意味不明の政府新型コロナウイルス感染症対策分科会の見解

 

政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会(「専門家会議」から格下げ)の第6回が21日開かれ、①「全国的に見れば、6月以降の7月27日〜29日にピークに達した」が盆休みの影響が不明であり「再拡大のリスクはある」②(政府=安倍晋三政権や国民の一部の間で期待の強い)ワクチンは高齢者や基礎疾患のある人、医療従事者に優先的に摂取する必要性があるが、ADE(Antibody Development Enhancement, 「抗体依存性増強」つまり産生された抗体がウイルスを撃退するのではなくて、ヒトの正常細胞を攻撃・破壊するという重篤な副作用)があので、「安全性・有効性」に配慮する必要があり、加えて、開発終了と生産開始、清酒による利用開始時期が2021年以降なので、過度な期待はできないーとする内容を発表した。言わんとすることが全く不明である。

◎追伸:8月22日の新型コロナウイルス感染状況は、東京都では午後15時時点で3日連続200人超えの256人。朝日デジタルによると、推測陽性率は5.3%(検査人数は11日のピーク時と比べると2千件近く少ない)。重症者は東京都の基準で前日比4人増の37人。感染症対策分科会のように楽観的にはなれないところだ。全国では午後18時30分現在で914人、4人が亡くなられている。なお、20日には速報値で1日に2万1913件のPCR検査が行われた模様で当初の検査妨害策を諦めたようが、シンガポールや韓国などと比べるとまだまだ少ない。

◎追伸:安倍晋三首相がやはり健康問題で、連続しての歴代首相在任記録(佐藤栄作首相の7年8カ月の2798日)を更新する24日以降、首相を辞任して内閣総辞職するとの噂がインターネットの世界で飛び始めました。朝日新聞系列のオピニオン誌「論座」などです。菅義偉官房長官、自民党の二階俊博幹事長らで善後策が取られている模様とのこと。通常国会終了後に激務をしたとも思われないのに、首相としての責務(コロナ禍対策の陣頭指揮)を西村康俊経済再生担当相に任せっきりというのは、どう考えてもおかしい。

第一に、6月以降の感染拡大は「7月下旬にピークに達した」が、盆休みの影響が不明で「再拡大のリスクはある」と平気で言っていることだ。国民が知りたいのは、これから感染拡大がどうなるのかということだが、これには逃げている。

第6回コロナ分科会後の記者会見

第6回コロナ分科会後の記者会見(https://www.jiji.com/jc/article?k=2020082100862&g=pol)

また、非政府系の専門家が主張している感染の第2波が襲来しているかについても判断を避けている。しかも、例の「8割接触抑制おじさん」で知られる西浦博京都大学教授(前北海道大学教授)が計算した「実行再生産数(1人の感染者が何人に感染を広げるかの数字)」も8月初旬時点のもので、古いとしか言いようがない。下図の通りだ(https://nk.jiho.jp/sites/default/files/nk/document/2020/08/%E7%AC%AC6%E5%9B%9E%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%97%87%E5%AF%BE%E7%AD%96%E5%88%86%E7%A7%91%E4%BC%9A.pdf)。なお、こちらのサイトhttps://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/yusikisyakaigi.htmlが官邸の本家。ただし、コロナ感染の現状分析についての第6回分科会の会議内容は掲載していない。

東京都のコロナウイルスの実行再生産数

東京都のコロナウイルスの実行再生産数

実行再生産数についての弁明

実行再生産数についての弁明

西浦教授は、東京都、大阪府、愛知県、沖縄県の実行再生産数を示しているが、8月上旬ころの数値であり、データの製薬もあるだろうが、現在の8月下旬時点の数値は示し得ていない。かくして、「①実効再生産数が8月初旬に1を下回った。その後(盆含む)の影響はこれから(研鑽できる)②実行再生産数Rt<1であっても、検査頻度減少の影響は除外できない③推定されたRtは1に近く「遷延」「再拡大」の可能性がある(例.伝播の盛んな場で休業要請をやめる(と)=>再燃する)ーとPCR検査数の少なさを指摘した上で、実行生産数が1をかなり下回らないと、感染は「収束」しないことを吐露している。

新型コロナウイルスについて世界各国ごとの重要な情報を提供しているサイトhttps://www.worldometers.info/coronavirus/によると、8月22日午前9時21分時点で人口100万に当たりのPCR検査人数は米国22万5418人、英国22万3403人、ドイツ12万1655人で、東アジア諸国ではシンガポールの18万6088人、中国6万2814人、韓国3万4210人に対して、日本は少し増加してきたとはいえ、1万146人に過ぎない。PCR検査人数が日本の検査技術からすると異常に少ない(抗原検査は精度が落ちることが昨日21日付の朝日新聞で示されているが、厚生労働省は双方を含めた検査数しか公表していない)。これでは、西浦教授もしぶしぶ認めざるを得ないように、実行再生産数の正確な計算は不可能ではないのか。

こういった場合は、7日移動平均の一週間の感染者を前週と比べるという簡易な手法はある。ただし、PCR検査が少なければ、精度に大きな問題が出てくる。

実行再生産数の触れが極めて大きく、振幅の大きな変動の理由も説明がない。それに、精度が劣ると認められる実行再生産数でさえ1付近なので、今後のことは分かりませんというのが、結論だ。分科会としては、PCR検査と抗体検査を大規模に行う制度(法律や政令の改正含む)を整え、検査の飛躍的拡大のための財政措置を講ずべきだと政府に直言し、そのためにも臨時国会を早急に開催すべきだと進言すべきだ。野党側は憲法第53条に基づいて臨時国会の早期召集を求めているわけだし、那覇地裁も「内閣は合理的な期間内に召集すべきだし、(召集時期を内閣が決定する)裁量の余地も限られている」との判決を下しているわけだから。

いくら、政治は専門外という分科会の構成員(ただし、読売新聞関係者など政治に詳しい「識者」も構成員。官邸のサイトでは読売ジャイアンツの動画が掲載されている)でも、その程度のことは常識として知っておかなければならないことだ。また、自民党改憲草案でも「20日以内に召集しなければならない」としている。けれども、早期召集は無視だ。要するに、自公政権はご都合主義なのだ。余談だが、自民党は20日、来週27日に予定していた安倍首相も出席する役員会議を中止すると発表した。そうした中で、菅義偉官房長官と二階俊博長が6月中旬以降、しばしば会談を重ねている。通常国会終了後、安倍首相が激務をこなしてきたわけてもない。記者会見もまともに行わないし、一方的な発言だ。首相の家系の事情(病歴。家系の病歴は医療機関での診断の際の重要な因子になっている)も考慮すれば、やはり、首相に何らかの健康不安があると考えて当然だ。臨時国会を召集しないのも、首相の健康不安が第一の理由と捉えられても仕方がない。

次に、政府=安倍政権が期待しているワクチンの国内、国外での開発状況は次の通りだ。

国内のワクチン開発状況

国内のワクチン開発状況

ワクチンの海外での開発状況

ワクチンの海外での開発状況

これを見ると、ワクチン開発・生産・接種はできたとしても、メガ・ファーマ(巨大製薬会社)のファイザーやアストラゼネカを除いて、早くて2021年入りだ。前二社の開発が奏功しても、日本国民に摂取するのは2021年3月ころ。来夏に延長された東京オリンピックの開催は有効で安全なワクチンが開発・生産され、日本国民と少なくとも海外の選手団一行に接種することが前提。下記のADE作用が起きないことを日本でも第3相の治験をするとなると、予定通りにはいかない可能性が高い。国際オリンピック組織委員会(IOC)が来夏の予定通りの開催を決定するのは10月と言われる。間に合わないというのが非政府系専門家の一致した見方だ。しかも、結論を延ばすほど、日本国味・東京都民の税負担は重くなるし、スポンサー企業もコロナ大不況で経営に苦しんでおり、支援金を増加するわけには行かない。オリンピック選手村も処理に困っている。

さて、分科会さえ、ADE反応に触れないわけにはいかない。ADE反応は次のように、ヒトの正常細胞を破壊する。

ここで、サイトカインとは主に免疫系細胞から分泌されるタンパク質のこと(https://bifidus-fund.jp/keyword/kw048.shtml。米国とか海外で承認されたからと言って、安易に日本でも承認して、強制接種をしてはならない。新型コロナウイルスの死亡者が東アジア諸国と欧米では極端に相違があるように、ワクチンも民族・人種により作用が異なる。日本でもワクチン開発の第3相を通過して、産生された抗体が安全かつ有効であることを確認する大規模臨床試験を行うということが基本だ。産生される抗体についても、遺伝子工学に基づく精密な調査が必要だ。

ワクチン接種後の抗体検査が重要

ワクチン接種後の抗体検査が重要

さらに重要なことは、有効かつ安全なワクチンが開発されたとしても、新型コロナウイルスはどんどん変異するため、そのワクチンが接種段階の新型コロナウイルスには最早、有効かつ安全なワクチンと言えなくなる可能性が極めて高いということだ。現在、日本型のSARS-CoV-2 D614Gというものが全国で感染拡大している。米国などのメガ・ファーマ(巨大製薬会社)か「過去」に感染拡大したコロナウイルスに対するワクチンを開発している可能性が極めて高い。こうなると、日本での第三相(段階)の治験は必ず行わなければならない。

新型コロナウイルスの変異は早い。

新型コロナウイルスの変異は早い。

新型コロナウイルスが大きく変異していることは、国立感染研究所(直接のゲノム解析者は黒田真博士)でも認識していたらしいが、公表はしていないようだ。これは、極めて重要な問題をはらんでいる。

政府=安倍政権がやろうとしている「思い込んだらワクチン一直線」が有効なコロナ禍対策になるということはまず有り得ない。政府=安倍政権は、道のない崖を国民を乗せた巨大トラックで猛スピードで暴走しているようなものだ。





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