参院選自公、憲法改悪に必要な3分の2失い、反自公の新しい風が

2019年7月21日、参議院選が行われた。日本国民が国民主権の眼目である参政権=選挙権を放棄した形の戦後二番目の悪化になった48.11%(暫定推計)の低投票率を利用して、自公勢力が改選過半数を制した。しかし、憲法改悪の必要な3分の2議席である164議席に届かなかったほか、政治団体「れいわ新選組」が躍進するなど反安倍晋三政権の新しい風が吹き始めたことを如実に示す結果になった。新しい出発である。

朝日新聞社のサイトを始め、マスコミ各社のサイトを利用した。今回の参院選の投票率は毎日新聞社の暫定推計で48.11%、朝日新聞社で48.80%。もっとも、これはマスコミがここ数年、「自公過半数超す勢い。無党派層のかなりの国民は投票候補を決め兼ねている」と報道した結果であり、マッチポンプだ。

この低投票率は次世代日本の担い手である若者が選挙権を放棄するためだ。しかし、よく考えてみると、彼らの大層はまだ親の扶養・庇護を受けており、生活の実感が乏しい。だから、選挙に無関心でいられるだろう。しかし、両親は政治が生活に直結しており、両親の生活が苦しくなると、彼らも政治に無関心ではいられなくなる。選挙には無関心でも、選挙結果が生活に響いてくることを実感するはずだ。

そういう状況の中で自公与党は改選議席の過半数を減らしたわけだが、強気のことを言っても、勢いがないことが伺える。自民はこれほどの低投票率では「偽造・捏造・安倍晋三の」暴政を続ける同党を確信的に支持し、台風になっても投票に行く「今だけ、カネだけ、自分だけ」の利権獲得目的「三だけ教信者」の支持を受けるから、投票率では圧倒的に強いはずだが、改選議席数の66議席を9議席下回る57議席にとどまった。
※注意 与党と野党の確定議席数は各紙のサイトによって異なり、下図は朝日のサイトのものです。東京新聞のサイトは、与党141議席、野党104議席になっています。無所属で当選の議員の判断の相異によるものと思われます。

その代わりに、立憲民主党が躍進するなどしたが、注目は「政治団体」だった「れいわ新選組」である。れいわは比例区で2,237,273票を獲得し、得票率が4.53%と2%を超したため、政党交付金支給の対象になる政党要件を満たすことになった。山本太郎氏自身は6議席ある東京選挙区から全国区に鞍替えし、退路を断ったが、2021年10月迄に行われる総選挙に出馬する意向である。退路を断ったため、れいわの政策は、➀消費税廃止②全国一律最低賃金1500円制度の即時導入③原発即廃止④奨学金返済徳政令の施工-など。

しったかぶりのマスコミや、マスコミに出る自民党の代弁者でもある悪徳政治・経済評論家から激しい攻撃にさらされているが、日本のトップクラスのエコノミストである植草一秀氏の最新著「25%の人が政治を動かす国」(詩想社)で、れいわ新選組の政策の意義とその明確な財源について詳細に記している。なお、立憲代表の枝野幸男代表はれいわの消費税廃止に支持層を令和に奪われるとの危機感を覚えているとマスコミに報道されているが、それが本当なら、植草氏の上述の新著を熟読してからにして欲しい。真性野党の結集を訴えるなら、れいわを排除してはいけない。むしろ、れいわと協調すべきだ。

国民民主は微減になったが、旧民主党のうち「ゆ党議員」が多くいる。彼らは、自民党に移籍するか、無所属議員になるしかない。ただし、自民に移っても、総選挙での選挙区がかち合えば下位で比例に回させれるしかない。正しい生き残り戦略は「ゆ党議員」を辞め、自公対抗議員に生まれ変わることだ。旧自由党の小沢一郎代表らが国民民主に移籍したのは、国民民主のジリ貧を見越したからであろう。

なお、財務省が消費税増税の理由にしてきた「財政赤字問題」に対して、「国内通貨による国債発行なら問題はなく、最悪の経済・社会情勢を打開するには国債発行による積極財政に打って出るべきだ」との理論が世界で急激に台頭してきた。さまざまな批判はあり得るが、➀日本国の財政は債権超過が財務状況は極めて健全である②財政インフレーションを起こさずに、財政出動を行うことは十分に可能である-ことから、この理論はケインズ経済学の再生・復活であり、軍産複合体の政治理念の基盤になっている新古典派新自由主義に対抗するものではないかと睨んでいる。本問題に対しては別途、記事を投稿する予定だ。

本来のマスコミなら、その内容も報道すべきだが、安倍政権は再販制度で新聞会を牛耳っており、マスコミはマスコミで「記者クラブ」を結成し、まともな報道機関を政府の記者会見からシャットアウトしているから、それがそうならない。

第二に注目すべきことは、NHK(日本偏向放送協会)在籍した経験があり、「NHKから国民を守る党」から出馬した立花隆氏が比例区で当選、1議席を確保したことだ。今後、同紙はNHKを国会で追及するとともに、政党要件を満たすべく行動していくであろう。NHKはテレビはもちろん、パソコンやスマートフォンを設置しているだけで、番組を見なくても視聴料をヤクザまがいの委託業者に徴収に行かせる行為を行っている。

テレビなどの視聴者は自身を守るため、NHKの電波のみを遮断するアダプター(イラネッチケー)をテレビまたはアンテナ・ケーブルを取り付けているが、政権の見方である裁判所(日本国憲法で最高裁判所長官は首相が任命する)は「取り外せるから、放送法違反になる」との判決を下している。もっとも、強力接着剤でテレビに固定化した場合の判決は下していない。その場合は、さすがの地方、高等、最高裁判所も誤った判決はできないはずである。

大災害が起こった時は、民法やスマートフォン各社、LINE等が避難などの重要情報を流すことで、国民は容易に対応できる。

こうしたことから、今回の参院選は安倍政権妥当の種がまかれた総選挙と総括して良い。

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