https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/preve-spreading/detail/detail_01.html)。

東京都のコロナ感染状況の問題点(日刊ゲンダイによる)

東京都のコロナ感染状況の問題点について、日刊ゲンダイの記事を引用させていただきたい。隠れ無症状感染者と見逃している変異株感染者が多数存在するのではないかという指摘だ(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/287274)。

厚労省は昨年12月14~26日、東京、大阪、愛知、宮城、福岡の5都府県で、同意を得た住民の抗体検査(新型コロナウイルスに感染すると抗体がヒトの体内に産生され、免疫力を持つ。免疫力でウイルスを攻撃・退治できる場合は良いが、そうでない場合は無症状感染から始まって次第に重篤化する。抗体が産生されているかどうかを調べる検査)を実施。30日、抗体保有率の確定値を発表した。3399人が検査に応じた東京は、1.35%だった。

昨年12月26日時点の都内の累計感染者数は5万5930人。人口比に換算すると0.4%だ。実際の感染者が人口の0.4%なのに、抗体保有率の方が1ポイント近く高い。この差を単純計算で人口(1398万人)に当てはめると、(推定抗体保有者=1398万人×1.35%から累計感染者数5万5930人を差し引いた数)13万2620人にも上る。つまり、13万人超が感染の自覚もないままに過ごしていた恐れがあるのだ。(中略)

都内で確認された変異株は30日までに計48件。新規感染者数に比べ、圧倒的に少ない。都内の変異株の少なさはむしろ、実態をちゃんと把握できているのかと不安に拍車をかける。小池知事は検査率について「4月上旬に25%、早期に40%」との目標を掲げるが、現状(3月1~28日)は12.8%にとどまる。変異株感染者が見逃されているリスクは否めない。

変異株は今月に入ってから毎週確認されており、28日までの(変異株に感染しての)陽性率は2.63%だ。この数字を基に、1~28日の新型コロナ感染者を全数検査(100%)した場合の変異株の確認件数を計算すると、218件に上る。同期間に確認されたのは36件だから、約6倍もの開きがあるのだ。

陽性検体での変異株の検査率が高くなればなるほど、変異株に感染している割合が高くなるだろう。本来は、全陽性検体のスクリーニング検査(変異株感染の調査をする検査)、検体のゲノム解析が必要だが、厚労省が一部の検体をもとにスクリーニング検査を行って、取り敢えず発表している変異株感染者数は30日時点で前週より408人増加して1200人になっているhttps://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_17298.htmlhttps://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kokunainohasseijoukyou.html#h2_1https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00054.htmlから週ごとの変異株感染者=HER-SYSに登録された人数=がPDF形式で公表されている)。これでは時間がかかるし、リアルタイムでないことも否めない。

厚生労働省の都道府県ごと変異株陽性者数

厚生労働省の都道府県ごと変異株陽性者数

ただし、医療機器メーカーで世界的に有名な島津製作所では、PCR検査で変異株を検出できる検査キットを開発している(https://www.shimadzu.co.jp/news/press/myc4k4oc77q4buf8.html)。

島津製作所は、新型コロナウイルス変異株※をPCR検査で検出する「SARS-CoV-2変異株検出コア試薬キット」および「N501Yプライマー/プローブセット」(いずれも研究用試薬)の開発を完了しました。両製品は、昨年4月に発売した「2019新型コロナウイルス検出試薬キット」(研究用試薬)をベースにしており、新型コロナウイルスの特定の変異部位をRNA精製なしに検体から直接検出することが可能です。変異ウイルス感染者数の増加傾向を鑑み、正式な発売に先立って、公的な検査機関や臨床検査会社に限った提供を始めます。

厳密に言えば、最終的には専門研究機関でのゲノム解析で確定することになるが、島津製作所が開発したようなPCR検査キットを用いれば、PCR検査の過程で変異株感染者か否かの判定はほぼ確実・短時間で済むはずだ。なお、やっとと言うべきだろうが、島津製作所と伊藤忠商事(株)が出資しているiLAC(アイラック)は,4月1日から「新型コロナウイルスの全ゲノム解析の地方自治体からの受託サービス」を開始した(https://www.innervision.co.jp/products/release/20210530)。厚労省は「国立感染研究所」を中心とした「検査利権集団」で検査を独占するのではなく、大学や民間の研究機関、医療装置・機器メーカーと提携し、「オールジャパン」で変異株調査を行うべきだ。

なお、変異株感染者の発見に注力する必要はもちろんあるが、観戦震源地(エピセンター)での全員検査やその他の地帯でも「誰でも、いつでも、どこでも、何回でも」PCR検査・抗体検査を行うことが出来るように、検査体制を抜本的に拡充することは当然に必要だ。コロナ禍対策の世界標準対策への抜本転換だ。

そして、変異株感染者にかかわりなく、検査陽性判定者(コロナ感染者)は、十分な生活・営業補償・保障を大前提に、保護・隔離するしか道はないが、取り敢えずは、島津製作所が開発したような変異株に感染したことが検出できるPCR検査キットで変異株陽性者と判定された国民を優先する必要がある。そして、ホテルや旅館の借り上げ拡大と簡易医療施設の設営が不可欠だ。オリンピック選手村も活用したら良い。しかし、厚労省の医系技官と国立感染研究所にはその意思はなさそうだ。政府=菅政権も同じで、朝日デジタルによれば菅首相は「近親者」に不安を鎮めるための電話ばかりしているという(https://digital.asahi.com/articles/ASP3Z5T7ZP3YUTFK00K.html?iref=pc_ss_date_article)。

こういう状況では第4波を抑えることは不可能だ。日本の医療制度の歴史にも詳しく、感染症について専門的に研究する東京大学医科学研究所に在籍した経験もあるNPO法人・医療ガバナンス研究所の上昌広理事長・医師は「日本は(コロナ感染で)行き着くところまで行くしかないのかも知れない」と重大な懸念を抱いているという。


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