東京都を含む首都圏1都3県の緊急事態宣言解除、通常なら不可能
Optimized by JPEGmini 3.14.12.71901706 0xcdde5795

複数のメデイアによると、政府=菅義偉政権は東京都を含む1都3県、特に東京都の「緊急事態宣言」解除は小池百合子都知事率いる東京都の判断を考慮することになったが、本来は極めて困難な情勢だ。

2月2日コロナ感染状況
複数のメディアによると本日3月に2日火曜日の新型コロナ感染状況は、東京都では新規感染確認者は1週間前の2月22日火曜日の275人から43人減少してして232人だった。死亡者は5人。東京都の基準で集計した1日時点の重症の患者は前日の2月28日より7人減って54人。
東京都のモニタリング(https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/)では、7日移動平均での感染者数は263.1人、前週月曜日比率も前日の81.9%から82.7%に上昇した。PCR検・抗原査人数は6010.6人。陽性率は東京都独自の計算方式(7日間移動平均での7日間移動平均での新規感染者数を、同じく7日間移動平均の検査人数で除したもの)は3.4%。感染経路不明率は47.93%。
全国では午後23時59分の時点で新規感染者数は888人、死亡者数は65人、重症者数は前日比23人減の413人。
【参考】東洋経済ONLINE(https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/)では、3月1日時点の実効再生産数は全国が前日比0.01人増の0.87人、東京都も前日比0.01人増の0.87人だった。反転上昇の兆しが出ている。

東京都が本日3月2日発表した2日の新規感染者数は232人で、前週の2月23日火曜比の275人から43人減少した。しかし、新規感染者数の7日移動平均とその前週比率で見ると、前日1日のそれぞれ269.3人、81.9%から2日は263.1人、82.7%と減少幅は鈍化しており、前週比ではむしろ増加している。感染症など専門家の間では3月7日予定の緊急事態宣言間際に再拡大(リバウンド)の兆候が出ていると見ている。例えば、朝日デジタルは次のように報道している(https://digital.asahi.com/articles/ASP2X6FPWP2XUTIL01K.html?iref=comtop_7_03)。

東京都内で、新型コロナウイルスの感染者数が下げ止まっている。27、28の両日の感染者数は前週の同じ曜日を上回り、週平均も都が目標にしている数値を大きく超えているためだ。3月7日の緊急事態宣言解除まで1週間と迫る中、感染者数のリバウンドを警戒する声が高まっている(中略)。

感染者数が下げ止まる中、都の関係者が危機感を持つのは人出の増加だ。小池百合子知事は会見などで「ステイホーム」を強調し、外出を自粛するよう訴えている。だが週末は青天に恵まれる日が続くなど、人出の思うような減少には至っていない。都によると、27日午後3時時点での人出は、緊急事態宣言発出前の昨年12月と比べて新宿で10%、渋谷で5%の減少幅にとどまっている。(中略)

2月上旬に延長された緊急事態宣言は、3月7日に期限を迎える。都の担当者は「油断するとリバウンドして感染者が再び増える可能性がある。不要不急の外出を今まで以上に控えていただきたい」と話している。

本投稿記事は2021年2月28日19時25分に朝日新聞社のサイトに公開されたものだが、本日までの推移をまとめてみると下図のようになる。

東京都のコロナ感染状況
東京都のコロナ感染状況

小池百合子率いる東京都は当初、7日間の移動平均でみた新規感染者数の、前週の同じ曜日に対する比率が70%程度になることを期待していた。そうすれば、7日移動平均で1日当たりの新規感染者数が140人以下になったからだ。しかし、上図で見るように、7日移動平均での新規感染者数は先月2月下旬のうちの先週26日金曜日に75%を下回ったが、その後、月末から80%台に戻している。前週の同じ曜日と比較しても、27日土曜日と28日土曜日は逆に増加している。その後は、再び前週に比べて減少しているが、減少幅は縮小している。

7日移動平均の新規感染者で当初の目標の140人以下になるのは極めて難しい状況であり、前週比での70%の達成・持続も状況は同じだ。これに加えて、医療体制ひっ迫(実態は医療崩壊に近い。春場に向けて新型コロナの活性化力が鈍ってきたことが主因と見られる)状況はやはり続いている。政府=菅政権と小池百合子率いる東京都知事が、ぎりぎりまで「緊急事態宣言解除」の判断を待つとしているのは、こうした状況がある。最近の東京都の感染状況傾向からすると、リバウンドの可能性が濃厚である。

西浦博京大助教授(理論疫学)のシミュレーション
西浦博京大助教授(理論疫学)のシミュレーション

今後は、➀新型コロナウイルスの「幹細胞部分」は無症状感染者を中心に残っており、感染し続ける②感染力と症状悪化力(毒性)が強く、「新型コロナワクチン」変異株の市中感染が首都圏(埼玉県、東京都、神奈川県)と関西圏(兵庫県、大阪府、京都府)でじわりと増え続けているうえ、全体の検体の1割程度以下しか遺伝子解析(ゲノム解析)が出来ておらず、検査に時間を要する③春から夏にかけて一時的に新型コロナウイルスが活性化してくることに加えて、東京オリンピック/パラリンピ ックを強行開催する場合、選手団が最大2万人来日することになる➃人の移動指数が既に傾向的に上昇しているーことなどから、「政治判断」からは「緊急事態宣言」を解除するとしても、感染再拡大(リバウンド)は避けられない情勢だ。

東大先端研の児玉龍彦東大名誉教授による
東大先端研の児玉龍彦東大名誉教授による

政府=菅政権は、リバウンドを防ぐため、ある程度の集中全員検査の必要性をやっと認めるようになった。

政府のリバウンド対策
政府のリバウンド対策

しかし、東大先端研の児玉龍彦東大名誉教授の要望する抗体検査(免疫暴走が起きるか否かを判断できるIGMという抗体の産生状況で、重症化の可否について感染者の治験を得られる)は保険適用を許可しないなど、PCR検査・抗体検査はまだまだ不十分だ。やはり、上記サイトで指摘したように、コロナ禍対策の抜本転換を図る必要がある。


この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう