若手を抑えきれない安倍前首相と麻生財務相、野党は9月7日臨時国会提唱ーパラ終了直後に衆院解散か(空気感染補強)

本サイトでしばしばお伝えさせていただいたように、パラリンピック終了直後(9月6日)の臨時国会召集・冒頭解散の可能性は依然として濃厚だ。2019年夏の参院広島選挙区大型買収事案に関して、安倍晋三首相が河井克行元法相・案里候補(当時)側に支給した政党助成金が大半(1億2000万円)の1億5000万円の半分を横領した疑惑を二階俊博幹事長がつかみ、同幹事長が安倍前首相・麻生太郎副総理兼財務相、甘利明党税制会長ら「3A」を屈服させた。このため、自民党内最大派閥の清和会細田派(実質的に安倍派)はその次の勢力の志公会・麻生派とともに、菅総裁再選支持で結束を強めるものと見られているが、現職若手議員は「菅総裁」再選に相当反発しており、両派閥・グループを含め9月29日の自民党総裁選への対応が定まらないようだ。

8月28日土曜日のコロナ感染状況

複数のメディアによると、8月28日の東京都の新規感染者数は前週土曜日に比べて1493人減の3581人だった。死亡者数は19人、現在入院している重症患者は297人で2日連続で最多を更新した。新規感染者数はピークアウトしつつある。全国では午後19時40分23時59分の時点で新規感染者数は2万2750人、死亡者は42人、重症者は2060人。新規感染者数の減少は東京都に比べて、タイムラグ(遅れて生じること)がある。

ただし、「自宅療養=自宅遺棄」を採用しているため事実上、「医療崩壊」の状態にあることに変わりはない。コロナ感染の主流が下記に述べるように「エアロゾル感染=空気感染」で「自宅遺棄」を採用しているため、新規感染者数がどの水準で下げ止まりになるか予測が就かない。「徹底検査と隔離・保護・治療」という感染症対策の根本原則に立ち返らない限り、新規感染者数が十分には下げ止まらないうちに季節要因から冬場に大流行する第6波が襲来することになる。

東京都のコロナ感染者数の推移
東京都のコロナ感染者数の推移

解散・総選挙と自民党総裁選挙

自民党総裁選の最有力候補は、自民党支持者の間で人気の高い河野太郎行革担相兼ワクチン担当相だ。河野氏は「ワクチン担当相としての責務を果たす」と語っているが、石破茂元幹事長のように、「不出馬宣言」はしていない。むしろ。河野氏は8月27日、政策や政治理念をまとめた自著「日本を前に進める」(PHP研究所)を27日に出版する。9月29日投開票の自民党総裁選を見計らったかのようなタイミングに、党内で「総裁選への色気の表れでは」などと臆測を呼んでいるhttps://digital.asahi.com/articles/ASP8V621GP8VUTFK013.html)状況だ。

こうした中で、時期総選挙で当落線上以下にある選挙基盤の弱い現職衆院議員は菅氏の総裁再選に強い反発を示している。自公連立政権の「広報紙」と言われる読売新聞でさえ、「自民総裁選、派閥の結束問われる事態も…若手は『首相支持』に拒否反応」と題して次のように報道せざるを得なかった(https://www.yomiuri.co.jp/politics/20210826-OYT1T50438/)。

自民党の各派閥は26日、党総裁選に関する協議を本格化させた。党内7派閥のうち5派閥が雪崩を打つように菅首相(党総裁)の支持に回った昨秋とは異なり、意見集約に手間取る派閥も出ている。派閥幹部と若手の温度差も目立ち、各派の結束が問われる事態も生じそうだ。(中略)

総裁選に向けての各派閥・グループの動き
総裁選に向けての各派閥・グループの動き

二階幹事長が独断で派としての首相支持を宣言した二階派(47人)。26日の在京議員懇談会は、二階氏が欠席したこともあってか、荒れ模様となった。「派として誰を支えるかは議論してほしい」と注文がついたほか、「この支持率の低さでは、全員討ち死にだ」と怒号も飛んだ。

竹下派(52人)は26日の会合で方針決定を見送った。会長代行の茂木外相は「竹下(亘)会長は、基本的に菅政権を支えることに変わりはない」との方向性を示すにとどめた。茂木氏は会合後、記者団に「それぞれ国民の反応を聞いている。そうしたことも踏まえ、最終的な方向を見極めたい」と語った。前回同様に首相支持でまとめるには、丁寧な手続きが必要と判断したとみられる。

麻生副総理兼財務相は26日、国会内で、麻生派(53人)の幹部らと意見交換を行ったが、結論は出さなかった。最大派閥の細田派(96人)は会長の細田博之・元官房長官が首相再選支持を表明したが、派としては具体的な議論に着手できていない。同派は、所属衆院議員に占める当選3回生以下の割合が55%に上る。昨年に続く「首相支持」に拒否反応を示す若手も多い。同派の下村政調会長が出馬に意欲を示していることも、事態を複雑にしている。(以下略)

朝日新聞も8月28日4面の「岸田氏、『党刷新』前面 対『菅・二階』体制、派閥領袖を訪問 自民総裁選」と題する記事で次のように伝えている(https://digital.asahi.com/articles/DA3S15024436.html?iref=pc_ss_date_article)。

菅義偉首相の自民党総裁任期満了に伴う9月29日投開票の総裁選に向け、立候補を表明した岸田文雄前政調会長が27日、派閥領袖(りょうしゅう)らを訪問するなど活動を本格化させた。党執行部の「刷新」を掲げて攻勢をかける岸田氏に対し、首相周辺や執行部は危機感を強めている。

仮に、河野氏が出馬表明すれば派閥・グループ領袖の意向に反して、自民党内有力派閥所属議員は「河野氏支持」で一致するだろう。今回の自民党総裁線は地方の自民党党員も参加できるフルスペック形式で行われる。ドント方式で得票数が決まる地方票は国会議員票と同じであり、地方の自民党員の「菅首相批判票」も河野氏に向くだろう。要するに、河野氏が立候補すれば菅総裁(首相)に勝ち目はない。なお、「胆力が弱い」とされ、数的にもおとる宏池会岸田派の岸田文雄会長は立候補を表明し、攻勢をかけているとされる。また、無派閥だが安倍前首相に近い高市早苗衆院議員や細田派(安倍派)の下村博文政調会長らも出馬する可能性がある。だが、彼らが出馬しても、自民党国会議員票や地方の「反菅票」は割れるだけで、菅総裁(首相)の再選は確実だ。

野党側としては菅首相(総裁)のままで総選挙を行ったほうが、多数の自民党現職議員を落選させ、野党側の現職も含めた立候補者を当選させることができると思っている。臨時国会開催を要求するのは、新規感染者数がピークアウトしかけているけれども、コロナ対策のためだが、菅首相を追い込んで解散を引き出す狙いがある。立憲民主党関係者によると、12日までの緊急事態宣言と17日からの自民党総裁選挙までの13日から16日までの4日間に照準を合わせているという。

朝日デジタルは「臨時国会『来月7日召集を』 野党、総裁選前の解散余地残す狙い」と題して次のように報道した(https://digital.asahi.com/articles/DA3S15023171.html)。

立憲民主党の安住淳国会対策委員長は26日、国会内で自民党の森山裕国対委員長と会談し、予備費を積み増す補正予算を通すための臨時国会を9月7~16日に開くよう求めた。菅義偉首相に自民党総裁選の告示前の衆院解散をする選択肢を与える提案だ。森山氏は政府・与党で検討し、来週前半に回答する考えを示している。

朝日デジタルによる
朝日デジタルによる

安住氏は会談後、記者団に「異例なことではあるが」と前置きし、「予備費を数兆円積むべきではないかと私の方から申し上げた」と語った。予備費は国会の審議なしに政府が自由に使える。野党はこれまで批判してきたが、立憲側から積み増せと提案した形だ(以下略)。

ただし、朝日新聞出身のフリー・ジャーナリストである佐藤章氏によると、菅首相が「機先を制して」9月7日前の9月6日に臨時国会を招集し、冒頭解散を行う可能性が極めて高いとしている。これについては、立民など野党も想定していなかった(https://www.youtube.com/watch?v=b-kvbAi0mm4https://www.youtube.com/watch?v=b-kvbAi0mm4&t=5s

いずれにしても、菅首相が権力維持のため自ら解散に打って出る可能性は極めて高い。国会が優先されるため、自民党総裁選は仕切り直しになる。「菅首相」が「選挙の顔」では、自民党が衆院議員の議席を大幅に減らすことは確実だ。単独過半数割れも喧伝されている。しかし、自民党支持者が「日本維新の会」の立候補者に投票し、自公プラス維新で過半数を獲得することは大いに有り得る。菅首相も「コロナから国民の生命を守り、経済を起動に乗せることで敗北の責任を取りたい」と言って権力の座に居座るだろう。

こうなれば、野党側の敗北になる。真正野党が敗北を阻止するためには、「徹底検査と隔離・保護・治療」という根本原則に立ち返り、「具体的な医療体制の整備・強化」というコロナ対策の抜本転換策を国民の前に提示することが不可欠だ。そのうえで、共通理念、共通政策、野党連合政権構想を示す必要がある。

コロナ感染の主流経路は「エアロゾル感染」

これに関連して、新型コロナの主要な感染ルートが、厚生労働省の医系技官からなる「感染症利権ムラ」が主張していた「飛沫感染」ではやく、「エアロゾル感染」であることを主張する専門家の声が日本の主要メディアとして初めて、8月28日付の朝日新聞8月27日20時24分の朝日デジタルで報道された(https://digital.asahi.com/articles/ASP8W6KSKP8WULBJ00H.html?iref=comtop_7_01http://web.tohoku.ac.jp/hondou/stat/)。28日付朝刊14版には掲載されていなかった。

新型コロナウイルスの感染対策について、感染症や科学技術社会論などの研究者らが、「空気感染が主な感染経路」という前提でさらなる対策を求める声明を出した。「いまだ様々な方法が残されており、それらによる感染拡大の阻止は可能である」と訴えている。声明は、東北大の本堂毅准教授と高エネルギー加速器研究機構の平田光司氏がまとめ、国立病院機構仙台医療センターの西村秀一・ウイルスセンター長ら感染症の専門家や医師ら32人が賛同者として名を連ねた。27日にオンラインで記者会見を開き、説明した。

空気感染は、ウイルスを含む微細な粒子「エアロゾル」を吸い込むことで感染することを指す。エアロゾルの大きさは5マイクロメートル(1マイクロは100万分の1。5マイクロメートル=0.005ミリメートル。飛沫とは直径5ミクロン=マイクロメートル以上の水分を含んだ粒子)以下とされ、長い時間、空気中をただよう。厚生労働省のウェブサイトでは、新型コロナの感染経路として、くしゃみなどで出る大きなしぶきを介した「飛沫(ひまつ)感染」や、ウイルスの付着した場所に触れた手で鼻や口を触ることによる「接触感染」が一般的と説明されている。一方、世界保健機関(WHO)や米疾病対策センター(CDC)はそれぞれ、ウイルスを含んだエアロゾルの吸入についても、感染経路だと明記している。

声明は、空気感染が新型コロナの「主たる感染経路と考えられるようになっている」と指摘。考えられている以上に距離が離れていても感染リスクはあり、逆に空気中のエアロゾルの量を減らすような対策で感染抑制ができるとした。そのうえで、国や自治体に対して、ウレタン製や布製のよりも隙間のない不織布マスクなどの着用徹底の周知▽換気装置や空気清浄機などを正しく活用するための情報の周知▽感染対策の効果を中立な組織によって検証することを求めた。声明は、内閣官房、厚労省や文部科学省に送付したという。

医師で民法・医事法が専門の米村滋人・東大教授も賛同者の一人。米村さんは政府の対策は「マクロ対策の一つである緊急事態宣言に大幅に依存している」と指摘。個人の感染を直接防ぐための対策の徹底や、外国の事例の検討などが求められると述べた。

有効な換気装置や空気清浄機を徹底利用することは重要だが、エアロゾルは5マイクロメートル(0.005ミリ)以下と非常に小さいため、不織布マスク(ウイルスや花粉などの小さな粒子の侵入を防ぐ機能が優れていると言われるマスク)でも限界があるのではないか。細心の注意を払うとすれば、医療用のN95マスク(5μm0.3μmの以下の微粒子を95%以上捕集できるの粒子に付着した病原体を捕集することができるとされる)と同程度以上の性能を持つマスクが必要なところではないか。

この記事は「感染症利権ムラ」に属する国立病院機構や押谷仁 押谷仁大学院医学系研究科微生物学分野・教授が在籍する東北大学らが関与しているため、まだまだエアロゾル感染=空気感染の「恐ろしさ」を伝えていない(アリバイ作りの可能性もなくはない)。「感染症利権ムラ」の「コロナ(似非)対策」を正確に批判し続けてこられたNPO法人医療ガバナンス研究所の上昌広理事長兼臨床医師らの指摘を不十分だが認めた形だ(https://toyokeizai.net/articles/-/448957)。エアロゾル感染=空気感染の恐ろしさは次の点にある。

エアロゾルは、最低で3時間程度、感染性を維持しながら(密閉された空間の)空中を浮遊し、長距離(例えば、旅客機の機内)を移動する。検疫のための宿泊施設で、お互いに面識がない人の間で感染が拡大したり、バスや航空機の中で遠く席が離れた人が感染したりするのは空気感染が原因だ(しかも、公共交通機関の乗務員・乗客はマスクを着用している)。(中略)

その後、7月6日には、世界32カ国の科学者239人が、「 世界保健機関(WHO)や各国はコロナが空気感染で拡大することを認識すべき 」 との論考を、アメリカの『臨床感染症学誌』に発表した。アメリカ・テキサスA&M大学の研究者らが、アメリカの『科学アカデミー紀要』に「空気感染こそ、コロナ感染拡大の主要なルート」という論文を掲載するなど、空気感染がコロナ感染拡大の大きな要因であることは、いまや医学界のコンセンサスだ。だからこそ、テニスの全豪オープンでは、飛行機の同乗者に陽性者が出て、錦織圭選手ら全員が2週間の隔離となった。これは空気感染を考慮したからだ。(中略)

案の定、東京五輪では多数の感染者を出した。8月16日現在、540名の感染が確認され、このうち選手は28人だ。東京五輪関係者は数万人だろうから、感染率は1%前後だ。これは(「バブル方式」導入の触れ込みにもかかわらず)かなりの感染率(NHKの調べによると、8月28日午後23時59分時点の累積感染者数は144万人。日本の総人口は今年8月概算で1億2530万人だから、コロナ感染率は144万人÷1億2530万人×100=1.1%)だが、大部分のケースで感染経路は不明だ。「(飛沫感染を断ち切るための)バブル方式」下での感染だから、感染経路の多くは空気感染の疑いが濃い。(エアロゾル=空気感染の場合は、コロナ感染者が居た密閉空間でエアロゾルが浮遊している限り、コロナ感染者が居なくても感染する。以下略)

東京都などで職場や学校と家庭がコロナ感染源の割合がどんどん高まっているのは、エアロゾル感染=空気感染のためだ(https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/014/827/60kai/20210826_04.pdf)。これでは、テレワークでしか国民の生命・健康を守れなくなる。しかも、エアロゾル感染=空気感染は経済活動にも深刻な影響をもたらす。

テレワークでは「生産」が行えない。実際、「世界の部品工場」になっている東アジア(中国・台湾)・東南アジア地域ではデルタ株の空気感染によって工場で働くことができなくなり、部品の生産が止まっている。併せて、日本などでは「完成品」の生産も停止を余儀なくされている。こうなると、モノの供給量が少なくなり(供給ショックが起こり)、モノ不足インフレ(輸入インフレ)が起きてしまう。財政政策が効かない「スタグフレーション(不況下の物価高)」という手に負えない経済現象のマグマが蓄積されてくることになる。

 

このことを正しく理解すれば、これまてまで「感染症利権ムラ」が取り続けてきた①PCR検査の徹底的抑制②「積極的疫学調査」ーが根本的かつ致命的な誤りであることが明らかになる。PCR検査の抑制は、「徹底的検査と隔離・保護・治療」という感染症対策の基本原則を無視したものであり、「積極的疫学調査」も言葉そのものを含めて全く意味を失ってしまうことになる。

つまり、厚労省の「感染症利権ムラ」の「コロナ対策」なるものが完全に間違っていたことになる。その間違いを糊塗するため、コロナ新規感染者は原則「自宅療養」という「自宅放置=自宅遺棄」まで行い出した。このため、家庭(住居)で一家全員が感染し、治療も受けられず死亡者が出るという事案が相次いでいる。要するに、厚労省医系技官の致命的な失敗のために、「治療すれば回復するのに放置して死亡させる」ことや「トリアージ(生命の選別)」が行われているのだ。

真正野党側は、コロナ感染の主流がエアロゾル感染=空気感染であることを正しく認識し、上理事長など「感染症利権ムラ」を批判してこられた臨床医師でもある感染症専門家から政府=菅政権の「コロナ似非対策」の失敗について十二分に事情を聴取し、「感染症利権ムラ」の解体とそれに代わる日本版疾病予防センター=CDC=を組織化し、医療体制の抜本的再編を行うべきだ。その際に、英国で取られているコロナ感染の場所・時期の予測を行い、国公立病院や地域医療機能推進機構傘下の病院、労災病院、国公私立大学附属病院(英国の場合はNHS=National Health Service=傘下の病院)に対してコロナ病床と一般病床の機動的な再編の必要性を伝達する「医療用データセンター(NHSデジタル)」の設立が不可欠になる(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66583)、https://news.yahoo.co.jp/articles/91e0a8a9b49e9c9908f70f06b360d0af25b989d3?page=1https://www.youtube.com/watch?v=nFyY_j3DRDY)。

昨年3月17日、英国の人口の84%を占めるイングランドのNHS(無料の国営医療サービス)のCEOサイモン・スティーブンス卿は、NHSの約10万の病床のうち3万床以上をコロナ患者向けに用意するよう全NHS病院に命令を発した。具体的には、4月15日以降、急を要しない手術を、最低3カ月間延期し(救急治療、がん治療、その他緊急の対応を要するケースは除く)、退院が可能な健康状態の患者は退院させることとした。

この命令にもとづき、不急部門の診療科を次々と閉鎖・縮小させ、退院できる患者もどんどん退院させ、3月末までに約10万あった病床のほぼ半分を空けさせた。これにより、ピークだった今年1月のコロナ入院患者数3万4336人は十分カバーされた。(中略)

NHSには「NHSデジタル」(本部・西ヨークシャー州リーズ市)という約6000人が働く情報・IT部門があり、そこが患者との最初の窓口になるGP(家庭医、日本で言えばかかりつけ医)から患者個々人の情報を吸い上げている。これが医療体制の効果的運用を可能にした。多数のデータサイエンティストがGP経由で送られてくる情報をもとに、地域ごとの将来のコロナ患者数の予測などを行い、経営陣がどの病院のどの部門を閉鎖・縮小し、どの設備と医療スタッフをコロナ病床やICUに振り向けるか、あるいは逆にどのコロナ病床を元の部門に戻すかといった決定や勧告をしている。的確で詳細な予測と指示によって、ごく短期間で必要な病床と医療スタッフの確保を実行しているのである。(以下略)

医療ガバナンス研究所による
医療ガバナンス研究所による

 

なお、上手に示すように「人流」と「コロナの波」は関係がない。コロナの波は「初夏、夏場に小流行し、冬場に大流行する」という季節的要因によって起こり、デルタ株、ラムダ株などの変異株要因が振幅を大きくする。現在の第5波は8月の終わりから9月初めにかけてピークアウトすると見られているが、「感染症利権ムラ」による「似非コロナ対策」を撤廃しない限り、コロナが大流行する冬場には極めて深刻な第6波が起こる。


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