自民党内で本格化する二階幹事長外しと東京オリンピック/パラリンピックの行方(補強:ワクチン追記)

自民党内で安倍晋三前首相、麻生太郎財務相(副総理)、甘利明党税制調査会長(3A)による二階俊博幹事長外しが本格化してきたようだ。ただし、「まだらぼけ」を疑われるが、老獪な二階幹事長と二階グループが手をこまねいているはずはないだろう。河井克行・案里夫妻の広島県有力自民党議員に対する買収案件について、3年前から導入された検察庁(林真琴検事総長)と関係者との司法取引制度や7月4日投開票の東京都議選で、二階幹事長が後ろ盾であることや東京都知事止まりになること、最高顧問の立場にある地域政党・都民ファーストが劣勢に立たされていることから、小池百合子東京都知事が東京オリンピック/パラリンピック中止の切り札を切る可能性もある。

現時点のコロナ感染状況

2021年6月7日月曜日コロナ感染状況
複数のメディアによると6月7日月曜日の東京都の新型コロナウイルスの感染者数は前週月曜日比25人減の436人、死亡者数は3人、東京都基準の重症患者は61人になった。7日移動平均では422.9人になり、前週比77.3%になった。東京都が参考として発表した6日の検査件数は1451件で、6日までの3日間の平均は4473.3件。
全国では午後23時59分の段階で、新規感染者数1278人、死亡者数75人、重症者数1120人が確認されている。大阪府は72人が新規感染、15人が死亡された。北海道は147人が新規感染、15人が死亡された。

新規感染状況はステージⅢだが、ステージⅣ(感染爆発)寄り。7日移動平均での1日の新規感染者数の前週比はこのところ一進一退になっている。東京都医師会の尾崎治夫会長が東京オリンピック/パラリンピック開催の条件として示した1日当たり100人以下を達成することはかなり難しい情勢。さらに、懸念される材料としては、インド型の二重株の市中感染問題がある。

東京都のコロナ感染者数の推移
東京都のコロナ感染者数の推移

本格化する自民党内権力闘争ー安倍・麻生・麻生・甘利(3A)VS二階幹事長

本投稿記事は、Youtubeで「一月万冊」を主催する読書家・清水有高氏が昨日6月6日に公開した朝日新聞出身のジャーナリスト・佐藤章氏との対談番組(https://www.youtube.com/watch?v=cVsUI_OIrk8)を参考に、サイト管理者(筆者)がまとめたものです。次の投稿記事の続編です。

九州のブロック紙「西日本新聞」は昨日6月6日、「ポスト二階へ『3A』の暗闘 菅政権水面下の不協和音」と題する記事を公開、3Aが目障りな二階幹事長を降ろし、後任に「甘利幹事長」の擁立を狙っていることを報じた(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/750714/)。安倍晋三前首相が改憲=壊憲を狙う自民党内最大派閥の清和会・細田派に返り咲き、「安倍派」として継承するとともに、麻生派に属するが3Aのひとりとして安倍前首相とも親しい甘利氏を「幹事長」の党内ナンバー2の要職に就かせる戦略だ。菅義偉総理・総裁は9月の総裁選で再任されるとしても、改憲=改憲には熱意がなく、権力掌握の大義もないことから、細田派ないし「安倍派」の操り人形になり、いずれは捨てられる。

安倍氏が(5月3日のBSフジの番組で)いち早く首相支持を表明した裏には、次の人事への思惑がちらつく。出身派閥細田派への復帰をうかがう安倍氏にとって、首相との関係を生かして幹事長ポストを奪取すれば、何よりの「土産」となる。細田派関係者は「『次は幹事長派閥』。これが、わが派の総意だ」と言ってはばからない。

ポスト二階をめぐる自民党内勢力争い
ポスト二階をめぐる自民党内勢力争い

安倍氏の盟友で、菅政権発足後も閣内に残る麻生太郎副総理兼財務相は5月21日、甘利明党税制調査会長の呼び掛けで発足した「半導体戦略推進議員連盟」の設立総会に出席し、声を張り上げた。「3人そろえば何となく政局という顔だが、その期待は外れる」3人とは安倍、麻生、甘利3氏を指す。2012年の第2次安倍政権発足直後、首相を加えた「3A+S(菅)」は政権の屋台骨とされた。麻生氏の言葉とは裏腹に、3Aのそろい踏みに党内からは「政策だけが目的ではない」(閣僚経験者)との声が上がる。

麻生氏には、菅政権下での自派閥の処遇に不満が根強いという。周囲には「よくやっている」と首相への評価を口にする一方で、「そろそろ幹事長は譲ってもらわねえとな」。麻生派所属の甘利氏は安倍氏とも近く、「うちとしては『甘利幹事長』を推させてもらう」と麻生氏周辺の鼻息は荒い。

こうした動きに神経をとがらせるのが、昨年の総裁選で首相を担ぎ出し、後見役となった二階俊博幹事長だ。5月の記者会見では、19年の参院選広島選挙区の買収事件で当選無効となった河井案里氏陣営に党から1億5千万円を送金した問題を巡り、当時選対委員長だった甘利氏や安倍氏の関与をにおわせた。細田、麻生両派所属の党幹部の言動や運営方針に、二階氏が露骨に不快感を示す場面も目立つ。「機略縦横、百戦錬磨の幹事長が、簡単にいすを手放すわけがない」と二階派ベテラン。ひるむ様子はない。(以下略)

19年秋の党役員人事で安倍氏を翻意させ、二階氏続投の路線を敷いたのは、他ならぬ当時官房長官の首相だった。既に史上最長、5年近い在職期間を誇る二階氏を続投させるか、否か―。党内基盤が強固とは言えない首相は最近、キーマンたちの微妙な空気を懸念する側近に、こう漏らしたという。「先のことは考えないようにしている」

安倍首相(当時)が首相を辞任したのは「潰瘍性大腸炎」という「病気」によるものではない。安倍氏は首相辞任の記者会見で、日本屈指の大病院である慶応大学附属病院の診断書を提示しなかったからだ。官邸で吐血したとかの情報をリークし、同病院に自動車で列をなして「診察」に出かけたなどのことは、病気理由の辞任であることを見せかけるための「芝居」に過ぎない。普通なら、「最高権力者」の「病状」は最高の国家機密でもある。

辞任劇当時から、立憲民主党の小沢一郎衆院議員の知恵袋であり、苦楽をともにしてきた平野貞夫元参院議員は、安倍氏が慶応大学附属病院の担当医師団を連れて記者会見に臨まなかったことや同病院の診断書を提示しなかったことは重大な問題であることを指摘していた。同病院が偽の診断書ー特に、首相の偽診断書を出しては、病院の信用は崩壊する。決選投票の末、1956年12月23日に内閣総理大臣に指名された石橋湛山首相(当時。以下同じ。対米追随派ではなく自主独立派、国民皆保険制度による福祉国家建設を目指す)は翌1957年1月25日、軽い脳梗塞(新聞報道による)で風呂場で倒れ、2か月の絶対安静が必要との医師の診断を受けた。このため、石橋は「私の政治的良心に従う」と潔く退陣した。

対米隷属派でない石橋首相が二か月の静養後、首相に復帰していれば、日本の戦後史は変わっていただろう。自主独立派の首相が率いる日本の政権はすべて、ディープステートに潰されている。最近では民主党第一次政権の鳩山由紀夫首相ー小沢一郎幹事長政権がその例に属する。小沢氏は民主党代表になったが、「陸山会事件」の冤罪で、代表の座を降りざるを得なくなった。本件については、佐藤氏の「職業としての政治家・小沢一郎」に詳しい。サイト管理者(筆者)としては、ディープステート傘下のCIAの暗躍があった感がするが(直接的にはマスコミへのリーク)、首相辞任には医師団の診断と診断書が不可欠なのである。

さて、安倍氏が首相を辞任したのは、政権の守護者であった東京高検の黒川弘務検事長が「かけ麻雀」で検察庁を辞任せざるを得なくなり、守護神を失ったからだ。これによって、河井夫妻側に提供した、1億2千万円の政党助成金(血税が原資)を含む1億5千万円の不正使用に対する検察の追及を逃れることができなくなった。佐藤氏によると、検察側は1億5千万円の出処と使途についてはほぼ解明しているという。出処については二階幹事長が結局のところ、「責任は総裁と幹事長にある」と語ったが、これは当時の安倍総裁の指示によるものであることを明らかにした発言だ。

安倍氏は、この1億5千万円を官房機密費とともに政敵である溝手顕正参院議員(当時)を失脚すせるための選挙資金に流用(敏腕検事だった郷原信郎弁護士によると買収目的交付罪などに相当)したうえ、佐藤氏の調べによると河合被告と「取り敢えず半分(とりはん)」した疑惑があるという。二階幹事長は本人自身は1億5千万円の使途には関与していないと見られるが、安倍氏が流用したことは良く承知している。だから、昨夏の安倍首相辞任劇の際には、次期総理・総裁の座をめぐって安倍・麻生両氏VS菅・二階両氏の対立があったが、二階幹事長に弱みを握られているため、安倍・麻生連合軍は敗退したものと思われる。

7月5日には総選挙の先行指標であり、国政選挙レベル並の東京都議会選挙がある。選挙妨害になるから、検察側も安倍氏強制捜査・逮捕に踏み切ることはできない。問題は東京オリンピック/パラリンピックだ。オリ/パラを強行開催すれば、不測の事態が起きる可能性は極めて濃厚だから、安倍氏強制捜査・逮捕に踏み切れば自民党内が大混乱に陥り、政府=菅政権のコロナ対応策に混乱が生じる可能性がないとは言えない。そこで、オリ/パラを強行開催すれば検察も手出しはできないと考え、清和会側は同会が主導してきた利権オリ/パラ強行開催をなし崩し的に行おうとし、菅首相も総理・総裁の延命のため、これに協力しようとしているようだ。

しかし、政府=安倍、菅政権が世界標準のコロナ禍対策を行ってきたかと言えば、そうではない。むしろ、その場しのぎの対策に終止してきたから、東アジア諸国でコロナ対策も経済情勢も最悪になっている。東京オリンピック/パラリンピックを強行開催しようがしまいが、コロナ禍対策無策には変わりがない。むしろ、NPO法人・医療ガバナンス研究所の石昌広理事長・医師が指摘するように、インドの二重変異株の市中感染で新規感染者が再拡大し、しかも、オリ/パラ強行開催時に重なる可能性がある。そういう場合は、政府=菅政権では対応できないが、菅政権に任せるしかない。それが、政府の務めだ。ただし、解散・総選挙まではインド変異株によるコロナ禍対策だけのために「挙国一致内閣」築くという選択肢もないではない。

8月には検察庁の人事異動があるから原則としては、時期としてはオリ/パラが強行開催されようがされまいが7月末までに、安倍氏強制捜査・逮捕に踏み切った方が良い。なお、日本人を含むアジア人の交差免疫(ノーベル医学・生理学賞を受賞した山中伸弥京都大学京都大学iPS細胞研究所所長・教授がFactor Xと呼んだものの実体と推測される)のために、アジア地域の新型コロナ感染症(Covid-19)は世界に比べて比較的軽微なものにとどまっている(それでも政府=安倍、菅政権は多大な犠牲を国民に強いた。政府の不作為による人災でしかない)が、これをすり抜けると言われているのがインドの二重変異株で、既に日本に上陸、市中感染が始まっている。厚生労働省の医系技官による「感染症利権ムラ」のコロナ感染状態把握能力が著しく低いため、インド型の二重変異株の市中感染の実態が掴めない。なお、オリ/パラを強行開催すれば、「日本五輪株」と呼ばれる感染力と毒性の強い変異株も生じる可能性がある。

なお、二階幹事長・二階グループが包囲網を突破するため、二階幹事長が後ろ盾になっている小池百合子都知事が、後ろ盾を失い東京都知事止まりになること、都民ファーストが都議会選挙で劣勢になっていることもあり、二階幹事長に協力する可能性も否定しきれない。なお、下図では意志力の弱い岸田文雄前政調会長が3Aの軍門に下っている。

佐藤章氏・清水有高氏による自民党内勢力構想図
佐藤章氏・清水有高氏による自民党内勢力構想図

これに関して、東京オリンピック/パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長(自民党を離党した無所属国会議員だが、実質は清和会自民党議員)が6月4日の記者会見で、東京オリンピック/パラリンピック中止に言及し始めたことも注目される(https://www.nikkansports.com/olympic/tokyo2020/news/202106040001476.htmlhttps://news.yahoo.co.jp/articles/1177dbf0aa970256165b2a15517aaf6a9deac743)。

東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長(56)が4日、都内で定例会見を開き、大会中止の可能性が出る条件に言及した。

橋本聖子東京オリンピック/パラリンピック組織委会長の記者会見
橋本聖子東京オリンピック/パラリンピック組織委会長の記者会見

開幕50日前となる3日付の日刊スポーツのインタビューでは「中止、再延期はない」と述べ、英BBC放送に対しても「開催は100%」と語っているが、その発言について(4日の記者会見で)質問され「『100%』かと何度も聞かれるのですが、海外からの選手団、お客さまがどなたも来られない状況になった場合は当然開催できません。日々、刻々と変わる世界の感染症の状況を見ながら、適切に決めていかなければいけない」と答えた。

続けて「『100%』の開催ができるよう準備をしていくのが組織委の使命です。ただ、それをやっていてもIOC(国際オリンピック委員会)や政府、東京都が(開催は)難しいという判断を下せば、それはそれで応えていかないといけないのも、私たちの使命。組織委としては今、万全の体制で準備することに尽きる」。

事実上、清和会に所属する橋本オリ/パラ組織委会長が自らオリ/パラ大会中止に言及し始めたことは理解に苦しむが、責任のなすりつけあいが始まった可能性が濃厚だが、自民党内権力争いを意識した発言かも知れない。なお、菅首相はワクチン一本足打法に神頼みしているが到底、東京オリンピック/パラリンピックには間に合わない。週刊文春6月10日号の「ワクチン遅れ 元凶は安倍晋三ー回避するチャンスは4回あった」と題する報道によると、ワクチンの接種が遅れたのもほとんどが安倍首相(当時)のせいだ。

理由を紹介すると、➀国産ワクチン開発への補助金が当初は100億円と英米と比べひと桁少なかった②承認された場合優先的に供給を受けられるワクチンの国際共同治験に入らなかった③加藤勝信厚生労働相(当時)が米国ファイザー社本社ではなく日本の支社としか交渉せず、具体的な供給スケジュールを確定しなかった➃菅首相時代の臨時国会で薬機法(旧薬事法)の改正がなされなかったーの4点だ。

ただし、サイト管理者(筆者)としては新型コロナ用ワクチンには短期的にはともかく、中長期的な副作用がはっきりせず、後に述べるようにヒトが本来持っている免疫能力を破壊するという意見もある。全国に感染を撒き散らしたGo To トラベルなどに1兆7千億円の予算を計上するなどの愚策を行わず、技術革新が急速に進んだPCR検査の大規模無料検査(保健所に独占させない)、日本人に見合う安全かつ有効なワクチンとコロナ感染症(Covid-19)特効薬の開発に大規模な予算を投下するというのが筋だったと思う。

週刊文春によるワクチン接種の遅れの原因
週刊文春によるワクチン接種の遅れの原因

コロナ用ワクチンの問題点については、政治経済評論家の植草一秀氏がしばしば指摘しているが、メールマガジン第2950号「国民意思踏みにじる首相はくび」で指摘したところによると、mRNA型ワクチンはヒトが本来持つ免疫力を無効化する重大な副作用があるとのことだ。

ワクチン接種が、人間が本来備えている免疫力を消滅させてしまうリスクが指摘されている。指摘をしている一人が、ワクチン研究専門家でビル&メリンダ財団でワクチン
部上級プログラム局長を務めていたギアート・バンデン・ボッシュ博士。
https://bit.ly/3fNaSOw
ボッシュ博士は、コロナワクチン接種が、接種を受けた人が備えている本来の免疫能力を消してしまうことを警告する。

ただし、ボッシュ博士の論文が専門家の査読を受けて、世界の権威ある医学雑誌(「New England Journal of Medicine」 – マサチューセッツ内科外科学会が発行、「The Lancet」、「JAMA (Journal of the American Medical Association) 」 – 米国医師会が発行、「BMJ (British Medical Journal)」 – 英国医師会が発行)に正式に掲載されているか否かは不明だ。極めて重要な問題なので、「感染症利権ムラ」に所属しない上理事長・医師や東大先端研所属の児玉龍彦東大名誉教授などの専門家には是非、調べていただきたいところだ。

【追記:2021年6月8日】政治・経済評論家の植草一秀氏のメールマガジン第2951号「国民のいのちを踏みにじる代価」によると、「New England Journal of Medicine」が英国アストラゼネカ社のワクチンの有効性を検証した論文を掲載しているという(https://bit.ly/34Slnew)。それによると、同社の南アフリカ変異株ウイルスへの有効性は10.4%にとどまるとしている。植草氏はまた、新潟大学の岡田正彦名誉教授の「新型コロナウイルスのエビデンス」と題するサイト:https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/に新型ワクチンに関する有益な情報が掲載されており、国民の皆様に対してワクチン接種の前に一読されることを勧めている。

いずれにしても、緊急事態宣言が解除されると予想されている6月20日前後からひとつの勝負の目処になる。労働組合総連合会(連合)の神津里季生は今年10月の任期切れで退任する意向だが、後任をめぐり旧同盟系と旧総評系が対立、難航しているという(https://www.tokyo-np.co.jp/article/108698)。立憲民主党の枝野幸男代表、日本共産党の志位和夫委員長、れいわ新選組の山本太郎代表の正しい現状認識と覚悟が問われる。特に、政権奪取に意欲のない枝野代表には正念場になる。


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