真正野党は共闘して内閣不信任案を提出、都議選でコロナ対策、オリ/パラ開催争点に(第5波、二階氏失脚追記)

菅義偉首相と野党党首の初の党首討論が開かれたが、野党側がコロナ禍対策の過ちや東京オリンピック/パラリンピック開催基準、オリ/パラ強行開催によるコロナ感染リバウンドへの懸念を質したにもかかわらず、首相は論点をずらし、まともに答えなかった。予想されていたことだが、菅首相をはじめとした政府=菅政権の不誠実さは日本のこれからを危うくする。真正野党は共闘して内閣不信任案を提出するとともに、総選挙の指標になる7月4日投開票の都議選では、➀政府・東京都のコロナ禍対策の誤り②東京オリンピック/パラリンピック強行開催の是非ーを大きな争点にして、議席の大幅上積みを図るべきだ。

2021年6月10日コロナ感染状況

2021年6月10日コロナ感染状況
複数のメディアによると6月10日木曜日の東京都の新型コロナウイルスの感染者数は前週木曜日比63人減の436人、死亡者は6人、東京都基準の重症患者は55人になった。7日移動平均では今年4月6日以来400人を下回る391.7人になり、前週比82.4%になった。東京都が参考として発表した9日の検査件数は6256件で、9日までの3日間の平均は8366.3件。
全国では午後23時59分の段階で、新規感染者数2046人、死亡者数71人、重症者数1015人が確認されている。大阪府は148人が新規感染、17人が死亡された。北海道は新規感染者数、死亡者数それぞれ182人、11人。

1日の感染者の7日移動平均は400人を下回った。ただし、前週比はこのところ下げ止まり傾向が見られ、この水準が来週木曜日も続くとすれば来週木曜日の7日移動平均は391.7×82.4%=322.8人。ステージⅢの基準ライン前後になる見通し。ただし、昨日9日の段階でインドで発見された二重変異株(デルタ株)の10人の集団感染が学校と家庭で発見され、合計で43人になっているという(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210609/k10013076751000.html)。デルタ株の感染力は従来株の1.78倍だという(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210610/k10013077751000.html)。なお、10日は7人のデルタ株新規感染者が確認され、うち2組の家庭(3人と2人)では海外渡航歴のない父親、夫が感染し、その後、家庭内で感染が拡大したという。これで、東京都内のデルタ株感染者は50人に上った。

また、厚生労働省のアドバイザリー・ボード(座長・脇田隆字国立感染研究所長)によると、東京などではすでに人出が増加していて、この傾向が続けば感染の再拡大の可能性があると指摘している(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210609/k10013077071000.html)。東京オリンピック/パラリンピックが有観客で開催され、海外諸国からの東京オリンピック/パラリンピック関係者の来日も考慮すれば、人流が拡大してくればデルタ株による市中感染の拡大という形で変異株要因によるコロナ感染の第5波が襲来する可能性を見据えて置かなければならない。NPO法人・医療ガバナンス研究所の上昌広理事長・医師は早くから次のように指摘していた(https://toyokeizai.net/articles/-/420127?page=3)。

今後、南半球は秋から冬へ向かい、本格的な感染拡大の時期へと突入する。変異株への対応を間違えれば、悲惨なことになりかねない。その典型例がブラジルだ。夏場の感染が収束せず、そのまま拡大している(下図)。これは日本にとってひとごとではない。今夏、東京五輪で感染が拡大し、そのまま秋から冬を迎えれば、冬場に到来する第5波の感染者数は昨年レベルでは終わらないだろう。

東京都のコロナ感染者数の推移
東京都のコロナ感染者数の推移

国家基本政策委員会合同審査会党首討論会での菅首相問題答弁

菅首相と立憲民主党の枝野幸男代表、日本共産党常任幹部会の志位和夫委員長の質問・答弁とその問題点をまとめてみた。

立憲・共産野党党首の質問内容 菅首相の答弁 問題点
オーストラリアやニュージーランド、台湾では徹底したPCR検査、水際対策を行って、コロナ感染の封じ込めに成功している(立憲枝野代表)。 都市封鎖(ロックダウン)といった私権を強く制限することで、PCR検査を行っている。そこまでの強力な私権制限はできない。 日本国憲法では第29条で財産権の制限を行う場合は正当な補償が必要だとしている。2020年度は総額73兆円の巨額の補正予算が編成されたが、国民の生活・医療支援のための財政支出は極めて不十分で、医療体制・国民の生活困窮・企業の存続はなお脅かされている。欧米では当たり前の正当な生活・医療供給補償をしなかったから、PCR検査もできなかった、むしろ逆に、政府=菅政権は、厚生労働相の医系技官による「感染症利権ムラ」と共謀して、PCR検査の徹底的抑制という致命的なミスを犯した。
大規模なPCR検査と十分な補償、安全・有効なワクチン接種によるゼロ・コロナ対策が正しいコロナ禍対策だ(立憲枝野代表) 新型ワクチン接種が唯一のコロナ対策だ。 ワクチン接種が菅首相の予想(掛け声)通りに進むか不明で、集団免疫の獲得が可能になるとしても、早くて年内いっぱいはかかる。また、新型ワクチンには最近、ヒトの自然免疫力を弱体化ないし破壊するという重大な副作用が指摘され始めている。
今通常国会でコロナ禍対策のための30兆円規模の補正予算を早急に成立させるべきであり、そのためにも国会の延長は必要不可欠だ(立憲枝野代表)。 2020年度の補正予算や予備費の残りがある。通常国会延長については国会で決めていただく。 コロナ禍対応補正予算として、日本の国民や企業、医療機関には財政支援が全く届いていない。使途を変更して、新たなコロナ禍対策補正予算として組み直す必要がある。そのためにも、国会の延長は不可欠だ。菅首相は自民党の総裁であり、同党の最高責任者として二階俊博幹事長に延長に応じる判断を指示することは可能。
3月の緊急事態宣言の解除は早すぎたのではないか。同じ過ちを繰り返さないために、7日移動平均での新規感染者数(50人以下が望ましい)など、宣言解除の基準を明確にすべきだ(立憲枝野代表)。 緊急事態宣言解除基準に言及しなかった。答弁の中で1964年東京オリンピックの思い出話を持ち出し、時間をつぶして、党首階段に真摯に対応しなかった。 東京オリンピック/パラリンピック強行開催を考慮し、東京都医師会の尾崎治夫会長も東京都の感染者が7日移動平均で1日100人以下になることを求めている。6月9日の東京都の7日移動平均での新規感染者数はまだステージⅢの段階の401.6人。また、今後はインドで発見された二重変異株(デルタ株)の市中感染が懸念され、変異株要因から新規感染者数がリバウンド、第5波が発生する可能性がある。
菅首相の言う「国民の生命と健康を守る」の意味は、開催を契機として国内感染が広がる事態は招かないということも含むか(立憲枝野代表)。 直接ず答えず、「感染対策、水際対策を徹底して、安全・安心の大会にしたい」として、取り敢えず、オリ/パラのための外国からの入国者に対しては、位置確認にGPSを活用、「ID剥奪を含む厳しい対応をする」などと述べるにとどまった。 「安全・安心」という呪文は「信心も鰯(いわし)の頭から」と変わらず、情緒的な文言で、東京オリンピック/パラリンピックによる人流の拡大とデルタ株などで感染のリバウンドが起きることを恐れる国民に対する説得力が乏しい。また、位置確認にGPSを活用すると発言したが、誰がどのように管理し、ルール違反にどう対処するのか不明。「厳しい対処をする」と言っても「国外追放にする」などの具体的な処分を語らなければ無意味。
菅首相が、「国民の生命を危険に晒してまで、五輪を開催しなければならない理由は何か(日本共産党志位委員長) 直接答えす、「国民の生命と健康を守るの意味は、私の責務。守れなくなったらやらないのは当然」と意味不明な発言を行った。 志位委員長は訪日外国人8万人規模を含む人流拡大による密な状況が生じ、感染力と毒性の強いインドの二重変異株(デルタ株)の市中感染が拡大すること、その他の「五輪変異株」が出現し、「変異株の祭典」になり得ることを念頭に置いて発言した。また、「守れなくなったら」という時期が不明。いつ、そう判断するのか。菅首相の発言は、オリ/パラ強行開催で新規感染がリバウンドし始めた時には、世界中に多大な被害を及ぼすが、開催中でも中止するという決意を込めた発言とも受け止められても仕方がない。なお、オリンピックは開催するがパラリンピックは中止するという見方も出ているが、その場合はオリンピック大会児店で重大な事態が生じていることを意味する。
党首討論会での立憲民主党・枝野幸男代表
党首討論会での立憲民主党・枝野幸男代表
党首討論会での菅義偉首相
党首討論会での菅義偉首相

首相が野党党首の質問にまともに答えないのでは、党首討論をする意味はない。ただし、本党首討論会は国家基本政策委員会合同審査会で行われ、「野党」ということになっている国民民主党代表代行の大塚耕平・国家基本政策委員会合同審査会会長を議長に行われた。支持で恐縮だが、大塚氏にはかつてインタビューしたことがある。党首討論会の在り方にも問題がある。本来は各党首と菅首相の質疑応答にミニマム(30分)の時間を与え、それ以上については国会に占める衆参の議席数に応じて質疑・応答時間を配分すべきだ。

また、野党党首が前もって質問事項を官邸側に渡しているようだ。菅首相も忖度官僚作成のペーパーを見ながら、「答弁」を行っていた(https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=52455&media_type=)。これでは、党首討論会で菅首相の国政に掛ける迫力が伝わらい。首相たるもの本来なら、「国政」の目標・課題については持論があるはずだから、質問事項を官邸側に渡すことは止め、ぶつけ本番で党首討論会を行うべきだ。

また、質問事項を渡すと忖度官僚は逃げの答弁を作成する。これについては、議長の大塚耕平・国家基本政策委員会合同審査会会長(単なる司会では党首討論会が形骸化するだけだ)が議長としての権限(職権)で、菅首相に対して野党党首の質問に対して「正面から質問に答える」よう叱責すべきだ。

なお、菅首相のワクチン発言については「勇み足」との指摘もある。時事通信社が「『1日100万回』目標達成? 菅首相、ワクチン接種で勇み足か―新型コロナ」と題して報道した(https://www.jiji.com/jc/article?k=2021060901185&g=cov)。

菅義偉首相は9日の党首討論で、新型コロナウイルスのワクチン接種をめぐり、自ら目標に掲げる「1日100万回」を達成したと表明した。ただ、集計のシステム上、1日当たりの接種回数をリアルタイムで把握するのは難しく、首相発言は「勇み足」と言えそうだ。(中略)

実際、官邸HPで8日の接種回数を見ると、医療従事者と高齢者の合計は約64万回にとどまる。政府高官は「1日単位で正確な数字を把握するには時間がかかる」と釈明した。

加えて、新型ワクチンには未知の部分も多い。接種後一定期間の間に亡くなられた方、重症に陥られたにはワクチン接種との因果関係の挙証をせずに死亡見舞金・重症医療支援金などを支給するとともに、時間をかけての安全性を確認すべきだ。また、接種は強制ではないから、自らの意思で接種を拒否する国民を差別してはならない。これについては、新潟大学の岡田正彦名誉教授のサイト(https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/)をご覧いただきたい。そのことを、政府=菅政権は徹底すべきである。新型ワクチンのについては、次の投稿記事を参照されて下さい。

また、「政党助成金」については共産党の志位委員長が「支持しない政党にも血税がわたることになり憲法違反」と語っており、各政党の独裁体制の強化を助長し、政党内の自由・闊達な意見・論議を圧殺、政党の堕落をもたらすと批判している。本来は、少なくとも国民が自らの支持する政党に対し、政党助成金相当の金額を支給する仕組みを作る必要があるだろう。

日本共産党志位和夫委員長の記者会見
日本共産党志位和夫委員長の記者会見

さて、菅首相の今回の党首討論に対する姿勢をみると、会期末に「内閣不信任案」を出すべきだろう。公明党は東京都議会とのダブル選挙には反対だから、二階幹事長の「脅し」(本来、衆院議院は常在戦場だから、野党共闘体制は既に構築されていなければおかしい時期だ。枝野代表に最大の責任があるが、野党共闘体制を作れなければ、枝野おろしに踏み切らなければならないはずだ。なお、内閣支持率が低下する中、自公両党の議院も「木から落ちた猿」以下になることを恐れている)は効かない。

内閣不信任案提出演説で、学術会議会員任命拒否問題から始まった菅内閣の暴政(日本学術会議は運営ないし存続が危ぶまれていてる、Go To トラベル、空港検疫の「ざる体制」で変異株の流入を許し、第3派、4波のピークを大きくして多数の死亡者や医療崩壊をもたらしたこと、厚生労働省の医系技官が中心になっている「感染症利権ムラ」の重用などでPCR検査を徹底的に抑制し、コロナ禍対策を大失敗に陥らせたこと、菅首相の天領である総務省を使って、スマートフォン・サービス料金引き下げとNTTによるNTTドコモの完全子会社化をバーターさせ、IT業界での競争原理を破壊した大罪=NTTの分割民営化の意義を破壊した=など)を国民に対し、政府=菅政権が日本および日本国にとって害でしかないことを分かりやすく説明すべきだ。

なお、朝日新聞記者を務めたジャーナリストの佐藤章氏によると、菅首相が東京オリンピック/パラリンピックの強行開催にこだわるのは、河井克行・案里夫妻の広島県政界買収事件で、林真琴率いる検事総長が、河井陣営側に対して配られた血税の政党交付金1億2千万円を含む1億5千万円の使途をほぼ解明しており、責任者の安倍晋三前総理・総裁の逮捕に踏み切ることを視屋に入れているため、その邪魔をして安倍氏、麻生太郎副総理、甘利明税制調査会長の3Aの支持を得るためだ。

【重要追記:6月10日午後23時15分】佐藤氏によると結局、自民党の二階俊博幹事長は3Aと菅首相に敗れ、幹事長職を降りるようだ。(https://www.youtube.com/watch?v=yk1HP8Cn3z8。条件は、総選挙で和歌山3区に出馬したがっていた参院幹事長の世耕弘成参院幹事長(安倍氏と同じ清和会の細田派)が出馬を取り止め、二階氏の三男に出馬を譲ること。次期幹事長は麻生派だが安倍氏とも親しい甘利税制調査会長(自民半導体議連会長)が有力だ。甘利氏には、千葉県の建設会社「薩摩興業」が2013年に道路建設をめぐり甘利氏側に都市再生機構(UR)に対する口利きを依頼し、見返りに総額1200万円を現金や接待で甘利氏側が提供を受けたというUR疑惑=週刊文春が報道=がある。

菅首相は東京オリンピック/パラリンピック強行開催・大会終了後、3Aの力で9月の自民党総裁選挙で再選され、次いで解散・総選挙に打って出るようだ。二階氏と安倍氏の手打ちの象徴的な出来事が、二階氏が「自由で開かれたインド太平洋議連」の「会長職」に就き、議連の顧問に安倍氏が最高顧問に就任することになったことだ(https://digital.asahi.com/articles/DA3S14934415.html?iref=pc_ss_date_article)。

自民党の二階俊博幹事長が、自ら会長に就く「『自由で開かれたインド太平洋』推進議連」を発足させ、15日に設立総会を開くことになった。最高顧問には、安倍晋三前首相が就任する。政界で両氏の主導権争いがささやかれるなかでの接近は、党内外に「融和」をアピールするねらいもありそうだ。(中略)

二階氏による議連の発足は、7月の東京都議選や次期衆院選を控え、党内のざわめきを抑えて一致結束をアピールしたいとの思惑も透ける。「3A」が主導した半導体の議連でも、初会合後に林氏が会長代理に就くなど二階派幹部も役員に名を連ねた。ただ、火種はくすぶっている。「自由で開かれたインド太平洋」構想は、台頭する中国を念頭に置いたもの。親中派として知られる二階氏に対し、甘利氏は9日のTBSのCS番組の収録で「(構想は)中国とすれば一番痛いところを突かれる仕組みだ。二階氏が座って大丈夫か」と指摘し、公然と疑問を呈した。

この報道は、二階氏が3A+S(菅首相)連合軍に敗れたことを案に示す。サイト管理者(筆者)の観測では、甘利氏が嫌味を言っているように、米国のディープステート傘下のバイデン政権が対中包囲網を築いている中、「媚中派」としてディープステートから排除される運命にあった親中派・二階氏が「親中派」で居られなくなった末路と言えよう。このため、二階氏が3A+Sに対抗し、小池百合子都知事と組んで、東京オリンピック/パラリンピック中止に打って出る可能性はほぼなくなった。また、林真琴率いる検察庁と司法取引をすることもなくなったと見られる。

ただし、オリ/パラの強行開催がデルタ株の市中感染の拡大によってオリ/パラ大会中に第5波を形成する可能性が強まっている。このため、検察側も安倍氏の強制捜査・逮捕に踏み切る可能性は大幅に低くなった。デルタ株による第5波は極めて厳しくなりそうだ。8割おじさんで知られる理論疫学の西浦博京都大学教授は次のような予測を行っている(https://digital.asahi.com/articles/ASP696JT9P69ULBJ00T.html?iref=pc_photo_gallery_bottom)。

新型コロナウイルスの予防接種が7月に高齢者で完了しても、未接種者を中心に今春の大阪府と同様の感染拡大が東京都で起きれば医療が逼迫(ひっぱく)する――。そんな予測を京都大の西浦博教授が9日、厚生労働省の専門家組織の会合で示した。緊急事態宣言が21日に解除された場合、「遅くとも8月中に宣言相当の流行になることを避けられない可能性を十分に想定する必要がある」としている。(中略)

西浦博京大教授の感染予測
西浦博京大教授の感染予測

東京都など10都道府県に出されている緊急事態宣言は20日に期限を迎える。だが、東京都医学総合研究所の分析では、主要な繁華街で滞在する人が東京都では5月7日ごろから増え続けている。5月初旬に比べて夜で32%、昼で26%増えた。大阪府や愛知県などでも増加傾向にあり、田村憲久厚労相は「1、2月のように緊急事態宣言下にもかかわらず上がる状況は避けていかなければならない」と述べた。

インドなどで見つかった「L452R」の変異があるウイルスに感染した人は、PCRスクリーニング検査で6月7日までに112人。ゲノム解析による検査では、前週より34人増えて87人になった。厚労省は、より迅速に把握するために5月28日から民間検査機関に委託してPCR検査を始めた。全陽性者の4割への実施をめざしている。専門家組織の脇田隆字座長は9日夜の会見で、この株が国内でも「置き換わりが進む可能性は高い」と述べた。(以下略)

上図は重症者病床使用率だが、新規感染者数も再拡大(リバウンド)し、第5波が襲来することを示している。8月以降は秋場から冬場に入るから、医療ガバナンス研究所の上理事長・医師が警告するように、デルタ株など「東京五輪株」も予想される変異株要因に加え、冬場に大流行するというコロナ感染の季節要因から、第5波が極めて深刻な様相を呈することが強く懸念される。東京オリンピック/パラリンピック強行開催の熱狂で自民党総裁選と総選挙を乗り切ろうとする菅首相の「戦略」は単純過ぎて、破綻する可能性が濃厚だ。また、佐藤氏によると林真琴率いる検察も自民党内最高幹部の金権汚職疑惑(贈収賄疑惑)追及の手は緩めていないという。ただし、国民世論の後押しが必要だ。

なお、日本のコロナの感染の波のピークは下記の通りだ。季節的要因と変異株要因の組み合わせの結果だが、人流の流れが波の幅を左右している。これをみると、ほぼ4カ月ごとにピークが訪れている。次の第5波は自民党総裁選の日程に重なる9月半ばころだが、感染の再拡大(リバウンド)は、東京オリンピック/パラリンピック大会と時期を同じくする7月末から始まる可能性が高いと言える。デルタ株に予想されるオリ/パラ株も加わった変異株要因と季節要因が重なって、第5波が深刻なものになることが予想されており、国民の間でオリ/パラ教公開差反対が根強い理由は、まさにここにある。

  • 第1波 2020年4月10日
  • 第2波 2020年8月7日
  • 第3波 2021年1月8日
  • 第4波 2021年5月12日

小池都知事は新型コロナ感染症(Covid-19)の真の専門家や国民の強い懸念を理解できなかったし、理解しようともしなかったと思われる。そのため、東京オリンピック/パラリンピック中止宣言を行う機会を失い、加えて、後ろ盾の二階幹事長も当てにできなくなった。一部に総選挙立候補も取り沙汰されているが、既に菅首相の支配下にある。都知事止まりで政治生命を断たれる可能性が濃厚だ。自らが創設した都民ファーストも見捨てるほかないようだ。オリ/パラ強行開催に対して腰の定まらない都民ファーストは東京都議選での惨敗予想が強まっている。東京都議選の結果によっては、第5波予想から東京オリンピック/パラリンピック中止派が勢いづく可能性もある。都議選後から日本は激動期に突入する可能性が極めて濃厚だ。

消費税減税研究会共同代表、日本共産党に申し入れ
消費税減税研究会共同代表、日本共産党に申し入れ

真正野党側はこの点も含めて、①コロナ禍対策②東京オリンピック/パラリンピック問題阻止③原発ゼロ③共生の経済政策(消費税率の引き下げと消費税の廃止、所得税・法人税改革、積極財政への転換、奨学金徳政令)➃日本国憲法に基づく言葉の真の意味での積極的平和主義外交ーなどで政策協定を結び、強力な政策連合・政権構想を提示しなければならない。既に、消費税増税研究会共同代表の馬渕澄夫立憲民主党衆院議員とれいわ新選組の山本太郎代表が共産党の志位委員長と穀田恵二国対委員長に「ニ段階消費税減税」の申し入れを行ったほか、立民の泉健太政調会長らにも申し入れを行う予定で、日程を調整中だ。


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