新型コロナ用ワクチンについての中間報告(追記:首都圏感染爆発段階に)

政府=菅義偉政権は、東京オリンピック/パラリンピック強行開催を戦中の「玉体国体護持」と同じように考えているため、コロナ禍に対して無為無策どころか「大津波警報が発出されている中、Go To ビーチ」と揶揄される冬入り直前からの「Go To トラベル」で全国に感染者の拡大(大都市圏では爆発)を引き起こしている。菅政権にとっては、「神風(かみかぜ)」としての新型ワクチンが最後の「頼み」になっている。新型ワクチンの安全性・効果・持続性について現時点での情報まとめてみる。参考文献はNHKWebサイト、週刊現代1月9日・16日合併号、日刊ゲンダイ元旦号、YoutubeのMasa ニュースサイト(https://www.youtube.com/watch?v=k3G8c-D97a4&t=518s)などです。

01月05日火曜日コロナ感染状況

本日2021年1月5日火曜日の新型コロナ感染状況は、東京都では新規感染確認者は1週間前の12月29日火曜日の856人より422人も多い火曜日としては過去最多で、昨年の大晦日に次ぐ過去2番目の1278人、重症者は前日から3人増えて過去最多の111人になった(https://www.fnn.jp/articles/-/61484)。感染爆発の段階に入ってきたが、1都3件の緊急事態宣言は7日に発出される発出日を決定する見込み。大相撲界では横綱白鵬がコロナに感染していることが判明、入院することになった(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210105/k10012797361000.html?utm_int=nsearch_contents_search-items_002)。
東京都のモニタリング(https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/)では、7日移動平均での感染者数は979.4人、PCR検査人数は6212.0人だから、瞬間陽性率は15.77%。東京都独自の計算方式でも13.6%。感染者のうち感染経路不明率は67.80%だった。ステージ3/4の陽性率は10%だが、世界保健機構(WHO)では各国に対して5%以下に抑えることを要請している。陽性率は10%をかなり超え、感染経路不明率も上昇する一方だ。感染爆発の段階だ。
全国では、午後23時59分時点で新規感染者数は過去最多の4915人、死亡者は76人、重症者数は前日比40人増で過去最多の771人が確認されている。
【参考】東洋経済ONLINE(https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/)では、1月4日時点の実効再生産数は全国が前日比0.01人増の1.06人、東京都は前日比0.04人増の1.16人となっている。

東京都の新規コロナ感染者数の推移
東京都の感染者数推移【最新情報

英国では昨年12月19日にジョンソン首相が緊急記者会見を行い、同国で変異した感染力が7割ほど強い英国型ウイルス(9月には変異種の存在が確認されていた)が猛威を振るうことが予測されるため、ロンドンを中心とした南東部で「都市封鎖(ロックダウン)」すると発表した。今年12月中旬には、感染したウイルスの3分の2が変異ウイルスであることが分かっている。また、12月23日には南アフリカで変異したウイルスに感染したことも明らかになった。英国の感染者は急激に増加している。このため、現地時間1月4日には「都市封鎖(ロックダウン)」を全土に拡大した。

これを受けて、首都ロンドンなどではパブやレストランなどの飲食店はもちろん、映画館、美容院などの屋内施設も閉鎖された。英国南東部では変異コロナ疎開が始まった。同時に、ドイツ、イタリア、オランダなど欧州各国を含む50カ国では英国からの入国者は事実上拒否している。対岸のフランスはフェリー、鉄道、海底トンネルでの物流の停止が始まった。首都ロンドンを中心とする南東部都市では、食料品の買い占めが起こり、南東部以外の地方への変異コロナ疎開が起こっている。

ただし、英国からの入国を禁止した諸国でも、英国からの帰国者を含む国民から変異種のウイルスに感染した発見されている。特に、感染がひどいのはデンマークだ。なお、新型コロナウイルスの場合、ヒトの上気道や肺、腸の細胞にある「ACE受容体」と呼ばれる酵素から体内に侵入していくが、英国型の変異ウイルスの感染力が強いのは、「ACE受容体」に入り込む「スパイク蛋白」で約3万個あるゲノム(遺伝子)配列のうち29カ所に変異が起き、変異ウイルスがヒトの体内に容易に侵入できるようになったからだと見られている(週刊現代)。

デンマークの感染状況
デンマークの感染状況

 

こうしたことのため、英国では米国の大手製薬会社ファイザー社とドイツの製薬ベンチャービオンテックが共同開発したmRNA型新ワクチンの接種に続いて、英国の製薬会社アストラゼネカ社が開発したワクチンの接種も始めた(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210105/k10012797081000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_007)。概要を引用させていただく。

イギリスの製薬大手アストラゼネカなどが開発した新型コロナウイルスのワクチンの接種(注:摂氏2度から7度の間で保存でき、管理が容易)が4日、イギリス国内で始まりました。アメリカの製薬大手ファイザーなどのワクチンに続き、これが2種類目です。(中略)

政府の諮問委員会が臨床試験のデータを分析した結果、1回目の接種によっても新型コロナウイルス感染症への有効性は一定程度得られ、2回目の接種によってその効果は長続きするようになるものの、短期的にみれば有効性に大きな違いはないと結論づけたということです。そのうえで、感染拡大が続く現在の状況を考えれば、多くの人がワクチンを接種できずに感染し、重症化する危険性があるとして理解を求めました。

これについて、3週間後に2回目の接種を行う形で臨床試験を行ったファイザーは、ワクチンの効果を最大限にするためには2回の接種が必要で、1回目の接種のあとのワクチンの効果が3週間を過ぎても保たれていることを示すデータはないなどとコメントしています。(以下、略)

現在、米国のファイザー社、モデルナ社(いずれも摂氏マイナス70度前後での保管が必要)、英国のアストラゼネカ社の新型ワクチンが有力視されているが、基本的には2回接種しなければ有効性は保証されない。だから、1回目の接種である程度の効果が出たとしても、それだけでは、コロナウイルス(特に、変異種ウイルス)に感染する可能性はある。最低、1カ月はコロナ感染対策を自分で行わなければならない。また、英国型、南ア型ウイルスに対しても有効かどうかは、各社とも有効性は断言していない。「どの変異種でも効く」との「専門家」の発言はあるが、はっきり言って、「不明」というのが偽らざるところだ。安全性については緊急承認のため端的に言って定かではない。

なお、ファイザー社と共同開発したドイツの製薬ベンチャーのビオンテックは12月22日に会見を開き、「必要であれば、変異種に特化したワクチンを6週間以内に開発できる」と発表した。新型コロナウイルスはRNA型の遺伝子構造のため、自己増殖する(コピーを作成)する際、コピーミスが起こりやすい。このため、今回の新型コロナウイルスには武漢型、ミラノ型、日本東京・埼玉型、スペイン型、英国型、南ア型と変異種が多数存在する。ファイザー社やモデルナ社、アストラゼネカ社がどの変異種型にも効くのか、また、変異種に応じて開発・作成し直す必要があるのか、正直なところは不明だ。

最悪の場合は、何度も開発・作成し直す必要性も否定できず、そのたびに2回接種しなければならない。安全性から言ってもヒトへの負担は大きくなる。健康への悪影響としては、接種後すぐに呼吸困難になる「アナフィラキラーショック」が起きることもあり(ただし、100万回打って1回程度の確率?!)、ギランバレー症候群(複数の末梢神経が障害される病気で、数週間後に手足の力が急に入らなくなってくる。通常、下肢から始まり徐々に上肢に広がっていく。その他にも顔面の筋肉に力が入らない顔面神経麻痺、目を動かせなくなって物が二重に見える外眼筋麻痺、食事がうまく飲み込めない、ろれつが回らない球麻痺などの症状が出る)、ギランバレー症候群とは別の末梢神経障害が出ることもある(週刊現代)。

週刊現代では、大阪大学免疫学フロンティア研究センターの宮坂昌之招聘教授へのインタビューをもとに執筆しているが、別の専門家の見方もある。日刊ゲンダイ元旦号によると、政府=安倍晋三、菅政権のコロナ対策を正当に批判、警鐘を発し続きてきた医療ガバナンス研究所の上昌広理事長は次のように語っている。

「新型コロナのワクチンには、有効性と安定性に疑問が残ります。確かに短期的な効果はあるようです。でも、長期的な効果は不明です。数万人程度の試験では、10万人に1人とか100万人に数人起きる重篤な副反応については分からない。接種を広げていくにつれて、予期せぬ副反応が問題になる可能性があります。半年後、1年後に思わぬ問題が起きる恐れもある。特に、高齢者に強く副反応が出るようです」

実際、日本脳炎ワクチンや子宮頸がんワクチンには少なくない確率で重篤な副作用が発生したため、前者は中止、後者は接種を受ける女子中学生・高校生が激減している。なお、新型ワクチンの接種は政府の御用メディアでは接種誘導、政府のコロナ対策を批判するメディアでは過大な期待は禁物といった内容になる。YoutubeのMesaニュースによって、現状と課題を下図に示す(https://www.youtube.com/watch?v=MsLGXzCFs9Q&t=549s)。

モデルナ製ワクチンの副作用
モデルナ製ワクチンの副作用
ワクチン接種状況
ワクチン接種状況

日本では新型ワクチンの接種は2月下旬から。住民票のある基礎自治体から「接種票」が郵送で届き、個別の医療機関または学校の体育館で集団接種が行われる。ファイザー社とモデルナ社のワクチンは極低温下での保存・管理が求められるため、基礎自治体は頭を痛めている。まずは、英国でのワクチン接種で感染拡大がストップしたか、健康被害は出ていないかどうかを確認することが必要だろう。

重要な問題点を指摘しておくと第一は、ワクチン接種は努力義務とされていることから、副作用で健康被害が出たとしても、ワクチン接種との健康被害との因果関係は接種を受けた本人側が挙証責任を持ち、損害賠償を求めて民事裁判を起こし、勝訴しなければならないことである。第二の問題点は、日本の政府=菅政権が予防接種法を改正し、ワクチン開発製薬会社(メガ・ファーマ)に対する損害賠償請求を却下するための免責条項をつけたことである。サイト管理者(筆者)としとては、菅政権以外の政権が発足し、正しいコロナ禍対策を行ったうえで、有効性と安全性をかなりの程度確認することが、接種の条件と思う。

なお、リテラの「『#東京五輪の中止を求めます』拡散も…菅首相は『五輪を実現』と断言 森喜朗会長も『中止はできない』 強行の背景に2人の五輪買収疑惑」と題する記事も一応、参考にされたい(https://lite-ra.com/2021/01/post-5754.html?utm_source=onesignal&utm_medium=button&utm_campaign=push)。聖火リレーが始まる3月24日がデッド・ラインになる。



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