日本の「自粛要請型」では感染阻止出来ず経済も崩壊-GPS個別追跡型で両立せよ

新型コロナウィルス感染症対策の方針として、①欧米ロックダウン型②日本の自粛要請(強制)型③韓国・台湾のGPS個別追跡型−の3通りあるが、欧米ロックダウン型は既に破綻。日本型も肝心のPCR検査に踏み切れないでいるから、フラフラしており中途半端になって、感染拡大に失敗、経済の大不況がいずれ押し寄せてくる。やはり、韓国・台湾で行っているように真の感染源をGPSで国民のスマートフォンに知らせ、行動規制(行動自粛)と仕事を両立させる東アジア型の個別追跡型が最有力だ。

本投稿記事は、今回のコロナ禍が謀略によってもたらされたものではないということを仮定している。その場合は抗ウイルス薬または免疫力をつけるためのワクチンが早期に生産され、情報を提供した政府の感染症研究所と開発した製薬会社は巨大な利益を被ることになる。本記はまた、デモクラーシータイムスの「【金子勝の言いたい放題】危機ほど先のことを考える~新型コロナは歴史的文明的危機」に寄っている。記して謝意を表明しますが、文責はもちろん記事を投稿したサイト管理者にあります。

さて、欧米で取られた都市封鎖(ロックダウン)方式は今や、深刻な経済社会状況を迎えつつある。米労働省が発表した4月の雇用統計によると、4月は新型コロナウイルスの影響で非農業部門の雇用者数は前月比2050万人もの減少を示し、失業率は14.7%と戦後最悪の水準になった。戦前の1920〜1930年当時の大恐慌時の25%に次ぐ悪化である。比較的公平な予測である米議会予算局は、今年4〜6月期の実質国内総生産(GDP)=実質経済成長率として、前期比年率39・8%の大幅減少を予想している。

米国のトランプ政権は総額3兆ドル(3200兆円)で、国民の生活支援と企業存続にテコ入れを図ったが、両者を支えるのに精一杯。とても、景気浮揚どころではない。財政・貿易の双子の赤字の解消が絶望になっている同国では赤字国債の発行しか「財源」にならない。新型コロナ禍で経済が縮小不均衡(経済規模縮小のスパイラル化)に陥り、生産・在庫の減少が見込まれるうえ、海外諸国も人の往来に加え、貿易にも消極的だから、製品やサービスの量は少なくなる。一方で、新自由主義に基づく大規模な赤字国債の発行と積年の金融緩和より、カネがじゃぶじゃぶ余っている。だから、何かのきっかけ=経済社会の完全ストップを阻止する最低限の人々(医療はもちろん電気・ガス・水道など社会インフラに携わる低所得層の米国民)が新型コロナに連鎖感染するようになるなどのことが起きれば、ハイパーインフレーションになる。

当然、高所得層はその煽りを受けて、それらしき生活ができなくなる。要するに、新型コロナウイルスに対していは米国流「リバータニアズム(個人主義的利己主義)」は作動しなくなるのである。

都市のロックダウンは非常に厳しいが、それに伴う経済社会活動の停止も非常に厳しい事態を招来することになる。米国では、リバータリアニズム(完全自由主義=利己主義)が国の根本だから、フランクリン・ルーズベルトの「ニューディール政策」もうまく作動しなかった。米国は結局、経済力・軍事力にものを言わせて、米ソ冷戦に打ち勝ち、グローバリズムと言う名の新自由主義=新自由放任主義=弱肉強食路線を突っ走った。国民会保険制度などの資本主義の安全装置を経済社会に組み込むことに失敗したのである。

英国も似たりよったりだ。独仏など社会民主主義を経験したことのある欧州は多少の違いはあるが、都市封鎖と赤字国債による国民の生活支援、企業の事業継続支援が長く続けば、ハイパーインフレーションは必然的に起きざるを得ない。

これに対して日本は、国民や企業に対して「営業自粛と自宅待機」を要請するという方式を採用している。しかし、東京オリンピックの強行開催に固執し、初動対応が大変に遅れたほか、初動対策も豪華客船ダイヤモンド・プリンセス号の大失敗に示されるように感染症の専門家を入れずに、厚生労働省が無知と独断に固執したため、外国政府が自国民を救出するなど、悲惨な結果になった。特に、国内外からの批判の高いPCR検査を意図的に妨害してきたことは、全くの誤りであった。

こうした中で、政府は財政出動(赤字国債の発行)の規模を次第に引き上げざるを得なくなっている。日銀に至っては、国債の市中からの無制限買い上げはもちろんのこと、投資リスクの高いコマーシャル・ペーパーや社債のほか、株価指数などに代表される指標に連動する不確実性の高い投資信託のETF(Exchange Traded Funds)の買い入れなど、考えつくおよそあらゆる金融商品を買い入れ、市中にカネをジャブジャブ流し続けている。

赤字国債の発行は当座は必要だが、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の特性から世界保健機関(WHO)が劇的な効果を持つ抗ウイルス薬やワクチンの開発には時間がかかると言っていることを考えれば、「長丁場は覚悟しなければならない」(安倍首相)現状である。赤字国債発行であれ金融商品の無制限の買い入れであれ、鉱工業生産と在庫の縮小は目に見えているから、医学的・科学的な根拠に基づいた確かな「出口戦略」を取って新型コロナウイルス感染症拡大防止と経済社会活動の正常化を図らない限り、米国と同じようにハイパーインフレーションが起きる公算が大きい。

日本はどちらかと言えば、欧米の「都市封鎖型」に近いが、予算措置を大幅に取り入れた医療機関の防疫体制の抜本的強化とPCR検査体制の拡充には力を入れず、世界各国から感染確認者の公表値は信じられていない。要するに、戦前・戦中の「大本営発表」と同じで、その意味では、PCR検査を積極的に行った欧米の「都市封鎖型」よりタチが悪い。「専門家会議」も普通の政府の諮問機関としてしか機能していない。「仁術」に徹し、政府と独立した医学研究者・医師・医療技術者の集団として、政府から独立した強力な米国のような疾病予防管理センター(CDC)がないから、「出口戦略」も展望できない。

独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構(JCHO)という組織がある。JCHOは、旧厚生年金病院などの公立病院、準国公立病院の統廃合のための設立された。しかし、今回の新型コロナ禍に関しては、これらの医療機関が感染が疑わしい患者さんを積極的に受け入れた。

安倍晋三首相と尾身茂氏。PCR検査数の極端な少なさに対する批判に、しどろもどろに答える安倍首相

尾身茂氏はそのJCHOの理事長だが、政府の専門家会議の副座長、改正インフルエンザ特別措置法に基づいて緊急事態宣言が発出された場合に組織される政府対策本部に助言する専門家会議の座長に抜擢されている。しかし、JCHO傘下の約60病院のうち新宿区にある東京メディカルセンター(旧厚生年金病院)では大規模な新型コロナウイルスによる院内感染が発生、今も外来、救急患者の受付を拒否せざるを得ない状況に陥っており、地域の中核病院としての役割を果たせなくなっている。尾身氏は、自分たちの提言した新型コロナウイルス感染症に対する対策案(最大の欠陥は当初からPCR検査など各種の検査の必要性と検査体制の整備の主張、主張の点検をしなかったこと)の結果として、こうした医療崩壊の現状をどう思われ、どう責任を取るのか。

「集団感染」の主な区域は、医療機関・高齢者介護施設・障害者施設である。こちらの防疫体制を予算措置を政府に取らせて完全なものにし、PCR検査を中心に必要な検査を徹底的に行えるよう、防疫体制を最大限に強化した検査センターの設置に尽力することがまず、最初に政府=安倍政権に命じるべき対策ではなかったか。

こうした状況を考えてみると、抗ウイルス薬やワクチンの開発が急がれるとしても取りあえずは、2020年度予算の予備費を活用しながら、早急に第二次補正予算案を策定して、政府=安倍政権自身があるべき行動変容し、これまでの対策を抜本転換するのが筋だ。

最近は、安倍官邸の主導で一枚岩と言われた首相官邸、政権内部、地方自治体相互に亀裂が生じているようだが、その亀裂をついて日本維新の会らが安倍政権に揺さぶりをかけているようである。ただし、大きな変化が起きるとは考えられない。

こうなると、韓国や台湾で一定の成功を収めている「GPS個別追跡型」(新型コロナウイルスの感染源を特定できる情報を国民のスマートフォンに知らせ、行動規範を案内する。情報については、マイナンバーカードに紐付けないようにし、倫理・道徳性が高く高度先端医学・遺伝子工学・情報工学に精通した専門家手段が管理する方法が一番良いと思われるが、管理・運営、データの暗号化や廃棄の手法を国会で確立する必要がある)の感染症対策を取ることが、現時点は感染者の拡大を抑え、経済社会に一定の安定を取り戻す上での最善の政策ではないか。

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