コロナ感染症対策分科会の首都圏、大中核都市での「感染漸増段階」判断はおかしい、政府は早急に臨時国会を(1日感染者確認中)!

本日から8月入だが、前月末の7月31日の新型コロナ感染者は全国で朝日デジタルは23時30分の段階で1571人、NHKのサイトで1570人と過去最多を記録して終わった。NHKのサイトでは東京都は463人、大阪府は216人、愛知県193人、福岡県170人と首都圏、中核大都市で急増している。しかし、政府=安倍晋三政権が31日開いた新型コロナウイルス感染症対策分科会では、地域の感染状況を4段階に分けることとし現在は、「感染漸増段階」のレベル1と位置づけている。「重症患者」が少ないことが主な理由と言われているが、東京新聞(12版)によると東京都の入院患者数は1週間前24日の1040人から1197人に増加、感染された患者の年齢も若者中心から全世代に渡っており、今後重症者も増えてくる公算が大きい。首都圏や大阪府など中核大都市をレベル1に留めおくというのは、理解に苦しむ。政府は野党の憲法53条に基づく求めに従って、早急に臨時国会を召集すべきだ。

◎追伸:NHKが2020年8月1日15時04分サイトで報じたところによると、8月1日は午後3時の時点で都内の新規感染確認者数は472人と過去最多だった7月31日を上回ったと報道している。全国は20時30分時点で1536人。昨日の全国最多数1570人を上回る可能性も否定できません。

政府=安倍政権は7月31日午後、新型コロナウイルス感染症対策分科会を開き、感染状況を4段階(レベル0〜レベル3)に分類することを決めた。内容は、首相官邸サイトの次のページhttps://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/corona4.pdfに公開されている。下図は、分科会終了後、記者会見に臨んだ西村康俊経済再生担当相。

官邸サイト(https://corona.go.jp/)による。

新型コロナウイルス感染状況のレベル

官邸サイト(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/corona4.pdf)による

分科会は感染者数が急増している東京都、大阪府をレベル1の「感染者漸増」段階に位置づけている。しかし、東京都などの首都圏や大阪府などの中核大都市では、無症状感染者をPCR検査、精密後退などの検査をすることなく放置していたため、「感染の震源地(エピセンター)」化し、このエピセンターから感染が都内の各地域や全国に拡大しているとの見方(東京大学先端科学技術センターに所属し、全国の大学や民間調査機関で結成している新型コロナウィルス抗体検査機利用者協議会のリーダーである児玉龍彦東大名誉教授が公表)が有力になり、テレビや新聞紙、Youtubeなどの各種メディアで取り上げられている。

児玉東大名誉教授は、7月16日の国会での参考人招致に応じ、この考え方を述べているが、19日以降の週から感染状況はさらにひどくなり、今月8月にはさらに厳しい状態になると予測。そのうえで、感染症法の行政検査条項にとらわれず、新たに感染症法または改正新型インフル特措法を改正し、法的裏付けを明確にした上で、財政措置(第二次補正予算の予備費が10兆円か園ある)を講じ、エピセンターでは全員PCR検査、それ以外の地域では職場、自治体、学校などの健康診断の一環として精密抗体検査を中心に、PCR検査を行うという地域・事業種に応じた適切な検査体制を早急に構築、検査と保護・隔離・適切な医療措置を行う必要があると警告している。

なお、予備費10兆円は衆院解散・総選挙で消費税減税をシングルイッシューとして戦うために工面しておいたとの見方も出ている。そうだとすれば、景気後退局面で行った昨年10月の消費税増税は何だったのかということになり、話にならない。

東京都の医師会(尾崎治夫会長)でも、大規模なPCR検査が必要だとして、地方自治体の管轄する保健所と地方の医師会が連携して、人口1万人当たり1カ所のPCRセンターを設立することにしているが、加えて、①都内の地方自治体の調査でエピセンターを突き止め、明らかにして、そこを中心に大学の研究機関などの協力も得て、大規模なPCR検査を実施する②その場合、地域と業種によって休業補償付きの自粛を求めるため改正インフル特措法のさらなる改正が必要になる−ことを強調している。その実現に向けて、野党が日本国憲法に基づいて臨時国会の召集を求めていることに賛同し、臨時国会の早期召集を求めている。なお、東京都の医師会など全国の医師会を統括する日本医師会は自民党の支持基盤だったが、6月27日に会長選挙が行われ、会長が現職の横倉義武(174表)氏から中川俊男(191表)氏へと交代した。その影響が出始めていると思われる。







こうした専門家や医師の要求に応えるためには、政府や地方自治体による積極的な調査と情報公開が必要だ。参考として、日本共産党の志位和夫委員長が西村康俊経済再生担当相に会って要望した要望書の抜粋を以下に掲載する。

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(三)
医療機関、介護施設、福祉施設、保育園・幼稚園、学校など、集団感染によるリスクが高い施設に勤務する職員、出入り業者への定期的なPCR等検査を行うこと。必要におうじて、施設利用者全体を対象にした検査を行うこと。感染拡大にともなって、これらの施設の集団感染が全国で発生しており、それを防止することは急務である。

(四)
検査によって明らかになった陽性者を、隔離・保護・治療する体制を、緊急につくりあげること。無症状・軽症の陽性者を隔離・保護するための宿泊療養施設の確保を緊急に行う。自宅待機を余儀なくされる場合には、生活物資を届け、体調管理を行う体制をつくる。中等症・重症のコロナ患者を受け入れる病床の確保を行う。新型コロナの影響による医療機関の減収補償は急務である。減収によって、医療従事者の待遇が悪化するなどは絶対に許されない。医療従事者の処遇改善、危険手当の支給、心身のケアのために、思い切った財政的支援を政府の責任で行うことを強く求める。

もはや一刻も猶予はならない。日本のPCR検査の人口比での実施数は、世界で159位であり、この異常な遅れは、どんな言い訳も通用するものではない。政府が、自治体、大学、研究機関、民間の検査会社など、あらゆる検査能力を総動員し、すみやかに行動することを強く求める。

◎感染者の急増が見られる主な地域の陽性率
日本共産党の志位和夫委員長が28日の「新型コロナ対策にかんする緊急申し入れ」の際に示した「感染者の急増が見られる主な地域の陽性率」は以下のとおりです
〈東京都〉
○東京都   6.5%(7月21日時点)
・新宿区 32.2%(7月6~12日)
・中野区 14.9%(7月13~18日)
・世田谷区13.7%(7月17~23日)
・千代田区12.7%(7月13~19日)
・足立区  9.6%(7月15~21日)
・台東区  9.5%(7月13~19日)
・墨田区  9.4%(7月21日時点)
・中央区  9.2%(7月12~18日)
・北区   8.6%(7月11~17日)
・品川区  7.1%(7月1~17日)
・大田区  4.8%(7月13~19日)
・杉並区  4.5%(7月13~19日)
・八王子市11.3%(7月13~19日)
・町田市  2.5%(7月14~20日)
(注)上記14区市は、陽性率を何らかの形で明らかにしている自治体。
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新宿区の陽性率は極めて高いが、押しなべて高い。市中感染が広まっていなければ、PCR検査が多くなればなるほど、陽性率は低下するはずだ。しかし、東京都全体でみても、陽性率は検査人数が増加するとともに上昇している。エピセンターが首都圏、中核大都市で形成され、感染拡大が加速している。防疫体制の保護とともに感染者が意図せざる感染をすることを防止し、重症化しないように保護・適切な隔離・治療を行うことで、防疫体制を確立するためだ。抜本的なコロナ禍対策を行うためには、政府と地方自治体による詳細な情報収集と調査でエピセンターを公開し、感染マップを作成する必要がある。しかし、対策分科会の認識は甘く、従来の「積極的疫学調査」と「クラスター対策」、「3蜜」を避けることを求めている程度だ。

官邸サイト(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/corona4.pdf)による

感染経路不明の市中感染が増えている状況下では、既にクラスター対策では限界がある。無症状ないし軽症患者が感染を拡大し、また、重症化しないうちに、取りあえずは、大規模な検査体制の確立とその結果に応じた部分的な休業補償付きの休業要請が必要だ。それには、財政措置や検査のネックになっている感染症法第15条に基づく「積極的疫学調査」を見直し、改正インフル特措法あるいは感染症法の一部の改正が必要になることが考えられるからだ。

なお、小池百合子東京都知事は昨日31日の記者会見で、①都内全事業所にステッカーを貼るよう条例で定める。ステッカーを貼っていない事業所・店舗には入らない②飲食店やカラオケ店に営業時間短縮を要請し、応じた店には協力金20万円を支出する③東京版CDC(米国疾病予防管理センターの東京版)を10月に始動させる−としているが、大規模なPCR検査や精密抗体検査には言及がなく、微方策に過ぎない。朝日デジタルが2020年7月31日 9時01分に公開した「1日1千件PCR検査 世田谷区医師会、機器導入を検討」と題する記事によると、児玉東大名誉教授と意見交換している保坂展人区長は、世田谷区医師会と協議し、1日あたり1千件のPCR検査ができる医療用検査機器を導入する予定だ。財源措置が必要だが、政府=安倍政権は予備費10兆円をこうした新たなコロナ禍対策の実施のために使うべきだ。

政府=安倍政権は、安倍晋三首相が逃げ回らずに、憲法第53条に基づく臨時国会召集要求に応じるべきだ。国会閉会中審査に安倍首相が顔だけ見せる程度では話にならない。2015年と2017年にも政府=安倍政権は野党の憲法第53条に基づく臨時国会召集に応じなかったが、この時の対応について野党側が沖縄県の那覇地裁に提訴した。那覇地裁は6月10日、「内閣は、臨時国会の召集決定について憲法上の義務を負う。召集しないという判断はできず、召集時期に関する裁量も大きくない」との判決を言い渡した。憲法53条には、「内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない」と記している。「決定しなければならない」と内閣に義務付けているから当然のことだ。また、自民党の森山裕衆院国対委員長は「討議する内容が不明だ」と窮状下にある国民を無視した発言をしているが、言語道断だ。

在日米軍基地で「米国型」に変異した新型コロナウイルス感染者が急増していることから、「日本型」と「欧米型」に変異した新型コロナウイルスが入り混じってくる可能性もある。その場合は、新たな問題が生じてくる公算が大きい。「東京型」「米国型」の新型コロナウイルスの実効再選数(実際に、1人の感染者が生み出している新規感染者の数)が1.0を超えれば、感染拡大は続くが、できるだけ正確に計算して、毎日公表すべきだ。また、現在のコロナウイルスの遺伝子解析の結果を発表し、感染力・毒性などについて、分かりやすく公表する必要がある。重症患者が少ないとされている現在こそ、コロナ感染第二波に備えることが急務だ。

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