本サイトで菅首相はは9月第一週解散・総選挙→自民総裁選というシナリオを描いていたが、コロナの感染爆発で総裁任期満了に限りなく近い解散・総選挙を余儀なくされたようだ。しかし、麻生太郎副総理兼・財務相と安倍晋三首相が抵抗し、両「実力者」が自民総裁選の後に新総裁・総理の下での解散・総選挙に持ち込もうとする公算が大きくなったようだ。コロナ感染爆発に加えて、菅首相の「天領」である横浜市の市長選で、前国家公安委員長の小此木八郎候補が隠れIRであることを有権者に見透かされ、現職の林文子候補が出馬を取り止めても立憲民主党推薦の山中竹春候補が圧勝するとの観測が強まってきたためだ。総裁選での有力候補は麻生派の河野太郎行革担当相兼ワクチン担当相で、河野氏が総裁選に出馬すれば菅首相は敗退することになるため、菅氏は首相辞任の意向を固めているという。ただし、安倍・麻生・甘利明税制調査会長らの「3A」による包囲に対して、二階俊博幹事長が河井夫妻違法選挙事案での「取り敢えず半分疑惑(公金横領疑惑)」で安倍氏を道連れにする可能性もある。その場合は、自民党は大打撃になる。自民党大打撃か河野氏で取り敢えず「再生」か。立憲民主党は連合(御用組合)依存ではない国民政党に変貌することが不可欠だ。
8月18日水曜日のコロナ感染状況(追記予定)
複数のメディアによると18日水曜日は過去2番目で、水曜日としては過去最多の5386人が新型コロナ新規感染した。死亡者は6人、東京都基準の重症者数は275人(厚生労働省基準ではその8倍の2100人程度)。7日移動平均での新規感染者数は過去最多を更新し続けている。また、前週比も再上昇しつつあるようだ。厚労省の医系技官(医務技官と保険局長)が「自宅療養」を基本とする悪政のトリガーになったことから、自宅で一家全員がコロナ(デルタ株)に感染し、首都圏を中心に死亡者が出るという悲劇が相次いで起こりつつある。それでも、オリンピックを強行開催したことからパラリンピックも中止の説明ができなくなり、強行開催になっている。パラリンピックの選手がワクチンを接種しているか不明(ワクチン接種でも安心できない)であり、場合によっては悲劇のパラリンピックに陥る可能性がある。
全国では午後18時30分23時59分の時点で新規感染者数は過去最多の2万3917人、死亡者30人、重症者1716人になっている。
菅首相の解散・総選挙→自民党総裁選のシナリオ破綻か
本投稿記事は、読書家で企業家の清水有高氏のYoutube番組「一月万冊」で、朝日新聞出身でフリージャーナリストの佐藤章氏が8月17日夜、現時点の最新情報として明らかにした(https://www.youtube.com/watch?v=PI6odm6_PfI)内容に、サイト管理者(筆者)の観測を交えたものです。
二階幹事長が、2019年夏の参院選で当時の安倍総理・総裁が河井克行前法相(当時。東京地裁で公職選挙法違反で懲役3年の実刑判決)・案里参院議員(当時。同1年4カ月の懲役・執行猶予5年が確定、議員辞職)の大型買収事案で、検察側から返却された資料をもとに、安倍首相と河井前法相とが数回にわたり首相官邸で密談、安倍氏が河井陣営に支給した1億5千万円のうち約半分を受け取っていたこと(「取り敢えず半分疑惑」=公金横領疑惑)を最終的に突き止め、3Aに対して攻勢に転じたことは既に投稿させていただいた。併せて、9月末が任期の自民党総裁選より先に解散・総選挙に打って出るとの見方も紹介させていただいた。
しかし、東京都など首都圏でのコロナ感染爆発が収まらず、新型コロナウイルス緊急事態宣言の対象地域に茨城、栃木、群馬、静岡、京都、兵庫、福岡の7府県を追加するとともに、まん延防止等特別措置に広島県など10県を追加、期間も9月12日まで延長することになった。これでは、9月第一週に菅首相が臨時国会を開いて冒頭解散・総選挙に打って出ることはできない。またいずれも、相変わらず「飲食店」を狙い撃ちにした「非科学的」なアナウンスでしかないため、宣言や蔓防の実質的な効果(コロナ感染爆発の一時的な終わり)はない。「初夏と夏に小流行し、冬場に大流行する」という季節的要因で夏の終わりとともに新規感染者数が漸減してくる可能性はあるが、感染力と重症化力の強いデルタ株が新規感染の主流になっているため、確定的なことは断言できない。
こうなると、自民党総裁選の前の9月末までに臨時国会を招集して冒頭解散・総選挙に打って出るという菅首相のシナリオは崩壊してしまう。自民党の党総裁選の日程を決めるのは二階幹事長であり、8月26日とされている。大方の予測シナリオでは、自民党総裁線は9月17日告示ー9月29日投開票という日程が有力だ。菅首相が解散・総選挙に打って出る日は9月13日から16日までの4日間だ。8月26日の時点で二階幹事長始め誰もが、9月12日に緊急事態宣言、蔓防終結終了を確実に予測することは不可能だろう。
さて、4月25日の参院選広島選挙区を含む3つの補正選挙をはじめ7月4日の東京都議選など最重要の選挙で菅首相率いる菅政権は敗退を繰り返している。加えて、菅首相はデルタ株によるコロナの爆発的感染の中で東京オリンピックを強行開催したが、530人に上る選手を始め大会関係者のコロナ感染者が出たうえ、人流抑制効果にはマイナスになったことが誰の目にも明らかになった(なお、東京オリンピック/パラリンピック事態は巨額の赤字であり、ツケは国民に回される)ことなどから、菅内閣支持率も低下の一途をたどっている。菅首相が自民党総裁の顔では選挙に勝てないとの見方が出て当然だ。このことを、週刊ポスト・2021年8月27日・9月3日号が報じた。ポストのWebサイトは次のページだ(https://www.news-postseven.com/archives/20210817_1683581.html?DETAIL)。
東京五輪が閉会し、永田町ではパラリンピック後の自民党総裁選に向けた「政治の季節」がやってきた。そうしたなか、自民党内で「菅政権の行方を決める」と注目されている動きがある。「麻生太郎・副総理が安倍晋三・前総理の私邸を訪ねて秘密会談を行なった」という情報が駆け巡っているのだ。会談は「7月30日」とされる。
ちょうど東京都のモニタリング会議が「爆発的感染拡大に向かっている」と報告。政府は緊急事態宣言を8月31日まで延長して首都圏3県と大阪府に拡大する方針を固め、菅義偉・首相が望みをつないでいたパラリンピックの有観客開催が絶望的になった時期にあたる。同じ東京都渋谷区にある安倍氏の私邸と麻生邸は直線距離で約300メートルと近く、安倍邸の屋上から麻生邸の大屋根が見えるとされる。
安倍政権以来、政治的盟友である2人がわざわざ安倍邸で密会するときは極めて重要な決定が行なわれてきた。たとえば、2017年9月10日の私邸会談では、安倍首相(当時)がその約2週間後に突然、「国難突破解散」を表明した。昨年8月15日の私邸会談の場合も、安倍首相はその約2週間後に突如として退陣を表明した。
「差し」の会談とあって2人が内容を明かしたことはなく、とくに今回は安倍氏が現職首相ではないため、会談の存在が首相動静に載ることもない(麻生太郎事務所は、「スケジュールについては、公表しているもの以外、お答えしておりません」と回答)。だが、麻生派議員はこうみている。「あの2人が私邸で会うときは何か大きなことが起こる前触れ。麻生さんのほうから安倍さんの真意を確認するために出向くことが多い。タイミングからみて、総裁選の情勢を話し合ったと考えて間違いないだろう」
なお、安倍・麻生の秘密会談が行われたのは、麻生氏の地元・福岡県で地元財界などから「菅総理・総裁では選挙に勝てない」との突き上げがあったからのようだ。要するに、菅首相による解散・総選挙の前に自民党の総裁選挙を行って、総裁の顔をすげ替えるというのである。この見方を後押しするのが、横浜市長選挙だ。横浜市長選挙ではカジノを含む統合型リゾート(IR)構想が選挙の勝敗を決めるとされているが、横浜市民の間ではIRには反対の声が圧倒的に強い。このため、小此木八郎国家公安委員長は「市長任期中にはIRを誘致しない」との公約をかかげ、閣僚の座を辞して横浜市長選挙に出馬した。
しかし、菅首相と小此木家との関係は深い。菅首相としてはコロナ無策がたたり、「裏の世界」でも「商売はあがったり」で横浜でのIRに活路を見出している。例えば、横浜IR誘致の一角であるセガサミーホールディングスの里見治会長(当時)は東京オリンピックの誘致に際して、菅官房長官(当時)の依頼で嘉納治五郎財団を通じて、2億〜3億円のアフリカの国際オリンピック委員会(IOC)委員の買収資金を提供したと言われる。
菅首相では支援を受けてきた「裏世界」から引き続き支援を受けるため、IR誘致には積極的にならざるを得ない。このことから、菅首相の全面支援を受けている小此木候補も「IR絶対反対」とは言明していない。菅首相は小池百合子東京都知事と東京へのIR誘致で密約を交わしているとも伝えられるが、本命はやはり横浜IRだろう。こうしたことから、横浜市民は小此木氏が「隠れIR派」であることを見透かしているという。また、横浜市長選挙では神奈川県でコロナ感染が爆発しているため、選挙の争点はIR誘致問題からコロナ対策に移っており、「コロナ無策」の菅首相が支援する小此木候補に対する風当たりが強いという。
このため、横浜市長選挙はIR誘致を公約にしている現職の林文子候補が出馬を取り止めても(取り止めさせられても)、コロナ対策問題とIR誘致問題で、パワハラ疑惑が取り沙汰されている立憲民主党推薦の山中竹春候補が圧勝するとの観測が強まっているという(https://news.yahoo.co.jp/articles/5a0f60b3fb0599b49c247afe701098db56752f20)。
当初、菅首相のお膝元でもある横浜市で圧倒的な知名度、強固な地盤を誇る小此木氏が楽勝かと誰もがみていた。しかし、マスコミなどの世論調査、期日前投票の出口調査では、山中氏が先行。小此木氏が追う展開になっている。
「まったくの想定外の展開だ」小此木氏の支援に入った自民党の国会議員はこう愚痴る。世論調査や期日前投票の出口調査をみると、なんと菅首相の地盤である衆院神奈川2区(横浜市)でも小此木氏が苦戦。現職の林文子氏(75)、山中氏が優勢という数字が出たという。
佐藤氏は投開票日の8月22日夜、投票終了後の午後20時にNHKが出口投票の結果を踏まえて「当確」を出すだろうと見ている。こういう結果になると、安倍・麻生両氏の狙い通り、総裁選を経て解散・総選挙(総理・総裁の首をすげかえて解散・総選挙突入)というシナリオが実現するだろう。その場合、菅首相は首相辞任の可能性がある。派閥を持たない菅氏には勝ち目がないからである。佐藤氏によると、高市早苗氏や岸田文雄氏は総裁線の当て馬であって、本命は麻生派の河野太郎行革担当相兼ワクチン担当相だという。
ただし、自民党総裁選挙の実質的な決定権を握っているのは二階幹事長だ。和歌山3区で3男の出馬も取り沙汰されている高齢の二階幹事長が、安倍前首相に対して「取り敢えず半分疑惑=公金横領疑惑」を公にし、自民党が大混乱をきたす可能性もある。
河野氏をかつぎだして自民党が「再生」するか、それとも二階幹事長の最後の反撃で自民党が大打撃を被るか二つに一つだ。ただし、「再生」するように見えても、冬場には第5波を超える第6波が襲来するだろうから、日本の真の再生には全く無関係だ。いずれにしても、立民など野党側は仮に横浜市長選挙で山中氏が当選したとしても、日本労働組合総連合会(連合)という御用組合に依存する産業別「大企業」の労働組合の連合である産別労組に支配される限り、「支持政党なし」層は動かない。政権交代もまず不可能だ。立民の枝野幸男代表は早急に真正野党どうしの党首会談を開いて、国難を脱出できる骨太の共通理念・政策・連合政権構想を国民の前に明らかにする必要がある。ましてや、「政治休戦」を受け入れることは、自公連立与党と日本維新の会、国民民主党の既得権益勢力に力を貸すことになる。
もはや時間がない。サイト管理者(筆者)としては、枝野代表にその気がなければ、立民は一種のクーデターを起こしてでも日本共産党、社民党、れいわ新選組とともに骨太の共通理念・政策・連合政権構想で一致して「真正野党共闘」を構築、できるだけ早急に真正野党共闘体制の中身を国民の前に早急に打ち出すべきと考える。