コロナショックで金融恐慌から世界恐慌への最悪のシナリオも-急がれる大規模財政出動(加筆)

時事通信社など各種メディアの報道によると、18日のニューヨーク株式相場は、新型コロナウイルスの感染拡大をめぐる市場の動揺が再燃し、急反落した。優良株で構成するダウ工業株30種平均は前日終値比1338.46ドル安の1万9898.92ドル(暫定値)で終了。終値の2万ドル割れは2017年2月上旬以来で約3年1カ月ぶり。下げ幅は一時2300ドルを超えた。米CNNの報道によると、スティーブン・ムニューシン財務長官が17日「新型コロナウイルス感染拡大の影響について、対策を講じなければ米国内の失業率が20%にまで上昇しかねないと警鐘を鳴らした」と発言。大規模な財政出動が急がれることを強調したと見られる。

トランプ大統領はただちに、ムニューシン財務長官の発言を一蹴したが、これは米政権と議会が1兆ドル規模の大規模な財政出動に踏み切る予定であることを念頭に置いたもの。ただし、新型コロナウイルス感染者が世界全体で20万人を突破、終息の兆しがみえないことから各国政府は相互に入出国を禁じ、物流も非常に停滞している。欧州諸国のように自宅待機を義務付ける国も出ており、大規模な財政出動策には、国民に対する思い切った現金給付を含むことも必要だ。

なお、ニューヨーク州件取引所でも新型コロナウイルスに感染した関係者が発見されており、同取引所が一時、閉鎖される可能性も出てきた。

これより先、日本でも18日の東京株式市場は、日経平均株価が前日の終値より284円98銭(1・68%)安の1万6726円55銭で取引を終え、3年4カ月ぶりに終値が1万7千円を割り込んだ。最早、各国中央銀行の金融政策ではコロナ・ショックに対して打つ手が無くなっており、財政出動を求める声が高まっている。

昨年10月に消費税増税を強行した自民党内部にさえ、若手グループから➀一時的な消費税減税(税率0%への引き下げ)②国民への現金給付-などを含む総額30兆円を超える財政出動を盛り込んだ2020年度の第一次補正予算案の編成を求める声が強まっている。

日本は昨年10月の消費税増税強行で第4・四

本日19日にも新型コロナウイルス感染症対策本部、同専門家会議の第三弾の対策が発表される予定だが、これまでの方針を抜本的に転換する必要がある。

半期の国内総生産(大まかに言って、国民の給与所得と企業の利益の合計)が年率換算で7.1%減少した(名目国内総生産が550兆円程度だから年率換算で約40兆円吹き飛んだ形)ところを、世界保健機関(WHO)によるパンデミック宣言でコロナショックが追い打ちをかけているため、最悪の事態も想定しなければならなくなってきている。基本対策は、➀大規模な財政出動②死亡後に新型コロナウイルス感染が原因だったことが判明した事実が報道された(適切な新型肺炎対策をそちすることが出来なかった可能性がある)が、こうした異常な状況を防ぐために感染状況の実態を踏まえて適切感染拡大防止に総力を挙げて取り組む-ことが必要である。

第二については、本サイトでも再三再四述べているように、➀全国で11万程度ある病院・医院に対して新型コロナウイルス感染予防対策を徹底し、医療崩壊が起こらないようにする②現在1日1000件程度にとどまり、韓国など他の諸国に比べて異常に少ないPCR検査については、かかりつけ医師の判断で国や地方自治体の検査機関だけでなく、民間の検査会社もフル活用し、あらゆる検査ツールの活用で検査を迅速に行えるようにして検査件数の大幅増加を図る③PCR検査と患者の症状に適した適切な医療を行う④併せて、感染した場合の症状や講じた医療措置などの膨大な情報を取得し、医療機関が情報を共有して、正確な情報を国民に開示する④困難さが指摘されているが、新型コロナウイルス抗体ワクチンの開発に全力を挙げて取り組む-などの措置が必要だ。

下図は東洋経済オンラインのPCR検査人数の累積だが、2月6日から3月18日までの42日間の累計検査人数であり、1万5000人としても357人と400人に到達していない。厚労省によると、2月18日~3月13日までの23日間の国内(国立感染症研究所、地方衛生研究所など)での新型コロナウイルスに係るPCR検査の実施件数は28,009人で、1日あたり1217人。

政府は、緊急テレビ会議しかできなかったG7後の安倍晋三首相の「完全な形で東京オリンピックを開催する」を橋本聖子五輪相が「開催予定日に予定通り完全な形で開催する」と補足し、予定通りに開催する構えを崩していない。しかし、これは国威発揚とオリンピック事業収入を予定通り確保することが狙いであり、「新型コロナウイルス感染拡大防止=人命尊重」は後回しになっていることの表明でしかない。

強行開催の是非については、遅くとも5月中には、判断しなければならないが、➀それまでにパンデミック宣言が解除されるのか②海外諸国からの選手団や観戦客の入国は可能なのか③オリンピック競技中に感染が拡大する恐れはないか-など、誰が考えても疑問が浮かび上がる。オリンピックの観戦チケットは規約によってキャンセルを受け付けられないが、キャンセルが早ければ早いほどキャンセル料は安く抑えられるから、新聞・テレビ・ニュースサイトなどによると、国内外のホテル予約のキャンセルが相次ぐ状態になっている。また、朝日デジタルの世論調査によると延期を望む国民は63%と多い。

本日19日にも新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の第三弾の現状認識・提言が発表される予定だが、これまでの方針を抜本的に転換する必要がある。

※追記
各種マスコミの報道によると、エチオピア出身で同国の保健大臣を務め、同国の健康増進に顕著な実績を残したことでも知られている世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は現地時間16日(日本時間17日18時)、「この1週間で新型コロナウイルスの感染が急速に広がった。中国以外の感染者と死者の数が中国を上回った」として、新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大していることを懸念したうえで、「誰が感染しているか分からなければ流行を防げない」と指摘、各国にPCR検査など新型コロナウイルスに拡大しているか否かを判定する検査を徹底的に行うよう求めた。とにかく、「検査、検査、検査。疑わしい例は全て検査する」必要があることを強調した。

これに反抗しているのが政府=安倍政権である。肺炎は現在、老衰を除く死亡原因の4番目になっているが、今年に入っての肺炎による死亡者の中に、新型コロナウイルス感染による新型肺炎にかかったが、検査を受けられなかったことから医療措置を誤り、亡くなられた方が多数存在する可能性がある。本文にも記したが、厚労省によると1日あたりのPCR検査人数は1200人程度であり、韓国の2万人程度とは雲泥の差がある。新型コロナウイルスに感染しているか否かの検査はPCR検査が一般的だが、他の検査方法もある。また、韓国で始まった感染防止のために自動車の車内で検査するドライブ・スルー方式を用いるのも、検査拡大に役立つ。重要なのは、各種の検査方法を迅速かつ着実に行うことである。

おすすめの記事