コロナ禍の下でのV字型回復は不可能、供給力毀損しない間に「異次元財政出動」を(暫定投稿)

政府=安倍晋三政権の西村康俊経済再生担当相は、昨日17日に実質国内総生産(GDP)が前期比年率27.8%の日本経済史上最大の落ち込み幅を記録したことを受けての記者会見で「消費は4~5月が底。6月以降は上向いている」と強調し、「V字型回復」を想定している。しかし、これは「幻想」もしくは国民を「騙している」に過ぎない。西村「経済破壊担当相」の言う言葉だ。政府=安倍晋三政権がコロナ第二波を予測出来なかったことに加え、第二波感染拡大を増幅することを行っていることのお先棒を担いでいるに過ぎないからだ。企業や国民は感染拡大を恐れ営業活動や旅行・レジャーなどの自粛を行っている。消費税強行増税、コロナ第二波の影響は今年第3・四半期以降も続く。

◎追記:朝日デジタルによると18日の新型コロナウイルス新規感染確認者は、東京都で208人。重症者は31人と30人台に増加した。20台〜30台以外は46%。瞬間陽性率は不明。盆休み以後の検査の結果に入るので、新規確認者は多くなりそうだ。「感染まん延期」の最悪のレベルに達した沖縄県に対しては、加藤勝信厚労相率いる厚労省もさすがに対処せざるを得なくなり、全国の都道府県から感染症の専門家(医師)、看護師(50人〜100人)の派遣が決まっている。全国では午後20時50分の時点で902人だが、重症患者の人数が次第に増加しており、大阪府(882万人)では東京都(1400万人)の2倍強の70人(17日時点)。人口10万人当りでは大阪府の方がもっと厳しくなる。自民党の補完勢力である日本維新の会の副代表を務める吉村洋文府知事のパフォーマンに騙されてはいけない。

企業や国民の経済活動を再開するためには、PCR検査や交替・抗原検査など大規模な検査を行って第二波国内感染の全貌を掴むことが必要だ。そのためには、東大先端科学技術センターに所属し、遺伝子工学に詳しい児玉龍彦東大名誉教授が指摘するように「日本型」に変異した新型コロナウイルスの「感染震源地(エピセンター)」を総力を挙げて特定し、エピセンターでは全員検査、非エピセンター地域では抗体検査とPCR検査などを適宜組み合わせるという手法で、感染者を早期発見・保護・隔離・適切な医療施設で適切な医療措置を行う方向に「新型コロナウイルス感染症対策」を抜本転換しなければならない。

その間、日本の政治経済構造に詳しく、政策提言の専門家である植草一秀氏がメールマガジン第2707号「安倍内閣コロナ経済政策失敗が鮮明」で指摘しているように、コロナ禍をきっかけに日本の産業が両極分解をしていることを踏まえる必要がある。第一に、コロナ禍で厳しくなっている産業は、「観光、衣料品、化粧品、旅客運輸、興行、外食の各産業」だ。これらの産業については第二次補正予算の10兆円の予備費で企業が存続できるように手厚い保護をしていく必要がある。

第二は、「Home:テレワーク、5G、内食 Health:医薬、食材 Healing:教養、文化、余暇、余興、ゲーム」である。IT産業が柱になっているが、非正規労働者を中心に解雇・雇止めにあっている失業者は、職業訓練のうえこちらの産業で吸収すべきだ。あるいは、「現代貨幣理論」が提唱しているように「雇用保証プログラム(現代版ニューディール政策)」を編成、実施して、膨れ上がりつつある失業者を吸収・雇用するということも考えられる。それでも、就労が困難な場合は、「生活保護政策」を「政策保障政策」に切り替えていく必要がある。日本国憲法は第25条で「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。2 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と定めているからだ。

もっとも、政府=安倍政権は日本国憲法第99条「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」に違反する憲法違反内閣であるから、「国民のための、国民による、国民主権の」政権を取り戻していかなければならない。これについては後述する。以上の政策を実施するためには当面、予備費10兆円を含む「異次元の財政出動」が必要になってくるだろう。

さて、第2・四半期の実質GDPの日本経済史上最大の落ち込みを含む3・四半期連続の実質GDP落ち込みは政府=安倍政権の失政によるものである。まず、東京新聞18日付2麺とWebサイトの図を引用させていただくと下図のようになる。政府=安倍政権は日本のすべてを台無しにしてしまった。

実質GDPの推移

実質GDPの推移(https://www.tokyo-np.co.jp/article_photo/list?article_id=49477&pid=109625による)

次に、第2・四半期の日本経済史上最大の落ち込みが、政府=安倍政権の大失政であったことを、欧米主要国と日韓中の比較で見てみる。

     欧米諸国と日韓中国の第2・四半期GDP成長率比較

国・地域 前期比年率 前年比
米国 ▲32.9% ▲8.5%
欧州圏 ▲40.3% ▲15.0%
英国 ▲59.8% ▲21.7%
中国 未公表 +3.2%
韓国 ▲12.6% ▲0.8%
日本 ▲27.8% ▲9.9%

日本は新型コロナウイルス感染者の死亡者が世界で最も少ない東アジア諸国に位置しながら、死亡者はインドネシア、フィリピンに次いでワースト3位だったが、第2・四半期GDPでも中国、韓国に大きく劣った。これは、PCR検査を厚労省・国立感染研究所・専門家会議が妨害したことによる。中国はとっくの昔に日本のGDPを追い越して世界第二の経済大国になっているが、今の新自由主義政策を取り続ける限り、韓国にも数年で追い越される。「徴用工問題」で韓国に報復などと言っている場合ではない。

なお、パックス・アメリカーナの時代も完全に終了した。10年内に中国は世界最大の経済・軍事大国になるだろう。マイク・ポンペオ国務長官が対中敵視外交、対中包囲網外交を叫んでいるのは、背後に焦りがあるからだ。日本は平和主義外交の理念に立って、中国を基本的人権を尊重する国に変えることのできる真の意味での「積極的平和外交」を展開していかなければならない。ひとつのカギは長い間「ひとりっ子政策」を採ってきたから、中国の経済社会に大きな問題が生じているはずだ。ここが、ポイントになるだろう。

さて、本日18日付東京新聞の3面に米国連邦準備精度理事会(FRB)のエコノミストが第一次世界大戦終了を早めたスペイン風の教訓として執筆した論文「経済活動 活動制限徹底するほど早く」につての紹介記事が掲載されていた。Webサイトでは、https://www.tokyo-np.co.jp/article/49417?rct=main。重要な部分を引用させていただくと、
「『外出制限などの社会的距離の確保を早く徹底的にやって感染を封じ込めた方が、経済の回復は早い』。これが論文の結論だ。(中略)スペイン風邪は現役世代の致死率が高いなど、現代と条件が異なる面も多い。一方で、新型コロナで強権的に都市封鎖を徹底した中国の成長率が、いち早く(前年同期比)プラスに転じた例もある。著者らは『厳しい活動制限がなされない場合も、感染への恐れがぬぐえなければ(人々は自主的に)消費や投資を減らす』と指摘。国民に行動の裁量を委ねても、先行きの不透明感が残る以上は経済は回復しづらいと説く」

やはり、コロナ禍に対する政府=安倍政権の致命的失政は、検査利権を墨守するため、厚生労働省と国立感染症研究所を中心とする行政検査体制が行政検査利権を独占するため、PCR検査を徹底的に抑制してきたことにある。未だに、PCR検査などの検査人数は世界諸国の中で150位以下にとどまっている。これは、何とか先進国とされる日本の公衆衛生の現状としては考えられない汚点である。日本型の新型コロナウイルス感染第二波の防止と日本経済の大不況から大恐慌への暗転を防ぐため、野党は共闘して安倍政権に代替できる対案を打ち立てなければならない。

立憲民主党と国民民主党が合流する問題で明日19日、国民民主党の両院議員総会が行われる。これが合流問題の決着になりそうだが事実上、立憲による国民の吸収である。国民の確保している「軍資金(血税の政党助成金が原資)」は一応、国民分党後の新党に合流する国民の議員数に応じて合流新党に渡されることになっている。それは、政党助成金の趣旨から言って当然だ。問題は、合流新党の理念だ。立憲は13日に合流新党の綱領案と規約案を決定したけれども、綱領案はどうも迫力にかける。立憲はこちらのサイトhttps://cdp-japan.jp/news/20200813_3319に掲載している。

立憲・国民合流の裏の立役者小沢一郎衆院議院と枝野幸男代表

立憲・国民合流の裏の立役者小沢一郎衆院議院と枝野幸男代表(https://mainichi.jp/articles/20200814/k00/00m/010/218000cによる)

しかし、共生主義と立憲主義を基本理念とするものの、政策は迫力にかける。新自由主義政策に対置できる政策体系として、①をロナ禍抜本対策②緊縮路線を廃止し、財政主導・金融補完の新たな財政金融政策を確立する③税制・歳出構造の抜本的に改革する③原則原発稼働即停止(地域の経済と雇用は守ることを前提にすることは当然だ)④日米地位協定の改定を含む対米従属外交から真の意味での「積極的平和外交の推進」−などを明確に打ち出すべきところだ。

しかし、「原子力エネルギーに依存しない原発ゼロ社会を一日も早く実現します」「持続可能で安心できる社会保障」「国際協調と専守防衛を貫き、現実的な安全保障や外交政策を推進します。(中略)健全な日米同盟を軸に、アジア太平洋地域とりわけ近隣諸国をはじめとする世界の国々との連携を強化します」と言っているくらいで、新鮮味はない。一番肝腎な財政・税制政策については言及がない。また、これまで安倍政権を支持してきた日本労働組合総連合会(連合)とどのような関係を構築するのかも不明だ。

法政大学法学部の山口二郎教授は合流新党の政策について、下図のような大まかな枠組みを打ち出せば良いと指摘している(https://www.youtube.com/watch?v=dhDWm1MgDu4)。また、連合についても神津里季生会長が合流新党結成を支援、国民の分党・合流反対派を叱責していることを評価し、問題視していない。しかし、高津会長は誤解されたと言っているものの、景気後退期に入っている2019年10月の消費税の強行増税を容認した。

このため、2020年第1・四半期の実質GDPは前期比年率7.1%の大幅減になり、日本経済の悪化を引き起こした張本人の一人である。連合については、その性格を正しく評価する必要がある。やはり、問題は経済政策だ。

合流後に具体的な政策体系をまとめるのかも知れないが、上記のことに言及しなければ、無党派塗装と呼ばれる政治不信層、無関心層を引きつけて、投票率を大幅に引き上げるのは困難だ。自民党の補完勢力・日本維新の会が割り込んでくれば、政権奪取はほど遠くなる。野党側が最大限共闘できて、投票率を引き上げられる綱領に刷新すべきだ。

◎追記:安倍晋三首相は17日、慶応大学義塾附属病院で一日検査したが、与党内では首相の健康状態を不安視している。なお、私事に渡って恐縮ですが、サイト管理者(筆者)の三男(既婚)が高熱が出たため本日18日、あるクリニックでPCR検査を受けたものの、結果が出るのは20日木曜日になり、それまでは何も処置できないとのこと。コロナではなく急性腸炎のようで痛みが激しいが、PCR検査の結果が分かるまでは何も処置できないという。
しかし、痛みが激しくなり、救急車を呼ぶことにした。政府または都の財政支援により、急患を受け付けられるすべての病院はコロナ対策を完全にして、いかなる急患でも受け入れることができるように医療体制を整備・拡充しなければならないと判断する。また、最新鋭のPCR検査装置を使えば検査人数を飛躍的に増加することができるはずだが、その準備ができていないため、検査希望者が殺到には迅速な対応ができず、結果が分かるまでにかなりの時間を要するとのことだ。





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