新型コロナウイルスの世界的パンデミックの勢いが止まらない。日本でも現状、東京はじめ全国の新規感染確認者数の増加数は元に戻りつつある。東京都民としては「有効なコロナ禍対策」を提示する候補を当選させなくてはならない。自民党は河井夫妻の逮捕が致命的になる公算が高く、事実上の自民党公認の小池候補は「横綱相撲」は取れないだろう。宇都宮健児氏を押す立憲も所属参院議員が離党、枝野幸男代表ら幹部は焦っている。やはり、MMTの援用を視野に入れているれいわ新選組の山本太郎代表が「台風の目」になりそうだ。

朝日デジタルが2020年6月20日8時31分に掲載の「ブラジル、感染者100万人超える 死者は4万8千人」と題する記事によると、「南米ブラジルの保健省は19日、新型コロナウイルスの累計感染者数が100万人を超えたと発表した。死者も計4万8千人以上に達した。中南米の感染者約190万人の半数以上をブラジルが占めるが、ペルーやチリなどでも感染者が増え続けている」という。

ほぼリアルタイムで世界各国の感染確認者数、死亡者数を刻々と伝えているジョンズ・ホプキンス大学によると、6月20日午前7時33分(日本時間)現在はそれぞれ862万8403人、45万5676人である。

ジョン・ホプキンス大学の新型コロナウイルス感染者数・死亡者数のサイト(https://coronavirus.jhu.edu/map.html)

同じく朝日デジタルが2020年6月19日22時33分に投稿した「埼玉、集計変更で死者13人追加 国内で58人が感染」と題する記事によると、「国内の新型コロナウイルスの感染者は19日、午後9時現在で新たに58人が確認され、累計で1万7879人になった。東京で3人、北海道と神奈川で1人ずつ亡くなった。埼玉県はこの日、死者の集計方法を変更したとして、13人の死者を新たに計上。国内の死者は959人となった」。

これは、厚生労働省が「18日付で都道府県などに対し、入院・療養中に死亡した感染者については、厳密な死因を問わず公表するよう求める通知を出したため」。乱暴な議論だが理由は、今年は3月以降、各月の死亡者数が過去数年間の平均的な死亡者よりも相当多いことによると思われる。本サイトでもしばしば述べているように「超禍死亡」の問題だ。つまり、PCR検査をしなかったために、新型コロナウイルス感染による新型肺炎で亡くなられた方が少なからずおられるということであり、実際の感染者数、死亡者数は厚労省の公表数値よりかなり多いということである。

ノーベル医学・生理学賞受賞者の山中伸弥京都大学大学院教授が個人的に公開しているサイト(https://www.covid19-yamanaka.com/index.html)によると、「東京都の4月の死者数が公表されたが、3月、4月とも平成11年以降で最多であり、過去5年間の平均より3月と4月の合計で1481人多かった。新型コロナウイルスによる死者数として報告されているのは3月と4月の合計で119名であり、実際には10倍以上多かった可能性が考えられる」という。

また、「東京都と同様に大阪府、大阪市共に今年3月と4月は、過去4年間に比べて死者数が多かったことがわかります。過去4年の平均値と比べた超過死亡数の増加は、大阪府では187名(3月)と865名(4月)、大阪市では67名(3月)と260名(4月)でした」という。もっとも、超禍死亡者数のうち全ての死亡者数が新型肺炎によるものとは限らない。この点については、山中教授も誤解のないように記述を変更されている。また、「超禍死亡者数」という言葉も適切でないとの圧力もあったようで、サイトでは「超禍死亡者数」とされている。

ただし、国立感染症研究所でも「超禍死亡」という言葉は使っている。政治的圧力と考えてよいだろう。いずれにしても、これまでの厚労省の統計は感染確認者数、死亡者数とも信頼できないのは確かだ。基本的にはPCR検査などの検査を抑制してきたからだ。そのため、国内の新型コロナウイルスの感染実態を把握できていないのである。

やはり、喫緊の過大は「新型コロナウイルス感染拡大」の阻止と「経済活動再開」の両立だ。政府と現職の小池都知事率いる東京都は、「自粛」から「自衛」という言葉で、これまでの「自己責任原則」をコロナ禍にも適用し、後者最重視に踏み切った。要するに、「人命」よりも「財政再建」なるものが重要と考えている「新自由主義」の立場に立っているからである。

しかし、自己責任原則の別表現である自衛を押し付けられても、都民・国民としてはどうすることもできない。厚労省や小池都知事率いる東京都では、夜の「接待を伴う飲食店」を目の敵にして、罰則を設けるなどと言い出しているが、いわゆる三密の代表は小池都知事が「満員電車の解消」という公約の達成に失敗した、その「満員電車」ではないか。満員電車での感染拡大がどうなっているのか、情報は明らかでない。また、医療機関・介護施設の院内・施設内感染の拡大も収まっていないようだ。情報を公開しないから、国民の目には分からない。

やはり、原則的には「春の健康診断」を使った全員検査とGPS個別追跡型の感染防止対策を組み合わせながら、適切な休業補償と経済活動を進めていくという道を探らなければならないだろう。そのためには、これまでのコロナ禍対策を抜本的に改め、思い切った予算措置を講じる必要が在る。ところが、河井克行前法相・衆院議員と妻の河井案里参院議員が逮捕されたことなどから、政府=安倍政権は「臭いものに蓋」で17日に国会を閉じてしまった。

「河合両議員夫妻は小物だから大したことはない。ほとぼりが冷めれば国民も忘れ、支持率も回復するだろう。第二四半期の実質国GDP(国内総生産)は前期比20%程度のマイナスになっても、その反動で第三・四半期の実質GDPはプラスになり、そのことは第一次速報値の11月には明らかになるから、その時に解散・総選挙で正面突破を計れば良いだろう」というのが、自民党執行部の考え方だろう。

昨夏の参院議員選挙で挨拶する安倍晋三総裁(ヤフーニュース・https://news.yahoo.co.jp/byline/goharanobuo/20200619-00184126/)より

しかし、そうは問屋が降ろさない。まず、新型コロナウイルスの第二波が襲ってくる可能性が高い。現状でも感染拡大はある程度の規模で続いている。さらに重要なことは、敏腕検事として知られ郷原総合コンプライアンス法律事務所の郷原信郎代表弁護士が「検察は“ルビコン川”を渡った~河井夫妻と自民党本部は一蓮托生」で述べているところによると、昨年夏の参議院選の3カ月も前に実質的な買収を行ったとしても通常は、公職選挙法違反(買収)容疑で起訴するのは難しい。しかし、それにも拘らず、検察庁は東京地検特捜部(もっぱら、政治家を逮捕・起訴する部署)の応援を得た広島地検での捜査で河井両議員の起訴が可能であることを確信し、今回の検察の河井夫妻を逮捕に踏み切ったと述べている。

多少長くなるが、引用させていただくと、
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公選法221条1項では、買収罪について、「当選を得る、又は得させる目的」で、選挙人又は選挙運動者に対して「金銭の供与」と規定しているだけであり、「特定候補を当選させる目的」と「供与」の要件さえ充たせば、買収罪の犯罪が成立する。

ここでの「供与」というのは、「自由に使ってよいお金として差し上げること」だ。現金を受領したとされる相手が、「案里氏を当選させる目的で渡された金であること」と「自由に使ってよい金であること」の認識を持って受領したことが立証できれば、買収罪の立証は可能なのだ。
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検察庁としても膨大な証言と物証を得ており、この立証は可能だろう。その場合、起訴・有罪ということになる。

さらに、重要なことは河井克行容疑者に対して1億5000万円を供与した自民党本部の責任者(恐らく、安倍総裁)に対して「交付罪」というものが成立することである。「多額の選挙資金の提供を決定した側が、『選挙人』等に供与する資金に充てられると認識した上で提供したのであれば、『交付罪』(供与させる目的を持った金銭の交付)に該当することになる」(郷原氏)。検察の最終的な狙いは自民党が「小物議員」と称する河井両議員夫妻を有罪にすることではなく、交付罪に該当する「中心人物」を特定し、逮捕・起訴することであろう。

この動きが本格化して表面化すれば、国民の安倍政権・自民党不信は決定的になり、安倍内閣は総辞職という事態に追い込まれる公算が大きい。自民党内も既に当選回数の少ない衆院議員から焦りが出ていると思われる。こうした状況は、事態を見越して「自公推薦」ではなく「無所属」として出馬している小池現職都知事候補の選挙活動にも当然、影響してくる。表向きは「無所属」だが、自民党の事実上の「公認候補」であるため、安倍政権・自民党に対する批判が大きな逆風になる公算が大きい。

また、小池都知事には、強いて言えば新自由主義の立場だが、基本的には何らの理念・政策もない「権力獲得型政治家」がその実像であることが知れ渡ってきた。加えて、エジプト大使館がフェイスブックで「学歴詐称問題」を払拭するための「援護」声明を出したことや小池氏を批判する一部のメディアやフリーランサーを排除して卒業証書類を公表したことが、逆効果になっている。

理由としては、①声明発表時期が、エジプト大使館が都議会での審議日程をあらかじめ知っていたとの印象を与え、エジプト軍事政権の傀儡になっているとの疑惑を持たれた②公開した卒業証書類も、過去に少しだけ見せたものと異なり、本物かどうかの疑いが出ている−ことなどだ。なお、コロナ禍での都知事選になっているため、都民が自宅で石井妙子氏の「女帝小池百合子」やYoutubeなどを見て、小池氏を判断する公算が大きい。

加えて、朝日デジタルが2020年6月19日20時22分に投稿した「都知事選、国政に影響必至 立憲、主導権維持に向け本腰」と題する投稿記事によると、「都連を中心に心中は穏やかではない。前回の知事選で自民党を飛び出し、自民都連の不透明な運営を批判して大勝した小池氏には、党内で恨み節が消えない。今回の知事選では、二階氏を中心に小池氏に『推薦』を出す準備を進めたが、最終的に小池氏に袖にされた。小池氏が再選すれば『次に再び国政に来て敵対するかも』(閣僚経験者)との懸念もくすぶり、小池氏への支援はまだら模様だ」という状況になっている。

次に、宇都宮健児候補側だがどう見ても高齢だし、コロナ禍対策は財政措置面が特に弱い。また、先の朝日デジタルはによると、「枝野氏ら立憲幹部の動揺を誘うのは、現職の小池百合子都知事よりもむしろれいわ新選組の山本太郎代表の存在だ。(中略)立憲ベテランは、仮に山本氏に宇都宮氏が競り負けた場合、枝野執行部の求心力低下は免れないと指摘。『今後の野党共闘や政党合流にも大きな影響を及ぼしかねない。都知事選は、野党の主軸がどこになるのかが問われる』との見方を示す」。

れいわの山本代表が野党統一候補にならなかったのは、ゼロ%に引き下げることを党の公約にしているのを譲って5%と言っているのに立憲民主党幹部がそれも拒否し、また、れいわが都内に足場を固めることを拒否したためだ。これは、立憲がなお御用組合で、自公政権支持の連合の支配下にあるためだ。枝野幸男代表など立憲幹部に反発して、既に17日には立憲の須藤元気参院議員が山本氏を応援するとして離党届を提出した。なお、野党の党首がいくら宇都宮候補を応援しても、心ある都民宇都宮氏の人柄と政策を見て、投票判断する。Youtubeの再生回数を見るだけだが、宇都宮候補にはあまり人気がない。

令和の山本候補には、当初は新自由主義の理論的基礎になっている「正統派経済学」者や財務省、政府にコントロールされている大手メディアから的はずれな批判を浴びてきたが、現在ではコロナ禍に対する抜本対策の経済理論として次第に期待を浴びてきている「現代貨幣理論=Modern Monetary Theory」を見据えている。その要諦は、「統合政府(政府と日銀)は通貨発行券を持っているから財政が破綻するなどということはあり得ない。財政均衡よりも完全雇用達成が重要で、物価上昇率をコントロールしながら財政出動を積極的に行っていくべきだ」というもの。

山本太郎代表と馬渕澄夫衆院議員(無所属)=朝日新聞系論座(https://webronza.asahi.com/politics/articles/2019110300003.html)

山本候補の地方債発行によるコロナ禍対策は、このMMTを見据えたものだ。コロナ禍という未曾有の危機的状況下にあって、野党再編を皮切りに日本の政治構造も大きく変わる時に来ているのだろう。

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