本年2021年秋までには、必ず総選挙が行われる。「権力の私物化=血税の私物化」を長期にわたって行ってきた自公政権を打倒し、政権交代を実現するのが憲政の常道であり、本来の野党の在り方だ。しかし、野党第一党である立憲民主党の枝野幸男代表の政権交代への決意が明確でなく、強力な野党共闘による「政策連合」結成の障害になっている。また、政府=菅義偉政権は表向き、東京オリンピック/パラリンピック開催強行を予定しているが、非政府系の感染症専門家は夏場にコロナ第4波が到来する可能性を強く指摘しており、大きな混乱が生じる可能性が強い。枝野立憲代表の政権交代への決意とオリ/パラ強行開催による混乱阻止が、今後の日本の命運を決定するだろう。
複数のメディアによると本日2月24日水曜日の新型コロナ感染状況は、東京都では新規感染確認者は1週間前の2月17日水曜日の378人から165人減少して213人だった。300人を下回るのは4日連続。東京都基準の重症者数は前日より8人少ない69人だった。ただし、死亡者は17人。先週水曜日17日からの減少幅が大きかったため、24日の7日移動平均の新規感染者数は294.7人でステージ3を下回り、前週比は83.3%だった。この水準が続けば、7日移動平均で東京都が目標にしている140人に達するのは4.07週間後ということになる。
東京都のモニタリング(https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/)では、7日移動平均での感染者数は294.7人、PCR検査人数は5888.3人だから、瞬間陽性率は5.00%。東京都独自の計算方式では3.8%。感染経路不明率は49.64%。
全国では午後23時59分の時点で、新規感染者数は921人、死亡者数は69人が確認されている。重症者数は前日比4人減少の487人。英国で報告された変異ウイルスが、渡航歴のない感染者が兵庫県9人、福島県1人の計10人から確認。これで変異株の感染は、国内と空港検疫で計188人となった。
【参考】東洋経済ONLINE(https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/)では、2月23日時点の実効再生産数は全国が前日比変わらずの0.89人、東京都も前日比変わらずの0.90人だった。実効再生産数の傾向的な方向性は判然としない。注視が必要だ。
※本投稿記事はデモクラシータイムズの「3ジジ(時事)放談=https://www.youtube.com/watch?v=nYSQGVpz_n0=」を参考にサイト管理者(筆者)が投稿記事を書いたものです。
首相在任中に、「森友・加計学園」事案や「桜を見る会」事案に象徴されるように、権力私物化の疑いが濃厚になっている安倍晋三首相が、参院選広島県選挙区で政敵の溝手顕正参院議員(自民党保守本流とされる宏池会系統の岸田派)を失脚させる大規模な買収を指導した疑いが強くなり、林真琴率いる検察当局が捜査に乗り出した。このことから、同首相は最重要職の首相の重責を放り投げた(健康を理由にしているが、慶応大学附属病院の診断書は公開されていない)。
具体的な経緯としては、広島県基礎自治体の首長、市町村議長らに対して大型買収を行ったという公職選挙法違反で2020年6月18日、東京地方検察庁特別捜査部(東京地検特捜部)が河井克行前法相(当時)・衆院議員と妻の河井案里参院議員(当時)を逮捕したことが大きなきっかけになった。取り敢えず、河井案里氏の公判は終了、東京地方裁判所は「懲役1年4カ月、執行猶予5年」の実刑に近い有罪判決を下した。河井案里被告は控訴しなかったため判決が確定、議員辞職することになった。ただし、本事案はまだ検察当局が捜査を継続中であり、決着はついていない。
なお、参院議員広島選挙区では4月25日日曜日に補選が行われる。さて、安倍首相の辞任で自民党では昨年2020年9月に総裁選挙が行われ、9月14日に菅義偉内閣官房長官(当時)が新総裁として選出、その2日後の9月16日の内閣総理大臣指名投票により総理大臣に指名された。この時、立憲の枝野代表は国会内で日本維新の会を除く野党を訪問、日本共産党などに対して「政権交代のために(自らを)首班に投票して欲しい」と願い出たため、野党共闘の機運が高まっていたこともあって、維新を除く全野党が枝野代表を首班に投票を行った。
今年は、遅くとも今年2021年の10月には衆院議員の任期が終了する。このため秋までには必ず総選挙が行われる。日本共産党は政権交代を確実にするため、野党連合政権樹立のための政権構想、政策の協議を呼びかけているが、立憲の枝野代表は消極的だ。安倍政権を受け継いだ菅政権も「権力の私物化」がひどい。枝野代表率いる立憲と維新を除く他の真正野党(玉木雄一郎代表率いる国民民主党は、「原発稼働停止」「原発新規建設不可」に反対するなど御用組合であることが明らかな日本労働組合総連合会=連合=の神津里季生会長の支配下にあり、実質的には真正野党では有り得ない)との政策協議による政策体系の策定と野党連合政権構想の国民への公表は喫緊の課題だ。
なお、政府=菅政権の権力の私物化について触れておくと、第一に挙げられるのが、全国旅行業界会長でもある二階俊博幹事長グループが旅行業界のために予算措置を講じて(血税を使って)Go To トラベル/イート「政策」を強行(文春オンラインによれば、二階グループは関連団体から4200万円の献金を受けている=https://news.yahoo.co.jp/articles/b3b44224eff2b7744674b5621406a71d593e3bdd=)したこと。ため、コロナ第3波を大規模に全国に拡大して、国内を大混乱に陥れた(2021年2月23日の時点で7616人の国民が亡くなられている。昨日23日の死亡者数は54人であり、年間では20万人規模だ)。
第二に挙げなければならないのは、これまた週刊文春が報じた菅首相の長男・菅正剛氏による、公務員倫理規定に違反し、放送行政を歪めた総務省高級官僚(課長級以上)接待事案だ。総務省の調べに過ぎないが、それでも山田真貴子現内閣広報官(総務省審議官を歴任)を含む総務省幹部13人が合計39回60万円超の接待を受けており、「政界一大疑獄」の様相を呈している。菅正剛氏はバンドマン暮らしだったが、菅氏が放送行政を司る総務省の大臣に就任した際、秘書官に起用。その際に、総務省の高級官僚と因縁を持った。NHKに圧力をかけた山田内閣広報官もその一人であり、2019年11月6日に7万4千円の接待を受けている。
菅正剛氏は秘書官辞任後、CS放送事業者を傘下に持つている東北新社に恐らく菅首相のコネで入社して、総務省幹部の接待工作に当たった。政治経済評論家の植草一秀氏のメールマガジン第2858号「山田真貴子局長の菅長男異例CS(放送)認可」によると、菅首相は東北新社創業者の植村板次郎氏とその息子から500万円の政治献金を受けている。ここで見逃せないのは、次の事案だ。
そのなかで、総務省の東北新社子会社に対する対応として、とりわけ重要視されているのが2018年の認可である。
菅正剛氏が取締役を務める東北新社グループの子会社「株式会社囲碁将棋チャンネル」が2018年、総務省に「東経110度CS放送に係る衛星基幹放送の業務認定」を受けている。当時、総務省はハイビジョン化を進めるために衛星基幹放送の大幅な組み替えを行なっていた。認定においてはハイビジョン放送であることが重視された。実際に、このとき認定を受けた12社16番組のうち、11社15番組がハイビジョン放送だった。
ところが、「囲碁将棋チャンネル」番組だけ、ハイビジョンではない標準画質放送であるのに基幹放送の業務認定を受けた。このとき、認定の判断を行う最高責任者である総務省情報流通行政局長の任にあったのが山田真貴子・現内閣広報官である。菅義偉氏の官邸記者会見で質問が多数存在するのに会見を打ち切ってしまう、いわくつきの女性(内閣広報官)である。
菅首相が長男の菅正剛氏の接待工作を見て見ぬふりをして、東北新社に便宜を図り、見返りに政治献金を受けている可能性は否定できない。これらのことは、菅首相が自民党総裁選で「自助・共助・公助」を菅行政の看板として打ち出していたのとは真逆の事案である。菅正剛氏の公務員倫理規定に違反する「接待工作」は、森嘉郎前オリ/パラ組織委会長の「女性蔑視発言」「新型コロナ感染状況にかかわりなく東京オリンピック/パラリンピックは強行するという発言」より、はるかに問題のある異次元の「権力の私物化」「巨大汚職事件」の様相を帯びてきたと言える。
安倍氏の広島参院議員の大規模買収事案などに加え、上記二事案の真相を解明するには、政権交代が欠かせないはずだ。ところが、立憲の枝野代表にはその決意がまだないように見える。まず、衆院選北海道2区で選出された吉川貴盛衆院議員(当時)が、可愛夫妻の買収工作捜査の過程で浮かび上がった広島県アキタフーズとの贈収賄疑惑で議員辞職したため、同区でも4月25日に補選が行われる。自公両党は擁立を見送るため、北海道に基盤を持つ日本共産党と立憲が候補者を一本化出来れば「楽勝」だが、共同通信が2月20日に報道したところによると、現在のところ一本化の見通しは立っていないようだ(https://news.yahoo.co.jp/articles/aaf0d56ca33a5a689acef701b1ac001277c53240)。
4月の衆院北海道2区補欠選挙で、立憲民主党と共産党の候補者一本化が焦点になっている。議員辞職した吉川貴盛元農相(自民離党)が収賄罪で在宅起訴され、「政治とカネ」が問われる補選。2月に入り、立民が擁立する元職に政治資金問題が持ち上がった。共産党は新人出馬の姿勢を崩しておらず、両党が折り合えるか見通せない。(中略)
立民は松木謙公氏(61)を近く公認する。共産党は元札幌市議平岡大介氏(32)が準備を進める。
どちらかが当選するとの見方もあるが、自民党は擁立を見送る代わりに日本維新の会の候補者の擁立を促し、水面下で支援する可能性が出ている。北海道の鈴木直道知事も菅首相の「直系」だ。こうした状況のため、22日午後20時ころに時事通信が報道したところによると、立憲と共産との候補者一本化の動きが進み始めたようだ(https://www.jiji.com/jc/article?k=2020122200850&g=pol)。
一方、立憲の福山哲郎幹事長は会見で「候補者を一本化して、戦える態勢を整えたい。必勝を期して臨んでいきたい」と表明。共産の小池晃書記局長も会見で「国政の流れを左右する大きな意味を持つ選挙だ。各党とよく相談したい」と述べ、ともに調整を進める考えを明らかにした。
ただし、一本化が実現するためには、立憲の枝野代表が政権交代で腹をくくって、真正野党による政策協定、野党連合構想を北海道民、国民の前に提示しなければならない。参院議員広島選挙区の補選でも立憲の動きは鈍い。れいわ新選組の山本太郎代表が2月11日記者会見を行い、今月末までに党公認立候補者を募り、山本代表自らも含めて、同党公認立候補者を擁立する考えを示した。これに刺激されたのか立憲広島県連は22日、候補者擁立委員会を開き、郷原信郎弁護士に出馬を打診しているという。
郷原弁護士は東京地検特捜部検事、広島治験特別刑事部長、長崎地方検察庁の次席検事などを歴任しており、腕利きの検察官経験者、現役弁護士で広島県とは縁がある。Youtubeの「権力を斬る」のチャンネルやブログでも有名だ。ただし、かつての民主党から2010年夏の参院選出馬を要請されたが断っており、今回も出馬には慎重な構えだと伝えられている。広島県は安保闘争後に池田勇人首相を出しており、宏池会系自民党議員の支持基盤も強い。
やはり、枝野代表が腹をくくって、真正野党による政策協定、野党連合構想を国民の前に示す必要があるだろう。れいわの山本代表も、消費税減税を政策体系の中に入れるなら、野党共闘に参加する可能性は否定していない。4月25日の北海道2区、長野県参院選挙区、広島県参院選挙区での3補選で勝利することが、総選挙での政権交代に欠かせない。野党第一党である立憲の枝野幸男代表が腹をくくって政権交代への決意を固め、日本共産党やれいわ新選組、社民党の政策も取り入れた主権者国民のための強力な政策体系を構築し、野党連合政権構想を国民の前に明確に提示する必要がある。影の内閣(シャドウ・キャビネット)を発表することも欠かせない。
なお、緊急事態宣言下であるにもかかわず、銀座の高級クラブに出入りしたとして衆議院比例代表・九州ブロック選出の遠山清彦・前財務副大臣が2月1日辞職したが、これには公明党の支持母体である創価学会の婦人部の圧力があったようだ(https://www.youtube.com/watch?v=nYSQGVpz_n0)。昨年2020年11月1日の「大阪都構想」で公明党が賛成に回ったものの、住民投票で僅差ながら敗北したのは、やはり、創価学会婦人部の賛成への動きが鈍かったことが大きな要因とされている。宗教の本質を考えれば、創価学会も一枚岩ではない。
次に、東京オリンピック/パラリンピック開催強行問題。橋本聖子氏が議員辞職してオリ/パラ組織委の新会長になり、遅ればせながら自民党を離党したが、「森前会長を父と仰ぐ」人物だ。森氏の指示を受けて、「新型コロナ感染状態のいかんにかかわらず、オリ/パラを強行開催する」姿勢は堅持するだろう。しかし、非政府系の感染症対策専門家の間では第3波が収束しても、季節要因から夏場にかけて第4波が襲ってくるとの見方が強い。その場合、コロナ感染症対策、新型ワクチン接種対策、オリ/パラ開催準備問題が重なり、基礎自治体の現場は大混乱に陥る。国民も生命(健康)と生業(なりわい)を脅かされる。新型コロナの変異株の市中感染が拡大してくれば、状況はさらに悪化するだろう。
そもそも、オリ/パラ組織委森前会長は、小渕恵三首相(当時)が積極財政によって1990年代初頭からのバブル崩壊不況を克服しながらも脳梗塞で急逝された際、密室で首相になった人物である。その当時、森氏は幹事長だったが、「憲法改正(実質は憲法改悪ないし破壊)を目的とする」清和政策研究会(清和派)の領袖であり以後、保守本流とされる宏池会派閥や分裂後の田中派(竹下波)を押しのけて、自民党の主流派閥になった経緯がある。「清和」という名前からは想像もつかない新自由放任主義に基づく「権力の私物化」「血税の私物化」「利権政治」を行ってきた。
立憲の枝野代表には奮起を期待したい。