日本維新の会副代表も務める大阪府の吉村洋文知事は5日の対策本部会議で、「府民に分かりやすい」数値目標を提示し、新型コロナ禍の「出口戦略」なるものの概要を発表した。「事業主に対する営業の自粛要請や雇用者の休業要請(事実上は命令)」だけでは経済社会が破綻する、というのが「大義名分」だ。だが、吉村知事の示した数値目標には、社会が獲得した免疫力を考量して求めた実効再生産指数は省かれている。それ以前に、もっとも重要な新型コロナウイルスに対する「免疫力」について、本当に効果があるのかという根本問題について、医学的・疫学的考察がない。これでは、感染者の拡大防止は失敗し、経済社会の混乱も深刻化する。「自粛対策」ではなく、過去・現在を問わず感染者・真の感染源を個別に追跡して国民に知らせ、とりわけ社会インフラを担う方々への感染は絶対に避ける「個別追跡型」への「基本戦略」の抜本転換が、「出口戦略」の不可欠の条件である。

以下の内容は、デモクラシーニュースがYoutubeで放映した東大先端科学センターがん代謝プロジェクトチームリーダーの児玉龍彦氏と立教大学特任教授の金子勝氏の対談番組などを参考にした。文責は当然、本記事を投稿したサイト管理者にある。

前置きが少し長くなるが、中国湖北省武漢市で発生した今回の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は人間にとって非常にやっかいなウイルスである。このウイルスは初期症状が風邪に似ており、感染しても80%の患者さんが無症状または軽症上で、多少の辛抱をすれば仕事は出来る。しかし、20%の患者さん、特に40歳以上の方々や持病のある方々に感染するとしばらくして重症化、重篤化して最後には死亡する。このため、無症状・軽症の患者さんから感染した40歳以上の方々や持病のある方々にとっては大変危険なウイルスである。

やや詳しいSARS-CoV-2の特徴を挙げてみると、下図のようになる。

武漢市で発生した新型コロナウイルスは、RNA型の遺伝子構造しか持たないので、DNA型の遺伝子構造を持つウイルスとは異なり、ヒトの体内の細胞に入り込み自己増殖していく過程で変異しやすい。2002年11月16日に中国の広東省で発生した重症急性呼吸器症候群(SARS)をもたらしたSARS-CoVの亜種だが、毒性はSARS-CoVよりも弱いけれども、感染拡大力は強かった。

しかし、武漢市で発生したSARS-CoV-2(A型)は欧米に伝わり、変異を遂げる性質が強かったことに加え、多数の対症療法的処方薬が患者に投与されたため、薬に対する耐性がさらに強く、感染力と毒性も強まったB型に変異した。このため、イタリアや米国(特にニューヨーク州)で猛威を振るい、日本でも東京オリンピックの来夏への開催延期が決まった3月下旬に伝わり、1日あたりの感染者が急拡大するとともに、死者も急増した。

ただし、A型であっても1月の武漢市での惨状と2月1日に沖縄県那覇市に入港、入国手続きを終えて国内船扱いになった豪華客船(クルーズ船)ダイヤモンド・プリセンス号の惨状(厚生労働省が感染症対策に無知な素人集団を送り込み、感染者地帯と非感染者地帯を明確に区分けしなかったほか、ヒト-ヒト感染だけでなくヒト-モノ-ヒト感染もするという基本的な認識もなく、さらにPCR検査も当初は3711人の乗客・乗員の中の10分の1にも満たない286人にしか行わないという初動対策の致命的な誤りが原因)に直面してはいた。このため、政府=安倍政権は早期に医療機関の完全防疫体制を整えた上で、国民の誰もがPCR検査を受けられるように万全な体制を整備しておくべきだった。

要するに、2019年度の政府予算の予備費だけで対処するのではなく、2019年度の本格的な補正予算案を早期に策定し、2020年度は本予算案の一部を援用して暫定予算案を組んで対処すべきだった。ところが、オリンピック利権の獲得に執着した政府=安倍内閣と東京都(小池百合子知事)、オリンピック組織委員会(森喜朗元首相会長)らは、新型コロナ禍に対処すること(=救命第一)よりも、医療機関の防疫体制強化に予算措置を行わず、PCR検査も保健所に「帰国・接触者相談センター」を置き、PCR検査のハードルを高くすることで国民のPCR検査を妨害して、国内感染者を意図的に少なくした。

そのツケが回り、偶然かは定かではないがオリンピック開催の来夏への延期が確定した3月下旬以降、東京都などの大都市圏を中心に、医療機関の防疫体制が不十分なまま、全国的にSARS-CoV-2の感染が急拡大、全国各地の医療機関で院内感染による医療崩壊が進行した。これより先、SARS-CoV-2の知られていた特性を無視して、SARS-CoV-2感染症を入院が即必要な指定感染症Ⅱ類に政令指定し、新型インフルエンザ等特別措置法を改悪(本来は同法に明示されていない休業補償を明確化することが真の改正だった)した。そのうえで、4月7日に確たる根拠のないまま、5月6日までと約束していた非常事態宣言を発出、5月4日には31日まで延長することを決めた。

こうしてオリンピック利権だけは確保するという以外は支離滅裂な対応を行ってきたため、血税を納めている国民は塗炭の苦しみにあえぐようになった。安倍晋三首相-財務省出身の加藤勝信厚労相-尾見茂新型コロナウイルス感染症対策専門家会議副座長(独立行政法人地域医療機能推進機構理事長)ら「インパール作戦トリオ(植草一秀氏による)」は、PCR検査を妨害してきたため、日本国内の正しい新型コロナウイルス感染状況は掴めず、国民は「目隠し」をされたまま、経済社会生活は大混乱に陥った。

デモクラシータイムズの対談にから

さて、前置きが長くなったが、新型コロナ禍から脱出するための最も重要なことは、全世界の人民、日本国民が新型コロナウイルスに対する確実な免疫を確保することである。ところが、SARS-CoV-2に限って、その免疫力の確保は容易ではないようだ。インターネット新聞Wiredの「新型コロナウイルスは体内に長期潜伏する? 免疫を獲得できない人もいる? 抗体検査から見えた『4つの注目すべきこと』」と題する投稿記事では、「新型コロナウイルス感染の実態について調査すべく、世界各国で感染者や回復者、それ以外の人々に対する抗体検査が実施されている。その結果からは、感染者数が公表値より多く致死率は低い可能性、ウイルスは体内に長期潜伏する可能性、免疫を獲得できない人もいる可能性などが浮き彫りになってきた」中間発表を行っている。

普通はウイルスである抗原がヒトの体内に入ってくると、ウイルスから身を守るため抗体が産生される。これには、感染初期に大量に産生されるIgMとその後、長期間に渡ってウイルスに対抗して自己を防御するためIgGというものが産生される。普通は、IgGによってウイルスがブロックされ、ヒトの体は防御される。この抗体検査は血液の検査で可能であり、医師・看護士が感染する可能性もかなり低いから最近、日本を含む世界各国で広範囲に行われるようになってきた。その結果、分かってきたことはSARS-CoV-2の場合は、IgG(だけ)ではなく「中和抗体」の産生が必要であるとのことだが、「1度目の感染で十分な(中和)抗体ができない──。これは何を意味しているのだろうか? 再感染が起きる可能性である」とのことだ。

ただし、抗体検査に誤判定があるとしても、SARS-CoV-2に対する抗体はたくさん検出されているとのことだ。若干引用させていただくと、
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ニューヨーク州(米国):ニューヨーク州では、19の郡のスーパーマーケットの買い物客から無作為に被験者を選び、抗体検査を実施した。ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は4月27日、抗体検査の最初の7,500人を対象とした中間報告として、ニューヨーク州の住民の約14.9パーセントがすでに抗体をもっていたことを明かしている。約19,000人の犠牲者を出しているニューヨーク市だけをみると、実に4人に1人、約24.7パーセントもの人々が抗体検査で陽性だった。

これを州全体の総人口に当てはめると、約300万人がすでに感染していた計算になる。ニューヨーク市だけで見ると、約210万人もの感染者がいた計算になる。
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という。

しかしながら、抗体検査チームでは、「『わたしたちの調査では、数人の患者において新型コロナウイルスのRNAが抗体と50日以上も共生していたことがわかりました。保護抗体の重要な役割のひとつはウイルスを撃退することです。この知見からは、新型コロナウイルスに対する抗体の保護効果について疑問が残ります』」と現状での報告を行っている。一度、SARS-CoV-2に感染して入院し、PCR検査で二度検査したところ陰性だったので退院したが、帰宅すると再度発症し、PCR検査ではもちろん陽性だったというニュースが後を断たないというのも、この知見と符合する。

まとめると、➀PCR検査で陽性と判定される人数よりもはるかに多くの感染者が存在する②産生される抗体は、新型肺炎(COVID-19)の軽快にはあまり役に立たないということである。

日本でも、既に投稿させていただいたように東京の大規模クリニックや慶応大学附属病院、神戸市立病院などで抗体検査が行われ、厚労省の「大本営発表」の新型コロナウイルス感染確認者数とは比べることができないほど広範な感染者が存在していることが明らかになっている。このため、厚労省でもPCR検査とともに抗体検査も促進すると言わざるを得なくなった。しかし、来夏に控えた東京オリンピック強行開催のため、これらの検査がスムースに進む可能性は不透明だ。ただし、自民党の重要な支持基盤である日本医師会の横倉義武会長でさえ、4月28日には日本外国特派員協会での記者会見で、来夏に延期された東京オリンピック・パラリンピックについて、「有効なワクチンが開発されないと、開催するのは難しい」と語っている。

これらのことから言えることは、日本では、➀PCR検査(さまざまな手法がある)や抗体検査、横浜市立大学が開発した新型コロナウイルス抗原を確認するための抗原検査などあらゆる検査を大規模に行わなければならない②産生される抗体にはヒトの体を保護するための十分な機能が期待できないから当分は、対症療法に頼らざるを得ない-ということである。これまでの世界各国での対症療法の結果、児玉氏は現段階での有効な対症療法として次の方法を指摘している。

さて、営業自粛・自宅待機要請で鉱工業生産が減少する中、早期発見・早期治療(アビガンの服用は即開始)を行わないと、感染拡大が阻止できなくなるうえ、感染者が重症・重篤化する可能性が高くなる。仮に、社会インフラ(道路、港湾、空港、公共交通、上下水道や電気・ガス、医療、消防・警察、行政サービス、電力事業、電気通信事業、宅急便配達など)を支える人々が新型コロナウイルスに感染すると、大変なことが起こる。コロナ大不況で生産が縮小し、在庫が不足してくると予想される中、これまでのアベノミクスの失敗で市中にはカネが有り余っていることもあって、赤字国債発行による大規模な財政支援を行うと、コロナ大不況の中でハイパーインフレーション、つまり、大規模なスタグフレーションが起きるきっかけになることである。

社会インフラが崩壊しつつある国は、これまで東アジアの優等生であったシンガポールである。シンガポールは人口580万人あまりの都市国家だが、社会インフラは主に100万人程度の低所得者外国人労働者層が支えていた。その外国人低所得層が、連鎖的に新型コロナウイルスに感染したのである。感染者爆発的増加(オーバーシュート)と言ってもよいくらいだ。

以上を予備知識として、世界各国の新型コロナウイルス感染症対策を分類してみると、➀スウエーデンの集団免疫獲得狙い型②スウエーデンを除く欧米の都市封鎖、日本の自粛要請型③韓国や台湾型の、既往・現在感染者や真の感染集団(クラスター)をIT技術を駆使して国民、特に社会インフラを支える人々に知らせる個別追跡型-に分けられる。第一のスウエーデン型は、新型コロナウイルスの感染力の強さを無視している。このため、人口約1000万人程度と東京都と同程度の国家だが、高齢者を中心に死亡者数が異常に多い。「集団免疫獲得狙い型」は明らかに失敗している。

二番目の対処法は日本も含む。この中で、世界各国に恥ずかしいほど圧倒的にPCR等検査を行っていない日本ては吉村大阪府知事が5月5日、府民の外出自粛解除基準要求を定めた。5月6日の朝日新聞1面トップ記事などによると、➀感染経路が不明な新規感染者が10人未満②検査を受けた人に占める陽性者の割合(陽性率)が7%未満③重症病床の使用率6割未満――の3点。➀と②は毎日の変動が激しいので、これを「警戒信号の消灯基準」とした。➀と②の数値は日々の変動が大きいため、過去7日間の平均(移動平均)をみる。

ただし、再自粛要請の基準も明確に強いている。「警戒信号の点灯基準」とし➀1週間の経路不明者の平均が前週と比べて同じか増加②経路不明者の人数がおおむね5人以上③陽性率が7%以上-だ。しかし、これらの基準は大阪府民には分かりやすいとは言え、医学的・感染症学からは根拠のない数値目標だ。

第一に重要なことは、最も基本的なPCR検査数など重要な各種検査数の実施数の基準については触れていない。第二には、SARS-CoV-2についての実効基本再生産数(pを社会の中で免疫を獲得した人の割合として、有効基本生産数(=(1-p)×基本再生産数))という重要な指標も入れていない(ただし、pにどれだけ有効な意味があるかは現時点では不明である)。

吉村知事を責任者とする大阪府のコロナ禍対策チームでは、「計算に時間がかかる」との「理由」で、無視している。しかし、時間がかかるのは、➀検査実施数の「爆発的増大」による国内感染状況の正しい把握②有効再生産数を計算するための計算モデルの選定ないし構築③計算モデルに基づいたコンピューター用のプログラムを作ること-などだけで、一度作ってしまえば計算に時間がかかるはずはない。

これは、政府=安倍政権傘下の好労働省、地方自治体の責任である。市民には分かりやすい数値目標だとしても、医学的・科学的には根拠のない、はっきり言えば情緒的な数字でしかない。なお、朝日デジタルは2020年5月6日16時30分に投稿した「PCR検査を倍にすれば、接触「5割減」でも収束可能?」という記事で、九州大学の小田垣孝名誉教授(社会物理学)がまとめたSIRモデルの改良版を使えば、「国民の接触機会は、国が求める「8割減」でなく『5割減』でも、感染は早期に収まるとする計算結果」を示したと報道。

さらに、「検査数が4倍増なら接触機会をまったく削減しなくても8日で達成するなど、接触機会削減より検査・隔離の拡充の方が対策として有効であることを数値ではじき出した」として、小田氏の「『感染の兆候が一つでも表れた時点で隔離することが有効だろう。接触機会を減らす対策はひとえに市民生活と経済を犠牲にする一方、検査と隔離のしくみの構築は政府の責任。その努力をせずに8割削減ばかりを強調するなら、それは国の責任放棄に等しい』」との談話を載せている。

要するに、政府=安倍内閣と「専門家会議」が結託してPCR検査を妨害することによって、新型コロナ禍の被害を大きくさせていると指摘しているわけだ。6日の朝日新聞は朝刊1面のサイド記事で、厚労省はPCR検査実施基準の緩和を検討している報道しているが、保健所に相談しなければならないというこれまでの枠組みになお固執しているらしい。

第二次世界大戦のビルマ戦線において、敗戦がほとんど確実になっていた1944年(昭和19年)3月に帝国陸軍により開始、7月初旬まで継続された、イギリス領インド帝国北東部の都市であるインパール攻略を目指した「インパール作戦」が強行された。しかし、軍事兵器や食料などの後方兵站基地の確保を無視して強行されたので、ほとんどの日本帝国陸軍の将校・兵士たちが餓死して死亡するという歴史的な「大失敗」を犯した。この「作戦」を「指揮」したのが、柔軟性がなく、元々の作戦に固執した東條英樹首相-河辺正三陸軍大将-牟田口廉也中将のラインである。現在のコロナ禍対策においては、安倍首相-加藤厚労相-尾身専門会議副座長がそれに相当する。

なお、日刊ゲンダイが2020年05月06日06時00分に公開した「尾身茂・専門家会議副座長の病院でクラスター発生の大失態」と題する投稿記事によると、「この日(5月4日)の感染者は87人と比較的少ない人数だったが、新たな院内感染の可能性が確認された。地域医療機能推進機構(JCHO)『東京新宿メディカルセンター』で、入院患者13人と看護師・看護助手11人の合計24人が新型コロナ感染で陽性となったのだ。この病院では、これまでにも医師と看護師6人の感染が確認されるなど、感染者が30人に上っている」。独立行政法人地域医療機能推進機構の理事長は尾身茂・専門家会議副座長である。現場の実態を知らずに、記者会見なるものを通じて国民を騙していた=PCR検査を妨害していた=疑いがほとんど確実である。

独立行政法人 地域医療機能推進機構(JCHO)」が直接運営する東京・新宿区の医療センター。多数の院内感染が起こっている。

※注意:
なお、全国の社会保険病院、厚生年金病院、船員保険病院の3団体は、平成26年4月1日より「独立行政法人 地域医療機能推進機構Japan Community Healthcare Organization(JCHO:ジェイコー)」が直接運営する公設・公営の病院へと移行することになった。都道府県の公立病院その他の公的医療機関は、「医療設備の効率化」の大義名分の基に、医療機関の統廃合を余儀なくされている。全国の保健所も最も多かった時期に比べて半減されている。
これらの公立病院は、新型コロナウイルス感染者の受け入れに積極的に貢献してきており、各都道府県の事情を無視した医療機関の統廃合については、一時停止して再考を図るべきだが、統廃合に必要な予算は縮小せず、コロナ禍対策には回していない。JCHO理事長の尾身茂氏が出てくるのも、政府=安倍政権が立脚している新自由主義=新自由放任主義=弱肉強食主義を背景としたものであろう。
この弱肉強食主義では、コロナ禍には対処できない。

策定が急がれる2020年度第二次補正予算案ではまず、医療機関の防疫体制を再構築するために不可欠な十二分の予算を計上し、保健所の「帰国者・外来相談センター」という障壁を撤廃することが不可欠だ。ただし、新型コロナウイルスの特性を考慮することも必要であり、遺伝子工学とIT工学を使って国民に対し、リアルタイムで適切な「行動勧告」を随時知らせることも必要になる。

話をもとに戻して、こうした得体の知れない数値目標だけで自粛要請を緩和・要請を繰り替えしていけば、感染拡大は再燃し、また経済は、大規模なスタグフレーションに見舞われることになるだろう。要するに、20世紀初頭の世界大恐慌を凌ぐ、新型大恐慌に見舞われることになるだろう。大阪府の吉村知事は日本維新の会に所属し、日本維新の会は公然とした安倍政権の補完勢力であるから、政府=安倍政権もこの方向に動いている可能性は高い。しかし、こうした「出口戦略」では何の解決にもならない。

朝日デジタルも2020年5月6日7時00分に投稿した「明快さ求めた『大阪モデル』、感染拡大のリスクぬぐえず」と題する記事で、「一方で、大きなリスクも背負った。そもそも、国内では感染の有無を調べるPCR検査は少なく、多くの感染者が見逃されている懸念もあり、感染者がまた増えかねない。吉村氏も会議後の会見で『感染拡大の第2波、第3波がいつ来てもおかしくない』との認識を示した」と懸念を表明している。

5月5日、「出口戦略」の数値目標について説明する吉村洋文大阪府知事

第三の「個別追跡型」を医学・感染症学(遺伝子工学含む)・情報工学に基づいて深め、感染者の拡大を抑えるとともに、経済社会の活動を徐々に再開していくことこそが、今後の日本の取るべき道だろう。ただし、重要な個人情報、組織情報(いわば、膨大な電子カルテ)を扱うことになるから、今の政府=安倍政権には任せられない。立憲民主党、国民民主党から政治屋でない政治家(旧自由党出身者)が結集し、日本共産党(ただし、同党の「共産主義」は意味不明なものになっている。代表的な例は、党綱領に一貫している、いわばユートピアをもたらすという「生産手段の社会化」が何を意味するのか、はっきりしない。そろそろ、「共産主義」の呪縛から自己解放すべきだろう)がこれを支援して、マスコミの支持率でも国民と同じ1%と健闘している山本太郎代表率いるれいわ新選組とともに、真の有識者の支援の下に政策連合を早期に結成すべき時である。

この「出口戦略」については、最先端の医学になっているプレシジョン・メディスン(Precision Medicine)とともに、さらに詳細に検討していきます。

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