日本政府の辺野古海岸埋め立て申請承認の却下・取り消しを明確にしなかった翁長雄志候補が沖縄県知事に当選した。翁長陣営に辺野古での基地建設を求める勢力が存在することが明らかで、翁長新知事が安倍晋三政権およびその背後にいる米国の軍産複合体に屈する可能性がある。しかし、これを断固として阻止し、沖縄は基地依存経済体制からの脱却を図る必要がある。

16日の開票結果は、次の通り。
沖縄県知事選挙開票結果(選管最終)
当選 翁長 雄志  360,820票
    仲井真弘多  261,076票
      下地 幹郎   69,447票
            喜納 昌吉     7,821票

壊滅した国民新党の幹事長を務めた下地幹郎氏が出馬していなければ、基地建設派が勝利した可能性もある。つまり、沖縄県の経済が米軍基地に依然として依存したものになっていることを如実に物語っている。

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菅義偉官房長官は、今回の結果について

【東京】菅義偉官房長官は17日午前の記者会見で、16日の県知事選で米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する翁長雄志氏が初当選したことについて「辺野古移設が唯一の解決策であることは一貫としている。昨年末、仲井真弘多知事が埋め立てを許可したので、手続きに基づいて粛々と進める」と述べ、移設作業を推進する考えを重ねて強調した。
仲井真知事が求めた普天間飛行場の5年以内の運用停止については「要請を受け、全力を挙げて取り組んでいる。これは全く変わらない」と述べ、引き続き取り組む考えを示した。【琉球新報電子版】

と語っている。つまり、仲井真知事の公約違反の埋め立て申請許可を撤回ないし取り消し以外に、辺野古への米軍基地建設を阻止することはできないのである。喜納昌吉候補は、辺野古への不要な米軍基地建設を阻止する方法は、日本政府による辺野古湾岸埋め立て申請に対する仲井真現知事の公約違反の承認の撤回ないし取り消し以外にないとして、沖縄県知事選挙に出馬したが、その主張は全面的に正しいのである。

翁長候補が時期沖縄県知事に当選したのは、辺野古での必要もない米軍基地建設に反対する沖縄県民の民意を受けたからである。だから、翁長次期県知事の県政の最大の課題は政府と対決し、辺野古への基地建設を完全に阻止することである。喜納氏の出馬を受けて、翁長候補も「申請承認の撤回・取り消しをも視野に入れて、辺野古での基地建設を阻止する」と訴えざるを得なかったが、この訴えを霞ヶ関文学に終わらせてはならない。

「視野に入れて」というのは、霞ヶ関文学の常套文句で「実際は、そういうことはしません」という意味なのだが、一般的な日本語では「最終手段として埋め立て申請の取り消し・撤回に踏み切る」という意味である。沖縄県民は後者の意味に理解し、翁長候補を支持し、沖縄県次期知事に当選させた。国民主権・地方自治の民主主義の理念を考えるならば、沖縄県民の「断固として辺野古に無用な米軍基地を作らせない」という意思表示の意味は限りなく重い。翁長次期知事はその意味を深刻に受け止め、今からでも遅くない。米国および安倍政権の索道・懐柔策から完全に脱却すべきである。そして、沖縄県を基地依存経済から完全に脱却させ、地政学的に極めて重要なその立ち位置を活かして、来たるべき新しい東アジア時代の要として、ハブ基地として大きく発展させるべきである。

 

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