小池百合子東京都知事のコロナ禍無為無策の背景

東京都の小池百合子都知事は菅首相と12月1日夕刻の会談でGo To トラベルは止めず、「持病を持つ国民と高齢者に対する利用の自粛要請」で合意するという茶番劇を演じたが、その後も東京都では500人前後の新型コロナ感染者が確認され、昨日5日コロナ感染者は過去最多の584人(https://www.fnn.jp/articles/-/61484)だった。東京都基準の重症者は前日比2人増えて54人、2人の死亡者が確認された。要するに、「女帝」と揶揄される小池都知事は日本国民や冬入りでコロナ第三波の襲来とGo To トラベル推進による感染拡大の防止に向い無策を続けている張り子の「女帝」なのだ。その理由を記事にしてみた。

12月6日日曜日コロナ感染状況

本日12月6日日曜日の新型コロナ感染状況は、東京都では午後15時の速報値で新規感染確認者は1週間前の29日土曜日の418人より91人少ない327人、東京都基準の重症者は前日と同じ54人(https://www.fnn.jp/articles/-/61484)だった。
東京都のモニタリング(https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/)では、7日移動平均での感染者数は439.4人、PCR検査人数は5972.3人だから、陽性率は7.36%。東京都独自の計算方式では6.4%。感染者のうち感染経路不明率は53.85%だった。ステージ3/4の陽性率は10%。
国内の感染状況https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data/)は、午後23時59分の時点で2025人が新規感染し、31人の死亡者が確認されている。
東洋経済ONLINE(https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/)では、12月5日時点の実効再生産数は全国が前日比0.02人減少の1.04人、東京都では前日と同じ1.06人となっている。

東京都のコロナ感染者数の推移
東京都のコロナ感染者数の推移
12月5日土曜日コロナ感染状況
本日12月5日土曜日の新型コロナ感染状況は、東京都では午後15時の速報値で新規感染確認者は1週間前の28日土曜日の561人より23人多い過去最多の人584人(https://www.fnn.jp/articles/-/61484)だった。東京都基準の重症者は前日比2人増えて54人、2人の死亡者が確認された。
東京都のモニタリング(https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/)では、7日移動平均での感染者数は452.4人、PCR検査人数は5972.3人だから、陽性率は7.57%。東京都独自の計算方式では6.4%。感染者のうち感染経路不明率は53.49%だった。ステージ3/4の陽性率は10%。
国内の感染状況(https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data/)は、23時59分で2508人が新規感染し、22人の死亡者が確認されている。このうち、医療体制に重大な懸念が生じている大阪府は399人の新規感染者が確認されている。維新の吉村洋文知事は、府内の医療体制はじめ社会保障制度を切り捨ててきたツケが回り、事実上の緊急事態宣言とも言える強い外出自粛要請宣言の発出に追い込まれている。なお、亡くなられた方が重症の患者が治療の甲斐もなく亡くなられたか否かについては、不明。
東洋経済ONLINE(https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/)では、12月4日時点の実効再生産数は全国が前日比0.01人減少の1.06人、東京都では前日比0.05人減少の1.06人となっている。

「持病を持つ国民と高齢者に対する利用の自粛要請」を呼びかけたとしても普通なら、もともとそういう方たちはGo To トラベルを利用したりはしない。「持病を持つ国民と高齢者」が新型コロナに感染した場合は、重症化して死亡する確率が極めて高くなることは既に徹底的に報道されているからだ。要するにコロナ禍防止対策に本腰を入れるつもりはないのである。

菅首相と小池都知事がコロナ禍対策でGo To トラベル対策(サイト管理者(筆者)は反対)を少なくとも今冬は一時停止し、不公平だが観光業界に直接支援を行うなどコロナ禍対策に本腰を入れず、茶番劇を演じたのには理由がある。その第一は、東京オリンピックの強行開催が「国体護持」のような至上目標になっているからだ。

橋本聖子五輪相は東京オリンピックの来夏への延期のための追加費用は2000億円、コロナ感染対策費は1000億円かかる見込みだとしたが、これは、競技の観戦観客者をどうするかが未決定のため、暫定的な数値に過ぎない。関係記事として、朝日デジタルが12月5日公開した「五輪経費、総額1兆6640億円 2940億円追加」と題する報道(https://digital.asahi.com/articles/DA3S14720285.html?iref=pc_ss_date)の冒頭部分を引用させていただく。

橋本聖子五輪相、小池百合子都知事、組織委の森喜朗会長が会談した。追加経費の内訳は、延期に伴う人件費などの延期経費が1980億円、コロナ対策費が960億円。負担額は都が1200億円、組織委が1030億円、国が710億円となる。
経費の総額でみると、都が7170億円、組織委が7060億円、国が2210億円を分担する。
国は、新型コロナの感染拡大が止まらない中でも大会を実現する姿勢を示して世論の理解を得るため「議論をリードしていた」(大会関係者)といい、延期経費150億円、コロナ対策費の6割弱にあたる560億円を負担する。これとは別に、空港での検疫やホストタウン向けの経費も負担する方針だ。
都は延期経費のうち800億円を負担。コロナ対策費も400億円を受け持つ。小池知事は財源について「昨年度の決算剰余金や今年度予算を精査して対応する」と述べた。

政府や東京都、オリンピック大会組織委は当初、東京オリンピックは当初は7000億円程度で開催できるとしていたが、取り敢えず1兆6640億円に膨れ上がった。今回の中間見直しも暫定的なもので、取り敢えずの追加費用を出したに過ぎない。

今回の東京オリンピックには、以下に指摘するように問題だらけだ。

➀大会に参加する最終予選の実施が行われていない競技が半数ほど存在する②コロナ禍のためオリンピックどころではないから、参加しない国が多数出てしまう可能性が濃厚③全日空や日本航空、JTBなど運輸・観光関係を中心にスポンサー企業も経営が悪化しており、今年の年末に終了する契約を更新するか迷っている企業も多く、経営不振の企業が契約を再更新すれば株主代表訴訟を起こされる可能性が出てくる(朝日デジタルが12月2日午前10時30分に公開した記事=https://digital.asahi.com/articles/ASNCZ3VX0NCVULFA03L.html?iref=pc_ss_date=によると、全国の主要大手企業100社に対するアンケート調査では「コロナ禍前に近い規模で開催すべき」は12社、「規模を縮小して開催すべきだ」37社、「その他(意味不明だが開催の是非・可否の判断に迷っている企業)」48社、残りの2社は無回答と見られ、85社は菅首相が言明したような「新型コロナに打ち勝った形での東京オリンピックの開催は不可能と考えている)

➃大会チケットの払い戻しを2週間行ったが、その機関だけで18%と20%の払い戻しがあった(ただし、組織委のサイトでは感染できなくなった場合は払い戻しすると言明している)⑤今回の追加費用は概算であるため、さらなる追加費用が嵩むーなどの問題がある。これにIOC側や大会組織委側の賄賂疑惑も重なる。

大会組織委がオリンピックのスポンサー企業から工面できる金額は今後、限られてくると推察されるから、もし、強行開催ということになるとすべての補填費用は政府、東京都が税金(血税)か国債、都債で調達しなければならなくなる。新自由主義者の巣食う菅政権や東京都では、公債の元利返済はいずれ血税(税金)で国民、都民から行うことになる。要するに、現政権ではすべてが血税(税金)で補填することになる。強行開催は博報堂出身で作家の本間龍氏は3兆円ほどはかかると見ている。

東京都はコロナ禍対策で、新自由主義政策に基づいて医療体制、社会保障体制を実質的に縮小(詰まるところ破壊)してきた維新の吉村洋文知事率いる大阪府よりは財政状況はましだが、財政調整基金などはコロナ禍に伴う医療体制支援や営業自粛の補填財源として使われ、「貯金」に余裕はない。政府と併せて、国民・都民の血税に頼るしかない状態だ。国民は国税も住民税も納付しなければならないから、同じことだが、東京都としては東京オリンピックの来夏開催の追加費用負担は極力少なくしたい。その場合には、政府=菅政権が拠出しなければならなくなる。そのための余地を残すため、小池都知事としては東京発着のすべての年代の観光客がGo To トラベルの利用を停止したいと思っているが、追加費用負担を極小化するため、仲が悪いとされる菅首相に折れたのだろう。

ただし、いずれにしても巨額の追加負担のツケは国民・都民に回ってくる。本来なら、利権と商業主義、わいろ疑惑にまみれた東京オリンピックは早急に中止を発表し、不要な追加費用はコロナ禍対策に充てるべきだ。

第二は、菅首相と小池都知事の仲を取り持っているのは、自民党の二階俊博幹事長だ。両者とも二階幹事長に支えられている。慶応大学出身の政治・経済評論家である佐高信氏は、自民党(実際は、自分世襲党と自分利権党からなる)は二階派を「半グレ派」と見る。宏池会とか清和会とかの他の派閥はヤクザだが、ヤクザにも「堅気の衆には迷惑をかけねえ」というある程度の「仁義」はあるが、半グレというのは、半分愚連隊という意味であり、仁義もわきまえい利権集団のことである。ともに二階幹事長が後ろ盾だから、Go To トラベル政策を推進している日本観光協会会長の二階幹事長には遠慮する。

菅首相は「東京オリンピック」という「国体護持」のために、「新型コロナワクチン」という「神風」に頼り、「東京オリンピック強行開催」という「本土決戦」に備えているようだ。また、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は、11月15日から来日した際に、しきりに「日本の決断を尊重する」と繰り返していた。深読みすれば、恐らく、日本側に対して、「東京オリンピック中止」の打診をしていたろだろうが、日本側がこの打診を受け入れなかったため、後は日本側が全責任を取れ、という意味だろう。「大会中止」の発表を延期すればするほど、「原爆(コロナ感染の拡大、経済社会の悪化、大不況から恐慌への暗転)」が投下される可能性が高くなる。

しかも、コロナ禍で苦しんでいる国民として、血税をさらに吸い取られるのを許容するだろうか。安倍首相がブエノスアイレスで明言した「Fukusima is under control」は真っ赤な嘘だった。無数のタンクに満載の汚染水は福島県沖合に垂れ流す予定だ。原子力緊急事態宣言も解除されておらず、被害に遭った福島第1原発の住民は今や、棄民になっている。ブエノスアイレス後も桜を見る会前夜祭などでウソをつきまくってきた安倍前政権であり、その政策の後継者と言いながら、安倍前首相の復活阻止に本格的に取り掛かっている冷酷な菅首相。菅首相の政治資金規正法疑惑も報道される(https://news.yahoo.co.jp/articles/b43b84c89d1ce9a049ac494a895252576dbd9aba)など、自民党はぐちゃぐちゃになってきている。国民の我慢も限度に来ているのではないか。



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