安倍首相、17時から記者会見で辞任を正式表明ー政界は激動期に、野党は理念・政策で共闘を

健康不安による辞任説が強まっていた安倍晋三首相は本日午後17時から記者会見で辞任を正式表明した。これより先の午後2時過ぎ、大手メディアから一斉に辞任の意向を固めたとの報道が流れた。持病・難病の潰瘍性大腸炎の再燃による健康不安・体調不良説によるためだ。記者会見では正式の辞任表明と同時に今後はインフルエンザ襲来の時期に重なることからコロナ感染症対策についても見解を述べた。日本の政界は激動期に入るが、解散・総選挙を想定し、理念・政策で野党共闘すべきだ。自公側が消費税減税を掲げることも想定され、①「異次元の積極財政」②消費税廃止を含む不公平税制の抜本改革③厳罰ゼロ社会の早期実現ーなどを掲げるべきだ。今回の事態は自民党内の5人組のシナリオに沿ったものと見られる。

◎追記:NHKのWebサイトは28日午後14時過ぎ、安倍晋三が辞任する意向を固めたと報道した。朝日デジタルも午後14時16分に同じ報道を行った。NHKのWebサイトによるとその後、麻生太郎副総理兼財務相と30分会談。その後、自民党本部で二階俊博自民幹事長らと打ち合わせを行い、午後15時から自民党役員会で総理・総裁を持することを正式に伝えた。退任表明後の党務(新総裁の選出)は二階幹事長に一任することで一致した。ただし、後任の総裁・総理が選出されるまでは、形式上は総理・総裁を務める。

◎追記:28日の新型コロナウイルスの新規感染確認者は、東京都では午後3時時点の速報値で3日連続の226人。東京都基準の重症者は前日から1人減少し、30人になった。61%が感染経路不明者。7日間移動平均の感染者数は208.1人、PCR検査数は4,037.1 人で陽性率は4.5%。国内新規感染者数は最終的にで880人で亡くなられた方は20人。26日には速報値で一日に2万3172件のPCR検査が行われたため、瞬間陽性率は3.8%。

安倍首相の動向については続行と辞任の2説が流れていたが、このところ続行説が有力になっていた。首相続行説の代表格は、共同通信が2020年8月/27日22:13 配信した「首相、継続意欲表明へーコロナ対策、体調にも言及」と題する記事。この記事によると、「安倍晋三首相は28日午後5時から官邸で記者会見する。首相官邸が27日、発表した。首相は健康不安説が取り沙汰される中、現在の体調に触れる考えで、職務継続の意欲を表明するとみられる。(中略)複数の政権幹部が明らかにした」という。

ただし、朝日デジタルは昨夜8月27日 21時51分に投稿した麻生氏が派閥幹部と『緊急』の夜会合 首相会見を前に」と題する記事で、麻生副総理兼財務相ら麻生派幹部らが深刻な顔つきで派閥幹部会議を開いたとの報道を行っていた。また、週刊新潮などの週刊誌や日刊ゲンダイなどの、非大手メデイア系のメディアでは安倍首相が今月17、24日に慶応大学附属病院で受けた「検査」について、実は「GCAP」という治療であったことを、「関係者」の名前は明らかにしていないが、詳細に-報じている。例えば、週刊新潮は「安倍首相、慶応病院で7時間半の真実…吐瀉物に鮮血、ステロイド効かず新治療」と題する記事では次のように記している。

「『潰瘍性大腸炎はストレスが増すと症状は悪化します。首相は潰瘍性大腸炎を抑える薬としてアサコールを使ってきましたが、まずこれが効かなくなってきている。そして次のステップであるレミケードという薬にも手を出したものの、芳しくない。その後に、ステロイド製剤を併用したりするなどもしたようですが、調子を取り戻すには至らなかった』。(中略)『慶応病院では『GCAP』という、大腸に悪さをする白血球を除去する治療を数時間受けた。血液を取り出して白血球を除去する機械に通し、そこで炎症に関わる一部を取り除いた後、血液を再び戻すという作業になる。透析を想像して貰えば分かりやすいと思います。今回はT主治医に代わり、消化器系専門の教授がつきっきりで検査にあたったようです』(先の事情通)」。

日刊ゲンダイが2020年08月27日18時04分に公開した「安倍晋三首相、潰瘍性大腸炎が悪化し腰に激痛か 慶應大病院で特殊な治療法受ける?」と題する記事では、持病で難病指定の潰瘍性大腸炎が足腰にも激痛が走り、歩行も困難になって動作に明らかな異変がある難病であることから、安倍首相の移動状況を調べ、「実際、日刊ゲンダイが4月1日からの首相動静をチェックしたところ、体調を崩したとみられる7月上旬までは官邸から私邸までおおむね十数分で到着し、20分を超えたケースはごくまれだったのに、7月上旬以降は20分を超える日が目立ち、8月7日は34分もかかっている」と記している。

潰瘍性大腸炎については、聖マリアンナ医科大学東横病院の宮島 伸宜病院長が書かれたこちらのサイト(https://doctorsfile.jp/medication/57/)に詳しい。最悪の場合は「癌化」することもあると言う。

通常国会を閉じてからは午前中に官邸で業務を「こなし」、午後には帰宅するという状態で、国会閉会中審査にも全く出席しなかった。また、記者会見もほとんどしなかったことから、通常国会閉幕前後以降に潰瘍性大腸炎の再発を感じ、今月17日、24日に慶応大学附属病院に「健康診断」との名目で、治療に通院したのではないか。検診にしては病院での滞在時間が長すぎるからだ。GCAP(潰瘍性大腸炎やクローン病 治療法)は炎症発生の原因となっている顆粒球を血液の中から除去する治療であり、一種の「人工透析」のようなものだとされている。高度な専門的治療である。

テレビや動画サイトなどではどう視聴しても、安倍首相の顔には疲労の症状がありありだったが、昨日27日から米国の宇宙軍の司令官と面談したり、各種会議にも出席していることを見ると、慶応大学附属病院でのGCAPという治療が効いている可能性がある。ただし、複数回治療を受けなくてはならないと見られ、果たして本来は激務のはずの首相としての業務をこなせるかどうかは未知数だ。

米国宇宙軍のレイモンド米宇宙軍作戦部長と会談した安倍首相

米国宇宙軍のレイモンド米宇宙軍作戦部長と会談した安倍首相(https://trafficnews.jp/post/99545)

今後の予定としては、①9月末の当執行部人事②英国が欧州連合(EU)から離脱したことことから締結せざるを得なくなった日英自由貿易協定の国会承認のために10月末までの間に臨時国会の召集と臨時国会での論戦を行うこと③2021年度の予算編成ーなどの重要予定が控えている。最も重要な予定は年内に解散・総選挙を行わなければならないことだ。総選挙では総理・総裁の全国行脚は尋常なものではない。これらの予定をこなす体力はあるのか、甚だ疑問ではある。なお、来夏に延期された東京オリンピックの開催も、国際オリンピック委員会(IOC)では10月中に結論を得たい模様だ。

昨日から「首相続投論」が高まってきたが、意図的な世論誘導であった可能性がある。人命は尊重が第一だから、内閣および自民党の総理・総裁として今後に万全の体制を整え、辞任したほうが安倍首相本人のためにも日本国のためにも良いだろう。なお、新型コロナウイルス感染症対策については、PCR検査の拡充を発表すると報道されているが、今さらという感じがするし、これまで「1日当たり2万件の検査能力」を確保すると言いながら、「1日当たりの検査人数」については言及がなかった。結果として日本のPCR検査数は人口10万人/100万人当たりで世界196カ国中、150位程度と、日本の検査技術・体制をもってしては理解が困難な異常な水準に低迷していた。

日本共産党の志位和夫委員長が照会して、厚生労働省が作成したPCR検査人数と新規感染者の相関図。

日本共産党の志位和夫委員長が照会して、厚生労働省が作成したPCR検査人数と新規感染者の相関図。

日本共産党の志位和夫委員長が入手した米国ニューヨーク州でのPCR検査人数と感染者の推移

日本共産党の志位和夫委員長が入手した米国ニューヨーク州でのPCR検査人数と感染者の推移

PCR検査人数は抑制するという当初の政府=安倍政権の誤りを認めることから、新型コロナ感染症対策を首相の言葉で説明してもらわなければならない。本日午後17時頃の記者会見の概要について、次に記しておく。
安倍首相の首相辞任記者会見

第一は自民党の後継総裁(総理)人事について。これは、本日28日午後15時に開かれた自民党役員会議に置いて、二階幹事長に一任することで決定しているという。ただし、9月1日に開催予定ンの総務会において、承認を受ける必要がある。大手メディアの報道によると、現在、新総裁の候補として3人の候補が上がっている。

これに関しては、サイト管理者(筆者)の次の投稿記事を参考にされたい。

第二は、コロナ禍対策についてだが、基本的には「3蜜」を避ければ、感染防止対策と経済活動は防止できるというのが、コロナ禍対策の基本方針。そのうえで、今後秋から冬にかけてインフルエンザへの感染も拡大してくることを踏まえ、基礎的疾患をもつ患者および高齢者、並びに医療機関や介護施設の従事者に対するPCR検査を思い切って拡充していく(冬までに1日20万件の検査能力。ただし、実際に1日20万人の検査を行うとは明言していない)。コロナ感染防止対策については、2020年度第ニ次補正予算で確保した20兆円を財源にする。また、改正インフル特措法をさらに改正すると発言した。これは、若干の補償措置を付けることはもりこむが、要は「罰則規定」を盛り込むことが基本になるだろう。こられについては、大いに疑問がある。政府=安倍政権が認めようとしない「コロナ第二波」は、無症状だが感染力の強い無症状感染者が集積する「感染震源地(エピセンター)」によって引き起こされている。

このことを考えると、遺伝子工学と抗体検査の専門家である児玉龍彦東大名誉教授(東京大学先端科学記述センター)の指摘するように、基礎的疾患および高齢者、並びに医療機関や介護施設の従事者に対するPCR検査人数の増加は需要だが、①エピセンター②エピセンターの周辺血③非エピセンター地域ーを明確に識別し、それぞれの地域に応じた第希帆家な検査が必要だと思われる。感染状況も明確にできないまま、「二兎を追えば、一兎も得られなくなる」。

感染状況に応じたPCR検査・抗体検査を

感染状況に応じたPCR検査・抗体検査を(児玉龍彦東大名誉教授による)

第四は、首相辞任の経緯について。今年6月の定期検査で持病で難病の潰瘍性大腸炎の再発を知らせる信号が見つかった。その後、7月半ばから体調異変が次第に現れ、今月8月17日、24日に慶応大学病院で新しい薬(点滴投与)に変更してもらったことから、これが奏功している。ただし、この点滴投与は定期的に受けなければならず、また、完治する保証もない。また、最悪の場合は悪化する可能性もある。このため、24日に辞任することを決断、時期として新たな新型コロナウイルス感染症対策が決定した本日28日が、首相としての引き際と判断したというものである。

今後、憲法53条による野党側の臨時国会召集要求は無視して、新総裁を内閣総理大臣(首相)に選出する与党の都合で臨時国会を消臭せざるを得なくなるが、野党側は臨時国会を早期に閉じさせることなく、新型コロナ感染症対策と経済債権に向けて、徹底的な論戦を挑むべきだ。立憲民主党と国民民主党の大勢が合流した新立憲民主党が成立するが、「新55年体制」を構築すべきではない。国民は分党することになり、れいわ新選組はゲリラ活動を行っているが、玉木雄一郎代表率いる新国民民主党は、真に「国民生活が第一」の政治を行う意思があるなら、「新55年体制」阻止、「原発ゼロ社会」の実現に向けて行動すべきだ




おすすめの記事