高齢者を中心にコロナ用のワクチンの接種が12日から開始されるーこれからの課題

これまでは医療従事者に「第3相」の治験も兼ねてコロナ用のワクチンが接種されてきたが、4月12日から高齢者を対象に日本国民に対してワクチンの接種が開始される。基本的には国民本人の意思が接種を受ける条件になるが、「努力義務」が課せられるのも確かだ。改めて、現時点でのワクチン接種の情報を投稿させていただきたい。

4月6日コロナ感染状況
複数のメディアによると本日4月6日火曜日の新型コロナ感染状況は、東京都では新規感染確認者は1週間前の3月30日火曜日の364人から35人増加して399人になった。死亡者は6人。東京都基準の重症者は前日から2人減って44人になった。7日移動平均では396.9人になり前週火曜日比109.8%になった模様。実数では6日連続前週の同じ曜日を上回っているが、7日移動平均は3月11日以降、前週を上回っている。20歳台未満が141人を占めた。
全国では午後23時59の時点で2656人が新規感染、28人の死亡が確認されている。重症者は前日比6人増の451人。大阪府が今月3日の666人を超えて過去最多の719人となり、東京都の感染者数を8日連続で上回った。大阪府の死亡者は2人。菅義偉首相は第4波の襲来を否定しているが、大阪府では明らかに第4波が始まっている。
【参考】東洋経済ONLINE(https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/)では、4月5日時点の実効再生産数は全国が前日比0.02人減の1.25人、東京都は同じく4月5日時点で前日と比1.07人だった。このところ減少しているが、傾向的なものかどうか見極める必要がある。

普通、ワクチン=病原体から作られた無毒化あるいは弱毒化された抗原を投与することで、体内の病原体に対する抗体産生を促し、感染症に対する免疫を獲得する=の開発には5年から10年はかかる(https://nishijima-clinic.or.jp/blog/2020/09/14/%E3%83%AF%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%B3%E3%81%AE%E9%96%8B%E7%99%BA%E3%81%AF%E3%81%A8%E3%81%A6%E3%82%82%E5%A4%A7%E5%A4%89%E3%81%A0%E3%81%97%E6%99%82%E9%96%93%E3%82%82%E3%81%8B%E3%81%8B%E3%82%8B/)。国立感染研究所によると、同じコロナ型のウイルスによって引き起こされる肺炎症状の重症急性呼吸器症候群(SARS)が2003年、中国南部の広東省を起源として、世界的規模の集団発生が起こった(https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/414-sars-intro.html)。

中国南部の広東省を起源とした重症な非定型性肺炎の世界的規模の集団発生が、2003年に重症急性呼吸器症候群(SARS: severe acute respiratory syndrome)の呼称で報告され、これが新型のコロナウイルス(SARS-CoV)が原因であることが突き止められた。わが国においては、同年4月に新感染症に、ウイルス が特定された6月に指定感染症に指定され、2003年11月5日より感染症法の改正に伴い、第一類感染症としての報告が義務づけられるようになった。前回 の集団発生は2002年11月16日の中国の症例に始まり、台湾の症例を最後に、2003年7月5日にWHOによって終息宣言が出されたが、32の地域と 国にわたり8,000人を超える症例が報告された。(中略)

2003年12月31日時点のデータによれば、報告症例数は、2002年11 月〜2003年8月に中国を中心に8,096人で、うち774人が死亡している。1,707人(21%)の医療従事者の感染が示すように、医療施設、介護 施設などヒト−ヒトの接触が密な場合に、集団発生の可能性が高いことが確認されている(表)。起因病原体特定のためのWHOを中心とした各国の協力と、古典的「隔離と検疫」対策を用いて収束がはかられ、2003年4月16日の新型のSARSコロナウイルス(SARS-CoV)特定に続き、7月5日終息宣言が出された。

2003年12月31日時点では致死率は9.55と非常に高いものであり、世界32の国と地域に感染が広まったことから、ワクチン開発の努力もなされたが、感染症の基本対策である「検査と隔離」で収束が図られたため、ワクチンは開発されなかった。Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%AB%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B6)によると、2009年には豚経由と見られたA型のH1N1亜型に属するウイルスが原因で新型インフルエンザが発生、ヒトからヒトに感染し流行した。2009年7月時点で、毒性は季節性インフルエンザより強くアジア風邪並みと考えられており、基礎疾患がない10代の死亡例も多くあり警戒されていた。ただし、現在の日本では季節性インフルエンザとほぼ同等の扱いとしている。

日本でも2012年に新型インフルエンザ等対策特別措置法が制定された。今回のSARS-CoV-2によって引き起こされる新型コロナ感染症に対する法律は、このインフル特措法を改正したものだ。一応、日本でも新型インフルエンザ用のワクチンが開発・承認されたようである(https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/pdf/19a.pdf)が、タミフルやリレンザなどの抗ウイルス治療薬が効くので、あまり使用されていないようである(季節性インフルエンザのワクチンが使われることもある)。

これに対して、1970年代以降、中央アフリカ諸国(コンゴ民主共和国、スーダン、コンゴ共和国、ウガンダ、ガボン等)で、しばしば流行が確認されており、西アフリカでも流行した「エボラウイルス」で発症するエボラ出血熱のワクチンは開発されていない(https://www.niid.go.jp/niid/ja/niid/ja/iasr-sp/2308-related-articles/related-articles-424/5721-dj4247.html)。エボラ出血熱とは「発熱、倦怠感、食欲低下、頭痛など。その後、嘔吐、下痢、腹痛などの消化器症状が発生し、 重症例では神経症状、出血症状、血圧低下などが見られ死亡する。致死率はウイルスによって異なるが、高いものだと80-90%と報告されている。後遺症として関節痛、視力障害、聴力障害などが見られることがある」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708.html)。

現在までのところ、エボラウイルスに対する効果的なワクチンおよびエボラウイルス病に対する有効な治療薬は確立しておらず、治療は対症療法のみに限られている。下痢で脱水症状を起こしている患者への点滴、併発感染症を避けるための抗菌薬や播種性血管内凝固症候群(DIC)に対する抗凝固薬等、また、鎮痛剤や栄養治療食、ビタミン剤の投与などにより、少しでも長く小康状態を保ち、患者自身の免疫力による回復を待つ対症療法が治療の基本である。エボラウイルスに対する抗体が検出されるようになると急速に回復に向かい、感染したウイルスに対して免疫が誘導されるが、その免疫が終生続くかどうかはまだ不明である。

一般的に、ワクチンには「抗体依存性感染増強(ADE)」という副作用がある(https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/20/03/30/06749/)。蚊が運ぶデングウイルスがひきおこすデング熱のワクチンは、フランスの製薬大手サノフィによって開発され、フィリピン政府が接種を大規模に進めたが、2017年にADEの副作用が起きたため中止した。日本でも子宮頸がんワクチンの接種が政府から声高に叫ばれたが、副作用(アナフィラキシー=重いアレルギー副作用=、ギランバレー症候群=手足の神経障害=、急性散在性脳髄膜炎=頭痛、意識低下、脳神経の疾患==、http://www.otsuki-ladiesclinic.jp/con_keigan.html)が出たため、下火になった。

本来、ウイルスなどから体を守るはずの抗体が、免疫細胞などへのウイルスの感染を促進。その後、ウイルスに感染した免疫細胞が暴走し、あろうことか症状を悪化させてしまうという現象だ。ADEの詳細なメカニズムについては明らかになっていないことも多い。

ただこれまでに、複数のウイルス感染症でADEに関連する報告が上がっている。例えば、コロナウイルスが原因となる重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)に対するワクチンの研究では、フェレットなどの哺乳類動物にワクチンを投与した後、ウイルスに感染させると症状が重症化したとの報告があり、ADEが原因と考えられている。

今回、米国のモデルナ社やファイザー社がドイツのベンチャー企業のビオンテックと共同開発した新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)用のmRNA型ワクチンではADEが起きたという事例は寡聞にして情報がない。一方で、英国のアストラゼネカ社が開発したウイルス・ベクター=人体に無害な改変ウイルスを「運び屋」(ベクター)として使用し、新型コロナウイルスの遺伝子をヒトの細胞へと運ぶ。ベクターを介して細胞の中に入った遺伝子から、抗原となる新型コロナウイルスのタンパク質がつくられ、免疫が構築される仕組み=製のワクチンについては欧州諸国で「血栓」が生じ、死亡するという例が相次いだ。このため、ドイツや北欧では。欧州連盟の医薬品監視当局が「因果関係はないが継続中」との公式発表を出したものの、60歳以下の国民に対しては接種を控えている。

ヒトに筋肉注射でメッセンジャーRNAを送り込んで新型コロナウイルスを作らせて抗原(病原性のウイルスや細菌、花粉、卵、小麦などの生体に免疫応答を引き起こす物質、要するにヒトの細胞を攻撃する悪性物質)を作らせ、同時に抗原に対して免疫作用を引き起こす抗体を産生させるmRNA型の新型ワクチンについては、専門家の評価は高い。ただし、政治・経済・国際情勢に詳しい植草一秀氏の論理(メールマガジン第2888号「コロナ大失政菅内閣にさよなら」)も傾聴に値する。

(mRNA型の新型ワクチンは、毒性がないかまたは弱毒化された)抗原を接種するのではなく、精製したウィルスの遺伝子を直接接種して、人の体内で抗原と抗体の両方を作らせる方法。体内で合成された抗原が人体に悪影響を及ぼす恐れ(も否定できない)。体内に直接、異質の遺伝子を打つことのリスク(もある)。これまでDNA・RNAワクチンは承認されてこなかった。初めての種類のワクチンである。人間の遺伝子組み換えにもつながる側面を有している。その安全性は未知の領域。接種直後だけでなく、数年後の影響をも考慮することが求められる。

新型コロナ用のワクチン接種を推奨しているような報道を行っている各種メディアでも、ワクチン接種で問題が生じたことや、ワクチン接種に対する国民の不安を伝える報道もある。NHKのWebサイトは本日6日午前5時30分、「(ファイザー社製の)ワクチン 1回目接種後に感染確認」と題する報道記事を公開した。

新型コロナウイルスのワクチンの接種を受けた医療従事者の1人で、1回目の接種後に感染が確認され、厚生労働省の研究班は「すぐには免疫がつかないので、接種後も感染対策を続けてほしい」と呼びかけています。厚生労働省の研究班によりますと、ことし2月下旬にファイザーのワクチンの接種を受けた20代の女性が、新型コロナウイルスに感染したと、医療機関から報告がありました。(後略)

また、朝日デジタルは6日午前7時、「ワクチン接種、待つ人迷う人 悩む医師『自分で判断を』」と題する報道記事を公開した(https://digital.asahi.com/articles/ASP456GZ2P3YUTIL02M.html?iref=comtop_7_03)。一部を抜粋させていただきたい。

東京都内のある高齢者介護施設。早期接種の対象となる利用者やスタッフは数百人にのぼる。医師でもある幹部のもとにはスタッフから「受けた方がいいか」と相談が寄せられるが、幹部は「中長期的に体にどう影響するかなど未知の部分も多く、責任をもって意見を言えない」と悩んでいる。メリットやリスクを説明したうえで「自分で判断を」と言うにとどめた。

都内の30代の女性看護師は、3月下旬に勤務先の病院でワクチンを受けた。副反応はなく、順調にいけば4月中に2度目の接種を受ける。心配するのは、ワクチン接種によって世間に「楽観ムード」が広がることだという。感染者の受け入れ病棟で働いており、多い日は1日8時間ほど防護服やゴーグルを着ける。年末年始も休めなかった。「ワクチンが完璧とは限らないのに、接種が進めば感染予防の意識が薄れるのではないか。医療現場はぎりぎりの状況で『ワクチンがあるから安心』とは思えない」と語る。(以下、略)

日本全国の基礎地方自治体で4月5日から予約を受付、12日から初めて接種する東京都八王子市のサイト(https://www.city.hachioji.tokyo.jp/kurashi/hoken/007/013/p028448.html)では次のように伝えている。

東京都八王子市役所

東京都八王子市役所

ファイザー社製のワクチンは、新型コロナウイルス感染症の発症を予防する効果があります。(発症予防効果は約95%と報告されています。)
※予防接種によって、感染を100パーセント予防できるものではありません。引き続き、感染予防対策(こまめな手洗い、マスクの着用、健康的な食事、十分な休養、3密の回避など)を行っていただくことが大切です。

「発症を抑える効果はある」が接種によってヒトの体内で産生した抗体の免疫力で、新型コロナウイルスの抗原を免疫反応によって「撃滅する」効果までは記述していない。新型コロナウイルスを保有する「無症状感染者」になる可能性は否定されていないのではないか。サイト管理者(筆者)が入手した八王子市役所の「副反応について」は次のように帰されている。

【追記】ノーベル生理学・医学賞賞受賞者で京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥所長(教授、医学博士)は、「発症だけでなく、感染そのものも70~80%程度以上予防するという結果がイスラエル、イギリス、アメリカから相次いで報告されています」と述べているhttps://www.covid19-yamanaka.com/cont5/37.html)。

主な副反応は、(筋肉)注射した部分の痛み、頭痛、間接や筋肉の痛み、疲労、寒気、発熱等があります。また、まれに起こる重大な副反応として、ショックやアナフィラキシー(注:極端なアレルギー反応)があります。なお、本ワクチンは、新しいワクチンのため、これまでに明らかになっていない症状が出る可能性があります。接種後に気になる症状を認めた場合は、接種医あるいはかかりつけ医に相談しましょう。

 

接種は2回しなければならず、2回目の場合が上記の副作用が強く出るようだ。米国では接種休暇は当たり前になっている。なお、八王子市役所では、接種可能かどうかはかかりつけ医の指示を仰ぐようにとの指示もある。NHKはWebサイトで4月4日「ワクチン接種 進んでいない国 感染者急増に歯止めかからず」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210404/k10012956011000.html?utm_int=nsearch_contents_search-items_006)との報道を行った。

新型コロナウイルスの世界的な感染状況をみますと、アメリカをはじめ、ワクチン接種が進む一部の国ではかつての日常を取り戻そうという動きが加速しています。一方、ブラジルなどワクチン接種があまり進んでいない国では感染者の急増に歯止めがかからず、厳しい状況です。

ただし、最近では新規感染者数が下げ止まっている様子で、再拡大(リバウンド)の兆しもうかがえる図だ。英国を除く欧州(接種率14%)では接種が遅れている。米国ファイザー社と共同開発したビオンテックが所在するドイツ(接種率11%)では、新しいロックダウン措置が必要になっている情勢だが、3月14日に2つの州議会選挙が行われ、メルケル党首(首相)率いる与党のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)は大敗した。9月の総選挙で政権交代が起きるとの見通しも出ている。フランスでは4月2日に3度目のロックダウンが行われた(https://www.bbc.com/japanese/56629209)。

朝日デジタルは6日午前9時00分に「変異株が猛威、ロックダウンでは足りず 欧州で入国規制」と題する記事(https://digital.asahi.com/articles/ASP453VZQP3YUHBI01N.html?iref=comtop_7_03)を公開したが、「ワクチンだけが頼みの綱」としている。ワクチンが効かない変異株もあるため、ワクチンが有効かどうか定かではない。

こうした事情から、新規感染者急増・ロックダウン発令(発出)の原因が、接種の遅れにあるのかそれとも新型ワクチンの効かない変異株の流行によるものかは判然としない。また、NHKの報道でも、「かつての日常を取り戻そうという動きが加速」していると伝えているだけで、「新型ワクチンの接種で新規感染者数が激減した」といった書き方はしていない。

政府=菅義偉政権、特に厚生労働省は接種後の状況を詳細に公開し、マスコミは正確かつ分かりやすく報道すべきだ。日本ではワクチン接種状況は発展途上国並みに遅れていることもあり、複数のマスコミ報道によると、河野太郎ワクチン担当相は6日、6月末までに65歳以上の高齢希望者全員に摂取できるだけの量は確保すると語ったが、「ワクチン一本足打法」も出来ない状態になっていることに変わりはない。従来のコロナ禍対策の抜本的転換(検査と隔離・保護が大原則)は不可欠だ。また、ワクチン接種希望者は必ずかかりつけ医師と相談する必要があり、政府=菅政権(厚労省)も接種事故が発生した場合は。速やかに救済措置(補償)を行う体制を確立すべきだ。


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