権力奪取闘争の構図は「野党対与党」ではなく「革新勢力対守旧派」

我が国の権力奪取闘争の構図は「隠れ自公派」の混じっている「野党」が存在するため、通常の「与党対野党」ではなく、権力を国民に取り戻す「革新派」対議員特権・既成勢力の利権の温存を図る「守旧派」という構造になる。

もはや、この国の立憲民主党や国民民主党は野党ではなくなった。単に安倍晋三自公政権の補完勢力に過ぎない。その端的な証拠として挙げることが出来るのは「桜を見る会」のどさくさに紛れて、今臨時国会での安倍政権の狙いだった日米貿易協定の批准に加担したことだ。

同協定は12月4日、今臨時国会で批准された。日米貿易協定は、日本側の唯一の「利益」であった対米自動車および同部品の米国での輸入関税撤廃が事実上、雲散霧消した一方で、農畜産物の対日輸入関税が即時引き下げるという屈辱的な令和の不平等条約である。こうした、外交ではなく害交をさせられた安倍晋三政権の失態はもはや、問題外である。

朝日デジタルによると、
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こうした状況の中、朝日新聞は11月、今回の協定で日本が米国に輸出する際にかかる関税がどれほど減るか独自に試算し、報道した。政府が年2128億円とした削減額は、自動車関連関税を除くと1割ほどの260億円前後にとどまるとの結果が出た。

牛肉や豚肉など米国が重視した農林水産品を日本が輸入する際の関税は、TPP加盟国並みに即時に引き下げられる。
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米国が輸出する牛肉などの農畜産物には、近年健康上問題があることが明らかになってきた遺伝子組み換え農作物や人体に極めて有害な農薬、成長ホルモン剤などが含まれている。枯葉剤で有名なモンサント(現在はドイツ企業バイエルに買収されている)製の農薬を散布し続けた米国の小学校の用務員が末期がんになり、裁判で360320億円の賠償を命ぜられた。モンサントがこの農薬を使えばがんになることを認識していたとの内部秘密資料が発覚したためだ。

これは、第一弾に過ぎない。米国は来年秋、大統領選挙を控えており、トランプ政権は貿易だけでなくサービス、医療制度、政府調達、訴訟制度までの米国産の農畜産物を摂取すれば、日本国民の健康が損なわれる危険性が極めて高い。そうなった場合の治療費はかなり高額である。日本の健康保険(社保、国保)が適用されない薬を使わなければならなくなるためだ。いこのため、米国は混合診療を求め続けている。

日本の医療保険が適用されない薬に適用できる医療保険業務を展開するためだ。要するに、マッチポンプなのである。しかし、こうした保険の保険料は極めて高額だ。一部の高所得層しか加入できない。そして、日本の医療保険の適用できる検査、薬の範囲は狭められる蓋然性が高い。所得によって、生命の維持に差が出てくるのは必至だ。生存権を保証した日本国憲法の破壊である。

これは、ひとつの例に過ぎない。日本が物品貿易協定(TAG)とごまかす今回の日米貿易協定の本質は、日本の経済社会の仕組みを米国の多国籍業に都合の良いように改悪する日米FTA(Free Trade Agreement)である。本来は、WTO(世界貿易機構)も関税同盟よりも悪いFTAは禁止すべきである。この協定は、安倍政権側が野党の求める資料を出すのを拒み、審議らしきものさえせずに、自公と立憲、国民の国会対策委員長らの談合の下に、衆院外務委員会で採決を行わせ、通してしまった。

国会で多数を握られてしまった野党の戦術として、審議拒否は有効だ。特に、桜を見る会は、首相などの選挙区の有権者に実質金品を供与するなど公職選挙法違反、政治資金管理団体の収支報告の不記載という政治資金規正法、定められた目的以外の使徒に使ってはならないという財政法違反の疑いの濃厚な案件である。小渕優子氏の観劇会の際には東京地検特捜部がすばやく動いた。しかし、今回はその気配は全く無い。検察庁自身が安倍政権の手下であるからだ。政敵を倒すためだけに使う。検察は行政組織だが、司法に近いところに位置する。裁判所も、現憲法の欠陥のひとつだが、最高裁長官は首相が任命するから、首相の脂質によっては三権分立制度は崩壊する。現に、崩壊している。

審議拒否には大義名分がある。安倍政権が正確な資料を提出しないまま、日米貿易協定を強行採決することは大いにあり得るが、ことは国民生活の根本にかかわることだけに、そうすれば国民の批判を受けることは必至だ。また、本来の野党なら、その内容を街頭はもちろんインターネットを駆使して国民にあまねく周知徹底させるはずだ。

それを、そうしないで国会での「批准」に協力したのだから、立憲、国民はもはや野党ではなく事実上、与党の補完勢力であり国会議員特権を享受したいだけの「議員」の集まりでしかない。

その立憲と国民が社民も含め年末に向けて、新党結成を急いでいる。政党助成金獲得が目的であり、血税を自分たちだけのために使うためである。「国民の生活が第一」というのはどこに消えたのか。

ところが、驚いたことに、立憲、国民、それに日本共産党の党首の玉木雄一郎代表、枝野幸男代表、志位和夫委員長ら党首らが5日集まり、惨敗した高知県知事選挙の慰労会を行った。毎日新聞によると席上、志位委員長は「野党の信頼の絆が強まった。この流れを大事にして都知事選、衆院選での野党共闘のさらなる発展につなげたい」と語ったという。

サイト管理者は資本論も弁証法的唯物論も史的唯物論(唯物史観)も間違っていると判断しているが、同党の理論的基盤は日本資本主義の特殊性を指摘した講座派の流れを組むことから、今の同党の政策自身はかなりの程度、まともなところがあると思っている。その日本共産党の志位委員長が都知事選、総選挙でも立憲、国民と共闘するという。

立憲、国民が政策よりも総選挙での候補者調整を優先させているが、共産党は政策での一致・共闘を優先させているから、その狙いから発言していると思われるが、その手に乗る両党ではあるまい。このままで行けば、都知事選、総選挙が悲惨な結果になることは目に見えている。

早急に、政策連合・平和と共生オールジャパンの理念と政策を旗印に、市民の結集を進めるとともに、国会議員(元職、新人候補含む)の連携を強力にして、「確かな政策連合」を結成していかなければならない。

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