新型コロナウイルス感染症対策の抜本転換を再度訴える-条件なし一律10万円給付か

加藤勝信厚労相が主導してきた「クラスター対策」では、発生した新型コロナウイルスの感染が明らかになった集団の関連者に対してしか検査を行わない。ところが、新たな感染確認者の7割から8割が、感染経路不明の感染者になっている。確認されたクラスター外の感染者が圧倒的多数になっているのだ。特に日本の経済社会を支える京浜、阪神、中京の三大工業地帯の中核都府県である東京都、大阪府、愛知県でその傾向が顕著だ。政府=安倍晋三政権が実施してきた「クラスター対策」という名のPCR検査妨害「対策」は完全に破綻した。「緊急事態宣言」も効果がない。本サイトで繰り返し主張してきたが、緊急コロナウイルス感染対策を早急に抜本転換しなければならない。

朝日デジタルは2020年4月16日 5時00分に、「PCRよりクラスター追跡(の政府方針)、もう限界か 広がる院内感染」と題する記事をサイトに投稿した。リード文は、「日本国内の新型コロナウイルスの検査数は、なぜ少ないのか。これまで新型コロナ対策の専門家会議は、不安な人が検査のために病院に殺到すれば『医療崩壊』が起きる、と説明してきた。だが現状は、感染に気づかない人が来院するなどして医療従事者にも感染が広がっている。海外在住の専門家(の要求)は(日本政府の採っている)『クラスター対策』には限界があるとし、検査態勢を拡充するよう求める」というものだ。

新型コロナウイルス院内感染者が出た中核病院の慶応義塾大学病院

これまで、日本の医療機関では発熱など風邪症状のある外来患者、見舞い者が新型コロナウイルスに感染しているケースが少なからずあり、こうした来院患者、見舞い者によって病院の医師、看護師、事務職員が感染してしまっている例が跡を断っていない。院内感染が起きると、医療機関は入院患者はもちろん、救急患者や医師、看護婦、事務職員のPCR検査をしなければならなくなるので、外来患者や救急患者を受け入れることができなくなり、医療機関としての役割を果たせなくなる。つまり、東京を始めとして大都会では、医療崩壊がどんどん進行している。

このため、現在ではどの医療機関でも基本的には電話での診療、処方箋の提供ということになる。また、新規の外来患者は受け入れることが出来ない。厚労省がいくらテレビ電話での診察を認めるといっても、対面での接触診察が医療機関の診察の基本だから、こうした診察方式も医療崩壊の一種だ。完全に医療崩壊に陥った医療機関はもちろん、そうでない医療機関も含め日本全国全ての医療機関で医療崩壊がどんどん進みつある。

こうなった最大の原因は、「クラスター対策」の「大義名分」のもとに、➀厚労省がPCR検査検査体制(医療従事者が感染を避けるための検査装置や防疫備品の提供など)を強化することに全力を注がず、逆に保健所を利用してPCR検査の抑制をしてきた②文部科学省が管轄の全国の感染症対策研究機関にコロナウイルス対策の研究をさせなかった②休業や営業の自粛の補償に財務省が乗り気でなく、いまだに不透明な状況では、「外出自粛」「営業自粛」を求めても効果は薄い-などの理由による。これらについては、次のデモクラシータイムスの動画に詳しい。

すでに感染経路が不明な新型コロナウイルスウイルス感染者の割合が大幅に増加している大都市圏では、もはや「クラスター対策」は効果を期待できなくなった。このため、➀医療機関内での新型コロナウイルスの院内感染対策を最大限強化する②PCR検査のできる医療機関、民間の検査会社を完全に活用するなどのPCR検査体制の強化とともに、実際のPCR検査を大幅に増加させる③血液採取で検査が可能な抗体検査も充実させる④感染した患者を無症状・軽症、中程度の症状、重度の感染患者に分け、それぞれの患者の隔離施設を整備する(民間ホテル会社を政府が借り上げる、従来の仮設住宅を利用する、場合によっては建設国債を発行して早急に医療施設を建設する、日米地位協定の問題点が浮き彫りになってくるだろうが、自衛隊の広大な土地も利用するなど。自宅療養は自宅感染が重大な感染源になっているため不可)

緊急経済対策としては、④安心して自宅待機ができるように、生活支援金給付に所得制限や自己申告など複雑な壁を設けず、まずは1人当たり10万円を給付する(選挙用紙を各家庭に郵送する制度などを活用すれば良い。支援金を貯蓄に回す高所得者世帯もあるため支援金は課税所得の算出に組み込み、税金で返還してもらう)➄消費税は取り敢えずゼロ%にする⑥社会保険料は所得によって減額・猶予し、手取り収入を最大化する-などが基本だ。

新型コロナウイルス感染対策と生活補償のための生活支援金給付(長引けば複数回実施)は一体だ。

2020年4月16日11時53分にNHKに掲載された記事によると、「新型コロナウイルスの感染拡大を受けた経済対策で、公明党の山口代表は安倍総理大臣と電話で会談し、現金10万円の一律給付を、補正予算案を組み替えて実現するよう改めて求めました」とある。自公内部でさえ、一律給付の声が上がっていることは確かだ。ただし、疑惑と汚染金まみれであり、財務省に公文書改ざんの弱みを握られている安倍首相のことだから、期待は出来ない。

※追加(2020年4月16日20時)
朝日デジタル、NHKWebなど各種ネットメディアによると、「安倍晋三首相は16日、新型コロナウイルス感染症に対する緊急経済対策として国民1人あたり10万円を給付するため、2020年度補正予算案を組み替える方向で検討するよう麻生太郎財務相に指示した」という。従来は収入・所得制限を設けて1世帯30万円の支給ということで補正予算規模として、およそ1300万世帯を対象として想定、4兆206億円を計上していた。

しかし、迅速・簡素・直接という非常事態時の財政出動のあるべき姿からかけ離れていたため、条件無しで1人10万円支給すべきだとの不満が政権与党の自公内にも強かった。このため、方針転換を余儀なくされ、二階俊博幹事長主導により単純計算で8兆円規模の赤字国債(生活支援金関係は合計12兆円程度)を追加発行し、補正予算の組み換えを行う模様だ。

その背景には、内閣支持率の大幅な低下がある。政府=安倍政権の意向を忖度する読売新聞社が4月11日から12日にかけて実施した世論調査でさえ、「安倍内閣の支持率は42%となり、前回調査(3月20~22日)の48%から6ポイント下落し、不支持率47%(前回40%)と逆転した。不支持が支持を上回ったのは2018年5月以来」という状態。実際の支持率は大幅に低下しているものと予想される。政府=安倍政権は、日本国憲法が政府に義務付けている国民の生存権の保証よりも東京オリンピック強行開催を最優先させてきたため、新型コロナウイルス感染確認者を少く見せるため、PCR検査の積極推進と隔離対策を基本とする世界保健機関(WHO)の基本対策を無視して、異常かつ致命的なほどのPCR検査の妨害を行ってきた。

このため、日本国内での感染者の実態は今なお不明で、新型コロナウイルス感染対策本部(本部長は内閣総理大臣で、構成メンバーは閣僚)とその意向を忖度した「専門家会議」が打ち出す感染抑制対策も支離滅裂になり、上述のように「柱」の「クラスター対策」ももはや感染抑制には役に立たなくなっていた。併せて、米国政府が在日米大使館を通して短期滞在米国人の帰国を勧奨するなど、世界各国から疑惑の目で見られている。さらに、自宅待機(休業)・営業自粛と一体であるはずの財政出動も欧米に比べ、真水の規模が異常なほど少なかった。

このため、補正予算案の組み換えという異常な事態に追い込まれざるを得なくなったわけだ。ただし、➀財務省の妨害が予想されるため、「条件なし」が実現するかは依然として不透明②「専門家会議」に最先端の新型コロナウイルス感染対策(精密医学=プレシージョン・メディスン)の専門家が存在しないため、正しい「感染拡大阻止・終息対策」を打ち出せない-などのため、医学的・科学的根拠もなく「神頼み」(東京オリンピック組織委員会関係者)で来年7月に延期されたオリンピックが中止に追い込まれる公算は小さくなく、同時に「緊急経済対策」も真水が極めで小さいため、新型コロナ大不況を恐慌にまで悪化させてしまい、安倍政権が来年秋までの総選挙で政権を失う可能性が濃厚になっている。

対象的なのは韓国で、朝日デジタルによると「15日に投開票された韓国総選挙(定数300、任期4年)で、文在寅(ムンジェイン)政権を支える進歩(革新)の与党が6割の議席獲得を確実にして圧勝した。政権の新型コロナウイルスへの対応が評価され、残り2年の任期を残す文大統領は安定した政治基盤を得た」。韓国は基本的にWHOの指示に従い、PCR検査を積極的に行い、遺伝子工学と情報工学を取り入れ、スマートフォンを利用した精密医学で対策を行ってきた。ただし、陽性から陰性に転じた「回復者」が再び陽性に転じるというケースも出ており、こちらへの対策が急務になっている。

最終的には、自民党の補完勢力にしかなっていない立憲民主党を離党した山尾志桜里議員などが同じ立憲民主党の石垣のりこ議員や国民民主党の旧自由党出身議員など有志議員に呼びかけて新党を創設し、これに日本共産党やれいわ新選組が参加して広範な第三勢力を結成、現在の自公・日本維新・立憲・国民の癒着体制に徹底抗戦する必要があるだろう。なお、これらの癒着勢力が火事場泥棒よろしく、有害な法律を成立させる可能性も非常に強い。

なお、生活物資の供給が滞れば、スタグフレーションになる(不況下の物価高)。だから、米国のブッシュ政権のような「自国ファースト」では行けない。

おすすめの記事