警戒しなければならない「非常事態宣言」解除−東アジア諸国の中で日本の死亡率は二番目に悪い(追加・補強)

昨日5月26日に改正新型インフルエンザ特別措置法に基づく非常事態宣言が残る5都道県も含め、全国47都道府県で解除されたが、ゴールデンウイークから症状ある患者さんの「帰国者・接触者外来」への相談件数が激減し、PCR検査数もそれに伴って激減していることによるところが大きい。また、日本では政府=安倍晋三政権による意図的な検査妨害に加えて、医療機関で抗体検査・PCR検査などの検査体制が整備されず、国内の感染実態が掴めていないという問題がある。こうした中で、東アジア諸国では感染者数や死亡者数が欧米その他の地域に比べて相当少ないが、その東アジア諸国の中でも、日本の人口100万人当たりの死亡者数はフィリピンに次いで多い(悪い)。宣言解除に気を緩めてはいけないが、それ以上に医学的・科学的合理性と財政措置に裏付けられた、感染拡大阻止と経済活動を両立できるコロナ禍対策を打ち出す必要がある。

政治経済政策評論家の植草一秀氏がメールマガジン「第2640号 宇都宮健児都知事誕生の可能性」で紹介された世界各国の新型コロナウイルス感染症(主に新型肺炎)による死亡者数は次の通りであるが、その前に相談件数、PCR検査数を下図に示しておく(クリックすると拡大します)。

以下は、次のサイト(https://www.worldometers.info/coronavirus/)によるものです。

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欧州の人口100万人当たりの死者数は
1.ベルギー   804
2.スペイン   574
3.英国     544
4.イタリア   544
5.フランス   436
6.スウェーデン 399
7.オランダ   340
8.アイルランド 326
9.スイス    221
10.スクセンブルク176

米州では
1.米国     302
2.エクアドル  182
3.カナダ    174
4.ブラジル   111
5.ペルー    110

これに対して、東アジアでは
1.フィリピン    8
2.日本       7
3.インドネシア   5
4.韓国       5
5.シンガポール   4
6.マレーシア    4
7.中国       3
8.タイ       0.8
9.ミャンマー    0.1
10.モンゴル     0
  ラオス     0
  カンボジア   0

また、香港0.5 台湾0.3になっている。
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サイト管理者が5月27日午前9時32分現在のジョンズホプキンス大学の統計をもとに、人口100万人当たりの感染者数、死亡者数を調べたところ、次表のようになった。やはり、日本フィリピンに次いで、死亡者数が多い。なお、今年は例年に比べて死亡者がかなり増えている。その中には、検査がなされなかったものの、コロナ禍で亡くなられた方も相当おられる。これまで、この種のニュースは目にすることが多々あったが、氷山の一角にすぎない可能性は十分にある。なお、常識では、東アジア諸国での医療大国は日本であるはずだが。

東アジア諸国は世界の他地域と比べて、感染確認者数、死亡確認者数が大幅に少ない。これは、アジア諸国の文化的伝統や生活習慣が寄与しているなどの指摘もある。これに加えて、東大先端科学研究センターの児玉龍彦教授らの研究で提示されている仮設「東アジア諸国の国民は今回の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に似たコロナウイルスに対する免疫力を獲得しており、その獲得免疫力が他地域並みの感染拡大、死亡者数増加を防いでいる可能性がある」という仮設も有力だ。

日本の現状については、コロナ禍対策の支離滅裂さと「検査・隔離・対症療法」の指示に従わなかったことなどから、海外諸国の感染症研究者などの専門家からは特異な目で注視されている。これは、政府側が流している見られるコロナ禍対策が奏功したという見方よりも、「日本の不思議」として捉えられている。

今後についても警戒を怠るべきではないことは言うまでもないが、2020年度予備費や第二次補正予算案を早期に策定、与野党の合意のもとに早期成立に向けて動く必要がある。その際、これまでのコロナ禍対策を徹底的に見直したうえで、感染拡大阻止と経済活動再建の両立が可能な抜本的なコロナ禍対策を打ち出すべきことは当然のことである。

新型コロナウイルス拡大の終息・収束までにはまだ時間がかかり、「長期戦」を覚悟しておかなければならない。なお、今回のコロナ禍は、2000年代に入って強化された新自由主義政策=「官がしなければならないことも民が行う」の破綻を示している。東京都知事選挙は小池百合子都知事率いる東京都が、中核病院で起きた医療崩壊についての積極的な情報開示を行わないなど数多くの問題が指摘されていることから、思わぬ波乱が起きる可能性もある。

また、政府=安倍政権のコロナ禍対策が後手後手に回ったことで国民の不安と不満が高まり、安倍内閣の支持率は急落している。与党の自公両党の中にも、安倍政権離れが台頭している。政府=安倍政権は今年第2・四半期の実質国内総生産(GDP)の大幅な落ち込み(民間調査機関の見通しでは、年率換算で20%を下回るとの予測が中心)後、その反動で第3・四半期はプラス成長になることを予想して解散・総選挙に打って出てくる可能性もある。

そのための対応・対策は当然、急ぐべきだが、第三次の流行を予想する専門家も多い。思惑通りにはならない公算が大きい。

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