政令指定都市・大阪市から街作りの権限と財源を巻き上げることの可否を問う明日の住民投票は「反対」の記入を
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大阪市の住民投票が明日、11月1日に投開票される。日本維新の会を主流とする推進側は「大阪都構想」の「イメージ」で「夢」を与えることだけに終始しているが、実際は第一級の政令指定都市(自主的な街作りなど住民自治の強力な権限が政府から与えられた都市)を解体し、実際に基礎自治体として機能するかどうかも分からない4つの特別区に分割することの可否を大阪市の有権者に問うものだ。既に、本サイトでイメージだけの「大阪都構想」には、大阪市民や府民にとっては全くメリットがなく、大阪市を中核とした関西圏、西日本圏ひいては日本の没落の始まりになることを投稿させて頂いた。投票用紙には「大阪都」の文言はない。大阪市の有権者には、主権者日本国民であることはもちろん、同市にお世話になったこともある管理者(筆者)としては、投票用紙には「反対」と記入されることを衷心よりお願いしたい。

10月31日コロナ感染状況

本日10月31日・日曜日の新型コロナ感染状況は、東京都では午後15時の速報値で1周間前の24日日曜日の203人より12人多い215人、重症者は前日比2人増加の33人だったhttps://www.fnn.jp/articles/-/102111)。3日連続して200人を超えた。全国では午後23時59分の時点で877人の感染者と14人の死亡者が確認されている。大阪府は143人の感染者、北海道は札幌市で過去最多になり、道全体で81人の感染者が確認されている。
東京都のモニタリング(https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/)では、7日移動平均での感染者数は170.7人、PCR検査人数は3760.3人だから、陽性率は4.57%。東京都独自の計算方式では相変わらず3.5%。感染経路不明率は53.54%だった。
若い世代が多いが、2012年のノーベル生理学・医学賞受賞者で医学者でもある山中伸弥京都大学iPS細胞研究所所長は「20代、30代であっても、500人に1人くらいは亡くなっています」(https://www.covid19-yamanaka.com/cont1/main.html)と警告している。感染経路不明の若者がPCR検査を受けるのは何らかの症状があってのことだ。感染拡大の「震源地」になる若い世代の無症状感染者を早期に発見しなければ、感染拡大の傾向が一段と強まることになる。
追記(11月1日午後14時):東洋経済ONLINE(https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/)では、10月30日時点の実効再生産数は全国が前日比0.02人減少の1.10人、東京都では同0.01人増加の1.05人だった。

東京都での新型コロナウイルス感染者の推移

東京都での新型コロナウイルス感染者の推移

維新側がイメージで売り出している「大阪都構想」の実態は、第一級の政令指定都市(自主的な街作りなど強力な住民自治の権限が政府から与えられた都市)を解体し、実際に基礎自治体として機能するかどうかも分からない4つの特別区に分割するというものである。いまだに「大阪都」という「首都」が新たにできると信じておられる大阪市民の方が多いと聞くが、そういうことは法的に有り得ない。そのことは投票用紙をみても明らかだ(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63532070X00C20A9AC8Z00/)。

「大阪都構想」の住民投票用紙

「大阪都構想」の住民投票用紙

橋下徹・大阪府知事(2011年当時)に語った「大阪都構想」り本質

橋下徹・大阪府知事(2011年当時)に語った「大阪都構想」り本質

既に投稿記事で紹介させていただいたように、京都大学大学院の藤井聡教授は、緊急出版された「都構想の真実ー『大阪市廃止』が導く日本の没落」(啓文書房社)で、イメージだけの「大阪都構想」は、大阪市民や府民にとっては全くメリットがなく、賛成票が有効投票数の過半数になれば、大阪市を中核とした関西圏、西日本圏ひいては日本の没落が始まることを説得的に示しておられる。

藤井教授が大阪府民に知って頂きたい7つの事実と真実は、次のようなものだ。まず、7つの事実を掲げてみる。

「大阪都構想」の7つの事実
  1. 今回の住民投票で(賛成多数)で決まっても、「大阪都」にならず「大阪府」のまま。
  2. 今の「構想」は、大阪市を4つの特別区に分割する「大阪市4分割」の構想です。
  3. 大阪市は、年間2000億円分の「おカネ」と権限を失います。
  4. 2000億円分が徐々に(大阪府を牛耳る維新によって)「流用され」るため、大阪市民への行政サービスは低下するのは決定的です。
  5. 特別区の人口は東京7割、大阪3割。だから大阪には東京のような「大都市行政」困難です。
  6. 東京23区には「特別区はダメ。市にして欲しい」という大阪と逆の議論が(戦時中に東京市が特別区に分割されて以降)があります。
  7. 東京の繁栄は「都」の(23区特別区設置という)仕組みのおかげでなく、「一極集中」の賜(たまもの)です。

 

次に、7つの真実というのは次のようなものだ。

「大阪都構想」の7つの真実
  1. 「都構想」は「一度やってみて、ダメなら元に戻す・・・」は絶望的に難しい(政権交代して、法律を制定することが必要)。
  2. 大阪都構想という「大改革」を行うためのコストは莫大にかかる。
  3. 「都構想」とは、大阪市民が自分たちの「自治」を失う話なのです。
  4. (プチ大阪市とも呼ばれる膨大な作業を行う「一部組合」も地方自治体として設置されるため)いろんな行政の手続きが「三重化」して複雑化します。結果、行政サービスが低下することは決定的です。
  5. 「都構想」の実現で、大阪(圏)の都心のまちづくりが停滞し、大阪(圏)全体が「ダメ」になることは決定的です。
  6. 「都構想」は。大阪という大切な「日本の宝」の喪失をもたらします。
  7. 「大阪(圏)の発展に」必要なのは、(大阪都構想という)「改革」ではなく、(思い切った)「プロジェクト」です。

なお、「2」に付け加えると、毎日新聞社が大阪市の財政当局(東山潔・財政局長)に取材して試算結果を掲載したがその結果、「大阪市を4つの自治体に分割した場合、標準的な行政サービスを実施するために毎年必要なコスト『基準財政需要額』の合計が、現在よりも約218億円増えることが市財政局の試算で明らかになった」という記事が報道された。毎日新聞は財政当局にきちんと取材しており当初は、財政当局も問題視していなかった。ところが、これについて松井一郎市長がかみつき、また、臨時国会でも日本維新の会の馬場伸幸幹事長が毎日新聞社を名指しして「大誤報」だと述べた。

明らかに、「大阪都構想」に対する真実が大阪市民の間で広がっていくことに対する維新側の焦りだ。これについては、フリーのジャーナリストの横田一氏が、ライブドアニュースで「『維新』対『毎日』のバトル勃発。維新の無理筋批判は大阪市の住民投票に影響するか」と題する記事(https://news.livedoor.com/article/detail/19147012/)を投稿、詳細に報道している。

藤井京都大学大学院教授がその「プロジェクト」として提言されているのは、「大(だい)大阪」構想である。この大大阪構想の一部を紹介させて頂く(本書第4章、172頁〜173頁)

「大(だい)大阪構想」について」
  1. 「大(だい)大阪」構想とは、大阪を京阪神、関西のみならず「西日本の中心都市」に仕立て上げる構想。その構想の下、京阪神、関西、西日本と中央政府と強力な連携を図りながら、大阪を中心とした大阪圏をさらに拡大した大(だい)大阪圏を作り上げる。
  2. そのためには、関西の周辺地域である北陸、四国、山陰地域と、その中心都市・大阪とを高速鉄道(新幹線)で結びつけ、そのネットワークに海外の玄関口・関西空港も接続させると同時に、京阪神の三都(商都大阪と古都京都に加えて首都・東京都と理解している。三都構想は明治時代以降、存続している)で接続しながら、都心まちづくりを強力に推し進める。当然ながら、来たるべき南海トラフ巨大地震をはじめとした各種災害対策も効果的・高率的に推進する(首都直下型大地震のバックアップにもなる)。
  3. こうして大阪、関西、西日本の発展を導くことで、巨大地震の危機にさらされた首都圏の各種企業、都市・政府機能を積極的に大大阪圏に誘致する。これを通して、大大阪圏の創生をもたらすと同時に、国家全体の強靭性を抜本的に向上させ、日本全体の経済成長を東京と共に牽引し、日本国家の競争力を抜本的に強化していく。
  4. こうすれば、大阪、京阪神、関西、西日本の爆発的発展をもたらすだけでなく、成長戦略・国土強靭化、地方創生といった中央政府の方針に強力に貢献できる。
  5. この構想を大阪、関西、西日本と中央の力をすべて結集して具体的に実現するための「大大阪形成促進基本法」を国会の審議を経て制定し、10年程度の集中推進期間を通して、着実にその構想を実現させる。

管理者(筆者)としては、東北・北海道でも宮城県仙台市を中心都市として、東北・北海道発展のための大都市構想を作成、実現すれば良いと思う。

大阪城と大阪市

大阪城と大阪市(Wikipediaによる)

現在の住民投票の状況については、ヤフー・ニュースが本日31日の早朝に公開した「大阪都構想住民投票、明日の投開票を控えた最終盤の情勢と展望」と題する選挙コンサルタントの大濱崎卓真氏の情勢分析(https://news.yahoo.co.jp/byline/oohamazakitakuma/20201031-00205626/)が参考になると思われる。一部を引用させていただくと、
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前掲の情勢調査などから考えれば、わずかに賛成派がリードしているようにも見えますが、最終盤となる今週は、大阪市による「4分割コスト218億円試算」の発表と撤回という急展開があり、これを材料に賛成派・反対派ともに過激な主張も目立つようになってきました。これらの展開や最終盤における各陣営運動がどの程度投票日までに影響するかによっては、「反対」の猛追による僅差での決着はもとより、「反対」が「賛成」を上回る可能性もまだ十分にあるでしょう。
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ということである。

なお、このところ東京都を衷心とした首都圏、大阪市を衷心とした阪神圏、名古屋市を衷心とした中京圏で新型コロナウイルス感染者がかなり増加してきている。日経新聞社のサイト(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65678120Q0A031C2AC8000/)によると、「大阪府は30日、新型コロナウイルスの新たな感染者を137人確認したと発表した。府内では27日から4日連続で新規感染者が100人を超えている。府内の累計感染者数は1万2610人。新たに90代の男性1人が死亡し、死者は累計238人となった。(中略)重症患者は26人で、重症病床の確保数(206床)に対する使用率は12.6%となった」という。

住民投票で有効投票数の過半数が賛成すれば、膨大なおカネと業務が必要になる。現在は、コロナ対策に集中すべきときである。双方が重なれば、大阪市の市役所などや住民に極度の負担がかかることは当然のことだ。サイト管理者(筆者)としては元々、大阪府の吉村洋文知事、大阪市の松井一郎市長の行政能力はもともと信用していないが、住民投票の際には、コロナに感染することを防ぐための万全の措置を取らなければならない。