第2四半期前期比年率27.8%減と史上最大の悪化−臨時国会の召集、待ったなし
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内閣府が17日午前8時50分に公開した今年第2・四半期の実質経済成長率は前期比7.8%、年率換算27.8%減と戦後日本経済史上最大の悪化幅になった。前年同期比でみても11.6%減(現系列では9.9%減)だ。強力な都市封鎖(ロックダウン)を行った欧州とある程度緩やかな「非常事態宣言」とどまった日本の相違を考慮すれば、欧州連合の15.0%減と比較すると、前年同期比での落ち込みも厳しい。政府=安倍晋三政権は、日本国憲法を守る意思があるなら、国民の生命と暮らし、企業を守るためにも、野党が求めている臨時国会の開催に応じるべきだ。

◎NHKのWebサイトによると、17日の新型コロナウイルス新規感染者数は11日以来の200人以下の161人。朝日デジタルでは瞬間陽性率は5.9%だが、20代、30代は49.69%と5割を切っている。「都の担当者は『お盆の時期は、検査態勢や報告態勢など特殊要因がある。通常時と比較しなければならない』と語り、今後下がっていくかどうかについては慎重な見通しを示した」という。全国では午後20時30分の段階で641人。沖縄県では38人が感染し、1人亡くなられた。全国では15人亡くなられた。

需要項目別に見ると、民間最終消費支出は、実質▲8.2%(1~3月期は▲0.8%)、名目▲8.4%(1~3月期は▲0.8%)となった。そのうち、家計最終消費支出は、実質▲8.6%(1~3月期は▲0.8%)、名目▲8.8%(1~3月期は▲0.9%)となった。家計最終消費支出(除く持ち家の帰属家賃)は、実質▲10.4%(1~3月期は▲1.1%)、名目▲10.6%(1~3月期は▲1.1%)となった。家計消費の落ち込みは年率換算で、30.2%に上る。

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民間企業設備は、実質▲1.5%(1~3月期は1.7%)、名目▲3.0%(1~3月期は1.3%)。財貨・サービスの輸出は、実質▲18.5%(1~3月期は▲5.4%)、名目▲21.4%(1~3月期は▲5.5%)となった。財貨・サービスの輸入は、実質▲0.5%(1~3月期は▲4.2%)、名目▲10.3%(1~3月期は▲4.3%)となった。設備投資の落ち込みはやや小幅だが、財務省が公表する法人企業調査統計に依存しており、その改定値がGDP統計の第二次速報値に盛り込まれるから、GDP統計の第二次速報値がさらに下方修正される可能性もある。

この結果、GDP成長率のうち、どの需要がGDPをどれだけ増加させたかを示す寄与度でみると、実質は国内需要(内需)が▲4.8%、財貨・サービスの純輸出(輸出-輸入)が▲3.0%となった。また、名目は国内需要(内需)が▲5.5%、財貨・サービスの純輸出(輸出-輸入)が▲1.9%となった。
※お詫び下図は家計最終消費支出の図でした。最初にGDP全体と各項目の前期比を挙げ、下図はその後に掲載します。

第2・四半期の実質GDP

第2・四半期の実質GDP(内閣府による)

第2・四半期の家計最終消費支出

第2・四半期の家計最終消費支出(内閣府による)

これらの結果は、景気後退機の昨年10月に消費税を強行したことに、コロナ禍が追い打ちをかけことによる。安倍晋三政権の政治は観世県に破綻した。早期臨時国会の召集が不可欠だ。なお、前年同期比の落ち込みも激しく、11.6%9.9%減。強力な都市封鎖(ロックダウン)を採った欧州圏の15.0%減とさして変わりはない(11.6%減は家計消費支出の前年同期比)。

2012年12月17日の総選挙で成立した安倍政権の最後の拠り所は来夏の東京オリンピック開催であり、そのためにコロナ感染対策は二の次に回し、行動・営業自粛は要請に留め、事実上撤廃している。しかし、東京オリンピックの開催には総統期ポの血税が必要であり、国民・都民の反発は必至。また、スポンサー企業も軒並み業績の悪化が予想されるから、追加負担の拠出は無理だ。株主訴訟を起こされる可能性が高い。

安倍政権内部でも、開催は不可能との見方が強まっている。外国の誰かが「東京オリンピックは中止」と言ってくれるのを待っているというのが、偽らざるところだ。また、営業活動再開に固執すれば新型コロナ日本型ウイルスの拡大に歯止めがかからなくなり、経済活動もストップに追い込まれてしまう。その場合はGDPの悪化も止まらない。いずれにしても、2012年12月17日の総選挙で税率した安倍政権の政治は実績なしで、日本国憲法違反の集団自衛権を認める安保法制の恐慌成立を筆頭に、「自分ファースト」の政策しか実施してこなかったから、退陣に追い込まれるのは必至だ。

来春には東京都議会選挙があるため、来年春の総選挙の実施には公明党の反対が強い。公明党の基礎票がなければ、自民党が総選挙の小選挙区制で勝てる見込みはない。安倍政権にとっての起死回生策は、年内の解散・総選挙の実施で、日本維新の会を取り込むという手が残されているだけだ。しかし、時事通信が8月上旬に行った世論調査では、内閣支持率は32%に激落しており、日本維新の会の支持率もかなり低下している。

時事通信社が8月上旬の世論調査によると、内閣の支持率は32.7%まで激落している。また、「政党支持率は、自民党が24.2%、立憲民主党が3.5%。以下、公明党3.3%、共産党1.6%、日本維新の会1.5%、国民民主党0.6%、れいわ新選組0.6%、社民党0.5%、NHKから国民を守る党0%で、『支持政党なし』は61.6%だった」。他のメディアでも多かれ少なかれ同じような調査結果が出ている。大手マスメディアの世論調査はバイアスがかかっているから、問題無しとしないが、ある程度の参考材料にはなる。

時事通信社調査による安倍内閣の支持率

時事通信社調査による安倍内閣の支持率(https://www.jiji.com/jc/article?k=2020081400843&g=polより)

安倍内閣は野党側の求めに応じて臨時国会を召集し、総統の財政措置を講じてコロナ感染症対策を行いながら、国民の生活・起業支援を行うという抜本的措置を講じなければ、政権を奪取される公算は少なくない。ただし、予想される合流新党としては新自由主義を超克した共生主義の理念に基づき、供給力の低下を抑える手立てを講じた上で、①異次元の積極財政②歳出構造の抜本的改革③税制の抜本改革④社会保障政策の拡充⑤原発稼働即時停止によるエネルギー政策の抜本転換⑤日本国憲法の改悪阻止⑥日米地位協定の改正から始めて日米従属体制から脱却する外交政策の抜本転換−などが不可欠だ。

そうした革新的な政策を打ち出したうえで、れいわ新選組も含めた野党共闘を形成しなければ、「無党派層」という名の政治不信・政治無関心層の信頼を得ることはできず、投票率の大幅な上昇は不可能だ。自公・維新の会の利権集団関係者の支持層はどんなことがあっても選挙に行く。無党派層の信頼を得られなければ、投票率は上がらず、小選挙区制での取りこぼしが多くなり、政権奪還は遠のく。

◎追記(8月17日午後19時):民進党、希望の党の後継政党になっている国民新党は50億円程度の「軍資金(国民の血税である政党助成金が原資)」があるが、複数の目でメディアによると玉木雄一郎代表は軍資金は議員数に応じて分党政党に渡す意向だという。玉木代表を影で操っているのは日本維新の会と交流を重ねている前原誠司衆院議員だと見られるが、玉木分党は自民党の補完勢力として新自由主義の呪縛から解けない日本維新の会と将来的には合流する可能性がある。玉木分党がれいわ新選組と合流するとの噂も出ているが、単なる消費税率の5%なら自民党も打ち出す可能性があるし、玉木代表の消費税減税も時限を区切っての苦肉の作であるうえ日本国憲法の改正という名の改悪を主張しているから、消費税の廃止を目指し、憲法改悪に反対しているれいわと玉木分党は相容れない。

玉木分党と行動を共にすると表明している山尾志桜里(しおり、東大法学部卒業後検察庁入庁)議員は集団的自衛権には反対の立場で、憲法改悪には反対の筋を通すべきだが、これまでの主張・信念を維持できるのか、責任を問われる。





 

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