安倍首相を操っているのは影の総理・今井尚哉首相補佐官

学校法人森友学園(大阪市)への国有地売却と財務省の公文書改ざん(14の公文書の300箇所を改ざん)問題で、同省近畿財務局の赤木俊夫さん(当時54)が自殺したのは、公文書改ざんに加担させられたからだなどとして、赤木さんの妻が3月18日、国と佐川宣寿(のぶひさ)・元同省理財局長に計約1億1200万円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。この森友学園問題を握りつぶし、関係者を無罪放免にしたのは当時の首相秘書官で、影の内閣総理大臣と言われている今井尚哉氏である。

森友学園に対し時価で10億円ともされる国有地が8億円も値引きされ2億円で払い下げられた「森友学園問題」が発覚したのは、大阪府豊中市の木村真市議が調査を重ねてきた段階の2017年2月9日に朝日新聞がスクープしたことによってである。

これによって、同年の予算委員会では安倍晋三首相は猛追及を受けたが、首相はこれに対して17日の予算委員会で「私や妻(昭恵夫人=同学園の名誉園長に一時就任=)がこの認可あるいは国有地払い下げに、もちろん事務所も含めて、一切かかわっていないということは明確にさせていただきたいと思います。いずれにいたしましても、繰り返して申し上げますが、私も妻も一切、この認可にもあるいは国有地の払い下げにも関係ないわけでありまして、繰り返しになりますが、私や妻が関係していたということになれば、まさに私
は、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめるということははっきりと申し上げておきたい」と開き直った。

この首相の開き直り発言を受けて当時の財務相の佐川宣寿(のぶひさ)氏が、同省近畿財務局の赤木俊夫さんを始めとした近畿財務局の職員や本省の理財局幹部・職員に対して、14の公文書の300箇所を改ざんを指示した。この時に、安倍首相の忖度を行い、佐川局長が指示したということで「忖度」という言葉が流行になった。しかし、忖度程度の次元で、理財局(国有財産の管理をする部局)といえども高級官僚が、国民の共有財産である国有地を破格の安値で売却するという国民に対する背任行為の重大な刑事犯罪をもみ消すために、これまた重大な刑事犯罪である公文書の大犯罪に手を染めることは考えられない。その方が、忖度したというよりも常識だろう。改ざんしても刑事犯罪にはならないという確信があったからに他ならない。

影の内閣総理大臣と言われる今井尚哉首相補佐官

植草一秀氏がメールマガジンの「第1582号 佐川局長暴走を支えた巨大な原動力」で指摘しているように実際のところは、朝日の2月9日以降17日の予算委員会での首相の開き直り発言に至るまでの間に、疑獄の「処理」の仕方で共同謀議が行われたのだろう。その共同謀議の中心人物こそ、影の総理と「一目置かれていた」当時の首相秘書官である今井尚哉(たかや)秘書官と思われる。

今井秘書官は安倍首相に策略を授け、2人で佐川理財局長を官邸に呼びつけ公文書の大改ざんを指示するなど、少なくとも3人の共同謀議で事態を切り抜けようとしたと見られる。赤木俊夫氏の妻が東京地裁に提訴した際に、「佐川(理財局長)さんも可哀想だ」との感想を口にしたのは、このことを指していると考えられる。しかしながら実際のところは2018年3月9日、森友学園問題における公文書改ざんの処分として、麻生太郎財務大臣により懲戒処分(減給20%3ヶ月)を受けたにとどまり、同日中に依願退官して、実質的には無罪放免された。赤木氏の妻も最終的な「結末」には唖然としていることだろう。なお、東京地裁への提訴だが、日本は三権分立制度が崩壊しているため、行政訴訟では上級審になればなるほど原告に不利な判決が下される可能性があることを指摘せざるを得ない。

さて、2011年3.11のフクシマ第一原発事故で「原子力緊急事態宣言」が発動され、今日に至るまで解除もされておらず、「処理水」と呼ばれる放射能汚染水の貯蔵施設が足りなくなることが明らかになり、福島県沖に排出しなければならない状態に陥っている。国民の1年間被曝量の許容限度も1ミリシーベルトだが、原発事故処理者にのみ認められる20ミリシーベルトに引き上げられたままだ。それにもかかわらず、今井氏は「原子力村」の利益を守るため稼働停止になっていた原子力発電所の再稼働の先頭に立った。

また、民主党の野田佳彦首相が年末に解散を行い、国民の期待を裏切って政権自民党に「大政奉還」した2012年以降の第二次安倍政権で、今井尚哉氏は国民を死ぬまで働かせ続ける「一億総活躍社会」や、これまた完全な失敗に終わった「アベノミクス」の破綻を取り繕うために、国内総生産600兆円とか出生率1.8の実現、介護離職ゼロとかの非現実な目標の実現を目指す「アベノミクスの新三本の矢」などの「政策」を打ち出した(本来は「的(まと)」なのだが、矢と的の区別がつかない)。もっとも、このスローガンは国民の目を安全保障問題に深く触れさせないためのものでしかなかったという批判もある。朝日デジタルによると最近では、政策企画の総括担当の内閣総理大臣補佐官を兼務し、2020年2月27日には菅義偉内閣官房長官を差し置いて、「大きなイベントなどの自粛」「小中高一斉休校」を安倍首相に発令させ、現場を大混乱させた。新型コロナウイルス感染症対策本部の事実上の本部長でもある。

要するに、現在のところは真の総理大臣は政策を指令する今井尚哉内閣総理大臣補佐官であり、安倍首相は操りだ。もっとも、本人を尊重した言い方をすれば、芝居の上手い人形ではあると思われる。Wikipedia次元で申し訳ないが、今井内閣総理大臣補佐官は、栃木県立宇都宮高等学校を卒業後、上京して東京大学に進学し、上に「阿」の付く法学部で学んでいる中の1981年10月、国家公務員採用上級試験(法律)に合格。1982年、東京大学を卒業して同年4月、当時の通商産業省(現在の経済産業省)に入省し、日本機械輸出組合ブラッセル事務所所長、資源エネルギー庁資源、燃料部政策課課長、経済産業省大臣官房総務課課長、経済産業省貿易経済協力局審議官、資源エネルギー庁次長などを歴任するなど、日本の産業政策に深くかかわってきた。

安倍首相との因縁だが、「第1次安倍内閣にて(今井が)内閣総理大臣秘書官となったことから、安倍晋三の知遇を得た。ともに内閣総理大臣秘書官を務めた井上義行は、今井の叔父の今井善衛と安倍の祖父の岸信介とが商工官僚同士だった縁から両者が接近したと述べている。また、井上は、安倍の姻族である牛尾治朗が今井の活用を進言していたと述べている」という。

親族関係をみると、「叔父の今井善衛は城山三郎の(異色の官僚と言われた佐橋滋をモデルに、高度経済成長を推進した通産官僚の活躍を描いた小説)『官僚たちの夏』で主人公と対立する官僚「玉木」のモデルとしても知られており、商工官僚を経て通商産業省で事務次官を務めた。また、同じく叔父で公益財団法人日本国際フォーラム代表理事の今井敬は、新日本製鐵の社長を経て経済団体連合会の会長を務めた人物。現在はほかに一般社団法人日本原子力産業協会理事長の職に就いている。これらの経緯から、今井尚哉は当初より『永田町や霞が関界隈でサラブレッド視されてきた』」。

首相の高級官僚の人事権が強まったとは言え、首相には高級官僚が提示してくる「政策」には太刀打ちできない。衆参両院議員はそのほとんどが、政治屋であるためだ。このため、日本の政治構造は、米国の軍産複合体→新安保条約に由来する日米合同委員会→検察・司法→霞が関の高級官僚→日本の富裕層の利権を代弁する政治屋→マスゴミと揶揄されるマスコミ(全国16社体制)→日本の国民の支配という流れになっている。

余談だが、世界保健機構(WHO)のテドロス・アダノム事務局長がPCR検査を徹底的に行った韓国方式を高く評価しているにもかかわらず、それを無視して、本日22日の読売新聞3面には罵倒とも言える形で、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が新型コロナウイルス対策を総選挙に利用しているとの「記事」を掲載していた。16社の中でも、NHK、読売、フジ・産経グループ、日経は政権ベッタリの異常さである。

新型コロナウイルス感染者は、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府など日本の中核である大都市圏で次第に感染の経路が不明な(リンク切れの)感染者の拡大のスピードが上がってきている。専門家会議は「日本の感染状況は引き続き持ちこたえている」との現状判断だが、新型コロナウイルス感染者集団(クラスター)発生を抑制するというこれまでの「方策」の継続では限界がくるだろう。韓国方式を早急かつ積極的に導入するとともに、国民の生活保障のための生活保障金の給付を含む大規模な財政出動に踏み切るべきだ。米国の国内総生産は2019年で21.5兆ドルで日本は5.2兆ドルと4分の1。その米国が1兆ドル(108兆円)の財政出動を行う可能性が強まっているが、日本でも少なくとも建設国債の発行が可能ならば建設国債、不可なら赤字国債を大規模に発行して、総額25兆〜30兆円規模の財政出動は不可欠だろう。日本の大企業を中心に企業が莫大な内部留保金を蓄積していることから、間接的に国債を引き受けさせる知恵も出すべきだ。

これまでの実績を見た限りでは、仁義の心の持ち主とは考えにくい今井尚哉内閣総理大臣補佐官にそんな頭脳があるとは考えにくい。

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