NATO・ウクライナ側はウクライナ戦争で劣化ウラン弾を使うな

ただし、こうした中で、田中氏は英国が今夏までのほとんど最後の手段として、劣化ウラン弾をウクライナに供与すると主張していることを強く警戒している。劣化ウラン弾は事実上の核兵器だ。最悪の場合は、核戦争に至る恐れがある。

米国の衰退と中国の台頭を予見して中国に接近した故・安倍晋三の姿勢を踏襲している岸田文雄としては、米国の傀儡として中国と対決させられるのは不本意だ(威勢の良い報道と裏腹に)。できればやりたくないが、米国の命令だから逆らえない。日本や英独仏豪など先進諸国は、米覇権の崩壊が不可避なのに、米国と一緒に沈没・無理心中させられる。途上諸国や新興諸国はうまいこと非米化の流れに乗るのに、先進諸国は米国に隠然支配されているので逃げられない。逃げられないから、米国と一緒に中露を敵視し続け、ウクライナ和平を拒否して戦争し続けるしかない。ウクライナはしばらく和平にならない。ウクライナが和平する時は、いずれ金融崩壊が加速し、米覇権が崩壊して米国側が機能不全に陥った後だ。18 European Countries Sign Joint Ammunition Donation For Ukraine

米国の金融崩壊はたぶん意外と近い。それと連動して、欧州のエリート支配体制が崩壊して右派ポピュリストの政権になっていき、欧州が対米従属を離脱して中露と和解する転換点も、意外と早く来るかもしれない。フランスは(注:少子高齢化を理由とした年金支給開始年齢の段階的引き上げで)ゼネストや反政府運動が続いている。ドイツにもゼネストが波及している。(European Spring? Germany Braces For Major Strikes While France Burns) (Von Greyerz Warns “The Financial System Is Terminally Broken”

英国は、戦車の弾として劣化ウラン弾をウクライナに送ることにした。米NATOはコソボやイラクでも劣化ウラン弾を使って問題になった。英政府は「劣化ウラン弾は危険でない」と言っているが、少し前まで米英マスコミは「ロシア軍が劣化ウラン弾を使ってウクライナ人を放射能汚染している」とウソを喧伝していた(ソ連軍は劣化ウラン弾を持っていたが、ロシアは2000年までにそれらを処分し、その後は使っていない)。米英マスコミ自身が、劣化ウラン弾は戦争犯罪の道具であることを認めたことになる。(注:G20にお株を奪われ影響力のなくなった)G7サミットは、米国に原爆を落とされたヒロシマで行う。二度と核物質を戦争に使ってはならないと、日本人は80年近く祈ってきた。その象徴が広島だ。それなのに、核物質で戦争犯罪の道具である劣化ウラン弾を使うウクライナ戦争の支援を、G7サミットが広島で高らかに宣言する。ウクライナ(今はもうロシアに編入)のロシア系住民が劣化ウラン弾の標的にされることをマスコミは言わない。 (Why is Britain’s Uranium Ammo Decision a Big Deal?) (UK to Give Ukraine Depleted Uranium Shells Despite Russian Warnings

劣化ウラン弾について、広島市は次のように述べている(https://www.city.hiroshima.lg.jp/site/faq/9422.html)。

劣化ウラン弾はどういうものですか(FAQID-5801)

 アメリカ軍などは湾岸戦争、ボスニア紛争、コソボ紛争、イラク戦争などで、劣化ウラン弾を使用しました。劣化ウランとは核兵器の製造や原子力発電で使われる天然ウランを濃縮する過程で生じる放射性廃棄物で、天然ウランよりウラン235の割合が少なくウラン238の割合が高くなったものです。劣化ウランの成分の約99.8パーセントはウラン238で、その放射能が半分になるまでの半減期は45億年です。ウランは自然界で最も密度が高い物質で、極めて堅くて重いため、戦車の厚い装甲を破壊する砲弾や戦車の装甲などに利用されています。劣化ウラン弾が目標物に当たると爆発し、霧のようになった劣化ウランの細かい粒子が空中に飛散します。これを吸い込むと、化学的毒性により腎臓などを損傷するとともに癌などの放射線障害を引き起こします。また、土壌などに付着し、半永久的に環境汚染も引き起こします。

また、未来をプロトタイプするテックカルチャー・メディアとして米国合衆国西海岸のサンフランシスコで1993年に創刊され、現在はコンデナスト・パブリケーションズ社により米国のほかに日本、イギリス、イタリア、中東、韓国の計6カ国/地域で発行され、テクノロジー、ビジネス、カルチャー、ライフスタイルなど幅広い分野でオンラインメディア、雑誌、SNS、イヴェントやコンサルティング事業などを展開しているワイアード社は、米軍が劣化ウラン弾を使用する理由について、次のように述べている(https://wired.jp/2009/12/24/%E7%B1%B3%E8%BB%8D%E3%81%8C%E5%8A%A3%E5%8C%96%E3%82%A6%E3%83%A9%E3%83%B3%E5%BC%BE%E3%82%92%E4%BD%BF%E7%94%A8%E3%81%97%E7%B6%9A%E3%81%91%E3%82%8B%E7%90%86%E7%94%B1/)。

劣化ウラン(DU)は、過去何十年もの間、対戦車弾の素材として広く用いられてきたが、その一方で、健康被害の可能性がたびたび議論の的になっている。しかし米軍は、少なくとも当面の間はDUを使い続ける方針のようだ。[劣化ウラン(DU)は、天然ウランから濃縮によって濃縮ウランを得た後に残された部分。劣化ウランの比重は約19であり、鉄の2.5倍、鉛の1.7倍という重い金属であるため、米軍などでは戦車砲の徹甲弾や装甲材として用いられている(劣化ウラン弾)。

イラク等実戦で劣化ウラン弾を使用した地域での白血病の罹患率や奇形児出生の増加、あるいは米軍帰還兵の湾岸戦争症候群などの健康被害が報告されているが、米政府は証拠不十分との立場を取っている。米国の復員軍人省は2007年、兵士たちのガン情報を非公開にすると決定した(日本語版記事)。

ロシア国防省も英国がウクライナに対して劣化ウラン弾を供与した場合は、強い対抗措置を取ると警告している(https://www.cnn.co.jp/world/35201652.html)。

(CNN) ロシア外務省は22日、劣化ウランを使った砲弾をウクライナへ供与する考えがあるとして英国を非難し、ロシアとしてはこの問題を放置するわけにはいかないとの声明を発表した。「英国の決定はロシアとの2国間関係や国際社会に重大な結果を及ぼすだろう」とも指摘。「国際法の根本的な規範に抵触しており、英国は全ての責任を担うことを忘れるべきではない」とも続けた。劣化ウラン弾の提供についてはロシアのプーチン大統領も先に、英国に同様の警告を行っていた。これに対し英国防省は21日、劣化ウランは砲弾の「標準的な材料」であり、核兵器とは関係がないとし、「ロシアは意図的に偽情報を広めようとしている」と反論していた。

劣化ウラン弾の使用は、戦術核兵器使用と同様のものであり、ウクライナ戦争では実際のところ、東部ドネツク州の要衝バフムトなどでウクライナ側が追い詰められ、ウクライナに敗北感が濃厚であることを示している。これまで米軍は劣化ウラン弾を使用してきたが、ウクライナ戦争ではロシア系ウクライナ住民と大量の戦略核、戦術核を持つロシア軍に対して使用することになる。ロシア側はNATO・ウクライナ側が核を使用したものと見なし、何らかの核兵器で報復する可能性もある。ウクライナ戦争で絶対に劣化ウラン弾を使ってはならない。


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