政府=安倍政権、また特定企業に利益誘導−持続化給付金業務を高額委託

政府=安倍晋三政権がまた、特定企業に利益誘導した。中小企業・個人業種の存続を支える持続化給付金(最大200万円)給付業務を「一般社団法人サービスデザイン推進協議会」に委託したのだが、この怪しげな一般社団法人は、今国会で成立したスーパーシティ法でお馴染みの電通、派遣事業会社パソナ(竹中平蔵会長)、IT企業のトランスコスモスなどの事実上のダミー団体で、これらの利権企業が設立した。経済産業省傘下の中小企業庁はこの事実上のダミー団体に業務委託手数料として769億円を渡したが、ダミー団体はその97%の749億円で電通に再委託した。再委託が許されるのか疑問だ。安倍政権というのはコロナ禍のどさくさに紛れて火事場泥棒よろしく、憲法破壊・法律無視・新自由主義の推進と、政権の政策の旗振り役を行っている利権企業に利益を供与し続けてきた。安倍政権の退場こそが、正しいコロナ禍対策である。

この不正・不当な利益供与問題を最初に報じたのは5月28日付の東京新聞の1面トップ記事。これを追いかけたマスコミのひとつがリテラで、同社のニュースサイトでは2020年05月29日09時21分に投稿した「持続化給付金の作業を請け負っていたのは電通とパソナの“トンネル団体”だった! 749億円もの税金が手数料として電通に」と題する記事で詳細を報じた。朝日デジタルも2020年5月30日5時00に投稿した「給付金業務、97%を電通に再委託 不透明な769億円」と題する記事で、政府=安倍政権と利権企業の不正を報じた。

トンネル・ダミー団体の「一般社団法人サービスデザイン推進協議会」から「再業務委託を受けた」電通はパソナやIT企業のトランスコスモスなどと、業務を遂行している可能性がある。国民の血税20億円は電通に転がり込んだが、それ以外にも持続化給付金の申請受付から申請者の口座に振り込むまでの手数料は5万円ほどと非常に高い。本来は、米国の兵器の爆買いなどを止めて、正しい財源措置をすべきところだ。

得体の知れない「一般社団法人サービスデザイン推進協議会」が入居しているビル。通常は誰もいない。

朝日デジタルによると、経産省は申請申し込み社を150万社と想定。その業務処理のために業務委託事業会社を「公募」し、2016年に設立されたダミー・トンネル会社「一般社団法人サービスデザイン推進協議会」に委託した。入札・応募内容がしっかりしていたからだという。

しかし、リテラによると、立憲民主党の川内博衆院議員の調べでは、「一般社団法人サービスデザイン推進協議会」の所在地に行ってみたところ、「そこは小さなビルの1室で、ドアにはリモートワーク中だという張り紙が貼ってあるだけで誰もいなかったという」。得体の知れない「一般社団法人」なのである。さらに、「『持続化給付金』の予算案が組み込まれた第一次補正予算案が閣議決定されたのは4月7日、経産省が事務事業の入札の公募をはじめたのが翌8日であるにもかかわらず、サービスデザイン推進協議会が『jizokuka-kyufu.jp』というドメインを取得していたのは、閣議決定の前日、4月6日だった」という。要するに、政府=安倍晋三政権はいつものように「出来レース」を行ってい可能性が強いわけだ。

朝日デジタルによると、「持続化給付金(申請受付)は1日から申請が始まった。経産省は当初、申請から2週間程度で支払えるとしてきたが、それ以上に時間がかかるケースもめだつ。申し込みのホームページやコールセンターにつながりにくい状態も続く。現状で給付ずみなのは、申請件数の約6割の約75万件にとどまる」。IT企業のトランスコスモス、コールセンター業務が得意なはずのパソナが「手伝っている」はずなのに、対応が遅く口座振込も遅すぎて申請者の苦情は絶えないが、苦情を受け付けない仕組みにしているらしい。

政府=(第二次)安倍政権は発足以来、「税と社会保障の一体的改革」という「大義名分」のもとに消費税の増税を強行し続ける一方で、大義名分とは裏腹に社会保障は「財政破綻の危機」を理由に、公的医療機関の統廃合や地方衛生研究所の人員削減、地方自治体の定員の削減などを続けてきた。その煽りで、今回の新型コロナウイルス対策では、利権企業の利益を守ることを優先して東京オリンピックの強行開催獲得に明け暮れ、初動が極端に遅れた。また、政府=安倍政権が都合よく委員に選んだ「専門家会議」には議事録も残さず、討議内容不明の「会議」を行ってきたから、コロナ禍対策も支離滅裂にならざるを得なかった。

改正インフル特措法の「非常事態宣言」は抜本的な新型ウイルス感染症対策が打ち出せない中、自粛補償を行うことがいやなために、経済優先で終結宣言を行った。しかし、もともと北海道では第二波が襲っており、北九州市も第二波の襲来に恐れおののく状態だ。この状況は自粛を受け入れ「巣ごもり」していた国民が自粛の解除を受けて、街にあふれる6月に顕著になる公算が大きい。

これらの不正、国民に襲いかかる新型コロナウイルス感染症(Covid-19)や経済的困窮はすべて新自由主義=高所得者の利益を極大化させ、低・中所得者層は切り捨てる=「官がしなければならないことを利権民間企業に行わせて儲けさせ、票の獲得を受ける」から来ているものであり、その破綻を示すものである。いわば、安倍内閣が数の暴力を使って、すべてを同内閣で決定する事実上の独裁政権を構築したことから、「ステルス・独裁主義」を実践しているのが今の政府=安倍政権の実態であり、正体である。

ネットの動画でも、「安倍首相は責任は自らにある」と口先だけで言うけれども、責任は取らない。「日本の国民生活向上、経済社会の再建の実績を残すことが責任の取り方」だと詭弁を弄するが、そうした実績どころか「腐敗と国民生活の劣悪化と経済社会の悪化」の「実績」だけしか残せていない。正しい責任のとり方は、安倍内閣の総辞職だけである。

デモクラシー・タイムス主催の上記動画では社会民主党の福島瑞穂党首(参院議員)をはじめ立憲民主党の石垣のり子参院議員、国民民主党の徳永えり参院議員ら女性の国会議員はみな、「内閣総辞職こそが正しい責任の取り方」と指摘している。福島党首は「安倍内閣の終わりが始まった」との見方だ。政界では安倍内閣の弱体化が進み、自公両党に政変が起こって8月にも安倍内閣が総辞職に追い込まれるとの見方も出ている。

もっとも、野党と称する政党も御用組合の連合に握られている限り、国民の期待には応えられない。新自由主義を克服する理念と政策で一致した政策連合の結成が要である。試金石は7月の東京都知事選である。宇都宮徳馬氏が立候補表明をしたが、そのあと、小池百合子現都知事が立候補を表明する予定だ。しかし、小池現都知事には①コロナ禍対策そっちのけで東京オリンピックの強行開催に固執した②都立病院、区立病院、東京に立地する慶応大学附属病院など大学附属病院などの中核病院の院内感染、高齢者・障害者介護施設の院内感染を防げず、情報公開も怠った③政府=安倍政権の進める新自由主義政策に進んで協力した④自民党・二階俊博幹事長の傘下にある−などから問題が多い。

現状、小池現都知事圧勝というのが相場で、野党も統一候補を立てることに及び腰になっているが、それで良いのか。場合によっては、堀江貴文氏が立候補する可能性はある。その場合は、小池票は分散し、全野党が支持を表明し事実上の統一候補にすれば、宇都宮徳馬氏にも勝算は出てくる。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう