医系技官、沖縄県立中部病院のコロナ大規模クラスター隠蔽を画策ー厚労省の「感染症利権ムラ」が諸悪の根源(緊急事態宣言追記)

コロナ緊急事態宣言下にある沖縄県の沖縄県立中部病院(うるま市)で5月下旬以降、院内で職員(ワクチン未接種の看護師12人を含む)と患者の計51人が感染し、うち17人が死亡するという痛ましい大規模クラスターが発生したが、厚生労働省医系技官出身の県立中部病院の高山義浩医師(感染症内科)が公表を隠蔽する工作を行っていたことが明らかになった。高山医師は沖縄県のコロナ対策専門家会議の委員を務めていたが7月5日に同会議に辞意を伝え、近く辞任する見込みだが、真の責任の所在は厚労省医系技官で構成する「感染症利権ムラ」にある。秋までに行われる総選挙で真正野党側は、コロナ対策の失敗が安倍晋三、菅義偉政権とともに「感染症利権ムラ」にあることを訴え、医系技官体制の解体と時の政権に忖度しない日本版疾病予防センター(CDC)の創設を総選挙の大きな争点にすべきだ。

2021年7月7日の東京都コロナ感染状況

複数のメディアと東京都によると、本日7月7日の東京都の新型コロナ新規感染者数は前週水曜日比206人増で900人を突破した5月11日火曜日の925人(https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/:棒グラフにマウスを当てると日付と感染者数が表示される)以来来約8週間ぶりの920人、3人が死亡され、重症患者数は62人になった。7日移動平均では631.7人で前週水曜日比24.3%増になった。6月30日以降、7日移動平均でみた新規感染者数はステージⅣの段階が続いている。感染者411人に対する変異株のスクリーニング検査(特別な検査液を使用した変異株感染を簡易的に調べるPCR検査)では、新たにインドで発見されたデルタ株には71人、17%が感染していることが確認された。最近のPCR検査技術を使えば、全員の検査ができる。デルタ株の市中感染は東京都の発表より多い可能性が大だ。

政府=菅政権は、東京オリンピック/パラリンピック強行開催のため、7月11日までの「まん延防止等特別措置(まん防)=英語ではPriority measures such as prevention of spreadと表現するがEmergencyという英語が入っていないので、事態の深刻さが外国人には分からない=」を延長する意向だがだったが、まん防には効果がなかったことが明らかになっている。そこで、東京都に関しては「緊急事態宣言」の再発出に追い込まれそうだ。ただし、本来なら生活・事業補償付きの「緊急事態宣言」を発出するべきところだ。補償なしの「緊急事態宣言」では効果がないからだ。オリンピックの観戦観客数も明確には定まらず、菅政権は焦りの色を濃くしている。公明党の山口那津男代表が5日のBS日本テレビで「総選挙は自民党総裁選挙のあとが望ましい」と語りhttps://www.yomiuri.co.jp/politics/20210706-OYT1T50278/)、菅総理・総裁降ろしに言及したことで、自民党内に激震が走っている。

東京都のコロナ感染者数の推移
東京都のコロナ感染者数の推移

医系技官による沖縄県立中部病院の大規模クラスターの隠蔽工作

本投稿記事は清水有高氏が主催する「一月一万冊」のYoutube番組(https://www.youtube.com/watch?v=iPNZGz71ku8)を参考にしたものです。本事案については朝日デジタルでは7月2日午前6時に報道している(https://digital.asahi.com/articles/ASP717TGDP71TPOB006.html?iref=pc_ss_date_article)。引用させていただきたい。

新型コロナウイルスの重点医療機関である沖縄県立中部病院(うるま市)で発生したクラスター(感染者集団)について、病院が1日に記者会見を開き、詳細を発表した。5月下旬以降、院内で職員と患者の計51人が感染し、うち17人が死亡。一方、県と調整する中で、クラスター情報の公表が見送られた経緯も説明した。中部病院によると、院内で最初に感染が確認されたのは5月24日だった。以降、6月30日までに職員と患者の計51人が感染し、うち17人が死亡。亡くなったのは全員が入院患者という。

最初に確認された感染者は、5月12日に別の病気と診断されて入院した患者。コロナ感染が判明するまでの間、リハビリなどのために病院内を移動していたため、感染を広げた可能性があるという。このクラスターについて、県が6月3日に施設名を伏せた上で「うるま市の医療機関で5人のクラスターが発生した」と発表していた。だが、その後の感染拡大については6月30日の県議会で質問されるまで公表していなかった。

病院も6月10日にホームページでクラスターの発生を公表したが、人数などについては明らかにしていなかった。一連の対応について玉城和光院長は、公表しなかったのは「県側の判断」だったとの考えを示した。病院は県に少なくとも6月上旬にはクラスターを公表したいと伝えており、6月11日に記者会見を開く予定も立てたが、県から前日、会見をやめるようにといった趣旨の要請があったといい、直前で取りやめたという。玉城院長は「私は公表するべきだったと思う。(病院は)保健所や県にも情報を伝えていたので、隠蔽(いんぺい)をしているわけではない」と述べた。(以下略)

梅雨の大規模水害に劣らぬ死者17人を含むこれほどのクラスターが発生すれば当然、沖縄県と県立中央病院は院内感染が発覚した当初の段階で公表し、院内感染が拡大しないよう万全の対策を講じておくべきだった。また、コロナ重点医療機関なら少なくとも入院患者に対してはPCR検査を一定の頻度で行うというのが、専門家でなくても当然の措置だ。当初は沖縄県側と県立中央病院の責任のなすりつけあいのように見られたが、県立中部病院の玉城和光院長は詳細を公表する意向だったようだ。

これを妨害したのは、同病院の医師だが厚労省医系技官の高山義浩医師。高山医師は1995年東大医学部保健学科を卒業後、暫く医療ジャーナリストの道を歩んだ。その後、2002 年 山口大学医学部医学科 卒業を卒業し、2008 年に厚生労働省に入省、健康局結核感染症課配属されている(https://project.nikkeibp.co.jp/event/5thnac2018/lecturer/Yoshihiro_TAKAYAMA.pdf)。厚労省健康局結核感染症科は今回のコロナ感染症対策など感染症対策の総本山だ。厚労省医系技官(医師の免許を持っているだけで、国家公務員上級試験は免除される)からなる「感染症利権ムラ」の総本山(傘下に国立感染研究所や地方衛生研究所、保健所などがある)と言い換えても良い。

この感染症利権ムラが、世界保健機関(WHO)も当初から主張し、いまや世界の常識になっている「検査と隔離」という感染症対策の基本中の基本を無視して、むしろ、PCR検査を徹底的に抑制することを、日本のコロナ感染症対策の基本にした。このため、コロナ禍による被害が世界の中でも比較的軽微であった西アジアを除くアジア、特に東アジア地域では、日本がコロナ新規感染者数、死亡者数、経済に与えた打撃でインドネシア(医療機関が整っていない)に次ぐほとんど最悪の状態になった。

さて、本件に戻ると、沖縄県・病院事業局が6月10日に県立中部病院に送ったメールの全文を、県紙の琉球新報が掲載している(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1348903.html)。引用させていただきたい。

いつもお世話になります。

昨日、局長および糸数統括監とクラスター公表基準について相談させていただきましたが、 お二人とも現時点では新たな公表基準を作成する意義はなく、厚労省の厚労省の基準「地域住民への感染が拡大する可能性がある場合」の運用を継続するとのことです。

もう一つ公表が考えられる状況としては、著しい診療制限(救急受け入れ中止など)があり、その理由が院内クラスターであれば、クラスターを公表することが目的ではなく診療制限の理由を説明することを目的として公表することはあると思われます(クラスターの公表を目的とする 「公表基準」 とは異なります)。

今回の中部病院の状況はクラスター公表基準は満たさないと考えます。高山先生の努力でメディアも一定コントロールされているなか、逆にこのように一生懸命コロナを診療している病院院内で起きたクラスターが公表によって過剰にマスコミに取り上げられると中部病院だけでなく他のコロナ協力病院も努力が報われないと受け取られる可能性もあり、注意は必要と思われます。

このメールは、沖縄県病院事業局(https://www.pref.okinawa.jp/site/byoinjigyo/kenritsubyoin/index.html)の中矢代真美医療企画監(https://www.pref.okinawa.jp/site/byoinjigyo/kenritsubyoin/documents/180920kikouzu_1.pdfhttps://ryukyushimpo.jp/news/entry-1348029.html)が病院側に送信したものだが、このメールにある「高山先生」こそ、沖縄県立中部病院の高山義浩医師(感染症内科)だ。高山医師は医療ジャーナリズムの崩壊をもたらしたメディアコントロールを行い、院内感染公表の恣意的な基準作成(要するに、病院でのクラスター感染の隠蔽工作)の司令塔の役割を果たしていたことが明瞭に記載されている。病院側としても、沖縄県の病院事業局からこうしたメールが送られてくれば、詳細な真実を公表することをためらわざるを得ないだろう。以上の経過を清水有高氏がパワーポイントでまとめたものが次の図だ。

高山医師が専門家会議を辞任するのは当然だが、17人もの生命を奪ったことに等しい行為からすれば、医師免許も剥奪するのが当然だ。

高山義浩医師の背後には、厚労省の医系技官からなる「感染症利権ムラ」が存在する。同医師の隠蔽工作はムラの意向を忖度したものだ。直接、指示があった可能性も否定できない。このムラは、国民の生命と健康、生業(財産)を守ることより、予算の獲得と天下り先の確保を最優先する。そして、時の政権の意向をムラの存続とてんびんにかけ、ムラの存続が危うくなると察知すれば政権の意向を忖度する。そのために、政府新型コロナ感染症対策本部分科会(会長・尾身茂地域医療推進機構理事長)や厚労省のアドバイザリボード(専門家会議)のメンバーになる。尾身会長はまともなら、「G7で支持を取り付けたとのことだから、中止には言及しない」などと菅政権を忖度するのではなく、あくまでも「東京オリンピック/パラリンピック」開催中止を震源すべきだった。

朝日新聞出身でフリーのジャーナリスト・佐藤章氏によると、感染症対策の基本中の基本である「検査と隔離」から逸脱した「積極的疫学調査」(人的資源が限られた保健所が感染者の「濃厚接触者」を追跡する「方法」)なる「日本方式」を思いついたのは押谷仁東北大学大学院医学系研究科微生物学分野教授だが、岩波書店から出版されている「分水嶺ードキュメント コロナ対策専門家会議ー」(伊藤香著)によると、押谷教授は北海道の札幌市以外で新規コロナ感染者が判明した際、「積極的疫学調査」の限界を悟り、尾身会長(当時は分科会に格下げされる前の「専門家会議」の会長)に相談したという。しかし、尾身会長は「積極的疫学調査」の「手法」を変更せず、当初主張していたPCR検査徹底化路線も変更し、PCR検査徹底抑制路線に転換した。

世界の感染症対策専門家の間では、①新型コロナ感染者には無症状感染者が存在し、感染を拡大する(場合によってはスーパースプレッダーになる)②新型コロナ感染は飛沫感染だけではなく、密閉された部屋の中(航空機の機内など)のエアロゾル感染(空気感染)でも起こるため、「積極的疫学調査」はもはや無力になっている(その証拠に、感染経路不明の市中感染の割合が急増している。東京都では7月6日の感染経路不明率は7日移動平均で61.9%=ステージⅢ、Ⅳとも50%=)ーなどから、大規模検査は不可欠である。しかし、日本では医療技官系の「感染症利権ムラ」がPCR検査を徹底的に抑制し、今も変わらない。なお、東京オリンピック/パラリンピック強行開催のため空港で行っている検査は感度が30%と「当たるも八卦、当たらないも八卦」の抗原検査でしかない。「水際対策」と言える代物ではない。

日本におけるコロナ禍が東アジアで最悪になったのは、国民の生命と生業を守ることよりも「利権ムラ」を守ることを再優先し、コロナ対策に対しては学びもしない無知文盲の菅、安倍政権と「感染症利権ムラ」の根本的に誤った「コロナ感染症対策」のためだ。これまでは、「Factor X(東大先端研の児玉龍彦東大名誉教授によると、アジア人がコロナウイルスに対する交差免疫を獲得していたことによる)」が西アジアを除くアジア、特に東アジアを守ってきた。しかし現在、東京都など首都圏で市中感染が広がりつつあるインドで発見されたデルタ株は「Factor X」をくぐり抜ける。世界では今、デルタ株より恐ろしい「ラムダ株」が南米コロンビアを中心に市中感染が広まっている。

空港検疫の杜撰さから、これらの変異株が東京オリンピック選手団および関係者(オリンピック貴族)から国内に入り込むことは確実だ。東京オリンピック開催強行は世界最大の「コロナ感染イベント」になる可能性が極めて濃厚だ。政府=菅政権は「ワクチン一本足打法」に頼っているが、オリンピック開催には全く間に合わない。なお、厚労省の基本的見解では、ワクチンは重症化は防ぐが、新型コロナウイルスへの感染を予防する効果は未知数というものだ。要するに、ワクチンを二度接種しても、重症化はしないが変異株など新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染する可能性はあるということでその分、SARS-CoV-2の感染源になり得るというものだ。

このことを前提として、新型ワクチン接種が最も進んでいるイスラエルの状況をNHKWebが次のように伝えている(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210706/k10013122651000.html?utm_int=nsearch_contents_search-items_001)。

中東イスラエルの保健省は5日、新型コロナウイルスのワクチンによる発症を予防する効果が64%に減少したと発表しました。5月時点での効果は94%余りだったということでインドで確認された変異ウイルスの感染拡大との関連も指摘されています。イスラエルでは16歳以上の人口の8割余りが製薬大手ファイザーなどが開発したワクチンを接種し、6月中旬までは1日の新規感染者数が1桁となる日もありました。しかし、先月下旬以降インドで確認された変異ウイルス「デルタ株」による感染が広がり1日当たりの新規感染者数は平均でおよそ260人にまで増え、5日には507人の感染が確認されました。(中略)

再びマスクを着用し始めたイスラエル
再びマスクを着用し始めたイスラエル

一方で重症化を予防する効果については前回と同じ水準で93%と推定されるとしています。イスラエルでは一度は屋内でのマスクの着用義務が解除されましたが、6月25日以降再び屋内での着用が義務づけられていて、イスラエル政府は空港での感染対策の徹底や12歳から15歳へのワクチン接種を呼びかけています。

つまり、ワクチンを接種しても本人は重症化しないが、本人以外の人を感染させることは十分あり得るということを念頭に置く必要がある。なお、ワクチンに対する理論的不信のため、接種を希望しない国民も相当数存在する。無関心層も存在する。NPO法人の医療ガバナンス研究所の上昌広理事長・医師によると、合計で50%だ。また、ワクチンの接種で耐性の強い変異株が出現する可能性も高い(https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/)。政府=菅政権のコロナ無策と「感染症利権ムラ」の根本的に間違った対策とは呼べない「コロナ対策」で日本のコロナ禍は悪化が顕著になっている。真正野党側は、「お見先生、尾身先生」と言ってひれふすのではなく、政府=菅政権のコロナ無策と「感染症利権ムラ」の根本的に間違った対策とは呼べない「コロナ対策」を徹底的に批判する必要がある。総選挙の最大の争点にしなければならない。

基本的には、①「医系技官」制度を廃止して「感染症利権ムラ」を解体し、時の政権に忖度しない「日本版疾病予防センター(CDC)」を組織する(日本学術会議事案も解決しなければならない)②コロナ対策のための特効薬(富山大学の医学部チームが開発したスーパー中和抗体など)の開発と安全かつ有効なワクチン開発に大規模な予算措置を講じる③菅政権は東京パラリンピックは中止するようだが、東京オリンピックは強行する。しかし、東京都へのオリンピック誘致の買収疑惑や日本オリンピック委員会(JOC)の経理部長の不審死など、東京オリンピックは最初から最後まで不正な経理処理が行われてきた疑いが濃厚であるため、その徹底解明を行うことを約束するーことを公約の柱のひとつとして総選挙の準備を行う必要がある。


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