横浜市長選、立民推薦の山中竹春候補当選するも前途多難ー郷原信郎弁護士指摘(政局、医療体制再編問題強化)

本日8月22日日曜日投開票の横浜市長選挙で、立憲民主党推薦の元横浜市大教授・山中竹春候補当選するもパワハラ疑惑、経歴問題疑惑などで前途は極めて多難だ。立民にも重大な責任問題が生じる可能性がある。

8月22日日曜日のコロナ感染状況

複数のメディアによると、22日日曜日の東京都の新型コロナウイルスの感染者は、日曜日としては過去最多の4392人、死亡者8人、東京都基準の重症患者数は271人(厚生労働省基準では約8倍程度であり、2000人を超えると見られる)が確認されたと発表した。感染者数は日曜日で過去最多。現在入院している重症患者は271人。全国では午後23時59分21時50分の時点で新規感染者が過去最多の2万2302人、死亡者24人、重症者1891人。「自宅療養=自宅放置=自宅遺棄」が大きく災いしている。23日付朝日新聞30面によると、首都圏の1都3県で7月からこれまでに8人が「自宅療養中」に死亡している。自宅感染の割合は調査が新しくなるごとに増加している(https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/014/570/59kai/20210820_04.pdf)。

東京都のコロナ感染者数の推移
東京都のコロナ感染者数の推移
東京都モニタリング会議の8月20日の資料
東京都モニタリング会議の8月20日の資料

横浜市長選、山中候補が圧勝するも前途は極めて多難

NHKなど各メディアは出口調査だけで、20時の投票終了直後に山中候補「当確」を出した(「ゼロうち」、https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210822/k10013216971000.html?utm_int=news-politics_contents_list-items_001https://www.youtube.com/watch?v=BJYBKctDU2M)。横浜市選挙管理委員会から、投票率は前回を11.84ポイント上回る49.05%だったと発表された。

NHKによる出口調査だけの山中竹春氏の午後20時「当確」報道
NHKによる出口調査だけの山中竹春氏の午後20時「当確」報道

出口調査では山中氏は小此木氏を圧倒している。投票率が前回よりも10ポイント程度高11.84ポイント高かったこともあって、開票結果でも山中氏の50万6392票に対して小此木氏は32万5947票で、18万445票も引き離した(https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/senkyo/data/20210822_shicho.files/kaihyoukakutei.pdfを大きく引き離したという結果になる可能性が強い。カジノを含む統合型リゾート(IR)誘致で、小此木氏は実際はIR誘致派と言われるが公言できなかったため、自民党支持層に疑心暗鬼を生み、最後まで分裂選挙になったことが大きい。加えて、複数のメディアの出口調査によると、「コロナ対策」に最大の関心を持っている層(支持政党なし層を含む)が50%近く、菅政権のコロナ対策の「無為無策」に、支持なし政党層も含め、支持政党なし層約半分程度、山中氏に投票したこともある。

なお、現職候補だった林文子氏と元長野県知事の田中康夫氏との差はわずか213票で、横浜市政を市民の目線で再建することを訴えてきた田中氏の善戦が光る(下図、クリックすれば拡大します)。

横浜市長選挙結果
横浜市長選挙結果

さらに、菅義偉首相が小此木八郎候補を全面的に支援したが、菅首相の暴政のために支援が逆に災いになり、落選した。特に、政府=菅政権の「自宅療養=自宅放置策=自宅遺棄」への転換が大きく災いしていると見られる(https://www.jcp.or.jp/akahata/aik21/2021-08-21/2021082101_04_0.html)。この事実上の「自宅遺棄」策への転換は、次のように家庭内感染と家庭内での重症化・死亡化を拡大しつつあり、菅首相が17日夜の記者会見で「感染拡大を最優先する」と語ったことが間違いではなかったことが明らかになりつつある。

新型コロナウイルスの感染急拡大で、本来宿泊療養施設や医療機関で療養すべきなのに受け入れ先が見つからず、自宅待機を強いられる人が全国で急増しています。特に子どもを抱える家族が感染した場合は深刻です。医療が受けられる施設でのケアなど早急な体制整備が求められています。

東京都の日本共産党・小林れい子文京区議のもとに12日、コロナ陽性で入院した40代男性から相談の連絡がありました。「持病を抱える妻(40代)が感染し、容体が悪化している中で、入院先が見つからない」という訴えでした。一家は子ども2人の4人家族。最初に小学生の子どもの感染が分かり、妻と生まれたばかりの乳児は妻の実家に移動しました。夫も上の子を看病するうちに発熱し、陽性と判明しました。

夫の症状は悪化し、血中酸素飽和度が90を下回ったため救急車を呼びました。しかし90件以上の病院に断られ、自宅で酸素吸入を受けることに。翌日やっと入院先が見つかり、上の子は近所の親族に預けました。実家にいた妻も陽性が判明。実家の祖父が抗がん剤治療をしているため、母子はやむなく自宅に戻りました。妻の症状が悪化し、陰性の乳児の預け先だけでも探さなければと、保健所や児童相談所、主治医に相談します。しかし受け入れ先が見つからず、自宅で世話することになりました。

妻は、高熱やせき、腹痛などでつらい状況の中、微熱でぐずる乳児のケアをしていました。数日後、乳児の状態が悪化し、祖母に頼んで検査を受け、陽性と分かりました。保健所が母子の入院先を探していますが、軽症扱いのため見つかっていません。(以下、略)

なお、朝日新聞出身のフリージャーナリストの佐藤章氏によると、コロナに感染した妊婦が産気づいたが受け入れ先病院が見つからず、自宅で出産したため死産した事件では、「感染症利権ムラ」の一角である国際医療福祉大学成田病院(千葉県成田市、国家戦略特区に補助金つきで建設。医系技官の天下り先)が受け入れることが出来たはずだという。また、国公私立大学附属病院はコロナ禍の下で病院としては巨額の補助金の支給を受けているが、コロナ感染患者はあまり受け入れていないようだ(https://www.youtube.com/watch?v=ddBVC4slHlQ)。

ただし、安倍晋三前首相と麻生太郎副総理兼財務相が菅首相・二階俊博幹事長との権力闘争で敗退しているため、次期総選挙で当落線上以下にある選挙基盤の弱い自民党の現職議員の大造反が起きない限り、9月29日に予定されている自民党総裁選挙で菅首相が基本的には総裁を続行することになる。ただし、小此木氏の敗退ぶりが際立ったため、「秋にある自民党総裁選や首相の衆院解散戦略にも影響を与えそうだ」(https://www.tokyo-np.co.jp/article/126121?rct=main)との見方も出ており、波乱要因は残る。

場合によっては、①フルスペックの自民党総裁選挙を行う②公職選挙法第31条「衆議院議員の任期満了に因る総選挙は、議員の任期が終る日の前三十日以内に行う」(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC1000000100_20201212_502AC0000000045&keyword=%E5%85%AC%E8%81%B7%E9%81%B8%E6%8C%99%E6%B3%95)の規定に基づけいて最速の9月26日に「任期満了総選挙」を行うーことも考えられる。もっとも、「季節的要因」が顕著に出て、新規感染者数が減少に転じていることが条件になるが、「自宅遺棄」のままでは大きな混乱に見舞われる可能性もある。

小此木氏は「いかなる選挙にも出ない」と政界引退を示唆しており、「貧乏くじ」を引かされた形だ。

しかし、当選した山中氏にも、パワハラ、経歴問題などを抱えており、前途は極めて多難だ。立民執行部(江田憲司代表代行が独断的に推薦した)も責任を問われる可能性がある。一時は立候補したが、小此木候補と山中候補の落選運動に展開じた敏腕検事出身の郷原信郎弁護士が指摘した(https://nobuogohara.com/)。

(前略)山中氏が市長選挙で当選したら、その直後から直面するのが「パワハラ・不当要求問題」である。私は、落選運動の中で、これに関して多くの問題を指摘してきた(【「小此木・山中候補落選運動」で “菅支配の完成”と“パワハラ市長”を阻止する!】)が、山中氏も、山中陣営も、立憲民主党も、すべて無視・沈黙している。

  1. 横浜市立大学内部における山中氏のパワハラ問題
  2. 同大学の取引先に対する「経営介入」の不当要求・脅迫問題
  3. 山中氏の市長選出馬報道に際して、同大学学長・理事長で発出された学内文書について、訂正・謝罪と自己を称賛する新たな文書発出を強要した問題

(中略)

YouTube、チラシ等で行ってきた私の指摘に対して、立憲民主党側は、全く説明を行おうとせず、無視している。ブログ【横浜市長選、山中候補の説明責任「無視」の立憲民主党に、安倍・菅政権を批判する資格があるのか】を、枝野幸男代表、福山哲郎幹事長、平野博文選対委員長に送付したが、何の反応もない。(中略)

先週、警視庁麻布警察署から私に電話があった。警察庁の公開アドレスに、「横浜市長選 郷原」と書いた殺害予告メールが届いたとのことで、私の事務所、自宅、横浜事務所の警備を強化するとの連絡だった。私としては、横浜市のため、市民のために、市長選の有力候補の山中氏の適格性を問い、説明を求めてきた。山中支持者側は、山中氏に説明を求めるのではなく、「誹謗中傷」などと私を非難しているようだ。そのような姿勢が、卑劣なメールにつながったのかと思うと、何ともやるせない思いだ。

横浜市長選での野党共闘候補山中竹春氏が「圧勝」しても、早々に「市長不適格」が明らかになれば、コロナ禍に立ち向かうべき横浜市政の混乱を招き、立憲民主党への国民の期待を急速に失わせる。それによって、野党第一党の同党が、自公政権に替わる「政権の受け皿」にはなり得ないことが露呈するという「最悪の結果」に終わることになりかねない。

といった具合だ。医療ガバナンス研究所の上昌広理事長兼臨床医による(https://www.youtube.com/watch?v=-y9PUtws_5w&t=206s)と、山中横浜市立大学元教授は医療統計の専門家ではあるが、感染症の専門家(世界標準のコロナ感染症論文の研究者)ではなく、臨床医師でもない。横浜市民が期待しているコロナ対策で結果を出せない可能性がある。

また、「横浜市」の「影の市長」は菅首相であり、その配下にある者たちが横浜市議会、横浜市庁を握っているため、徹底的に抵抗する可能性があり、郷原氏が指摘した問題について厳しく追及してくる可能性が濃厚だ。その場合、山中氏が「説明責任」を果たさなければ、安倍前首相、菅首相と同じように批判を受け、推薦した立憲民主党も責任を問われるだろう。公党としては推薦していないが、「勝手に支援」した日本共産党にも「火の粉」が振りかかってくる可能性もある。なお、独断で山中氏を推薦した立民の江田代表代行(経済政策担当)はかつて「維新」に席を置いたことがある。

枝野幸男代表を中心とした立民執行部は、「自公連立与党」に似た対米隷属の「疑似二大政党」を目指すべきではない。政治・経済評論家の植草一秀氏がメールマガジン第3012号で指摘しているように、枝野氏が(米国のディープステート=闇の国家:軍産複合体と多国籍金融資本・企業=の傘下にある同国型二大政党制を志向して)優柔不断であるなら立憲民主党内から党首交代、あるいは新党独立などの運動を始動させるべきだ


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