政府=安倍政権、PCR検査妨害策変わらず

5月4日の政府=安倍晋三政権の「緊急事態宣言」を受けて、政府の新型コロナウイルス感染症対策本部(本部長・安倍首相)が同日、新たに「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」を新たに発表したが、PCR検査等の検査軽視方針は不変だ。この感染症は無症状・軽症の段階から突然、重症化するやっかいな感染症だ。また、検査数が極端に少ないと、出口戦利略に必要なウイルスの実効再生産数も信頼できる数値が得られない。政府=安倍政権は新型コロナ禍軽視策を継続する一方、どさくさに紛れて公的年金制度改革法案や種苗法改正法案、国家戦略特区構想の強化策(スーパー・シティ構想など)を着々と進めている。しかし、こうした状況では感染拡大を阻止して経済社会活動を正常化することは不可能だ。そのことはまず、18日に発表される今年第1・四半期の実質GDP統計に表れてくるだろう。

連休中の日本国内の感染者数は鈍化している。朝日デジタルが2020年5月6日22時55分に発表したデータによると、「新型コロナウイルスの感染者は6日、午後9時現在で新たに108人が確認され、国内の感染者は計1万5488人となった。死者は11人増え、計577人となった」。ただし、108人中、「政府が指定する13の特定警戒都道府県での新たな感染確認者数は104人だった」。焦点の東京都は「新たな感染者は38人。4日連続で100人を下回った。死者は5人増えて計155人」だった。

なお、感染拡大の第二派が生じている北海道では、「新たに23人の感染が確認され、感染者はのべ914人」になり、「死者は計46人(1人増)となった」。死亡率は5.0%と日本全体平均の3.5%より高い。さてこれは、政府=安倍政権が「ホームステイ連休」を要請したうえ、連休だったためにPCR検査などの検査が少なかったためだ。

この表を見ると、連休入りからPCR検査はそれまでの8000件から6000件〜7000件に減っていると予想される。本日7日から連休明けであり、本日からPCR検査数が増えてくることも予想されることから、今月半ば以降月末31日までがひとつの注目時期になる。ただし、国際水準から見て、PCR検査などの需要検査の数は恥ずかしい状況が続くだろう。

というのも、政府の感染症対策本部はPCR検査が国際水準から余りにも低すぎると批判を受けながらも、検査抑制、阻止方針は変更しないからだ。4日に公表した新たな方針によると、
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② 新型コロナウイルス感染症が疑われる患者への外来診療・検査体制の確保のため、厚生労働省と特定都道府県等は、関係機関と協力して、次のような対策を講じる。
帰国者・接触者相談センターを通じて、帰国者・接触者外来を受診することにより、適切な感染管理を行った上で、新型コロナウイルス感染症が疑われる患者への外来医療を提供すること。
・ また、特定都道府県等は、関係機関と協力して、集中的に検査を実施する機関(地域外来・検査センター)の設置や、帰国者・接触者外来への医療従事者の派遣を行うこと。また、大型テントやプレハブ、いわゆるドライブスルー方式やウオークスルー方式による診療を行うことで、効率的な診療・検査体制を確保すること。
さらに患者が増加し、増設した帰国者・接触者外来や地域外来・検査センターでの医療提供の限度を超えるおそれがあると判断する特定都道府県では、厚生労働省に相談の上、必要な感染予防策を講じたで、一般の医療機関での外来診療を行うこと。こうした状況では、感染への不安から安易に医療機関を受診することでかえって感染するリスクを高める可能性があることも踏まえ、症状が軽度である場合は、自宅での安静・療養を原則とし、肺炎が疑われるような強いだるさや息苦しさがあるなど状態が変化した場合は、すぐにでもかかりつけ医等に相談した上で、受診するよう周知すること。
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としている。

この新たな(PCR検査検査阻止の不変の)方針には、北海道の鈴木直知事も怒っている。北海道民の携帯電話に2日夕、緊急メールを一斉配信した鈴木知事は6日の記者会見で「賛否両論あるだろうとはわかっていた。驚かせた点は申し訳ない」と述べながらも、軽症の感染者について2週間の療養で異常がなければPCR検査なしで職場復帰を認める国の新たな基準に対し、「突然の変更で少し驚いた。自宅療養者が多数いる東京と、ほぼ100%の人が医療的な管理下にいる道内では状況が違う」と述べ、道では引き続きPCR検査を必須とする方針を継続するとした。

朝日デジタルが2020年5月6日 20時31分に投稿報道した記事によると、「群馬県は6日、交通事故で県内医療機関に救急搬送後、(救急治療が奏功してタクシーでアルバイト先に帰った後に症状が急激に悪化して)死亡が確認された栃木県在住の60代男性について、新型コロナウイルスの陽性が判明した、と発表した」という。無症状感染者だったと見られるが、新型コロナ感染症は急激に症状が悪化するやっかいな感染症だ。

加えて、医学的・感染症学的立場からは、PCR検査が異常に少ないと、「緊急事態宣言」の解除になる根拠として重要なウイルスの「実効再生産数(社会の構成員の免疫獲得者の割合をpとして、基本再生産数×(1-p)で計算される。免疫力が効力のあるものと仮定すれば、1人の感染者が実際に感染を拡大する人数」の正しい数値を計算できない。昨日の投稿記事で明らかにしたように、ワクチンの開発が困難であることや有効な抗ウイルス薬が限られている現在、この数字はPCR検査などの検査で、検査人数が多ければ多いほど正しい数値が得られ、接触率の削減率がどの程度必要になるのかも変わってくる。

第25条で国民の生存権の保証、第29条で経済活動の自由を守ること(直接的には財産権の保証)を政府の義務に定めた日本国憲法を尊重し、その趣旨に従う政府なら、こうしたPCR検査体制を強化する一方、集団感染の主要源となっている院内感染した医療機関の防疫体制を確立し、個人事業者(フリーランス含む)な正社員に比べて休業補償の少ない非正規労働者、社会インフラを守るために休業できない勤労者、学生などの継続的支援を柱とした強力な予算措置を講じる2020年度第二次補正案の編成にすぐに取り掛かるべきであるところである。

なお、

ところが、新自由主義=新自由放任主義=弱肉強食主義しか持たない(知らない)政府=安倍政権は、新型コロナ禍は煽るものの第二次補正予算案の編成などはそっちのけで、どさくさに紛れて検察庁法改正案、公的年金制度改革案、種苗法改正案の成立、「スーパーシティ構想」など国家特別区域戦略法に基づいて国家特別区域(国家戦略特区)構想の強化(現行の法律を無視して政府がやりたいことを出来る「戦略構想」)などを企んでいる。「火付け泥棒(東京オリンピック強行開催を何よりも優先したため初動対策が支離滅裂だったので、政府が火事を起こしたようなものだ)」、三権の掌握を狙い、平常時でさえ国民生活を疲弊させる法案の強行可決にどをしようとしているわけだ。

黒川弘務東京高検検事長。安倍政権は検察庁法案の国会への提出で三権分立精度を完全に破壊しようとしている。

最も重要なのは、検事の定年延長をめぐる検察庁改正法案。これは、法務省と従来型の検察庁の確執が背景にあると言われている。問題になっている黒川弘務東京高検検事長は東大法学部卒で法務省事務次官の出身。これに対して、田中角栄元首相をロッキード事件で逮捕するなど政治家をも失脚させてきた東京地方検察庁特捜部の特捜部長はこれまで36人が就任したが、このうち東大法学部出身者は6人と言われるほど少ない。つまり、東京地検特捜部を柱として検察庁は実力、業務遂行能力重視の部署である。

これに対して、法務省はじめ中央政府省庁は、第2次安倍政権前後の時代以降、自民党主体の官邸が人事権を握ってきた。黒川氏は民主党政権時代に陸山会事件のでっち上げで小沢一郎氏を陥れて民主党政権を潰し、その「功績」を認められて法務省の官房長に就任。官房長時代に、2014年に発覚した小渕優子・経産大臣(当時)が引き起こした後援会観劇ツアーによる有権者買収事件、2016年に発覚した甘利明・内閣府特命大臣(経済政策担当)が都市再生機構(UR)への口利きで現金1200万円収賄した事件(2013年)で、明白な証拠がそろっているのに、この2人を「救済」した。

安倍政権はこれらの「手腕」を買って2016年、黒川氏を法務省事務次官にゴリ押ししたと言われる。その後、東京高検検事長まで就任させた。

安倍政権の忠実な下僕である黒川氏を検事総長に据えようとするのは政権側にとっては当然であるが、従来タイプの検察庁検事はこれに抵抗している。広島高検が公職選挙法違反で、河井克行元法務大臣・川井案里参院議員周辺を摘発し、連座制で両議員を議員辞職させようとしているのは、黒川氏の検事総長への就任を阻止する最後の手段と見られている。なお、この公職選挙法違反には安倍事務所もかかわっているとされ、議員辞職が実現すれば、安倍政権への打撃も大きい。野党が追及するよりも、法務省に抵抗する検察庁の動きがカギを握る。

もっとも、東京地検特捜部は、隠退蔵物資事件を契機に連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)主導で設立された「隠匿退蔵物資事件捜査部」が前身であり、最高司令官は要するに「米国」である。これは、ロッキード事件で同国の意向に従わなかった田中角栄首相(当時)が首相辞任後、逮捕さたことでも明らかだ。どちらに転んでも、日本の検察・司法は政府や米国から独立していない。三権分立が実現していないところに、日本の最大の悲劇がある。ただし、これは国民主権・基本的人権・平和主義を根本理念とする日本国憲法になお、日本の民主主義化の不徹底な部分があることを示している。

しかし、今回の新型コロナ禍が世界のグローバリズム主義者=新自由主義者=新自由放任主義者=弱肉強食主義者の陰謀でない限り、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染拡大は止まらず、経済活動の実質的な停止命令が互いに原因となり結果となって、日本の経済社会は急速に悪化していくだろう。

内閣府が5月18日に発表予定の今年第1・四半期の実質国内生産増加率(実質経済成長率)は、民間経済調査機関の予測で年率3.5%から4.0%のマイナス成長だ。これは、日本の国内総生産(GDP)が20兆円程度吹き飛ぶ勢いである。今年第1・四半期ではコロナ禍の影響はまだ軽微で、緊急事態宣言も発出されていなかったから、第2・四半期以降はさらに悪化するだろう。大規模な不況のさなかに鉱工業生産・在庫の減少でハイパー・インフレが起こる、つまり、大規模なスタグフレーションに陥る可能性もあることを覚悟しておかなければならない。

森喜朗政権以降の以降の以降の以降の新自由主義=新自由放任主義=弱肉強食主義を根本から否定し、対置できる強制共栄友愛の理念に基づく日本型社会民主主義の政策の樹立と政策連合の結成を急ぐべき時である。

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