トランプ前大統領、上院での弾劾裁判勝訴、政治活動再開=ディープステートと正しく闘えるか

トランプ前大統領の米上院での弾劾裁判の評決が13日(日本時間14日)行われ、賛成57、反対43で、共和党の造反は7人にとどまり、賛成派は弾劾に必要な3分の2の獲得できず、「敗訴」することになった。昨秋の大統領選でトランプ氏が獲得した全米有権者7400万票の票数の「重み」は強かった。トランプ氏はツイッターやヘェイスブックからアカウントを剥奪されながらも、政治活動の再開を目指す。ただし、トランプ氏を排除しようとするディープステートに対峙して、再び米国民の支持を獲得するためには、トランプ氏は米国の大格差社会、分断を解消しなけばならない。

1月15日月曜日コロナ感染状況

本日2月15日月曜日の新型コロナ感染状況は、東京都では新規感染確認者は1週間前の2月8日月曜日の276人か10人減少して266人、500人以下は9日連続。重症者は前日から6人減って97人。1月2日の94人以来、100人を下回った。また、死亡者数は6人https://www.fnn.jp/articles/-/61484)。ただし、東京都は、昨年年2020年11月18日から今年2021年01月31日までの間に合計838人の感染者が漏れていたことを公表した。
東京都のモニタリング(https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/)では、7日移動平均での感染者数は378..6人、PCR検査人数は6846.0人だから、瞬間陽性率は5.573%。東京都独自の計算方式では4.7%。感染経路不明率は49.10%。
全国では午後23時59分の時点で、新規感染者数は965人、死亡者数は72人が確認されている。重症者数は前日比10人減の658人。
【参考】東洋経済ONLINE(https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/)では、2月13日時点の実効再生産数は全国が前日比0.02人増の0.75人、東京では同0.02人増の0.75人。実効再生産数が底入れしているかどうか、慎重に見極める必要がある。リバウンド(再拡大)は防がなければならない。

東京都のコロナ感染者数の推移
東京都のコロナ感染者数の推移

【追記】
内閣府が15日発表した昨年第4・四半期の国内実質経済成長率(GDP伸び率は)前期比3.0%増、年率換算で12.7%増になったが、2020年自体の経済成長率はリーマン・ショックの翌年の2009年(前年比マイナス6.3%)以来11年ぶり前年比4・8%減の大幅マイナス成長に陥った。韓国のマイナス1.0%を下回った。近い将来、一人当たりの実質GDP成長率は韓国に抜かれるだろう。季節要因で新型コロナが季節要因で夏場地殻から再活性化すればまた、経済成長率は急落してしまう。

平均株価は「バブル景気」のさなかの1990年8月2日以来、30年6か月ぶりの高値30,084.15円で引けた。日銀の量的金融緩和政策による過剰流動性が主因(バブルの様相)だが、新規感染者数の減少、新型ワクチンへの期待によるコロナ感染収束への期待の高まりからだ。しかし、リバウンド(新規感染者数の再拡大)の可能性があり、株価収益率(PER)は25倍とそれほど高くはないにしても、警戒は必要である。

再度繰り返させていただくが、米国を実質的に支配しているのはディープステート(闇の国家)だ。全ては信用できないが、Wikipediaでは次のように記している。

ディープステート(英: deep state、略称: DS)または闇の政府は、アメリカ合衆国の政治システム内に共謀と依怙贔屓(英語版)が存在し、合法的に選ばれた政府の中に隠れた政府が構成されているとする説である。「影の政府」や「国家の内部における国家」と重複する概念でもある。作家のマイク・ロフグレン(英語版)は、「公式の政治的過程を通じて表明されたかのように、被統治者の同意に基づかずに米国を効果的に統治することができる、政府の一部とトップレベルの金融と産業の一部の混成連合」が存在すると考えている。

20世紀初頭から既に、大統領候補3人が3人ともディープステート系金融界から莫大な資金援助を得て、それ以外は排除される仕組みが存在する。当選したウィルソンはディープステート系のハウス、バーナード・バルークなどを重用し、ディープステート系銀行家達が秘密会合で合意したFRBを法案可決する。バルークは以下5人の大統領補佐官を務める。その後もディープステート系のキッシンジャー、ブレジンスキーなどが中枢に入り込み、長く強い影響力を政権に与えている。

サイト管理者(筆者)の言葉で言えば、ディープステートとはドワイト・アイゼンハワー大統領(第二次世界大戦での連合国最高司令官を務め、ノルマンジー上陸作戦をきっかけに独伊日枢軸国を打ち破った)が1961年1月の離任時にその存在を明らかにし、警告した軍産複合体と多国籍金融資本・企業の連合軍と言っても良い。その背後に欧州のロスチャイルド家とかロックフェラー家が存在するとの説もあるが、詳細は不明だ。

ただし、市場制資本主義的生産様式の体制(資本主義経済体制)の下では、いずれの国においても大株主が並外れた国家の支配力を持つのはよく知られている。日本でも政官業癒着体制を統括する自民党が戦後、ほとんど一貫して日本という国家を支配してきた。Wikipediaが指摘しているように、米国がソ連に打ち勝つため、一党独裁制の中国と手を組む「関与政策」に転換し、ニクソン・キッシンジャー「忍者外交」を展開したのも、背後にディープステート勢力の存在力があるようだ。

余談だが、米国の対中融和路線でディープステート側がソ連に勝利したことは確かであるけれども、世界的な対中宥和政策を先んじて行ったのは、日本の田中角栄首相だ。田中角栄は、米国が対中宥和政策推進に手間取っている間隙をぬって1972年9月に訪中、日中共同声明を発表して、日本国と中華人民共和国との国交を結んだ。この日中共同声明を土台に1978年8月、当時の福田赳夫首相の下(もと)、外務大臣園田直が中国の黄華外交部長との間で日中有効平和条約が締結された。尖閣諸島の領有権問題は両国間で棚上げされた。

政府系の読売新聞は、1979年5月31日付の社説で「日中双方ともに領土主権を主張し、現実に論争が存在することを認めながら、この問題を留保し、将来の解決に待つ事で日中政府間の了解がついた」「文書はなくとも政府対政府のれっきとした約束事であることは間違いない。これを遵守するのが筋である」だと主張し、日中両国政府の棚上げ論を支持した。現在は、忘れているが。

さて、日中平和有効条約はこの年1978年10月に国会の衆参両院でともに圧倒的多数で批准された。、同年10月22日に鄧小平副首相がが来日、日本の経済発展を直(じか)に視察して驚き、外資導入による経済発展を大々的に展開して行く。いわゆる、「改革開放政策」である。日本企業の中国への直接投資は活発化し、日本政府の対中経済支援と相まって、中国は「赤い資本主義国」になる。中国は現在、購買力平価では世界最大の経済大国になっており、2028年ころには実際の為替レートでも、米国を追い抜いて世界最大の経済・軍事・科学技術大国になると予想されている。

米中国内総生(GDP)産逆転予想
米中国内総生(GDP)産逆転予想

資本主義経済体制の確立と発展には、英米とは異なる「開発独裁タイプ」のものがある。日本の明治維新以降の「脱亜入欧論」や韓国・朴正煕大統領の「セマウル運動」、マレーシ・マハティール首相の「ルック・イースト」政策、それに、中国の鄧小平主席による「改革開放」路線もこの部類に属するだろう。

トランプ前大統領の弾劾裁判
トランプ前大統領の弾劾裁判

話をトランプ氏の政治活動再開に戻す。ディープステートは、冷戦に勝利した後、台頭してきた新自由放任主義を利用し、米国に大格差社会(1%の富裕層が99%の富を握る)と社会の武断をもたらした。米国民の間では、「We are 99%」という言葉が叫ばれ、東部エスタブリッシュメントを批判する声が激しくなり、大きな分断が生じた。この大格差社会と分断を克服することがトランプ大統領(当時)の本来の使命だった。しかし、トランプ氏はこのことに力を注がず、突然の新型コロナ対策にも失敗して、大統領選で敗北した。トランプ陣営は合法的な手段でなすべきことを果たさなければならない。

トランプ前大統領の弾劾裁判結果を受けたトランプ氏の発言
トランプ前大統領の弾劾裁判結果を受けたトランプ氏の発言

このことについては、野村総合研究所の主席研究員、早稲田大学大学院教授を歴任した経済政策、株価分析の第一人者で政治情勢にも詳しい植草一秀氏も指摘している。しかし、同氏は日本に隷属外交を強要するディープステートによって、冤罪の汚名着せられてしまった。しかし、日本の政治刷新に向けて活躍しておられる。その植草一秀氏も、メールマガジン第2851号「民主党政権崩壊の知られざる真実」で次のように指摘している。

敗戦後の日本を支配してきたのは誰か。答えは明白だ。米国である。より正確に言えば、米国を支配する支配勢力だ。米国を支配する支配勢力とは軍事資本、金融資本、多国籍企業。ディープ・ステイトと表現してもよいだろう。この支配者が日本の官僚機構、大資本、利権政治勢力、メディアの4者をエージェントとして活用し、日本の実効支配を続けている。この基本構造の維持こそ支配者の至上命題だ。

2007年9月の日本経済新聞主催セミナーで米国国務副長官のリチャード・アーミテージ氏が次のように述べた。「米国にとって日本との関係が世界で最も重要なのは、日本が世界第2位の経済大国であるためなどではない。日本の人々が政府を通じて米軍基地の使用を認め、安全保障上の守備範囲を広
げてくれるからだ」。これが日本支配者の考えである。

戦後、米国は日本に対し、(日米安保条約・日米地位協定を通して)「米国が望むだけの軍隊を、望む場所に、望むだけの期間駐留させる」権利獲得を求めた。これに抵抗する者は容赦なく攻撃の対象にしてきた。(中略)

1月20日、ジョー・バイデン氏が第46代米国大統領に就任した。米国はディープ・ステイトが支配する状況に回帰した。トランプ前大統領は旧来の支配勢力の支配下に位置しない異色の大統領だったが、米国の分配構造の歪みを是正することはなかった。また、米国社会が持つ多様性を尊重しなかった。そのために、再選を果たすことができなかった。バイデン新大統領はトランプ前大統領の発揮した「歪み」に焦点を当てて選挙戦を戦うことによって勝利を得た。しかしながら、米国政治が刷新されるわけではない。

(バイデン大統領は)元の大資本支配の米国に回帰することを止めることはできないだろう。

その象徴は、バイデン大統領が、民主党の第一次政権である鳩山由紀夫(現在は由紀夫改め友紀夫)政権に対して破壊工作を展開したカート・キャンベル氏(オバマ政権時代の東アジア・太平洋担当国務次官補)を、インド太平洋調整官起用したことだ。キャンベル調整艦は209年2月2日、小沢一郎幹事長と会談後、韓国に赴き、翌2月3日韓国を訪問、青瓦台で韓国の金星煥外交通商相と会談し、民主党第一次政権は自民党政権と全く異なることで一致(強く説明したと思われる)、本国に対して交渉ルートを菅直人財務相ー岡田克也外相に切り替えるよう打電した。この打電分はウイキ・リークスによって暴露されている。

この前後に、西松建設事件と陸山会問題が引き起こされ、小沢一郎幹事長は集中攻撃を受けて、日本政治を刷新しようとした民主党第一次政権は崩壊を余儀なくされた。民主党政権は菅政権、野田佳彦政権に移行、野田政権が公約違反の消費税増税法を成立させるという置土産まで作って、自民党に「大政奉還」した。国民に対する背信行為だ。また、日本は米国のディープステートに占領されたままで、米国の対中包囲網の前線に立たされるようになるだろう。

しかし、日本が「赤い資本主義国」の成立・発展に多大な高検をしたことは事実で、経済関係においては中国なしではやっていけないことも確かだ。日本が米中の股裂きになることは確実である。トランプ大統領の失敗の真相を見極め、これまでの対米隷属外交を刷新してゆく必要がある。なお、本日2月15日欠曜日放送の第380回UIチャンネルで、東アジア共同体研究所理事長を務められている鳩山友紀夫氏と植草一秀氏の対談番組(https://bit.ly/37cW7Bs)がある。内容の濃い番組になるはずだ。


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