「大阪都構想」住民投票否決と維新・政界の行方(反対派の年代別投票率の状況を追記)
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「大阪都構想」という名の「大阪市廃止・カツあげ」構想が、大阪市民の住民投票で否決された。日本維新の会の地盤沈下は避けられず、自民党・公明党・維新では、政党内間にも政党感にも亀裂が生じる可能性がある。野党側をこれを好機として、まず立憲民主党の枝野幸男代表が民主党政権時代に悪徳7人衆に属し、消費税増税やTPP(環太平洋連携構想、米国とはより厳しい日米FTAにつながった)を推進してきたことを心から悔い改め、総括したうえで、「共生主義」に基づく大胆な政策を提示し、野党連合政権構を国民の前に提示しなければならない。

11月2日火曜日コロナ感染状況

本日11月2日月曜日の新型コロナ感染状況は、東京都では午後15時の速報値で1周間前の26日月曜日の102人より15人少ない87人だった(https://www.fnn.jp/articles/-/102574)。2日連続の前週比減少。東京都基準の重症者は前日比2人減の32人。死亡者が4人確認されている。東京都基準の重症者数は前日2人減少の32人だった。午後20時30分段階の489人の感染者と12人の死亡者が確認されている。京都のモニタリングhttps://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/では、7日移動平均での感染者数は167.1人、PCR検査人数は3934.3人だから、陽性率は4.25%。東京都独自の計算方式では相変わらず3.5%。感染経路不明率は55.00%だった。愛知県は44人が感染し、大村秀章知事は2日の記者会見で「第3波がきたのではないかと受け止めている」(https://digital.asahi.com/articles/ASNC265CLNC2OIPE03G.html)と都道府県知事としては恐らく初めて、「第3波」の襲来を懸念している。
東洋経済ONLINE(https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/)では、11月1日時点の実効再生産数は全国が前日比0.01人増加の1.15人、東京都では前日比変わらずの1.08人だった。

11月2日のコロナ感染状況

11月2日のコロナ感染状況

11月1日の住民投票の当日有権者数は220万5730人だったが、投票率は前回を4.48ポイント下回る62.35%だったうえ、僅差ではあるが得票差は拡大した。下図にまとめてみる。

大阪市住民投票の結果

時期 反対数 賛成数 票差
前回2015年 70万5585票 69万4844票 1万741票
今回2020年 69万2996票 67万5829票 1万7166票

住民投票での「大阪都構想」否決で、松井一郎市長は任期満了後の2023年4月に政界引退を明言、吉村洋文大阪府知事も任期をまっとうするとし、その前に自身の政治活動について判断するとしたが、「大阪都構想」については今後、「樹民投票」をしないと明言した。松井市長と吉村知事はそれぞれ日本維新の会の代表と副代表を兼ねており、少なくとも「看板政策」を失うことになる。松井市長の政界引退は日本維新の会が党首を失うことになる、維新執行部を改めて決める必要がある。

住民投票決定開始からの世論調査では当初、賛成派が10ポインと大幅にリードしていたが。「大阪都構想」の内容を記した「特別区設置協定書」があまりにもいい加減なものであったため、その矛盾を浸かれて賛成派は当然のことながら、「言い訳」に終始せざるを得なかった。また、今回の住民投票か強行されたのは、維新による公明党の恫喝だった。関西の6選挙区で議席を持つ公明党に対して、維新が刺客を送ると脅しをかけ、嫌がる公明党を賛成派に引き込んだ。その仲介をしたのは、官房長官以来手書となっても、公明党・創価学会と太いパイプ築いてきた菅義偉首相だった。

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しかし、「大阪都構想」を文書化した「特別区設置協定書」は無理に無理を重ねて作成したものだから、中身は当然不明朗極まりなかった。そこを反対派につかれて説明ができなくなり、もともとメリットはなかったから、市民にない「メリット」を浸透させることも、もちろんできなかった。公明党に対する恫喝という行ってはいけない行為は、公明党執行部が支持基盤の創価学会員の票をまとめ切れなかったという形で自らにはねかえってきてしまった。自民党本部は地方自治体の自治のこととして知らないふりをしていたが、菅首相経由で公明党の山口那津男代表を大阪市入りさせて、賛成演説をさせるなど、水面下では積極的に維新を支援してきた。

公明票の支持基盤である創価学会票をまとめることができれば、賛成派が勝つことは極めて簡単だった。こうしたことから、①2015年住民投票では公明党が反対に回ったが、今回は賛成派に回るというご都合主義に転じたものの、前回と変わらず僅差での敗北になった②投票率が低下し、しかも反対票と賛成票の格差が開いた③ABC朝日放送の出口調査では、いわゆる「無党派層」のうち、国民主権・地方自治の理念を捨てていない層の反対派が前回とは異なり、10ポイントの有意な差がついた(これは山本太郎代表率いるソーシャル・デイスタンス街宣が大きな効果を発揮したことの表れと見てよいだろう。参考サイトは朝日新聞社系列のAERA dotの次のサイトhttps://dot.asahi.com/wa/2020110200062.html)ーなどのことは、維新側の決定的な敗北とも言えよう。なお、藤井聡京都大学院教授がツイッターで照会した年代別都構想反対派の割合も参考にされたい。

大阪都構想に対する年代別反対派のは割合

大阪都構想に対する年代別反対派のは割合

ただし、今回も賛成票が多かったのは、大阪圏の地盤沈下のせいである。朝日新聞11月2日付3面の記事によると、国内総生産(GDP)に占める大阪府の割合は50年前の約10%から約7%に。人口減と高齢化は(首都圏、中京圏など)三大都市圏で最も早く進むと見られている」。中京圏が発達してきたのは、「世界のトヨタ」があるからだ。もっとも、自動車業界では既に電気自動車とAIを組み合わせた新自動車製造時代に入っている。日本の自動車業界も今後、整理・再編の時代に入ることになる。要するに、日本は、コスト高と異常な危険性で世界からはとうの昔に見捨てられている原発にこだわるあまり、急速な技術発展が進んでいる再生エネルギーやIT、自動車・電機製造技術(スマートフォンやiPhoneは日本では製造できない)で世界から決定的に遅れを取り、産業構造の転換・高度化に失敗しているのだ。

米国のシリコンバレーを拠点に、二次電池式電気自動車と電気自動車関連商品、ソーラーパネルや蓄電池等を開発・製造・販売している自動車会社

米国のシリコンバレーを拠点に、二次電池式電気自動車と電気自動車関連商品、ソーラーパネルや蓄電池等を開発・製造・販売している自動車会社

アベノミクスは経済発展力の低下しか招いておらず、日銀や年金積立金管理運用独立行政法人GPIF=(Government Pension Investment Fund=)が、日銀マネーや国民か積み立てている年金保険料で国債はもちろん、株式を購入(日銀は、多数の銘柄で構成したETFを購入し続けている)して、株価支えているだけのことしか行っていない。日銀やGPIFが売却したら、国債価格、株式価格は暴落するから、それは出来ない。アベノミクスを受け継ぐだけの政府=菅政権に産業構造の高度化政策はない。むいろ、すが制限が続けば、コロナ禍を利用して中小企業を倒産させることで大量の失業者も招き、コロナ禍大不況を大恐慌に暗転させるのは目に見えている。

話をもとに戻して、明治維新以降、「商都大阪」、「自治の堺市」、「古都・京都」を中核とした「大(だい)大阪都構想」は脈々と続いてきている。この「大大阪構想」を現代に合わせて具体化していく必要があると思われる。

維新はこの水脈を無視して、インバウンドとカジノ誘致を基本戦略に置き、そのための財源を調達するために「大阪都構想」を掲げてきただけで、産業構造の抜本転換・高度化には目をそむけている。大阪維新の会がどのような経緯で誕生したのか、これからその経緯を調べるが、竹中平蔵パソナ会長兼東洋大学教授の関与が疑われている。日本維新の会は2012年9月、竹中氏を衆院選の候補者を選定するための「公募委員会」の委員長に起用したことがある。「大阪都構想」の本質は、れいわの山本太郎代表が見抜いてるが、要するに大阪市から財源と権限をカツアゲすることで、なにやら竹中市と合い通じるところかある。大阪府のやる仕事は、確実な大阪府全体の経済発展構想の策定であり、政府から地方交付税交付金を獲得することだ。政府におもねることではない。

大阪都構想の本質

大阪都構想の本質

住民投票での敗北は維新に致命的な打撃だ。松井一郎大阪市長、吉村洋文大阪府知事が任期いっぱいまで市長、知事を続けるというのは、市長、府知事でいたほうが日本維新の会の債権に役立つからだろう。公的な役職がなければ、日本の自公政治家との交渉も困難になる。しかし、今回の住民投票が強行された経緯を見てみると、大阪市議団の自民党本部への反発。創価学会員の維新への反発からくる公明党党内部の内紛と公明党・維新間の亀裂、自公の亀裂の始まるになる可能性もある。真正野党はこの時を逃さず、野党第一党の立憲は日本共産党とれいわ新選組を「野党共闘」の中核政党として共闘を組むだけではなく、両党の政策を大幅に取り上げ。国民に対してインパクトのある政策体系と野党連合構想を打ち出し。政権奪還をしなければならない。