「GPS個別追跡型」の韓国の感染者再拡大、嘘の申告も要因のひとつか

世界各国の新型コロナウイルス感染状況をリアルタイムで情報公開しているサイトhttps://www.worldometers.info/coronavirus/の2020年6月01日午前1時53分(グリニッジ標準時間、韓国時間10時53分)のデータによると、韓国では5月31日に前日比35人増加した模様だ。死亡者は1人増えて271人となった。ソウル近郊・京畿道富川市にあるインターネット通販大手「クーパン」の物流センターで27日発生した集団感染の影響があるが、「 GPS個別追跡型システム」を採用、感染の恐れのある場所を国民にスマートフォンで知らせているが、感染履歴のある国民が嘘の報告をしている事情もあるようだ。

韓国では5月6日に外出自粛要請を緩和したが同じ日に繁華街のナイトクラブで集団感染が発覚し、全国に拡散した。27日にはソウル近郊・京畿道富川市インターネット通販大手「クーパン」の物流センターで再び集団感染(クラスター)が発生したため、29日からソウル市を中心に再び外出自粛要請を呼びかけている。

韓国のPCR検査体制と街の表情

感染再拡大の主な理由は、①外出自粛要請の緩和で韓国民の間で気の緩みが生じた②韓国では膨大な情報を収集し、「 GPS個別追跡型システム」を採用、感染の恐れのある場所を国民にスマートフォンで知らせているが、収集した情報に問題がある恐れもあるうえ、感染履歴のある国民が職場での休業命令や解雇を恐れ嘘の報告をしている−などの問題もあるようが。

日本の専門家会議が5月29日に発表した報告(22頁)でも今後の取るべき対応として、次のように記載している。
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「〇接触確認アプリの活用
・接触確認アプリや SNS 等の技術の活用を含め、効率的な感染対策や感染状況等の把握を行う仕組みを政府として早期に導入する」
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この接触アプリは、GoogleとAppleに依頼して構築したもので、国民一人一人がブルートゥースなどの近距離通信システムを通して誰と接触したかという膨大な情報(ビッグデータ、大規模なデータベース)をストック。そのうえで、感染が確認された場合、感染確認者に接触した国民に対してスマートフォンでアラート情報を提供するものだ。アラート情報を受けた国民はその旨、保健所に自己申告し、保健所の指示に従うというものだ。

ただし、運用に当たっては、①国民がブルートゥースなどによる情報提供を許諾しておく必要がある②提供した情報が不正使用されないような厳密な個人情報保護の措置を講じておく必要がある②ビッグデータが信頼できるものであるものに維持しておく努力を絶えず行う③ビッグデータの管理を誰が行い、責任の所在を明確にしておく(個人情報を企業に売り渡すようなスーパーシティ法案を可決・成立させた政府=安倍晋三政権などには任せられない)−などの本質的な議論が必要だ。

韓国での新型コロナウイルス感染の再発生は国民の気の緩みによるところが少なくないが、政府の役割も重要である。長期にわたる自粛要請とそれに見合う休業補償、個人情報の徹底的な保護を前提としたGPS個別追跡型システムの確立などがそれだ。嘘とペテンと欺瞞の現在の政府=安倍政権には不可能な措置である。

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