菅義偉政権、コロナ禍対策に失敗し遅くとも今秋までに崩壊も(非常事態宣言事案追記)

菅首相が年頭所感を発表し、「コロナ感染拡大阻止と経済回復の両立」に努めると述べた。しかし、「ウイズコロナ」は完全に失敗している。まずは、「ノーコロナ」を実現するために財政資金を徹底的に投入することが必要だ。さもなければ、「コロナ感染拡大と経済悪化」が両立してしまう。年頭所感とは逆のことが起こり、今秋までに菅内閣(政権)崩壊する可能性が極めて高い。

【追記】小池知事など一都三県(神奈川県、千葉県、埼玉県)の知事が本日15次ころ、政府=菅政権の西村康稔経済再生担当相を通して菅首相に「緊急事態宣言」の再発出を要請した。3時間に及ぶ協議時間を経て西村経済担当相と4都知事合同の記者会見で、取り敢えず、国庫による財政支援付きの飲食店の営業自粛強化(時短のさらなる短縮)やテレワークの推進強化、住民の夜1820時以降の不要不急の外出を控えることを要請することで一致した。さらに、強制力を伴う改正インフル特措法の早期再改正による「緊急事態宣言」の再発出を視野に入れることで合意したと発表した。(追記:改正は行うだろうが、実際に緊急事態宣言を発出するかは不明)

しかし、感染拡大者(スプレッダー)を発見し、保護・隔離・治療するための無症状・軽症状染者を発見・保護・適切な医療施設での治療を行うための肝心のPCR検査体制の抜本的拡充については述べられなかった。従来の「コロナ禍対策」と称するものに、罰則が加わるだけのものになる可能性が濃厚である。なお、11日で期限が切れるGo To トラベルを含むGo To キャンペーンの再開については記者会見では言及がなかったし、質問も出なかった。

01月02日コロナ感染状況
本日2021年01月02日土曜日の新型コロナ感染状況は、東京都では新規感染確認者は1週間前の12月26日土曜日の949人に次いで過去2番目の814人、重症者は6人増えて94人になり緊急事態宣言語では過去最多になった(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210102/k10012794291000.html、https://www.fnn.jp/articles/-/61484)。東京都が加工した7日移動平均では陽性率は10%前後だが、年末年始でPCR検査人数が少なくなっていることが影響していると見られる。勝負の年末年始も敗北に終わりそうだ。
東京都のモニタリング(https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/)では、7日移動平均での感染者数は846.1人、PCR検査人数は6875.7人だから、瞬間陽性率は12.30%。東京都独自の計算方式でも10.2%。感染者のうち感染経路不明率は66.94%だった。ステージ3/4の陽性率は10%だが、世界保健機構(WHO)では各国に対して5%以下に抑えることを要請している。陽性率の10%超えと感染経路不明率が上昇する一方であることは、小池百合子都知事率いる東京都に打つ手はなくなったことを意味する。このため、罰則付きの改正インフル特措法の改正を政府=菅政権に要求することになった。
全国では、午後23時59分時点で新規感染者数は3059人、死亡者は31人、重症者は前日比5人減の711人が確認されている。重症者が回復に向かわれたのか、それとも亡くなられたのかは不明だ。
【参考】東洋経済ONLINEhttps://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/)では、1月1日時点の簡易計算による実効再生産数は全国が前日比0.07人減の1.11人、東京都は前日比0.05人減の1.19人となっている。

東京都のコロナ感染者数の推移

東京都のコロナ感染者数の推移

まずは、新型コロナウイルスの活発な活動期である冬入りにもかかわらずGo To トラベルを強行し、全国に新型コロナウイルスを拡散してきた中、英国および南アフリカでスペイン型から変異し、感染力のきわめて強い新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が日本の市中に広まる可能性も濃厚になってきた。さて、菅政権は隠していたが、Go To トラベルが全国にコロナを拡散したことは、国立感染研究所のデータをもとに因果関係を指摘した次のヤフー・ニュースに詳しい(https://news.yahoo.co.jp/articles/3633017b674b32452a3436a28e907d5ecf570f68)。政府=菅政権に批判的な日刊ゲンダイの配信記事だが、主要部分を引用させて頂きたい。

医師で参院議員(国民民主党)の足立信也氏がこう解説する。

「全てのリポートを読むと、第3波がどんなウイルスによるものなのかを推測できます。日本国内では中国・武漢由来のウイルスの流行がひとまず終息した後、欧州型のウイルスが流入。3月から5月にかけて第1波が発生しました。収束の兆しが見えたものの、6月に経済活動が再開され、無症状者に感染する中で変異したウイルスが東京都や首都圏を中心に広がりました。夏の第2波の要因となったのは欧州型が変異したもので、いわば『東京型』だった。第2波が収まらないうちに『東京型』が拡散し、第3波へとつながっているのです」

国会の閉会を待って公表か

第2波を生んだ「東京型」が現在も流行中との指摘の根拠は、リポートに掲載された「ハプロタイプ・ネットワーク図」。簡単に言えば、ゲノム情報の変異に基づいて描かれたウイルスの“親子関係”を表す相関図のようなものだ。円形や楕円のクラスターが赤やオレンジに着色されている。

2回目のリポートの「ハプロタイプ・ネットワーク図」では、〈欧州系統の全国同時多発〉由来の〈国内クラスター群〉(第1波)がオレンジで描かれ、それとは別に〈6月中旬より“突然顕在化”したクラスター〉群(第2波)が赤で描かれている。そして3回目の報告書の図では、7月から10月末までに国内で検出されたウイルスによるクラスターは赤色で表記。つまり、「東京型」に由来するクラスターだと分析されているのだ。

この指摘は、遺伝子工学に詳しい東大先端研の児玉龍彦東大名誉教授の見解とも符合する。中国湖北省武漢市で発生した武漢型ウイルスは、太平洋に面した東アジア諸国の国民は交差免疫(重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)による感染症では注目されたことのなかった、コロナウイルスの仲間(属)を広く認識する『交叉反応性メモリーT細胞』)が確保されていたため、これは乗り切ることが出来た。

しかし、武漢型ウイルスは中東を経て欧州に到達、取り敢えずミラノ型に変異して欧州に広まった。この欧州ミラノ型が日本国内に上陸して、昨年の春に第1波を引き起こした。しかし、時の政府=安倍晋三政権は東京オリンピックの開催強行を目指し、検査利権を獲得するためPCR検査の技術革新にもかかわらず、同検査を徹底的に抑制した。しかし、6月に経済活動が再開され、無症状者に感染する中で変異したウイルスが東京都や埼玉県など首都圏を中心に広がり、第2波となった。

新型コロナの変異過程

新型コロナの変異過程

日本が第2波に見舞われているうちに、欧州ではスペインで変異したスペイン型が出現、夏のバカンスをきっかけに欧米に広がって、冬入りとともに欧米での第2波が始まった。スペイン型は武漢型よりも強い感染力、重症化をもたらす力を持っているようだ。

スペイン型コロナウイルス

スペイン型コロナウイルス

このスペイン型が日本にも上陸し、第2波が収まらない中、冬入とともに現在の第3波を形成している。コロナ型ウイルスはRNA型であるため、自己の複製に失敗し、変異してしまうという特性がある。しかも、変異する場合は感染力と重症化力を増しているようだ。上に引用させて頂いた日本型とスペイン型が日本の冬入とともに再活性化し、今日の日本の「第三波襲来」という形で表れている。



感染症の対策の原則、基本は「検査と隔離」であるが、東京オリンピックの強行開催と検査利権の確保のために、技術革新が進んでいるPCR検査を徹底的に抑制してきた。日本でのコロナ感染状況を隠蔽するためである。こうした中で、スペイン型よりも強力な英国型、南アフリカ型に変異したコロナウイルスが出現して猛威をふるい始めた。下図は、英国と英国型が上陸したデンマークの状況である(https://www.youtube.com/watch?v=k3G8c-D97a4&t=516s

英国の感染者数推移

英国の感染者数推移

英国型ウイルスによるデンマークの感染者数推移

英国型ウイルスによるデンマークの感染者数推移

また、本日2日NHKの報道「アメリカ 新型コロナ感染者が2000万人超 死者は3日間で1万人超」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210102/k10012793521000.html)によると、米国では状況がきわめて深刻になっている。下記に引用させていただくが、米国は英国との往来を遮断することには消極的であるため今後、英国型が市中拡大する可能性が濃厚である。いや、この状況なら既に英国型が市中感染しているかもしれない。

こうした状況下で、菅首相は次のような念頭書簡を述べている。

菅義偉首相(官邸サイトより)

菅義偉首相(官邸サイトより)

新型コロナウイルスの感染拡大が続き、経済状況も依然厳しい中、まずはこれ以上の感染拡大を食い止めるべく、政府として全力を尽くしてまいります。この年末年始にかけても、医療、保健所、介護の現場で昼夜を問わず、ウイルスとの闘いに御尽力いただいている全ての皆様に、改めて心より感謝を申し上げます。

菅内閣は、国民の皆様の命と暮らしを守り抜くことを固くお誓いし、感染拡大防止と経済回復に、引き続き総力を挙げて取り組んでまいります。皆様と共に、この未曾有の国難を乗り越え、ポストコロナの新しい社会をつくり上げてまいります。我が国の新たな成長の源泉となるのは、「グリーン」と「デジタル」です。イノベーションを目指す大胆な投資を率先して支援し、全ての政策資源を集中し、あらゆる改革を断行することで、経済社会を大きく変革し、次なる時代をリードしていきます。(中略)

そして、今年の夏、世界の団結の象徴となる東京オリンピック・パラリンピック競技大会を開催いたします。安全・安心な大会を実現すべく、しっかりと準備を進めてまいります。

相変わらず、「コロナ感染拡大防止と経済活動の両立」だ。最重要のPCR検査の大規模実施には触れていないし、2020年度第3次補正予算案、2021年度一般会計予算でもコロナ対策費は極めて不十分であり、感染症対策の基本原則を守る意思はない。まずは、失敗して一時中止の状態になっているGo To トラベルを再開するのかどうか。再開すれば、感染拡大はさらにひどくなる。なお、菅首相自身や自民党二階俊博幹事長ら政権幹部が国民に対して行った自粛要請を守らなかったため、国民には危機意識がなくなり、明治神宮などで行われた初詣は参拝する国民が多かったようだ。これは、14日〜20日程度に感染急拡大になって表れる。

また、18日召集予定の冒頭では、改正新型インフル措置法を強制力を持ったものに改正することにしている。強制力を持たせるためには、国民の生活と企業の営業活動を続けるに十分な財政による補償措置が必要であるが、利権政治しか念頭にない政府=菅政権のことだから、「雀の涙」程度だろう。また、強制力をちらつかせることで、国民に圧力をかける狙いもあるとの見方もある。十分な補償なく「強制力」を持たせれば、国民の不満は爆発する。最近の菅内閣の支持率の激落はそのことを物語っている。政府の御用新聞である日経では支持率が逆転、読売でも支持率が激落だが、コロナ対策も62%が支持していない。毎日は35ポイントも激落した。

菅内閣の支持率

菅内閣の支持率

加えて、オリンピックに参加しないと言明するカンボジアラオスなどの国も公然と現れ始めた。国民の間でも今夏の東京オリンピック開催に反対する声が急増している(https://www.youtube.com/watch?v=_YEt3psbgb8&t=470s)。政府よりのNHKでさえ、オリンピック開催に対する懸念の報道「東京五輪・パラ 7か月後の開催へ難しいかじ取り 感染拡大続く」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210101/k10012792211000.html)を流している。オリンピック開催の可否を決めるタイムリミットは聖火ランナーによるランニングが始まる今年3月24日である。なお、菅首相は昨年12月ごろから「人類がコロナウイルスに打ち勝った証し」という安倍晋三前首相の文言を使うことを止め、「世界の団結の象徴」との表現も用いるようになり、年頭所感でも「コロナに打ち勝った証し」との言い回しを使わなかった。開催強行を諦めかけている言い回しではある。

コロナ感染拡大阻止の失敗、東京オリンピックの強行開催に失敗すれば、政府=菅政権は甚大な打撃を被る。このほか、安倍前首相時代の桜を見る会事案や自民党衆議員議員だった元農林水産大臣の吉川貴盛氏(菅首相・自民党二階俊博幹事長に近いとも言われる)の鶏卵生産販売最大手「アキタフーズ」(広島県福山市)との贈収賄問題などもある。こうした中で、自民党内での争いが浮上してくる可能性も濃厚だ。

連立与党の公明党に対しては、創価学会婦人部が抵抗している。大阪都構想が住民投票で反対された最大の要因だ。自民党幹事長代行の野田聖子衆院議員の名前も浮上してきた。4月25日に衆院北海道2区、参院長野選挙区で補選が行われ、菅首相が解散・総選挙を打ち出してくる可能性があるが、コロナ禍対策、オリンピック/パラリンピック強行開催に失敗すると勝算は低いから、10月の任期満了解散に追い込まれる。

夏には東京都議選、8月30日にはカジノ誘致が焦点になる菅首相出身の横浜市の市長選がある。反対派が勢いづいており、自公推薦候補が敗退すれば、ダメージはさらに大きくなる。コロナ禍、オリンピック/パラリンピック問題で、菅首相の解散権(日本国憲法第7条3項に基づくものだが、本来は第69条で定めた内閣不信任案が否決された場合に限って行うもの)は封じ込められている。野党は立憲民主党の枝野幸男代表ー福山哲郎幹事長ー安住淳国対委員長の執行部がだらしがない。安倍前首相の国会喚問は、衆参予算委員会での証人喚問を要求し、譲るべきではなかった。立憲は政権を支持する連合の主流派と決別する必要がある。