東京都など首都圏を中心に、日本全国で新型コロナウイルス感染が再拡大しているようだ。現在のコロナウイルスの遺伝子(RNA)の解析を急ぐとともに、7月5日の都知事選の最大の焦点になっているコロナ禍対策への各候補者の審判を仰ぐため、東京都選挙管理委員会は投票率の低下防止・上昇に向けて最大限の努力をしなければならない。

朝日デジタルが2020年7月2日0時15分に投稿した「全国で新たに127人感染、北海道の死者は100人に」と題する記事によると「新型コロナウイルスの国内感染者は1日午後8時半現在で、新たに127人が確認された。東京都は67人で、緊急事態宣言解除後で最多となり、6日連続で50人を超えた。しばらくゼロが続いていた県でも感染が確認され、全国の累計は1万8958人になった」という。

長くなるが、引用させて頂く。
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大阪府では10人が新たに確認された。1日あたりの感染者が2桁になるのは、12人だった5月13日以来、約1カ月半ぶり。広島市では1人の感染が判明。広島県内では5月3日以来(再陽性を除く)の感染例となった。滋賀県でも、大津市の小学生の男児と同居する70代の祖父の2人の感染が分かり、県内で13日ぶりの確認となった。

全国の死者は新たに2人確認され、計976人になった。北海道では入院していた60代男性が亡くなり、道内の死者は100人になった。東京都(325人)に次いで2番目に多い。

菅義偉官房長官は1日の会見で、緊急事態宣言を再び出す可能性について尋ねられ、「増加スピードが再び高まり、最悪の場合には発出する可能性がある」と述べた。
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政府=安倍晋三政権の中枢を担っきたあの菅官房長官ですら、東京都など首都圏での感染が全国に「緊急事態宣言」再発出の必要性に触れているのに、小池百合子現職都知事率いる東京都では、基本的には「病床が足りているから大丈夫だ」と新たなコロナ禍対策を打ち出す気配はない。

朝日デジタル=https://digital.asahi.com/articles/photo/AS20200702000045.htmlより
東京新聞Webより(https://www.tokyo-np.co.jp/article/16662)

朝日デジタルが2020年7月2日 5時00分に投稿した「東京、コロナ警戒の数値基準撤廃 幹部『経済持たない』(から)」によると、(選挙対策と財政調整基金が枯渇し、休業強力基金が出せなくなったため)東京アラート制度を朝令暮改して廃止した。このため、何かやっているフリをするため、新指標を考えており、「新指標は大半の項目はこれまでのものを踏襲したが、項目の一つだった都と保健所の受診相談窓口への相談件数は、東京消防庁への発熱相談件数に変えた」とのことだ。東京都の審議会委員で国立国際医療研究センターの大曲貴夫氏は東京消防庁への相談件数を警戒再発出の重要な指標とするという。

東京都の「専門家会議」の実質的な座長役をしている大曲氏は「東京消防庁への相談件数は切迫した健康の問題のあるケースで、実際の新規の感染者数の動きと非常に相関している」というが、これは誰もが考えることだ。およそ、国立国際医療研究センターの感染症学の専門家に相応しい知見ではない。また、東京消防庁に患者もしくはその家族が連絡する段階というのは、患者の状況が相当に悪化している状態だ。連絡に至らないように感染拡大を防止するというのが、都民の生命と財産(営業・勤務活動)を守るというのが、東京都の本来の仕事だ。

東京都の本来の仕事に責任をもって従事すべき小池現職都知事は事実上、大曲氏に全ての責任を投げ出し、「数字を見てスイッチをオン・オフにするということではなく、全体像をつかんでいかなければならない」と、実際のところは無責任を続けている。朝日デジタルによると、「今後、都は、医師や感染症の専門家からの意見をもとに週に1回会議を開き、前週の数値や緊急事態宣言下での最大値を参考にしながら、感染状況を評価する。感染拡大の兆候が表れたと判断した場合、都民に外出の自粛などを呼びかける。都は、感染状況のレベルを示す数パターンの定型文を用意し、週に1回発表する方針という」。

これでは、遅すぎるのではないか。また、「救急搬送に時間を要した件数は98・3件(5月5日)に対し、現在は29・9件で、ピーク時の3分の1。入院患者数のピークは1413人(5月12日)に対し、280人まで減り落ち着いているという」ことで、うがった見方をすれば、何もしない言い訳として東京消防庁への相談件数を新たな指標として採用したのではないかという疑問が生じる。

こうした小池都政のコロナ禍対策について、現下の首都圏からの全国への拡大傾向の加速を考慮すれば、既に緊急を要する事態だ。このため、「都庁内には『漠然としすぎていてかえって混乱させるのではないか』と指摘する声も根強い」という。当たり前だ。

小池現職候補は、自民党の二階俊博幹事長と頻繁に連絡を取り、自民党東京都連と連合東京の締め付けを柱としたステルス選挙を行っている。通例なら、NHKなどで主要候補者の候補者討論会を開催、都民・全国民に向けて放映すべきだが、断り続けている。何もしないと批判を浴びるので、Youtubeなどで「ニコニコ動画」を使って、ありきたりの「候補者討論会」を行い、参加するだけだ。

れいわ新選組公認候補の山本太郎代表の「テレビ討論会を行いましょう」との呼びかけも、自分にとって不利になるだけだから、無視したままだ。要するに、選挙に不利になるから、特ダネ利権確保を狙いとする大手テレビメディアと結託して、選挙妨害を行っているわけだ。新型コロナウイルスの新たな感染拡大に伴って、小池現職都知事候補以外の選挙活動にも支障がでてくることが懸念される。

候補者自身が感染拡大に気を付けなければならないうえ、選挙スタッフ、選挙演説に参加する都民も感染防止のため、あらゆる対策を講じることが絶対に必要だ。体調が優れない場合は、参加を取り止め、選挙活動もネット戦略、電話戦略、公認はがき郵送戦略に重点を移さなければならないだろう。

選挙ドットコム(Youtubeにチャンネルがある)

〒107-0061 東京都港区北青山3-3-7 第一青山ビル3階に住所がある「イチニ株式会社」が「選挙の投票率を上げる」ことを主要目的に選挙ドットコムを運営している。こちらの組織が、ヤフー・ニュースに6月30日15時55に、「選挙コンサルタント・大濱崎卓真」氏の名前で「【東京都知事選2020】東京都知事選挙が野党共闘に与える影響」と題する記事を投稿している。

大濱氏のこの記事、有識者からは、大手メディアは投票率を下げるために「小池現職知事絶対有利」という情報操作しているとの指摘があることには言及がない。むしろ、毎日新聞などの大手マスコミの情報だけを頼りに(引用して)「選挙情勢とその結果の分析」を行っている。同氏によると、「今回の都知事選に関しては前掲の通り現職候補が大きく有利であるとの報道がなされ、また東京都における新型コロナウイルス感染症の感染者が再び増加傾向にあることなどから、投票率が前回2016年の59.7%から下がるとみています」と分析にもならない「分析」をしている。

大濱氏の見立てによると、投票率は先回の「小池出馬フィーバー」に湧いた59.7%から45%に下がるという。この記事は、山本候補の得票数が選挙後の野党共闘の在り方に変化があることにも触れている。しかし、次の記述は、冒頭の新型コロナウイルス感染者再拡大による投票率低下予想記述と大きく矛盾するのではないか。

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こうなった(小池氏大勝予測)一番大きな理由は国内における新型コロナウイルス感染症の拡大です。小池氏の感染拡大防止への取り組みが一定の評価を得ている現状では、危機の最中にリーダーを交代すべきではないという世論が、与野党の候補者選定作業に大きな影響を与えたことは言うまでもありません。

小池氏にとってのアキレス腱はカイロ大学卒業に関する学歴詐称疑惑でしたが、カイロ大学が「1976年10月に小池氏がカイロ大学文学部社会学科を卒業したことを証明する」との学長の声明を公表し、これを乗り切ったことから、小池氏の再選は間違いないとみています。=================================================================================

今回の都知事選の最大の争点は、支離滅裂な小池現職都知事のコロナ禍対策の是非を問うことにあるのではないか。それなのに、冒頭部では新型コロナウイルスへの感染再拡大が増加傾向にあると述べておきながら、上記引用文では、①小池氏の感染拡大防止への取り組みが一定の評価を得ている②学歴詐称疑惑もカイロ大学の学長声明なる者で乗り切った−など「小池候補に有利な情報」を流している。評論の冒頭記述は、①と矛盾するし、②についても有識者や心ある都民にはかえって疑惑が深まったとの見方が強まっている。

コロナ禍対策については、その是非が今回の都知事選挙の最大の争点であることを強く主張して、都民が都知事選挙で候補者のコロナ禍対策を審判できるように、東京都選挙管理委員会に投票開始・終了時刻を出来得る限り調整するように訴えるのが筋ではないか。また、②に関してはカイロ大学はエジプトの軍事政権に掌握されている。野党(主として自民党)が学歴詐称問題について都議会で取り上げる直前に、エジプト大使館から非公式な形で影響力の強いFBを使い、脅迫めいた文面で「声明」のようなものを出してきたことの不可思議さについても、正しく取り上げるべきではなかったか。

どちらにしても、「選挙時の得票率を上げる」ことが狙いとしてイチニ株式会社が運営しているという選挙ドットコムの趣旨に反する評論であることは明白だ。イチニ株式会社が採用すべき評論であるとも思えない。選挙の得票率が近年、著しく低下しているというのは確かである。

サイト管理者(筆者)はその最大の原因は、①野党と称する政党が御用組合の日本労働組合総連合(連合)の参加にある事実上の政府=自民党政権の補完勢力に成り下がっていること②日本共産党がかつて「社公民路線」から閉め出された「苦い教訓」から、理念・政策よりも「野合野党共闘」に参加することを最大の目標にしていることと、共産主義を止揚する努力を放棄し、日本国民に根強い共産主義アレルギーを払拭する努力をしていないこと−だと思っている。

れいわ新選組の理念と政策が、ジョン・メイナード・ケインズの提唱したケインズ理論を、貨幣の歴史的・実証的な考察に基づいて発展させた現代貨幣理論(MMT)に基づいていることを隠すべきではない。

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