検察庁法改革法案、安倍首相今国会成立断念か−決断迫られる稲田検事総長(改題・補強)

今国会で政府=安倍晋三政権が狙っていた検察庁法改正案について、政府部内で今国会での強行採決を見送る意見が政府部内に広がり始め、安倍首相も今国会での成立を断念したようだ。ただし、中央突破論も根強く、①稲田検事総長に辞任迫る②秋の臨時国会で中央突破を図る−ことが考えられる。いずれも阻止しなければならないが、日本の検察・司法制度の再建はまったなしだ(5月18日午後19時21分投稿)。

今国会での強行採決見送り論が出てきたことを報じたのは、朝日デジタルが2020年5月18日 11時30分に投稿した「検察庁法改正案、今国会成立は見送りも 政府内で浮上」と題する記事。「政府高官は18日朝、『今国会で成立しなくても困るものではない』と語った。自民党関係者も『検察庁OBの反発で官邸内の風向きが変わった』と話した」という。

こうした政府、党内の動きから朝日デジタルは020年5月18日15時22分に「首相、検察庁法改正案の今国会成立を断念 世論反発受け」と題する記事を投稿、安倍首相が検察庁改革法案の今通常国会での成立を断念したことを報じた。

ただし、政府=安倍政権からの今年2月7日以降、半年間の延長を受け入れた黒川弘務東京高検検事長の延長期間は半年ま間の今年9月まで。慣例として検事総長任期の3年を待たず2年(今年7月25日)で退任することになっている検事総長だが、内閣の恣意的な検察介入を阻止するためには、現稲田伸夫検事総長が検察庁改革法案に対して反対する意思を明確にし、任期満了まで検事総長を務め必要がある。そうなるとすれば、政府=安倍政権は再度、黒川東京高検検事長の定年延長を再度慣例を破る形で「閣議決定」しなければならない。

こうなると、何がなんでも「政府=安倍政権」の「守護神」である黒川検事長を検事総長に任命したいという政府=安倍政権の意図が露骨にあからさまになる。稲田検事総長の動向が大きな焦点になる。なお、秋の臨時国会で、政府=安倍政権は再度、中央突破を図ってくる可能性は非常に高い。まずは、黒川東京高検検事長の定年再延長を今回のように国民(世論)の力で認めないことだ。

なお、広島地検が河合克行元法相・案里参院議員夫妻に対して、公職選挙法違反容疑で同夫妻の周辺幹部から立件・起訴する可能性も高い。河合元法相は自民党本部から破額の1億5千万円を受け取っており、妻の選挙活動資金などに流用したと見られている。この問題が浮上してくれば、黒川氏を検事総長に就任させようとする政府=安倍政権側の目論見は実現が極めて困難になる。

※追記(2020年5月18日午後14時15分)
上記の件については、18日付朝日新聞1面のスクープ記事「河合夫妻、3黒木登志夫元岐阜大学長の論文(https://shard.toriaez.jp/q1541/529.pdf)黒木登志夫元岐阜大学長の論文(https://shard.toriaez.jp/q1541/529.pdf)0人に700万円超−参院選前に持参、嫌疑・市議ら証言」が影響した可能性がある。これは、昨年夏の参院選で自民党本部が2人区の広島選挙区では前職の溝手顕正(みぞてけんせい、5期)候補と新人の河合案里候補らをともに当選させようとして、衆院広島3区が地盤の河合元法相が自民党本部から破格の1億5千万円の支援を受け、3区を中心にそれ以外の小選挙区以外の自民党首長、市議らを買収し、「ともに当選させよう」とした疑いの一貫。ただし、ベテランの溝手候補は落選した。ベテランの落選は誰の目にも、おかしいと映る。いずれにしても、「河合夫妻による買収疑惑」が検察庁改革法案の処理に関して大きなカギを握る。

しかし、日本国憲法が「最高裁判所長官をはじめ判事は良心にのみ従うべきである」定めているが、戦後史を詳細に調べると、現実はこうはなっていない。検察官もまた然りだ。身分の保証を頼りに、立件・起訴する人物に偏りがあり、本当に起訴しなければならない人物を起訴しない。その逆に、罪がないものを罪に陥れる冤罪はまかり通っている。

これが総じて、政府=安倍政権が長期化している本当の理由であり、その責任のいったんはマスゴミと揶揄されるマスコミと国民にもある。民主主義は国民の不断の努力によって築いていかなければならない。もっとも、検察官の身分は通常の国家公務員と比べて格段に保証されている。検察官の責任の特殊性、重大性から一般の国家公務員を対象とした国家公務員法とは別に検察庁法という特別法を制定し、例えば検察官は検察官適格審査会によらなければその意に反して罷免(ひめん)されない(検察庁法23条)などの身分保障規定を設けているからである。

しかし、日本国憲法が「最高裁判所長官をはじめ判事は良心にのみ従うべきである」定めているが、戦後史を詳細に調べると、現実はこうはなっていない。検察官もまた然りだ。身分の保証を頼りに、立件・起訴する人物に偏りがあり、本当に起訴しなければならない人物を起訴しない。その逆に、罪がないものを罪に陥れる冤罪はまかり通っている。これが総じて、政府=安倍政権が長期化している本当の理由であり、その責任のいったんはマスゴミと揶揄されるマスコミと国民にもある。民主主義は国民の不断の努力によって築いていかなければならない。

なお、最近の新型コロナウイルスの感染の拡大は一服したかのように見える。しかし、これまでのコロナ禍が日本の経済社会に残した巨大な爪痕はまことに厳しいものがある。加えて、遅くとも秋の初めには第二段が到来するとの見方も有力だ。このため、コロナ禍で国民の生存権がなお脅かされている現状、大規模な財政支措置の裏付けをもった第二次補正予算案を早急に策定、成立させるとともに、世界の諸国から評価の低い新型コロナウイルス感染症対策を抜本的に転換させるのてない限り、政府=安倍政権の終わりの始まりになる。

参考までに岐阜大学長を務められた黒木登志夫元岐阜大学長の論文(https://shard.toriaez.jp/q1541/529.pdf)の一部を抜粋しておきたい。日本の政府=安倍政権、および専門家会議のコロナ禍対策の評価が低いことを示した箇所である。

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