日本共産党の志位委員長、自公維国による憲法改悪策動の危険な段階への突入を警告ー主権者国民は団結して阻止を

日本共産党の志位和夫委員長は11月18日木曜日の記者会見で、自公連立政権の岸田文雄政権が憲法改正=改悪に向けて極めて危険な局面に突入していると警告した。既に今回の総選挙で立憲民主党が枝野幸男前代表が野党共闘を冒涜する発言を繰り返したため、同党は惨敗。衆参両院ともに憲法改正=改悪派はこれを発議できる議席数を確保している。立憲民主党は森ゆう子参院幹事長、もしくは馬淵澄夫衆院議員が代表の座に就かなければ、自公維国連系派と野党共闘を強化・進化させようとしている革新陣営派に分離・分党して、後者が市民とともに憲法改悪反対の一大国民運動を展開すべきだ。

真正野党共闘と市民で憲法改悪阻止の国民運動を

11月18日の定例記者会見で日本共産党の志位委員長は、「憲法9条改定への危険な新局面が生まれている」と警告。その理由として、①岸田政権が憲法改正=改悪に前のめりな発言(国会や国民の間での憲法改正=改悪論議を加速することなど)を繰り替えして強硬姿勢を示し、その一環として自民党が「憲法改正推進本部」を「憲法改正実現本部」へと名称変更・体制強化した②「敵基地攻撃能力」の保有と(憲法違反の安保法制に基づいて)自衛隊を海外派遣型の「軍隊」に再編・強化、合わせて「国防費」を少なくとも国内総生産(GDP)比2%に引き上げるなど大軍拡路線に乗り出した③今回の総選挙で議席数を増やした日本維新の会(維新)と国民民主党が憲法改正=改悪論議を加速することで合意し、自民党内での憲法改正=改悪策動の後押しを始めたーことを指摘している(https://www.youtube.com/watch?v=mAbsJido3uk&t=324s)。

もっとも、記者会見に出席した記者たちは、志位委員長への質問時に同委員長の警告に全く反応しなかった。主権者国民が最も関心を持たなければならない事案ではないか。やはり、メディアは「政官業政電」の悪徳ペンタゴンの一翼を担っているとしか言いようがない。

自民党は現在、改憲4項目を提案している(https://www.jimin.jp/kenpou/proposal/)。4項目とは、①「自衛隊」の明記と「自衛の措置」の言及②国会や内閣の緊急事態への対応を強化③参議院の合区解消、各都道府県から必ず1人以上選出へ④教育環境の充実ーだが、③と④は国民投票で憲法改正=改悪の本丸である①と②に国民を賛成させるための撒き餌に過ぎない。ドイツの憲法学の泰斗であり、憲法改正についての国際的な理解(定説)を得ているカール・シュミットによると、憲法には理念部分と法律部分があり、理念部分は変更できず法律部分は一回の憲法改正で1条項だけしか改正できないと主張している。自民党が改憲項目として4項目も「提案」するのは、国際的な憲法学関係者からすればおかしい。

そもそも、②③④は言行の法律の適用・策定で解決することができる内容だ。

やはり、自民党とその協力政党(現世ご利益政党)の憲法改正改悪の狙いは、国会の機能を停止し、「米官業政電」の悪徳ペンタゴンの指示により、利権ムラ独裁政権から軍事独裁政権に移行することにあると見るのが妥当だ。

 

 

今回の総選挙で国会では衆参両院とも憲法改正=改悪を発議できる情勢になった。筋論から言えば来夏の参院選の結果を見なければならないが、情勢に応じて臨時国会や通常国会で憲法改正=改悪を発議する可能性も否定できない。その際、大手マスコミやインターネットを利用して膨大な改正=改悪運動を展開してくるだろう。本来は立憲民主党が野党共闘を強化・深化させる代表を選ぶべきだが、立憲は既に「水」と「油」の状況だ。立憲民主党は自公維国連系派と野党共闘を強化・進化させようとしている革新陣営派に分離・分党して、野党共闘派の真正野党や市民とともに一大憲法改正=改悪反対運動を起こすべきだ。

【追記10月19日:12時40分】12月19日告示された立憲民主党の代表選挙では、立候補したのは届け出順に、逢坂誠二・元総理大臣補佐官(北海道8区)、小川淳也・国会対策副委員長(香川1区)、泉健太・政務調査会長(京都3区)、西村智奈美・元厚生労働副大臣(新潟一区)の4人。これからの論戦で次第にこれまでの日本共産党、れいわ新選組、社民党との野党共闘路線への今後の対応が明らかになると思われるが、この日の共同記者会見では、この中で、各候補者は来夏の参院選での一人区で野党統一候補擁立の必要性は強調したものの、日本共産党、れいわ新選組、社民党との野党共闘路線を強化・進化させると明言した候補は一人もいなかった。

ただし、元厚生労働副大臣の西村候補は日米地位協定改定に意欲を示した。また、野党共闘の相手政党として維新とは組まないと語った。新潟一区の西村候補は、「越後の3人娘」の一人であり、同じ「越後の3人娘」と呼ばれる森ゆう子参院幹事長(参院新潟選挙区)との関係が深いとされている。なお、れいわ新選組の山本太郎代表と親しい馬淵澄夫衆院議員は(奈良一区)は泉候補の選挙対策顧問になっている。小川候補は超緊縮財政・消費税大増税派である。逢坂候補は、枝野前代表の継承者で要するに「子分」と言える。立憲民主党代表選の制度は下図のようになっている(Youtubeの風花未来チャンネル:https://www.youtube.com/watch?v=jZAVJUCIgkw)。

立憲民主党代表選の共同記者会見

立憲民主党・森ゆう子参院幹事長のツイッターより
立憲民主党・森ゆう子参院幹事長のツイッターより

 

風花未来チャンネルより
風花未来チャンネルより

 

なお、法政大学法学部の山口二郎教授らが活躍している「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合(市民連合)」は植草一秀氏らの「オールジャパン平和と共生」と協力関係を深めることを提案したい。市民連合は「安保法制」への反対運動が結成の起点になったが、消費税減税・廃止の意味が理解できないなど経済政策に弱いうえ、日本労働組合総連合会(連合)の影響力が強い。旧い「反共攻撃」にも弱い。山口氏も市民連合の新規巻き直しを提言している。

これに対して、「オールジャパン平和と共生」は、政策提言(①平和主義②原発ゼロ③消費税制度廃止を中心とした共生の経済政策)では強く、米国のディープステート(闇の帝国:軍産複合体と多国籍金融資本・企業)がCIAを通して野党共闘の解体を狙っていることを早くから指摘し、立憲民主党の総選挙での惨敗を予想していた。ただし恐らく、足腰が弱い面があると思われる。これに、れいわ新選組の支持者も加われば良い。問題になるのは、消費税廃止の財源論だ。これについては、改めて提案させていただきたい。

国民の身を切る改革に終始する利権ポピュリズム反動極右政党・維新

維新が火をつけた「文書通信交通滞在費(文通費)」問題は維新にブーメランとして帰っている。取り敢えずは日割り計算して残りは寄付か国庫返納という形に落ち着きそうだが、「寄付」では問題が残る。国庫返納が筋だ。ただし、問題は文通費ではなく、国民血税が原資になる「政党助成金」だ。そのまえに、吉村洋文大阪府知事は2014年12月19日から15年10月1日まで衆院議員を務めていたが、10月1日に辞職して10月分の文通費を全額受け取っている。今回の総選挙で近畿比例ブロックに出馬し衆議院議員に初当選したれいわ新選組の大石あき子氏が明らかにしたものだ。普通なら9月30日をもって辞職するところだが、吉村氏はわざわざ10月1日に議員辞職をして10月分の文通費の全額支給を受けている。国庫から文通費を全額受け取るための「確信犯」的行為としか言いようがない。

さて、「政党助成金について」だ。直近の国政選挙での投票率が2%以上もしくは衆参合わせた国会議員数が5人以上の政党は政党助成金の対象になる。なお余談だが、社民党は次期参院選で消失する可能性が強い。政党助成金は該当の政党に支給されるが、各政党は政党助成金を政党の総支部(の資金管理団体)に支給する。通常、政党の総支部長と資金管理団体の責任者は一致するが、少なくとも維新の政党支部では政治資金規正法に定められた資金管理団体の政治資金収支報告書に支出の使途が明記されていない。

維新に支給される政党助成金は年間20億円規模だが、来年はさらに増額される。「身を切る改革」をスローガンに掲げながら、政党助成金のマネーロンダリング(資金洗浄)を行って、維新の議員個人が政治活動以外に流用している可能性がある。朝日出身のフリージャーナリストの佐藤章氏(配偶者が大阪府出身)によると、大阪府では車両誘導のために道路に記されている車両誘導のための白線が非常に見えにくくなっているそうだが、大阪府の維新が弱肉強食の新自由主義路線(緊縮財政)を採用しているため、消えかかった白線を明瞭に再度書き上げすることを放置しているそうだ(https://www.youtube.com/watch?v=kWhIuW-WcEg&t=1105s)。

要するに、「身を切る改革」というのは、維新の国会議員から地方議員にいたるまで税金が原資の政党助成金のマネーロンダリングなどを行い、議員自身の利権強化のために使い、その一方で、大阪府民には「身を切らせている」(歳出削減による大阪府民の生活の切り捨て)というのが実態である。日刊ゲンダイの報道記事、「文通費問題“火付け役”の維新は『政党交付金』15億円をでっぷり蓄財!どこが身を切る改革か」(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/297614)も参照されたい。この記事では維新が政党助成金を原資に、15億円規模の不正蓄財を行っていることが報道されている。

政党助成金の最大の問題は、主権者国民が自身の支持しない、または、批判している政党にも血税を支給しているということだ。これははっきり言って、憲法第19条「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない」、第20条「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない」違反だ。政党助成金制度は廃止することが基本だが、少数政党にのみ支給するという手もある。

ただし、現状では政党から政治家が寄付を受けた場合、使途の報告義務はない。政党助成金は政党に対しても、政党から政治家にわたった資金も全て、使途を明確にすべきだ。政治団体に対する企業(法人)や個人からの寄付金についても同じことが言える。なお、企業から政治資金管理団体の寄付(献金)は全面的に禁止すべきだ。企業献金は、大企業による政治支配の原因になってきた。これらの制度改革は(もはや遅いだろうが)、自公維国による利権独裁政権、軍事独裁政権の成立を防止する手段にもなり得る。


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