東京都は新型コロナ感染の正確な感染状況の公表をーくすぶる首相退任説
保坂展人 世田谷区長 インタビュー 担当 遠山

日本の中核を担う東京都は新型コロナ感染の正確な感染状況の公表をすべきだ。特に重要なのは、PCR検査人数に占める陽性判定人数の割合(陽性値)と簡易再生産数として有用である一週間ごとの感染者数の新規感染合計数数の対前期増加比率だ。なお、体調不良説から「首相辞任論」もくすぶり続けている。

本日26日も大手メディアから午後3時時点の速報で、東京都の新型コロナ新規感染者数の速報値が発表されたが、200人を上回ったの23日(212人)以来3日ぶりの236人だった。大手マスメディアのうち、朝日デジタルは20代〜30代の若者以外の感染者の割合が50.4%であることと、東京都基準の重症患者数が前日比3人減って31人になったことを伝えている。しかし、いつも報道していた感染経路不明者の数(割合)や本日26日の感染判明者が3日前の24日の検査の結果とされることから報道されていた24日の検査人数は伝えていない。

NHKのさいとによると、全国では午後19時の段階で865人の新規感染者、亡くなられた方は9人、重症者は厚労省基準で前日比6人減の246人。24日には速報値で9969件のPCR検査が行われたので、推定瞬間陽性率は8.7%。PCR検査が相当少なくなっている。

だから、重要な瞬間陽性率と瞬間的だが、感染の広がり具合(感染経路不明者の割合で示される)が掴めない。東京都は毎日、午後19時30分から20時の間に確定値を公表している。下図がその内容だ。ただ、モニタリング数値としては感染の全容を掴むうえではまだまだ不十分だ。

東京都の新型コロナ感染状況のモニタリング数値
東京都の新型コロナ感染状況のモニタリング数値(https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/)

感染の実態を把握するうえで重要な指標は、①検査人数②検査した結果の陽性判定率②感染経路不明者の割合④最も重要な再生産指数(1人の感染者が感染を広げる人数)の簡易版である7日間(一週間)の感染者数の前期からの増加率ーである。このうち、移動平均であるが前2者は公表しているものの、③は直接は示していない。④については、視野の外だ。一週間ごとの感染者数の合計の前期比を毎日公表すべきだ。

政府系、非政府系の専門家は押しなべて、実効再生産数を重要視している。この数字が1を大きく下回ると、一時的であったとしても感染がピークアウトしつつあるということになるからだ。しかし、厚生労働省の専門家アドバイザリー(座長・脇田隆字国立感染研究所長)の24日の報告でも、相当に正確に計算した実効再生差算数は全国規模で1.0以下だが、その近辺に留まっていることから、感染の第二波がピークアウトしたとは言明していない。要するに、正確なことは分からないということである。

ただし、東京都公表のこの確定値をみても、感染経路不明者の割合が次第に増えてきていることが分かる。これでは、「行政検査」、俗に言う「クラスター対策」では感染拡大には無力ということである。政府=安倍晋三政権が新型コロナウイルス感染症を、感染症法の指定感染症第Ⅱ類に指定したことが間違いだった。国会議員や専門家の間で、「指定感染症Ⅱ類」に位置づけたことが誤りだったとの指摘が広まっているのは、このためだ。


それにしても、人口約1400万人の東京都で、移動平均で1日のPCR検査・抗原検査人数が3724人というのは、考えられない。スウエーデン当局は「副産物」と言い訳はしているようだが、集団免疫獲得を狙った人口が約1020万人のスウエーデンで8万6891人が感染し、5814人の死亡者(人口100万人当たりでは、それぞれ8596人。 575人)と比べると、唖然とする他ない。ちなみに、東京都の感染者数は1万9846人、死亡者は354人。全国の感染者数は日本人だけに限っても、6万4086人、死亡者は1217人だ。

東アジア諸国はコロナウイルス系統のウイルスに対する交差免疫が産生されていた(東京大学先端科学技術センターに所属し、遺伝子工学が専門の児玉龍彦東京大学名誉教授が提言している説)という大きな違いはある。それでも「副産物」としてでも、集団免疫獲得戦略を採ったスウエーデンは死亡者数が多すぎるが、そのスウエーデンに比べてPCR検査数が東京都では異常に少ないというのも、驚くべきことである。

世田谷区の保坂展人区長
世田谷区の保坂展人区長(Live door newsより)

これから秋に入り、秋から冬にかけては症状が似たインフルエンザも流行してくることから、やはり、児玉東大名誉教授の助言を受け入れて、PCR検査人数を十倍化しようとしている保坂展人区長率いる世田谷方式に期待が集まる。PCR検査、抗体検査を組み合わせて、検査数を大規模に増やさなければ、政府=安倍政権または臨時政権による新型コロナウイルスの制圧はますます難しくなるだろう。

世田谷モデル
世田谷モデル
世田谷モデル
世田谷モデル

今のところ、山本太郎代表率いるれいわ新選組が革新的な理念・政策を鮮明にした唯一の野党だが、れいわが基礎に置いている現代貨幣理論(MMT)に対する理解もまだまだ広がっていないし、規模も小さい。玉木代表が自民党の回し者だとする説もあるが、どうか。衆参両院議員含めて5人は結集すると見られる玉木雄一郎新党と協力して、規模だけはそれなりに大きい実質立憲民主党、国民新党の合流新党に影響を及ぼしていくことを期待する。「うどの中木」では話にはならない。安倍政権はやはり、長くは持たないだろう。

なお、本日26日も安倍首相の辞任説が流れた。ヤフーニュースが共同通信系の47newsを配信したものだ。それによると、大調性海洋園は中症状から重症の間で「自民党内には『首相が辞めれば、政権の継続性の観点から『菅・二階管理内閣』となり、菅氏が来年9月までの安倍首相の残り任期を務めることになる可能性が高い』(閣僚経験者)との声が早くも出る。その方が「首相の影響力も残る」(同)との指摘もある。

慶応大学附属病院から出発する安倍首相
慶応大学附属病院から出発する安倍首相(https://news.goo.ne.jp/article/47news_reporters/politics/47news_reporters-20200824133633.html)

はたして安倍首相は9月の人事を自らの手で行うのだろうか。その判断はそう遠からず下されるはずだ。政権への執念を見せるのか、それともここが潮時と見定めて道を譲るのか。『安倍首相辞任』という『Xデー』が来るのかどうかは、まもなく分かるだろう」。潰瘍性大腸炎だけなのか。

 




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