岸田次期政権は3Aの傀儡政権ー党首会談で合意の真正野党側は総選挙共闘体制強化へ総力を

UR都市再生機構から1200万円収賄したとの疑惑が払拭されていない甘利明自民党税務調査会長が、先の自民党総裁選で岸田陣営と安倍晋三前首相が自己の度重なる不祥事をもみ消すため強力に支援した高市陣営の協力体制構築に功績があったことから、同氏が自民党の最重要職である幹事長に就任する。これで、時期岸田政権が3Aの傀儡政権であることが天下に周知の事実になった。これに対して、立憲民主党・日本共産党の2党は党首会談を行い、野党共闘政権の内容を「共産党の閣外協力」による野党連合政権として明確化した。立民とれいわ新選組も党首会談を行い、立民側が消費税率の5%への引き下げを明確にしたことから、選挙協力体制を本格化することで一致した。野党共闘体制構築に遅れてはいるが、岸田次期政権が3Aの傀儡政権とあっては、投票率を引き上げることに成功すれば、野党共闘側が国民への政権奪還に成功するチャンスでもある。11月4日または11日の日曜日と予想されている総選挙に向け、野党共闘側は最大限強力な共闘体制を敷くべきだ。

次期総選挙、3Aの傀儡・岸田政権に対して真正野党は共闘体制の徹底化を

Wikipediaを引用させていただくと、甘利氏の口聞きによるURからの1200万円収賄疑惑とは次のようなものだ(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%98%E5%88%A9%E6%98%8E#UR%E3%82%92%E3%82%81%E3%81%90%E3%82%8B%E5%8F%A3%E5%88%A9%E3%81%8D%E7%96%91%E6%83%91)。

2016年1月、千葉県の建設会社「薩摩興業」が2013年に道路建設をめぐり甘利側に都市再生機構(UR都市機構)に対する口利きを依頼し、見返りに総額1200万円を現金や接待で甘利側に提供したと、週刊文春が報じた。甘利は「社長が大臣室を訪問したのは事実」と認めたが「何をしたかは記憶が曖昧だ」と述べた。

同月28日の記者会見で、薩摩興業側から2013年11月に大臣室で50万円、2014年2月には大和市の地元事務所で50万円を2回に渡り受け取ったことを認め、「秘書には政治資金収支報告書に記載するよう指示したが記載されなかった」と述べ、500万円については「秘書に政治資金収支報告書へ記載するよう指示したが実際には200万しか記載せず、300万は秘書Aが無断で私的流用していた」と述べた。この報道の影響で、1月28日に行われた会見で引責辞任を発表した。またこれ以降「睡眠障害」を理由に第190回国会を閉会まで欠席。

2016年3月15日、弁護士グループ「社会文化法律センター」が[70][71][72]、また4月8日には「政治資金オンブズマン」が[73]、それぞれ、東京地方検察庁に甘利とその元秘書をあっせん利得処罰法違反で刑事告発した。これに対し、甘利の事務所は容疑を否認している[70]。特別捜査部は5月、全員について嫌疑不十分で不起訴処分[74]。両者は検察審査会への申し立てを行なったが、甘利については不起訴相当、秘書については不起訴不当。この不当議決を受けての再捜査の結果も嫌疑不十分で不起訴とされた[75]。8月20日、告発可能な全ての事実について公訴時効成立。

このUR贈収賄疑惑は当時、法務省の大臣官房長を務め2016年9月5日に次官に就任した黒川弘務法務事務次官(当時)がもみ消したものと見られている。甘利氏は起訴されるどころか説明責任さえ果たしていない。このため、事件のほとぼりが冷めると、麻生派(先の自民党総裁選で敗北した河野太郎氏の父親であり、細川護熙=もりひろ=政権以来の非自民連立政権から自民党が政権を奪還した際に樹立した自社さ政権時代の河野一郎自民党総裁、外務大臣が領袖になった河野派を受け継いだ派閥)の重鎮として再活躍するようになった。

先の自民党総裁選では、安倍前首相が泡沫候補だった高市元総務相に目をつけ、資金面も含め全面支援した。取り敢えず、インターネット広告を使って河野家の中国との関わりの強さを「反中」層の自民党の党員・党友層に訴えた。これは、自己の森友・加計・桜事案や2019年夏の参院選広島選挙区選挙時の公金横領疑惑(溝手顕正参院議員を失脚させるため側近であった河井克行法相=当時=の妻である河井案里氏を立候補せさたうえ、他候補の10倍に当たる1億5000万円を河井陣営側に支給し、その半額相当を河井克行法相から受け取ったという疑惑=いわゆる「取り敢えず半分疑惑」事案=)などの不祥事をもみ消すためだ。

安倍前首相が当初、高市氏を全面支援したのは総裁選当初、広島選挙区での大型買収事件など過去の安倍政権時代の安倍氏の不祥事の再調査を求めた岸田氏では、自らの将来が危ういと感じたためだ。ところが、超国家主義者である高市氏では自民党の党員・党友層や自民党国会議員の支持は得られないとして甘利氏が急遽、安倍前首相に岸田氏の再評価と決選投票になることを見越しての岸田・高市連合を求めた。その結果として、一回目の投票では岸田氏が一位になり、決選投票では「小石川連合」の勝利を求める地方の声を無視した派閥締め付けの国会議員投票で、岸田氏がフル・スペックの総裁選とは矛盾する派閥の論理(安倍・麻生連合の思惑)で勝利した。

その論功行賞で、甘利氏が自民党の最高ポストである幹事長に、高市氏も政調会長に就任することになった。自民党若手議員からなり派閥の論理ではなく自主投票を求めた「党風一新の会」代表の福田達夫氏に対しては、総務会長に「抜擢」と見せかけて懐柔する。福田氏は、岸信介首相(当時)に源流を持ち、自主憲法制定や軍事力強化による日本の自主独立を目指す清和会を結成した福田赳夫元首相の孫、その息子で首相を務めた福田康夫氏の子息である。岸田新総裁はまた、自民党の「副総裁」に麻生太郎財務相を起用する。通常、「副総裁」は名誉職だが、今回の「副総裁」は実権を持つだろう。なお、閣僚人事については岸田新総裁側がしきりに大手メディアにリークしているが、3Aがそれを認めるか疑問なしとしない。

これに対して、決選投票で多少なりとも河野氏を支援した二階派(グループ)領袖の二階俊博幹事長は幹事長職を退かされ、岸田新総裁は河野陣営の河野太郎行革担当相兼ワクチン担当相も解任して党広報本部長といった「思想教育」を施すための党の職務につかせる意向だ。石破茂元幹事長や小泉進次郎環境相らも冷や飯を食わされる形で冷遇されるようだ。これらの新人事は明らかな報復人事。岸田次期政権が3Aの傀儡選件であることが天下に明々白々になるだろう。しかし、こうした報復人事は総選挙の手足となる地方の自民党議員・委員・党友と自民党党本部の軋轢をまねき、総選挙での選挙力・活動力の弱体化は避けられない。自民党の改革を期待していた地方の自民党支持層が総選挙で投票所に足を運ばず、無言の抵抗を行う可能性もないではないだろう。

地方票を無視した岸田傀儡政権を選んだ自民党国会議員
地方票を無視した岸田傀儡政権を選んだ自民党国会議員

 

一般国民にとっても、岸田新総裁(取り敢えずは次期首相)は新自由主義的政策は修正し、特に分配政策は重視して年内に大型財政出動を行うと言いながらも、基礎的財政収支(プライマリー・バランス)黒字化政策(政策経費を税収以内に抑える超緊縮財政)は採り続け。アベノミクスは称賛するなど、自らの掲げる政策に整合性は取れていない。はっきり言えば矛盾しており、国民をだますだけのものだ。長期にわたるデフレ不況と格差拡大が続いた日本の経済社会が再生されることはない。

しかも、日本国憲法を無視して対米隷属姿勢を強化させた安保法制(戦争法制)や基本的人権を弾圧する特定秘密保護法、共謀罪は当然、継続する意向であり、安倍政権時代の不祥事はもちろん、菅政権時代のコロナ禍への自己責任持ち込み策=自宅療養という名の自宅放置・遺棄政策も踏襲する可能性が濃厚だ。岸田氏の唱える「健康危機管理庁」も厚生労働省の医系技官による「感染症利権ムラ」の利権を拡大させるだけになり、冬に大襲来するコロナ第六波に対応することはできまい。

加えて、国内では飲食店いじめにで米価が暴落(千葉県では1俵6000円で生産コスト1万5000円を大幅に下回っている)しているうえ、ベトナムなど世界の製造業部品生産拠点である東南アジア諸国ではコロナ禍による創業自粛から、日本国内での完成品の組み立てに必要な部品の生産がストップ、日本の部品輸入価格が上昇してきている。世界の生産拠点になっている東南アジア諸国(ASEAN)に対して世界的なコロナ・グリーンニューディール政策を打たなければ最悪の場合、日本経済はスタグフレーション(不況下の物価高)に陥る。

現代嘉平理論(MMT)による積極財政政策は、創造的な適用が必要だ。これらに岸田次期政権が対処できるとは思われない。中央と地方を合わせた自民党は内部から弱体化していくだろう。公明党に対しても支持母体である創価学会婦人部を中心に公明党執行部に対する反逆の火種がくすぶり続けている。岸田政権は総選挙の勝利目標を与党で過半数としているが、これは70議席程度の議席源は覚悟していることを意味する。ただし、野党の共闘体制の組み方によっては、さらに議席数が減少する可能性がある。こうなると、「日本維新の会」がキャスティング・ボートを握ることになる。その場合は、維新も高市氏と同様、国家主義(右翼全体主義)政党の傾向が強いから、日本の政治は極めて危険な状態になる。

こういう情勢だから、立憲民主党の枝野幸男代表は腹をくくらなければならない。その立民の枝野代表と日本共産党の志位和夫委員長が9月30日、党首会談を行い、野党共闘を呼びかける市民団体「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」(市民連合)の仲介で、市民連合と立民、共産党、れいわ、社民のまとまった安保法制の廃止や消費税減税など20項目の政策を実現することを目的に、共産党が閣外で協力する「連合政権構想」がまとまった(https://www.jcp.or.jp/akahata/aik21/2021-10-01/2021100101_01_0.htmlhttps://digital.asahi.com/articles/ASP9Z6WMRP9ZUTFK00L.htmlhttps://www.youtube.com/watch?v=2fWhcVLpE14)。

日本共産党の志位和夫委員長と立憲民主党の枝野幸男代表は30日、国会内で会談し、(1)次の総選挙において自公政権を倒し、新しい政治を実現する(2)「新政権」において、市民連合(「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」)と合意した政策を着実に推進するために協力する。その際、日本共産党は、合意した政策を実現する範囲での限定的な閣外からの協力とする(3)両党で候補者を一本化した選挙区については、双方の立場や事情の違いを互いに理解・尊重しながら、小選挙区での勝利をめざす―とした3点(別項)で両党が協力することで合意しました。会談には日本共産党の小池晃書記局長、立憲民主党の福山哲郎幹事長が同席しました。

立民・枝野代表との党首会談の結果について記者会見する日本共産党の志位委員長
立民・枝野代表との党首会談の結果について記者会見する日本共産党の志位委員長

立憲の枝野氏はこの日、国民民主、社民、共産、れいわの順に党首会談をそれぞれ国会内で開いた。衆院選で自公政権に対抗するため、できる限り小選挙区の候補者を一本化する協力を進めることで一致した。立憲民主党の枝野幸男代表は9月30日、共産党の志位和夫委員長と国会内で会談し、次の衆院選で立憲が政権を取った場合、一部の政策の実現について「限定的な閣外からの協力」をすることで一致した。両党が政権の枠組みを示したのは初めて。合意を踏まえ、両党は小選挙区の野党の候補者一本化を加速させる。(中略)

これを踏まえ、枝野氏と志位氏は30日の会談で、①衆院選で政権交代をめざす②共産は市民連合と合意した政策を実現する範囲で限定的な閣外からの協力をする③両党が候補者を一本化した選挙区で勝利をめざす、の3点で合意した。立憲の枝野氏はこの日、国民民主、社民、共産、れいわの順に党首会談をそれぞれ国会内で開いた。衆院選で自公政権に対抗するため、できる限り小選挙区の候補者を一本化する協力を進めることで一致した。(以下、略)

朝日デジタルの記事では「限定的」と「政策連合」の価値を貶める表現を使っているが、志位委員長の記者会見によると立民と日本共産党の基本政策は大筋で一致しており、それ以外の政策でも相互に連絡しあい、合意できる政策については合意して実現に協力するとしている。実質的には、「限定的な閣外協力」ではなくて信頼関係を築きつつの「積極的な閣外協力」である。このことは、「限定的」という意味について、志位委員長が記者会見で次のように述べていることからも分かる(https://www.jcp.or.jp/akahata/aik21/2021-10-01/2021100102_01_0.html)。

『限定的な閣外からの協力』という合意になりましたが、わが党は、一貫して、『閣内協力も、閣外協力もありうる』と言ってきましたが、ですからこうした合意になったことに、とても満足しています。『限定的な閣外からの協力』ということですが、『新政権』において、実現のために協力することを合意した政策――市民連合と合意した政策は、あれこれの部分的な政策ではありません。9年間の安倍・菅自公政治をチェンジする要となる政策がしっかりもりこまれています。『新政権』において、そうした政策を実現するために協力することが合意された意義は、たいへんに大きいと考えます。

なお、自公連立せ政権の広報紙とも揶揄される読売新聞は10月1日付で立民と共産の党首会談について、共産、『連合政権』取り下げhttps://www.yomiuri.co.jp/politics/20211001-OYT1T50028/)としているが、これはおかしい。立民、共産など野党共闘による政権には、閣僚を出す「野党連立政権」と閣僚を出さないで閣外で協力する「野党連合政権」の二つの形態がある。上記の意味での「限定的な閣外協力」というのは「野党連合政権」構想のことで、「共産、『連合政権』取り下げ」というのは明らかに意図的な誤報だ。それだけ、既成権力側は立民と共産が共闘することを恐れているということだ。日本の権力支配構造は安倍、菅時代に米官業政電(波)から米政官業電に移っているが、電波マスコミもその一角であることを忘れてはならない。

日本共産党は1955年7月に開かれた第6回全国協議会で「農村から都市へ」という毛沢東主義の影響を受けた極左暴力革命路線を転換して、今日の先進国型平和革命路線に踏み出し、翌 56年7月の第7回党大会で武装闘争による暴力革命を唱えた19 51年綱領を廃棄するとともに宮本顕治が書記長(当時)に就任、平和革命路線を推進してきた。1993年6月25日の赤旗2面で「51年文書」と格下げを表明して以降、現在の日本共産党は正規の党綱領であった過去を認めない姿勢を採っており、国民の中では一部の反共保守主義者達を除いて同党が再び、暴力革命路線に転換すると思っている者はいない。

なお、志位委員長は千葉県出身(1954年7月29日誕生)で東京大学に入学、大学一年生時に共産党に入党。宮本顕示の長男の家庭教師を務めたこともあった。工学部応用物理学科卒業後は東京都委員会に就職。1990年に書紀局長2000年(平成12年)の第22回党大会から常任幹部会の不破哲三委員長の後任として党委員長となった。

ただし、今回の立民・共産合意で「野党連立政権」ではなく「野党連合政権」を打ち出すことになり、閣内協力(閣僚を日本共産党の国会議員から出すこと)に至らなかった根本的理由は、日本共産党が暴力革命を正当化した「弁証法的唯物論・史的唯物論・資本論」の古典的共産主義体系に変わる現代版「科学的社会主義」の全貌を再体系化し得てないためだ。このためには、マックス・ウェーバー=大塚史学による史的唯物論の再構築が必要になる(https://www.it-ishin.com/2020/08/16/historical-sociology-2/)。

また、エンゲルス=レーニン=スターリンらによる弁証法的唯物論の止揚と資本論の数理経済学化が必要になる。この方面では、森嶋通夫、置塩信雄の先駆的研究があり、今日では慶応大学経済学部の大西洋教授が業績を挙げておられる(https://www.youtube.com/watch?v=XJNV4kRd71s)。マルクス当時の古典的資本主義経済体制(自由放任の旧自由主義経済体制)だけではなく現代資本主義体制も分析の対象にして、社会民主主義を経て本来の社会主義体制から共生共栄友愛主義体制への道のりを社会科学的政策論として明らかにしなければならない。なお、「共産」の「産」は「経済」に偏っている。科学は人文科学、社会科学、自然科学の三つの分野からなる。だから、そうした作業の暁には、「日本共産党」から「日本共生党」などの党名に変更するべきだろう。

なお、野党共闘体制の接着剤としては、法政大学法学部の山口二郎教授が実質的に世話人になっている「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」(市民連合)と政治経済評論家の植草一秀氏が実質的な指導役になっている「政策連合(オールジャパン平和と共生)」がある。ともに野党共闘体制の確立に重要な役割を果たしてきたが、前者と後者の違いには、①核燃料サイクルを含む原子力発電の廃止をめぐるスケジュール②対米隷属体制からの脱却スケジュールーの相違がある。市民連合には米国ディープステート傘下の連合の影響力があり、連合と国民民主党が日本共産党を野党共闘体制から排除しようとしてきたことについては、あまり明確にしていない。

その連合にも若干、変化の様子がうかがえる。神津里季生会長の後任に、金属・機械系中小企業の労組などでつくる産業別労組JAM(ディープステート支配下の6産別の一角だが、中小企業の産別労働組合)の芳野友子・連合副会長(55)が就任することが内定し、連合ナンバー2の相原康伸事務局長(61)の後任にも旧総評系で官公労系の労組出身としては初の事務局長として日本教職員組合(日教組)委員長の清水秀行氏(62)が内定している。10月6日に正式決定の予定だが、次期会長率いる連合がこれまでと同様、ディープステートの支配を受け続けるのか、それとも従来の連合と様相が異なってくるのか、連合の弱体化や組織分裂の可能性も考慮に入れて、慎重に判断しなければならない情勢になってきた(参考:https://www.youtube.com/watch?v=rQ_LVxoyVQk&t=3340s)。

なお、国民民主党の玉木雄一郎代表が日本共産党を左翼全体主義政党として批判したことに対して志位委員長に陳謝したことを「了」として、日本共産党(の志位委員長、田村智子政策委員長)は国民民主党と協力を継続していくとしている。しかし、国民民主党が核エネルギーサイクルを含む原発の廃止に反対すれば、国民民主党とは縁を切り、自公連立政党側に移っていただくしかない。「政策連合(オールジャパン平和と共生)」以外にも、国民民主党はいずれ自公両党側に行くとの見方も強い。

ただし、国民民主党でも衆院議員と参院議員とでは立ち位置が異なるようだ。いずれにしても、国民民主党は国民の前に自党の性格をはっきりさせていない。国民の目を欺くものだ。同党としても、立ち位置を政権側なのか、完全にリベラル側なのか立ち位置をはっきりさせなければならない。

立民・枝野代表との党首会談の結果について記者会見するれいわ新選組の山本代表
立民・枝野代表との党首会談の結果について記者会見するれいわ新選組の山本代表

 

次に、立民の枝野代表とれいわ新選組の山本太郎代表との党首会談では、枝野代表が次の総選挙で自公政権を倒し新しい政治を実現したい考えを明らかにし、山本代表もこれに賛同した。両党が現在、競合する選挙区は一本化を目指すことで合意した(https://news.yahoo.co.jp/articles/bf3fdd257b80dfe162cfa16046c624714501433b)。なお、れいわ新選組の山本代表は衆院比例ブロックについては「統一名簿」を作成することが望ましいとしている。そうすれば、事実上の二大政党の一騎打ちになり、50%に低迷している総選挙での投票率も飛躍的に上がるだろう(https://www.youtube.com/watch?v=NH6Ta4n32Nk)。

下図の枝野ビジョンは、枝野代表にしては思い切ったものだがパンチ力に欠ける。総選挙で野党共闘側が勝利したとしても参院議員ではねじれ現象が続くため、できるところから地道に行うということだろうが、コロナ第六波は非常に厳しいものになり、枝野代表の想像を超える財政出動が必要になる。スタグフレーションに陥らないよう最大限の手を尽くしながら、現代嘉平理論(MMT)の創造的応用で、大胆な財政出動が必要になる。合わせて、既に述べた統一名簿を作成すれば、眠れる国民に対して巨大なインパクトを与えることになる(参考:https://www.youtube.com/watch?v=wTOcJJi8BU0)。

江田のビジョン
江田のビジョン

 

いずれにしても、3A傀儡政権で科学的・感染症学的コロナ対策では岸田政権はもろい。山口法政大学教授の言葉を借りて野球に例えれば、先攻は自公両党、後攻は野党共闘で6回表まで自公両党の6対3だった。ところが、6回裏で菅義偉政権が国民に見放されて崩壊したものの、中央の自民党憲法無視・利権層が総裁選で地方の自民党支持層の期待を無視して岸田傀儡政権をつくるというワイルド・ピッチを行ったため、結果的に後攻の野党共闘側が1点を獲得、6対4になったというところだろう。

あと、3回残っているが、総選挙という試合の決着は不透明感が増してきた。不透明感が増すと。人生をこんなものだと諦めかけている支持政党なし層が関心をもたざるを得なくなり、総選挙の試合の勝敗の行方が分からなくなる雲行きになってきた。最終回の9回の攻防に俄然、注目が集まってきた、というところではないか。

そのもろさを国民の前に明らかにし、比例ブロックでの統一名簿の作成を中心に、既存メディアやインターネットを駆使すれば、維新の獲得議席を加えたとしても野党共闘による政権奪還は可能になるだろう。ただし、野党の統一名簿の作成は、小沢一郎衆院議員の力量に依存しているが、枝野代表が民主党政権時代の悪徳七人衆の一人として小沢氏を遠ざけているため、実現は難しい。その場合は次戦の策として、来夏の参院議員選挙で参院にねじれを引き起こす以外にない。これを阻止するために、自公政権としては衆参同時選挙に打って出る可能性もあるが、冬部のコロナ第六波の襲来対策に失敗することは確実だから、返り血に遭うだけだろう。


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