コロナワクチン開発状況、東京オリンピック中止の可能性もあり来年1上旬解散・総選挙の可能性も

米国の大手制約会社(メガ・ファーマ)のファイザーについで、モデルナが第3相の治験で94.5%の効果があるコロナワクチンの開発に成功したとのニュースが喧伝されている。日本では臨時国会で「予防接種法改正案」が審議いりした。また、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が15日に来日、「オリンピック参加選手にワクチンを接種して来夏に延期した東京オリンピックを必ず開催する」と公言したことなどから、来年1月に開かれる通常国会でワクチン接種とバラマキ型の第3次補正予算案の提出時点または(成立後)にも菅義偉首相が解散・総選挙を行う可能性が濃厚になってきた。ただし、来年1月にはコロナ第3波の本格的襲来で国内が相当な混乱に陥る公算も少なくなく、強行すれば自公政権の生命取りになる公算もある。

11月17日火曜日コロナ感染状況

本日11月17日火曜日の新型コロナ感染状況は、東京都では午後15時の速報値で新規感染確認者は1週間前の10日月曜日の293人より5人多い298人(https://www.fnn.jp/articles/-/61484)だった。これは火曜日では最多だった8月4日の309人に次ぐ2番目の多さ。重症者は厚生労働省の基準よりも少なくなる都基準(集中治療室で治療を受けているコロナ感染患者は重症者に含めない)で前日比2人増加で過去最多の42人だった。全国の状況はこちらのサイトで更新されています。
東京都のモニタリング(https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/)では、7日移動平均での感染者数は309.9人、PCR検査人数は5260.46人だから、陽性率は5.89%。東京都独自の計算方式でも5.7%。感染者のうち感染経路不明率は57.21%だった。
全国では、午後23時59分の時点で、 1699人の新規感染確認者と14人の死亡者が確認されている。北海道・札幌市が午後15時の時点で150人になったことから、鈴木直道北海道知事が札幌市民に対して正式に不要不急の外出禁止要請措置を行った。
東洋ONLINE(https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/)では、11月16日時点の実効再生産数は全国が前日比0.02人減少して1.36人、東京都では前日比0.04人減少の1.31人となった。

東京都のコロナ感染者の推移

東京都のコロナ感染者の推移

大手マスコミの報道によると、米国のメガ・ファーマが第3相の治験の最終段階で94.5%の効果を持つコロナ・ワクチンの開発に成功し今後、ワクチンの臨床試験の結果を審査が必要な科学雑誌に投稿するとのことだ。ただし、NHKの伝えるところ(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201116/k10012715891000.html?utm_int=news_contents_news-main_001)によると、「ワクチンの接種を受けた人に重大な安全上の懸念は報告されていないとしていますが、2度目の接種後に9.7%の人にけん怠感、8.9%の人に筋肉の痛み、5.2%の人に関節痛、4.5%の人に頭痛がみられた」とし、世界保健機構(WHO)のスワミナサン主任科学者は「すべてのデータが分析され、最終的な効果と安全性を見極めなければならない。少なくとも2か月間、試験に参加した人の半数を対象に副作用が出ないか追跡する必要もある」とも報道している。

【追記:11月17日午後16時15分】ファイザーとモデル名が開発したワクチンは従来型のものではなく、「mRNA」という傷みやすい成分が入っていて低音保存しないと「壊れる」との記事が飛び込んできた(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201117/k10012716811000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_001)。感染症対策の専門家による徹底的な検証が必要と思われる。

東京大学先端科学技術開発研究センターに在籍し、遺伝子工学に詳しい児玉龍彦東京大学名誉教授らによると、新型コロナウイルスの遺伝子構造はDNA型ではなく、RNA型のため、安全性と有効性の確認が取れたワクチンの開発はかなり難しいと言う。しかも、遺伝子構造が変異しやすいという問題もあり、米国で開発されたワクチンが有効であったとしても、それ以外の国でも安全で有効なものであるかどうかは不明だ。また、新型コロナウイルスは高齢者や糖尿病、腎臓病などの持病を持っておられる方が感染した場合、重症化・死亡化しやすいという特徴がある。

厚生労働省は年齢別の感染者数と死亡者数について、当初は公表していたが、その後公表しなくなった。このためかなり古いが、下図は春までの段階で厚生労働省が発表していた年代別感染者数と死亡者のグラフだ(https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data-rate/)。60代以降の方は、感染するとかなりの高確率で重症化、死亡化しやすい。

年代別感染者数

年代別感染者数

年代別死者数

年代別死者数

こうした方へのワクチンの接種については高度の安全性と有効性が求められる。これには、通常の治験よりもより多くの時間がかかることを意味している。しかも、WHOのスワミナサン主任科学者の指摘するように、少なくとも2カ月間は治験者の追跡調査が必要ということになると、「開発成功」というニュース自体に疑問が生じる(ファイザー社のCEO=最高経営責任者=は自社持ち株の60%を売却している)ことを差し置いても、実際の接種までにはかなりの日数を要することになる。なお、コロナ・ワクチン開発については、本サイトでも照会したように中国湖北省広東市で新型コロナウイルスよる感染症の拡大が始まる前に次の国際会議があった。

脇道にそれるが、「インパール作戦」とも揶揄される来夏強行開催予定の東京オリンピックでは、欧米でのコロナ第2派の襲来のため、本体会出場者を決定する最終予選大会が終了していない競技も半分程度残されている。アスリートは体調の調整に時間を要することから、最終予選大会、本大会に出場するための体調調整期間を考慮すれば、トーマス・バッハ会長の「ワクチン接種万能論」には、はなはだ疑問が残る。そもそも、アスリート達がこぞって「コロナ・ワクチン」の接種を受けるとも限らない。薬害が出た場合、アスリート生命にかかわるからだ。だから、バッハ会長は強制ではない、希望者だけだと言わざるを得なかった。

国際オリンピック委員会(IOC)が100億円拠出すると「明言」したが、実際は日本国際オリンピック委員会(JOC)を当てにしているかもしれない。なお、後で述べるが、米国のバイデン次期大統領はコロナ対策を強化する意向であるから、ホンネのところは東京オリンピックの開催を全面的には支持できないだろう。アスリートへのワクチン接種にもアスリートにとっては、不安を感じるところがあるだろう。もし、強力に後押しするなら、軍事・経済問題も含めて日本に対する要求は極めて厳しいものになるだろう。

現在のところ、日本全国でのコロナ感染状況は次のようになっている(https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data-all/)。

日本のコロナ感染者数

日本のコロナ感染者数

現時点で死亡者は1903人で、死亡率は1.84%。季節性インフルエンザによる死者は2019年が3517人、2018年が3325人だったことから、季節性インフルエンザよりも、新型コロナ感染症の脅威は低いと見られる方もいる。しかし、季節性インフルエンザに罹患された患者数は明らかではない。また、沖野メディカルクニック(宮城県仙台市若林区)では、世界でも権威ある米国医師会雑誌のJAMAを引用して、季節性インフルエンザと新型コロナウイルスを単純に比較してはいけないと警告を発している(https://www.okino-clinic.com/blog/742/)。石本修院長のブログの中から、重要箇所を引用させて頂く。

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季節性インフルエンザウイルスと新型コロナウイルス
季節性インフルエンザウイルスと新型コロナウイルスがよく比較されています。気道に感染し、死に至らしめるウイルス感染症としてこの2つはよく似ています。しかし、毎年冬から春に流行する季節性インフルエンザと、今回の新型コロナウイルスは毒性が明らかに異なります。季節性インフルエンザ感染で死亡する場合は、そのほとんどが2次的に発生した細菌感染によるもので、ウイルス性肺炎やサイトカインストームを起こす患者さんは少数です。

スペイン風邪と新型コロナウイルス
今回のCOVID-19パンデミックと比較するべき対象は、季節性インフルエンザではなく、2009年新型インフルエンザでもなく、約100年前に大流行した1918-1920年のスペイン風邪だと思われます。日本におけるスペイン風邪の感染者数は2380万人(=当時の人口の約半数)、死亡数は約39万人、致死率は1.63%と報告されています。スペイン風邪の死因はサイトカインストームも細菌感染もどちらもあったようです(Wikipedia)。

米国医師会雑誌(JAMA)の観点
今回の論文は、JAMA誌のVIEWPOINT(観点、オピニオン)から紹介します。アメリカ疾病管理予防センターが、季節性インフルエンザと新型コロナウイルス感染症の死亡数や致死率を比較して、対策を立てていることに著者は異議を唱えています。

  • ーーー 以下、論文を抜粋翻訳して、解説します。ーーー
    「2020年5月上旬の時点で、米国では約65,000人が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で死亡した。この数は、アメリカ疾病管理予防センター(CDC)によって毎年報告されている季節性インフルエンザによる推定死亡数と同じようにみえる。COVID-19と季節性インフルエンザによる死亡数が見かけ上は同様であるが、臨床の最前線、特に人工呼吸器が不足し、多くの病院が限界を超えているパンデミック地域における状況と異なる。COVID-19危機において病院医療に対する需要の高まりは、インフルエンザが最悪であった季節でも米国で発生したことはなかった。それでも、公的機関は、パンデミック拡大の影響を最小限に抑えようと、季節性インフルエンザと新型コロナウイルスの死亡率を比較し続けている」
  • 「このように誤って比較してしまう原因は、季節性インフルエンザとCOVID-19のデータが公表される方法について知られていないことがあるからかもしれません。 CDCは、世界中の多くの疾病管理機関と同様に、季節性インフルエンザの罹患率と死亡率を、実際の数ではなく、国際疾病分類コードに基づいて計算された推定値として提示している。2013-2014年と2018-2019年の間では、インフルエンザによる年間推定死亡数は23,000人から61,000人と報告されている。しかし、同じ期間で、インフルエンザの死亡数を実際にカウントすると、毎年3,448人から15,620人であった。平均して、CDCが推定したインフルエンザによる死亡数は、実際カウントされた死亡数のほぼ6倍であった。逆に、COVID-19の死亡者数は、現時点では推定されずに直接数えられて報告されている。結果として、より正確な方法は、週単位でCOVID-19の死亡数と季節性インフルエンザの死亡数を比較することである。」
  • (中略)
  • 週単位の死亡数をみると、ピーク時の数字と比較してもCOVIDの方が20倍多いということです。この数字であれば、医療崩壊しても納得できます。

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季節性インフルエンザに対しては、有効性と安全性が一定程度確認されたワクチンが既に開発されている。また、季節性インフルエンザに罹患しても、タミフルなどの抗ウイルス薬が開発されており、罹患した患者さんに対して有効な治療法が確立されている。これに対して、新型コロナウィルスに対しては、喧伝されているワクチンの開発が疑問付きで、抗ウイルス薬が、徐々に開発・承認されている状態だ。さらには、重症化しやすくその場合には、人工呼吸器、体外式膜型人工心肺(ECMO)、集中治療室が必要になり、医療機関によって大きな負担になる。また、酸素化無症状の感染者が、感染者拡大の一大要因になり、持病を持たれた方や高齢者に感染させる原因にもなっているのに、政府=菅政権は従来の「クラスター対策」に終始している状況だ。

新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するためにはどうしても、発生源(エピセンター)を特定し、その地域の住民に対する全員検査・大規模検査が必要だ。世田谷区では無症状感染者を発見するため、必要な地域での全員検査に注力し、当初は複数の検体をまとめて検査できて安価な「プール方式」を採用する予定だった。けれども、政府=菅政権はこれを妨害した。そのため仕方なく通常のPCR検査を行っているが、介護施設職員を対象にしたPCR検査では「(10月)14日までに17施設の計271人に検査し、2人が陽性だった」(https://digital.asahi.com/articles/ASNBM74D3NBHUTIL058.html?iref=pc_ss_date)という。区では大規模検査を行うために、ブール方式の採用を政府=菅政権に引き続き求め続けていく考えだが、政府=菅政権は肝心要(かなめ)のコロナ対策である大規模検査を認めようとしないわけだ。

【補足:11月17日午後15時10分】11月17日の閣僚後の記者会見で、「田村憲久厚生労働相は17日の閣議後会見で、新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が多発している地域の医療機関や高齢者施設に対し、従事者や入院患者、入所者を対象にした一斉の定期検査を行うよう改めて要請した」(https://digital.asahi.com/articles/ASNCK455FNCKUTFL005.html)という。

「改めて要請した」というのは、過去にも要請したことがあったということだが、政府(厚生労働省)が要請した後、実際に全員検査を行ったかどうか不明であることが濃厚。こうした感染震源地(エピセンター)での全員検査は従来の「クラスター対策」とは抜本的に異なるものであり、政府=菅政権が全員検査を目指しているなら、菅首相が自らコロナ対策の抜本転換を国民に対して表明しなければならない。そうしないのはやはり、大規模検査はしないということの表れだろう。

新型肺炎のステージ別治療

新型肺炎のステージ別治療

なお、年代別のコロナ感染者に対する保護・隔離・治療態勢を確立する必要があることは言うまでもない。

こうした状況で、コロナの第3波が襲来すれば、国民の動揺と医療機関の負担増、経営悪化、ひいては日本経済悪化が避けられなくなる。菅首相と自民党の二階俊博氏が11月12日に長時間の会食を行い、その場で年明け早々の1月8日に通常国会を開き、2020年度第3次バラマキ補正予算案の提示後、または、成立後に衆議院の解散を行い、総選挙に突入するシナリオも検討された模様だ。菅首相の答弁能力が著しく低いことが主な要因のひとつであ。また、東京オリンピックも中止に追い込まれることになれば、菅政権は大打撃を被る。これは、任期満了解散・総選挙では絶対的に不利になる。これも、1月8日通常国会召集の大きな理由のひとつだ。

この情報は立憲の小沢一郎衆院議員の側近で元参院議員の平野貞夫氏がキャッチした情報とも一致する。

鳥取駅北口で16日、街宣活動を行うれいわ新選組の山本太郎代表

鳥取駅北口で16日、街宣活動を行うれいわ新選組の山本太郎代表

緊縮財政のため大幅に低下してきた実質賃金指数

緊縮財政のため大幅に低下してきた実質賃金指数

これに対して、野党側では、立圏民主党の枝野幸男代表が時限を区切っての消費税の凍結を発言したことから、れいわ新選組の山本太郎代表が16日行った鳥取駅北口のソーシャル・ディスタンス街宣で、野党共闘に加わることについて「楽観視している」との発言を行った。野党側は立憲、日本共産党、れいわ、社民党が、➀共通の理念の明確化(安倍・菅政権の新自由主義に対抗する共生主義)②消費税減税と積極財政への抜本的転換③休業補償を明確にしたコロナ禍対策④奨学金徳政令ーなど思い切った政策体系への政策抜本転換③明確な野党連合政権構想の提示ーを国民の前に示し、不意打ちに対処しておく必要がある。なお、1月はコロナ第三波が襲来している可能性が高い。そうした状況下で解散・総選挙を強行すれば、国民の不満と不安が募るのは避けられず、菅政権にとっては大きな打撃となる。