令和・山本代表、都知事選参戦−新自由主義に対抗し共生主義打ち出す
APMM

れいわ新選組の山本太郎代表は週明け15日、午後2時からの記者会見で東京都知事選に参戦すると表明した。小池現職都知事が自民党と一体となって新自由主義政策(今だけ、カネだけ、自分だけの利己主義政策)を打ち出していることに反発し、共生主義を理念に積極財政を柱として、コロナ禍から東京都の企業や都民を守ることが政策の中心。自民・小池陣営・「野党共闘派」なる自公補完勢力は一斉に「野党の統一を崩すもの」との情報を流しているが、「理念なき野合の野党共闘」から「政策連合」の形成を目指すものだ。

本論に入る前に、東京都内で新型コロナウイルス感染確認者が急増し始めたことを述べておかなければならない。小池都知事が11日に東京アラートを解除し、12日には東京アラートの制度そのものを廃止した。しかし、11日以降感染者は逆に1日当たり20人を上回るようになり、朝日デジタルが2020年6月15日21時41分に投稿した「感染者増、東京アラート出さない都庁 逆に指標を見直す」と題する記事によると、「都内の感染者は、アラートを解除した11日に5日ぶりに20人を上回った。14日には47人、15日には48人に増加した」。

東京アラート制度は、①1日あたりの感染者数(1週間平均)が20人以上②感染経路が不明な人の割合(同)が50%以上③週単位の感染者数の増加率が1倍以上――という三つの指標を主な目安に「アラート(警戒情報)=3密を避けるための警告情報」を出すという制度。しかし、アラート解除の日から逆にアラートを発出する状態に陥った。

これに対して朝日デジタルでは、「小池百合子知事はアラート解除の際、『数字(感染者数)は落ち着いており、東京アラートの役目も果たしたのかなと思う』と述べた。だが知事に近い都議や都幹部からも『アラートを出した後の人の流れによる感染状況が分からないままの解除は疑問だ。なぜ解除の判断を急いだのか』とする声などが出ていた」と伝えている。

小池都知事のコロナ禍対策方針は「自粛」から「自衛」へと転換しており、要するに「営業自粛・自宅待機」要請は止めたから、営業(経済活動)は再開し、新型コロナウイルスへの感染は自分で防げ、都としての対策はしないし財政措置も講じない、という無責任体制に転じたわけだ。これは、東京都の都民と企業(個人業主を含む)の生存権を守るべき首長としての使命を放棄したことになり、日本国憲法からすれば都民や企業に対する裏切り行為である。もっとも、もともと都民と都の企業を守る意思などはなかったと見られるから、裏切りとは言えない。

その背景には、小池都知事が政府=安倍政権に合わせて新自由主義政策=今だけ、カネだけ、自分だけ(利己主義)を前面・前面に打ち出し、緊縮財政(ドケチ政策)を行うようになったことが挙げられる。これが、学歴詐称疑惑が絶えない中で権力を追求してきた女帝・小池百合子都知事の実像である。

スポーツ日本より(https://www.sponichi.co.jp/society/news/2020/06/16/gazo/20200616s00042000065000p.html)

存在感が薄れてきたことへの対策とか資金集めが狙いとか言われているが、れいわの山本代表が都知事選に出馬したのは、これに反発したことが最大の原因である。また、政府=安倍政権や小池陣営に加え、「野党共闘」なるものを目指す大多数の似非野党議員が「野党共闘」を破壊するものだと非難している。この非難は全く当たらない。山本代表としては「理念(具体的には共生主義に基づいて、取り敢えず消費税率を5%に引き下げる)なき野党共闘」には問題(総選挙では支持政党なし層に訴えるものがないから投票率が上がらず、肝腎の選挙に勝てない)があり、新自由主義に対抗して「共生主義」を理念とした政策で一致した「政策連合」を目指すことを鮮明にしただけのことである。日本国憲法を正しく理解し、その深化を目指す真の政治家は「政策連合」に参加すべきである。

今の野党と称する政党の中には、自公勢力に支えられた安倍政権を支持する政党が多い。何故なら、支持母体が自民党に協力する日本労働組合総連合(連合)だからである。自由党から移籍した一部の議員を除く国民民主党はその代表格である。自由党の党首だった小沢一郎衆院議員は「国民の生活が第一」を掲げているが、政局には強くても政策には弱いことは否めない。また、立憲民主党の枝野幸男代表は新自由主義から決別したとは言うものの、自分ではその内容と新しい理念と政策体系を打ち出せないでいる。「ゆ党党員」の限界から抜け出せないでいる。だから、立憲も一部の議員を除き実態は安倍政権の補完勢力でしかない。

民主主義革命を経て社会主義革命を行うというニ段階革命を唱えた講座派を源流とする日本共産党は、提示する個々の提案は正しいが、やはり共産主義の呪縛から脱しきれていない。だから、志位和夫常任幹部会委員長や小池晃書紀局長は、れいわ新選組を「野合の野党共闘」に加わらせようとした。もう既に、本来は共産主義を揚棄し、「共生主義」とそれに基づく政策体系を構築すべき段階にきている。今からでも遅くはない。今や忘却の彼方にあ労農派(一段階革命)を理念とする社民党も同じだ。

さて、出馬表明の記者会見からもうかがえるが、れいわ新選組公認で都知事選に出馬する山本太郎代表が出馬に当たってもっとも悩んだのが、財源問題である。山本代表はもともと、MMT(Modern Monetary Theory)に基づいて、物価上昇率(インフレ率)が一定の程度以上上昇しない範囲での積極財出動を柱とした政策体系で国政に打って出る積もりでいた。

京都大学大学院の藤井聡教授の「MMTによる令和『新』経済理論」によると、「政府の財政赤字は政府の貨幣供給量を意味しているのだから、当然ながら経済成長を導く。これは誰も否定できない事実だ。しかも、徴税権を持つ政府が、全ての貨幣の価値の源泉となる現金を創出している(注:通貨発行自主権)のであり、その創出主である政府が、貨幣(注:ここでは累積国債)によって破綻することなどあり得ない。これもまた、何人たりとも否定できない事実ではないか」と言うのが、MMTの主張。藤井教授は、このMMTによって、戦後の主流派経済学(新古典派経済学)とケインズ経済学との間の論戦は理論的に決着を見たと指摘している。

要するに、米国のロナルド・レーガン大統領、英国のマーガレット・サッチャー首相、日本の中曽根康弘首相以来の財政政策有害・緊縮経済路線から反緊縮・積極財政路線の時代に入っているのである。実は、緊縮財政路線を展開している日本の財務省は、実は外国の各付け機関に対してはMMTを認めているのである。

財務省のサイト(https://www.mof.go.jp/about_mof/other/other/rating/p140430.htm)より

さて、通貨発行自主権を持つのは日本では政府だけである。普通の地方自治体は勝手に地方債を発行して、財源を賄うことはできない。ところが、一般財団法人・地方債協会(http://www.chihousai.or.jp/07/01_03.html)が指摘しているように、平成24年度(2012年度)から地方公共団体の自主性・自立性を高める観点から、一定の要件を満たす地方公共団体が地方債を発行する場合は、原則として協議を不要とし、事前届出のみで発行できるようになった。また、平成28年度(2016年度)から協議不要基準の緩和など、地方債制度の抜本的見直しが行われた。

それは、実質公債費率(公債費に係る一般財源等が標準財政規模に占める割合)が一定の限度(18%)以下の地方自治体は総務相に事後報告するだけで、地方債を発行できるようになった。東京都の場合、実質公債費率は近年、1%から1.5%の間を推移しており、平成30年度(2018年度)は1.5%であり、問題なく地方債を発行できる。山本代表は取り敢えず、共生主義を理念に20兆円程度の地方債を発行し、この財政措置によって下記の政策を公約にして出馬する。その前に、山本代表の出馬記者会見の動画を掲載させて頂きたい。

山本代表の都知事選出馬の公約は、下記の通りhttps://taro-yamamoto.tokyo/policy/
① 東京オリンピック・パラリンピックは中止する
② 総額15兆円で、都民や都の企業のコロナ損失を徹底的に底上げする
③ 都職員3000人増員、失われた世代(バブル崩壊就職氷河期世代)とコロナ失業者に職を付与する
④ 低廉な家賃で利用できる住宅を確保し、「住まいは権利!」を東京から実現する
⑤ PCR検査・隔離・入院体制を拡充し、都立病院の独立行政法人化は中止する
⑥ 首都圏直下地震・大水害から都民を守る
⑦ 障がい者のことは障がい者で決められるように、東京都の障害者担当の責任者に障がい者を任命する
⑧ 保育所・特養の増設し、介護・保育職の処遇を大幅に改善する

現下の東京都に置いては、極めて妥当な政策と思われる。なお、山本代表の新宿駅前での政党活動での講演によると、その後は全国の都道府県知事とともに時の政府にコロナ禍を「災害」として内閣に政令指定させ、MMTに基づいた大規模な積極財政によって政府と地方自治体との協同でコロナ禍大不況対策を克服して行くとしている。また、宇都宮健児氏との相違は、政策実現のための財源論にあると述べている。

「理念と政策での合意なき野合の野党共闘」では日本の政治を正すことはできないし、コロナ禍対策もおぼつかない。現在の政治状況において大切なのは、野合の「野党共闘」よりも「政策連合」である。

※東京新聞16日付26面の「カイロ大卒業証書公開」と題する記事によると、小池百合子都知事は15日の公約政策発表の記者会見後にエジプト・カイロ大学の「卒業証書」と「卒業証明書」を公開したが、過去3回公開したものと異なる。徹底的な検証が必要だ。

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