軽・中等症患者、療養施設・入院での治療拒否は厚労省医系技官の画策か(追記:独裁国家と新生日本の分水嶺)

政府=菅義偉政権が独断で自力での呼吸が困難な中等症状者以下のコロナ感染患者を独断で自宅治療=自宅療養にすることを「決定」したことに批判が強まっているが、この決定を主導したのは厚生労働省の医系技官のトップであり、PCR検査を徹底的に抑圧してきた福島靖正医務技官(最高責任者)と厚労省の正林督章保健局長(事務次官相当、政府コロナ感染症対策本部専門家会議=のちに、分科会に降格==事務局長代理)である。医師法、感染症法、刑法違反に問われ、今回の「中等以下のコロナ感染患者の入院・療養施設への隔離の拒否=棄民政策」は彼らを含め、政府=菅政権の国家的犯罪になるだろう。

8月5日のコロナ感染状況

複数のメディアによると8月5日の東京都の新規感染者数は、前週木曜日に比べて1177人増と初めての5042人だった。死亡者は1人。東京都基準の重症者は前日比20人増の135人(厚労省基準ではその8倍から9倍だから、一千人を超していると見られる)だという。7日移動平均では3646.9人と増加の一途をたどっている。ただし、前週比では増加幅が次第に縮小していることに注意が必要だ。季節性要因が顕在化する前触れかも知れない。全国では午後18時30分23時59分の時点で新規感染者数1万5263人、死亡者数8人、重症者数823人になった。

なお、東京都では入院を重症者に限るとしているが、東京都では自前の重症者に限定するのだろうか。なお、「スシロー」こと田崎史郎氏によると、政府関係者(菅首相かその取り巻き)は東京都内で8000人程度の新規感染者は許容範囲と見ているとの情報もある(https://twitter.com/search?q=%E7%94%B0%E5%B4%8E%E5%8F%B2%E9%83%8E&src=typed_query)。

東京都のコロナ感染者数の推移
東京都のコロナ感染者数の推移

棄民政策を決め、根回ししたのは医系技官トップかー免れね医師法・感染症法違反

東京新聞は5日付け朝刊一面トップ記事「中等症患者の入院制限方針 与野党から撤回要求 首相は否定『丁寧に説明』」で次のように伝えている(https://www.tokyo-np.co.jp/article/121859)。

新型コロナウイルス患者の入院を制限し、重症者以外は原則自宅療養とする政府の方針転換に関し、自民党は4日、党会合で撤回を求めることを決めた。公明党は衆院厚生労働委員会の閉会中審査で、撤回を含めた再検討を訴え、立憲民主、共産、国民民主の野党各党も撤回要求で一致した。菅義偉首相は官邸で記者団に「病床を一定程度空かせて、緊急な方に対応しようということだ。丁寧に説明して理解してもらう」と撤回しない考えを強調した。(中略)

東京新聞8月5日一面トップ記事とサイト記事による
東京新聞8月5日一面トップ記事とサイト記事による

政府の新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長が衆院厚労委で、政府方針に関して「相談や議論はしていない」と明かした。それに対し、首相は「厚労省で必要な相談をすべきだった」と対応の拙さを認めた。

衆院厚労委では、公明党の高木美智代氏が「酸素吸入が必要な中等症の患者を自宅で診るなんてあり得ない。撤回も含めて検討し直していただきたい」と迫った。立憲民主党の長妻昭氏も政府方針を「人災だ」と追及し、政府が対応を誤って病床逼迫を招いたとして田村憲久厚労相に謝罪を求めた。
田村氏は、入院制限方針で在宅患者への処置が想定通りに進まなければ「また元へ戻し、しっかりと(中等症患者も病院に)入ってもらえばいい」と指摘。病床確保のための対応であるとして、うまくいかなければ見直しもあり得るとの考えを示した。だ
共産党の宮本徹氏は、中等症患者の一部が自宅療養になることで、病状悪化への対応が遅れる可能性を指摘。田村氏は「マンパワーは無尽蔵ではない」と限界があることを認めた。

ただし、中等症以下のコロナ感染患者の「自宅治療」が同居する家族の感染拡大につながることはあまり報道されていない。今回の政府=菅政権の決定は、デルタ株による「感染爆発」を抑えるものではなく逆に、「感染爆発」を大加速するものだ。

今回の事実上、国民皆保険制度を破壊する政府=菅政権の決定を根回ししたのは国家公務員上級職試験を免除され、医師の資格を持っているだけで臨床経験がなくても入省できる300人あまりの厚労省医系技官のトップであり、PCR検査を徹底的に抑圧してきた福島靖正医務技官と厚労省の正林督章保健局長(政府コロナ感染症対策本部専門家会議=のちに、分科会に降格=事務局長代理)だという。朝日新聞出身でフリージャーナリストの佐藤章氏が読書家のYoutubeチャネル(https://www.youtube.com/watch?v=AiUwBPallvw)で明らかにした。医系技官の天下り先である地方衛生研究所や保健所を守るためだということだ。ありそうなことだ。

フリージャーナリストの佐藤章氏による
フリージャーナリストの佐藤章氏による

佐藤氏がさらに明らかにしたのは、医師の資格がない保健所職員が入院の可否を判断する基準が、指先に差し込むパルスオキシメータで簡単に測定できる酸素飽和度(血液中の酸素の量の事でSpO2と呼ばれと呼ばれ、正常値は96%から99%と言われる)が95%未満とのことだ。これまでは、コロナ感染患者のうち96%超が軽症者、96%未満93%以上が中等症Ⅰ、93%以下が中等症Ⅱ、そして90%未満で自力で呼吸できず、人工呼吸器などを装填する必要のある患者を重症者扱いしてきた。

ただし、新型コロナ感染者の酸素飽和度は急激に低下することが重要な特徴で、佐藤氏がNPO法人医療ガバナンス研究所の上昌広理事長から取材したところによると、95%の基準に意味はないという。また、心臓と肺は特別な器官であり、他の臓器と異なって深刻な不全状況に陥るとすぐに死亡するとのことだ。特に、新型コロナに感染した場合、酸素飽和度は突然、低下する傾向が強いという。90%を切ると呼吸困難になり患者本人には意識がなくなり、人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO)が必要になる。

なお、コロナ感染患者でも無症状や軽症の患者でも正常値の間である場合が少なくないが、それでも自力で呼吸は出来るものの、38.5度を超える高熱と激しい倦怠感に見舞われる場合が少なくない。要するにコロナ感染症(Covid-19)の場合は、酸素飽和度の現状の数値ではなく、その変化をリアルタイムにモニタリングすることが必要ということだ。そんなリアルタイムでの変化が、「自宅療養」で分かるわけがない。

【追記:8月5日午後23時】厚労省は都道府県や基礎自治体に対する通達の文言について、骨格(重症者以外は入院を拒否する)は残したまま若干修正し、①酸素投与が必要な(中等症の者)②入院の有無は最終的には医師が判断すること③自治体の判断で可能な対応ーといった内容を付け加えた(https://digital.asahi.com/articles/ASP856KWFP85ULBJ00Y.html?iref=comtop_7_05)。

ただし、「酸素投与が必要な者」との判断を下す実務的な手順が不明であり、感染爆発や東京オリンピックの強行開催もあり「感染症指定病院」の医師が不足していることから、現実的・実務的に「医師の判断」は不可能だ。一万歩譲って出来たとしても遅いし、重症者が快癒する道は極めて険しい。さらに、「自治体の判断で可能な対応」を付け加えていることから、実際に実務を行うのは、厚労省医系技官の傘下にある医師でもない保健所職員によって、日本のコロナ感染症患者は、意味がないばかりか、危険ですらある事実上の入院可否の判定基準である酸素飽和度95%(この基準は既に中等症状態のコロナ感染患者)で「棄民」されることになる。

医系技官達が自らの天下り先である地方衛生研究所や天下り先の保健所の自らが招いた「疲弊」を防ぐことが今回の一連の措置の目的であり、実態として「重症患者」しか入院・治療をさせないことには変わりはない。不明瞭な文言に騙されてはいけない。併せて、ヨセフ・スターリン以上のスターリン主義者である「スガーリン」こと菅首相がいよいよ日本国の破壊に乗り出したと認識する必要がある。

日本の国民は、超少子高齢化社会の突入で医療制度や年金制度が破綻して「昭和の最後の鐘」がなる時期に、火事場泥棒よろしくコロナ禍を悪用し、杉田和博官房副長官兼内閣人事局長を使って、警察庁警備局を頂点に、警視庁公安部・各道府県警察本部警備部・所轄警察署警備課で組織される公安警察を使って日本を右翼全体主義ファシズム国家に陥れようとしている菅首相の狙いを正確に知る必要がある。菅首相はその著書から秋田県の実家に相当に根強い恨みを有していると推察され、引いては自民党各派閥も含め日本国を破壊する「破壊神」である。破壊後の日本国のビジョンはない。

ただし、今月の5日間だけで既に少なくともコロナ感染患者で自宅療養者8人が亡くなられている。今回の「棄民政策」が阿鼻叫喚の地獄絵図をもたらし、日本国の国民が「パン出し(血税収奪)サーカス」の愚民化政策から正気を取り戻し、恐らく10月の総選挙で自公維新、国民民主党以外の政党とその立候補者に投票すれば、「破壊神」は自壊する。「天網恢恢疎にして漏らさず」(天の網は粗いが、悪事は必ず捕らえるという有神論からのことわざ)が成就する。

付け加えると、本人の療養は困難であり、家族など同居人の看護が必要になるが、デルタ株の感染力は水疱瘡並みと言われ、いとも容易に家族など同居人が感染してしまう。今回の政府=菅政権の決定は現在のコロナ感染爆発を大加速する愚策であり、撤回に追い込まなければ駄目だ。

加えて、上理事長と佐藤氏によると、医師でもない保健所の職員が入院の可否を決定するのは第一に、医師法違反ということだ。第二に、都道府県知事の権限で検査と保護・隔離を命じることが出来る(命じなければならない)感染症法違反でもある。保健所の職員が直接に判断するにしても感染症法の目的を逸脱する形で入院を拒否するということになれば、知事にとっては裁量権の逸脱になる。政府=安倍晋三、菅政権が怠ったため生じてきた「医療崩壊」だが、「医療崩壊を阻止する」という本末転倒の目的で入院・隔離療養を拒否することは出来ないというのが感染症法の本来の趣旨だ。

こうした判断=棄民政策を決定したのは政府=菅政権だから、大多数のコロナ感染患者やその家族から菅政権は「国家賠償法(第1条1項「国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる」)」によって訴えられることになるhttps://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000125_20150801_000000000000000)。

第三に、刑法211条(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=140AC0000000045)が定める業務上過失致死罪(「業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする」)が適用される。仮に万が一、運良く「自宅療養=自宅棄民」で回復しても後遺症が残ることが多いから、棄民政策の関係者は後遺症に対して刑法第209条「過失により人を傷害した者は、三十万円以下の罰金又は科料に処する」が定める過失傷害罪も適用されることになる。

当然ながら、日本国憲法第13条「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」違反だ。もっとも、憲法や法律の無視は安倍、菅政権の常套手段だ。

既に引用させていただいたが、最も重要なことは感染症法に基づいて「検査と保護・隔離」を徹底し、そのために①医療体制の再構築(都立病院や大学附属病院、独立行政法人地域医療推進機構傘下の大病院はコロナ専門の病院に特化し、中小病院と高度な連携を行うこと)②東京オリンピック/パラリンピックは中止し、オリンピック選手村は医療施設への抜本転換することーなどの措置を講じ、政府はそのための財政支援を行うことだ。

しかし、安倍・菅政権はそれを全くしなかった。西村康稔経済再生担当相だけがやり玉に挙げられた金融ファシズムも問題だが、今回の事実上の棄民政策はこれよりもはるかに悪性で醜悪の全体主義ファシズム政策だ。佐藤氏は「菅首相は墓穴を掘った」と断定している。米国版「USA TODAY」とされる夕刊紙の日刊ゲンダイ8月6日号も「東京都は大阪府の二の舞」と題する一面トップ記事の中で、次のように述べている。

最悪の場合、新規感染者と自宅療養者が(住居地内感染で)そろって増え続け、必要な治療を受けられずにバタバタ亡くなる事態が起こりかねない。さすがに、そうなったら菅(内閣)は退陣さぜるを得ない。

ただし、自民党の支持基盤である日本医師会(中川俊男会長)などは異論も述べているが原則、従う方向であり、撤回を覆せるかどうかは不明だ(https://digital.asahi.com/articles/ASP845T0XP84UTFL00M.html)。東京オリンピックのスポンサーになっている御用マスコミも事の重大性を大々的に伝えようとせず、東京オリンピック一色と言って過言ではない。日本国憲法で定められた主権者国民が立ち上がるというのが第一の前提だ。

なお、英国ではロックダウン解除後に新規感染者が減少しているが、本サイトで述べているように「夏場に小流行し、冬場に大流行するという季節性要因」が大自然の力で働いているかも知れない。政府=菅政権、厚労省の医系技官らはコロナ感染の季節性要因を把握しているはずだが、国民の前に公表しない。「緊急事態宣言」などの効果で新規感染者が減少に転じたなどというのははっきり言ってウソだ。それを見越して、政府=菅政権は国民を「パンなきサーカス」で酔わせ、自民党総裁選(対抗馬を立候補させず無投票再選を狙っている)、総選挙をぎりぎりまで後ズレさせようとしている。

しかし、仮にそうなったとしてもコロナ禍対策を抜本転換(医系技官が牛耳る政府の分科会や厚労省のアドバイザリーボード=マスコミなどから専門家と称される似非専門家の会議を解体させ、政権への忖度と既得権益に固執しない、科学にのみ忠実な日本版疾病予防センターの組織化が要(かなめ)=)しない限り、冬には第5波を上回る第6波が襲来し、とんでもない事態に陥る可能性が極めて濃厚だ。日本の心ある国民は騙されてはいけない。

なお、AS(アーティスティック・スイミング)のギリシャ代表は選手5人、役員1人の計6人の陽性がこれまでに判明し、療養施設のホテルに隔離されている。陰性の5人は5日、ギリシア本国に帰国した。このほか、東京オリンピックで大会関係者に行っているPCR検査で陽性の結果が出た関係者はなお、特定出来ていない(https://www.tokyo-np.co.jp/article/121805)。

東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は4日、大会関係者全員に課している新型コロナウイルスのPCR検査で、陽性が確認されながら個人が特定できていないケースが8件あると発表した。コロナ対策で関係者と外部を遮断する「バブル(泡)方式」にさまざまな「穴」が指摘される中、組織委が繰り返し強調する「強靱な検査体制」でもほころびが浮かんだ。(中略)

大会関係者の検査はこれまでに延べ約50万件行われ、陽性者は4日時点で計330人。組織委は特定できていない8件の提出時期を明かしていないが、提出者は一時的に隔離措置などがないまま業務を続けていた可能性がある。また、各参加者が検査を受ける頻度はシステムに登録されておらず、規定どおりに検査しているかどうか、組織委が把握できる体制になっていない。検査状況の管理は、各国の競技団体やメディアなど参加組織ごとに割り当てられたコロナ対策責任者(CLO)に丸投げしているのが実態だ。

オリ/パラ組織委の杜撰さはいまに始まったことではない。今からでも決して遅くない。累計7千人の意思・看護師を引っこ抜いている東京オリンピックはすぐに中止すべきだ。なお、既に明らかになっているバブル方式の崩壊による選手を含む大会関係者と国民の相互接触に加えて、東京オリンピック強行開催による人流増大はコロナの爆発的感染を加速すが明らかになるだろう。


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