感染力の強いオミクロン株が第六波の猛威を振るい始めたー医療体制抜本的強化でwith Coronaへの転換必要か

これまでの医学(感染症学)・遺伝子工学の研究で感染力は非常に強いが毒性は弱いとされているオミクロン株が米軍基地のある沖縄県・山口県・広島県を起点として全国的に第六波の猛威をふるい始めた。飲食店をターゲットにした緊急事態宣言、蔓延防止措置はもともと効き目がなかったが、同株感染の急増で改めてそのことが明白になるだろう。医療体制・感染症対策の徹底を前提としてコロナと共存すべき時代に転換したとの見方が国内外で広まっている。

季節要因・オミクロン株によるコロナ第六波と共存説

新型コロナの波動は夏場と冬場にピークを迎えるという季節敵要因によるが、不思議に新たな変異株の出現と重なっている。時事通信社が昨日1月10日に配信した「国内感染、週3万2000人 前週の10倍に増加―新型コロナ」と題する記事(https://www.jiji.com/jc/article?k=2022011000227&g=soc)は次のように報じている。

国内の新型コロナウイルス感染者の累計は10日午前10時現在、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」乗船者を含め176万7434人となった。1週間の新規感染者は3万2081人で、前週(3200人)の約10倍に増加。変異株「オミクロン株」の広がりとともに、増加幅が拡大している。1週間に確認された新規感染者の都道府県別は、沖縄県が6665人で最も多く、前週の約25倍に増えた。次いで東京都(4654人)、大阪府(3394人)など。空港検疫での感染確認は1026人で、増加傾向が続いている。

東京都福祉保健局はオミクロン株について次のサイトで紹介している(https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/corona_portal/henikabu/omicron_info.html)。

Q オミクロン株の特徴は?

A ウイルスに、既存の株以上に多数の変異が見られています。細胞の受容体に結合しやすくなり、感染力が高まる可能性が懸念されています。

Q 感染力はどのくらい?

A 南アフリカで流行している株が、デルタ株からオミクロン株へと急速に置き換わっているため、高い感染力の可能性が懸念されています。

1月9日時点の人口10万人当たりの新規感染者数は沖縄県がトップで104.5人、続いて広島県22.1人、山口県11.3人、維新の大阪府10.0人、東京都8.7人、京都府8.3人となっている(https://www.jiji.com/jc/tokushu?id=japan&g=cov)。日本の都道府県のうち沖縄県、広島県、山口県が上位3県を占めているが、これは、日米地位協定によって治外法権化し、これらの県にある米軍基地(沖縄県は米軍基地が集中、広島県は米陸軍川上弾薬庫・米陸軍秋月弾薬庫、山口県は米海兵隊岩国航空基地など)に米軍関係者が入国する際、日本政府の検疫体制をすり抜けているからだ。日米地位協定の抜本的見直しが不可欠だが、岸田文雄事項連立政権のもとでは不可能。

ただし、日本の空港検疫ではPCR検査ではなく、いまだに3人の感染者のうち1〜2人は見逃すという精度(感度)の低い抗原検査を行っているから、空港検疫をすり抜けてオミクロン株感染者が入国し、市中感染は広まっていた。米軍関係者による米軍基地で働く日本人へのオミクロン株感染拡大と、それを通した日本人への感染拡大は、オミクロン株の急速な拡大を大幅に加速したという位置づけ。要するに、「先手先手の対応」と言明してきた岸田首相の発言はやはり、日本の「水際対策」なるものが「ざる対策」でしかなかったことを如実に物語っている。

オミクロン株(と推定される)感染者が1周間で10倍ということは、同株の感染力がそれだけ強いことを示している。東洋経済ONLINEが試算・公表している実効再生産指数(「一人の感染者が平均して何人を感染させるか」を表す指標)は日本全国、沖縄県、東京都で次の通りだ(https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/、10日現在)。

全国、東京都ともに実効再生産指数が急上昇して5.0を上回っているが、これはオミクロン株の感染力の強さを物語る。もっとも、沖縄県の実効再生産指数が一時的ながら10.2というのはオミクロン株の感染力の強さを考慮しても異常と言えるのではないか。日本を米国の属国にしている日米地位協定(日米安保条約は見せかけ=ただし、日米安保条約の本質は日本にいつ、どこでも、どれだけの規模の米軍基地でも建設できることを定めた第六条。第五条は日本を軍事的に守るということは明言されていない=で、国会の関与ができない同協定が米国の本当の狙い)の抜本的見直しが必要だが、自公連立政権では不可能で、真正野党の新たな共闘による政権奪取が不可欠。

【追記】1月10日時点では全国が前日比-0.09ポイント減の5.71、東京都同0.05ポイント増の5.26、沖縄県が同1.98ポイント減の8.22になっている。

これに対して日本政府は、厚生労働省の医系技官(臨床医としての経験はなくても医師免許を持っていれば国家公務員試験免除で採用)とそのOB(国立感染研究所や地方衛生研究所、保健所長、国債医療福祉大学教授に天下り)による「感染症利権ムラ」の嘘に騙されてきた。具体的に言えば、➀接触感染(飛沫感染)が新型コロナによる感染の主流経路②濃厚接触者の存在とその追跡の必要性ーなどのウソを鵜呑みにして、飲食店をターゲットにした非科学的な緊急事態宣言や蔓延防止措置などの「コロナ対策」と称する「非科学的な対策」を取り続けている。ただし、濃厚接触者の追跡が不可能になると、「感染症利権ムラ」のトップでもある医系技官を指揮する医務技監(現在は福島靖正氏)は「在宅治療」と称して感染者を自宅放置=自宅遺棄するように定め、これを自公連立政権(菅政権)に認めさせた。結果として、菅政権は崩壊した。

オミクロン株も含めて、新型コロナウイルスの感染の主な経路は、感染者が肺の奥深くから吐き出した二酸化炭素の中に含まれるコロナウイルスを気管支を通して肺に吸い込む経路だ。いわゆる、エアロゾル(気体中に浮遊する微小な液体または固体の粒子と周囲の気体の混合体)感染=空気感染である。感染者が存在しているか存在していた密閉した空間に無感染の別人が出入りすると、それだけで新型コロナウイルスに感染する確率が極めて高くなる。岸田政権は当初、オミクロン株に感染した飛行機内の乗客全員を「濃厚接触者」に指定していたが、本来は「濃厚接触者」という言葉を使わなくても全員が隔離の対象になる。しかし、市中感染の急拡大前に「濃厚接触者」の指定を感染者の前後二列に座っていた乗客へと戻した。非科学的・非医学・非感染症学的な措置でしかない。

さて、各種ウイルスの宿主はヒトだ。ヒトが死ねば、ウイルスも死滅する。このため、ウイルスは変異のたびに毒性(重症化力)を弱めるという傾向があるとも言われている。この説が正しければ、オミクロン株の毒性の弱さもそれなりに説明できる(参考:https://toyokeizai.net/articles/-/501365)。ただし、感染力が強く、毒性(重症化力)が全くないことも医学的に論証されていないから、感染力と毒性の相乗効果で一定数の重傷者・死亡者がでる公算は大きい(参考:https://www.bbc.com/japanese/59904157)。また、新型コロナに感染したが回復した場合でも、後遺症が脳の前頭葉に残るとも言われており、その結果として感染者本人に対して、気力の衰えや抑うつ症状を引き起こすとも言われている。

両者を考慮するとやはり、有効性が弱まってきたとされるが、➀基礎疾患のある国民や高齢者などからワクチン(大量の在庫があるはず)の接種し、重症化力を低下させる②一般の医療機関による新型コロナ治療薬の服用(米製薬大手のメルクが開発したモルヌピラビル=当初よりは有効性と安全性に疑問=、同ファイザー社のパクスロビド=米国食品医薬品局(FDA)が緊急承認、安全性は不確か=)③国立病院機構、地域医療機能推進機構、労働者健康安全機構傘下の病院をコロナ中等症専門病院への特化や巨額の補助金を受けている国公私立大学附属病院の集中治療室の拡大によるコロナ重症者病院化④一般の医療機関を健康保険適用によるコロナ治療機関とし、感染症対策の基本である隔離・治療のための施設(ホテルや旅館などの国費による借り上げ)を増設して協力を得るーなどの医療・感染症対策のための施設・設備の拡充が欠かせない。

※追記:岸田首相は本日11日、「3月以降は、追加確保したモデルナ(製)1800万人分を活用して、(医療従事者や高齢者を除く)一般分も前倒しする」と語った」(https://www.jiji.com/jc/article?k=2022011100323&g=pol)として、テレビ・メディアなどで宣伝しているが、遅すぎる。欧米諸国や韓国では既に30〜50%が追加接種済みだ。また、下記の重要な問題もあることにも注意が必要である。

なお、政治・経済評論家として知られている植草一秀氏によると、緊急承認された新型ワクチン(mRNA型ワクチン)の接種後、短時日のうちに死亡される方や重篤・重症の後遺症を持たれる方が少なくない。インフルエンザワクチン接種後に死亡される方をはるかに凌駕する。既に、感染症利権ムラの「専門家」には米国のファイザー社などから多額の資金が提供されているようだ。厚労省はワクチン接種と死亡との因果関係を科学的に明らかにすべきだ。それ以前に、新型ワクチン接種後に死亡された方などに対しては、即座に補償金を拠出すべきだ。

朝日新聞出身でフリージャーナリストの佐藤章氏によると、日本ではがん治療に遺伝子工学を応用した実績で、ノーベル賞候補者と言われる中村祐輔東京大・シカゴ大名誉教授が新型コロナウイルス用に「ペプチド型ワクチン」を外国と共同開発しているという。日本政府は価値が分からず、補助金を出さないという大失態を犯したが、開発に期待したい。

また、オミクロン株の感染を防止するため、➀飲食店や病院、介護施設、職場、学校、家庭などに喚起のための空気清浄科装置や二酸化炭素濃度測定装置を設置する(全額国費負担)②内閣人事局設置の真の狙いである政府のコロナ感染症対策本部の分科会や厚労省アドバイザリーボード、東京都のコロナ対策専門家会議など厚労省医系技官で構成された「感染症利権ムラ」の解体ーなどの自然科学的・社会科学的・医学的対策が欠かせない。こうした措置は、オミクロン株との共存を目指す方向への大転換とも言える。日本以外の欧米諸国では、「新型コロナウイルスとその変異株」との共存を目指しているようだ。

世界の医学誌の中でも最有力の権威あるジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーション(英語:The Journal of the American Medical Association=JAMA=、「米国医師会雑誌」)は、人類とコロナとの共存を主張するオピニオンを展開している(https://www.youtube.com/watch?v=LUjbBYAzey8)。ただし、韓国の中央日報の日本語版によると、重症化リスクの高いデルタ株と感染力強いオミクロン株の特徴を併せ持った「デルタクロン」が地中海のキプロスで発見されたとの報道もある(https://japanese.joins.com/JArticle/286509)。

地中海の島国キプロスで新型コロナの変異株「デルタ株」と「オミクロン株」が結合した変異ウイルスが発見されて「デルタクロン(deltacron)」と名付けられた。9日(現地時間)、ブルームバーグ通信、フォーブスなどによると、キプロス大学生命工学科のレオンディオス・コストリキス(LeondiosKostrikis)教授は「わが研究チームはデルタとオミクロン株が組み合わせられた『デルタクロン』事例25件を発見した」と明らかにした。また、「この結合変異はデルタ誘電体に、オミクロン株と類似した遺伝子の特徴を持っている」と説明した。

研究チームはデルタクロンの感染比率は入院していない感染者に比べて新型コロナによって入院した患者の間で比較的に高かったと伝えた。ただし、まだデルタクロンの感染力、ワクチン回避力、致命率など具体的な特性は明らかになっていない。

なお、中国では北京市に近い天津市でオミクロン株感染者が発見され、これまでのように都市封鎖(ロックダウン)を行っているが、天津市が大都市であるだけに、成功するか失敗するか、世界が疑問の目を持ちながら見守っているという。天津市や河南省でオミクロン株の感染が広がっている模様だ(https://www.tokyo-np.co.jp/article/153445)。

【北京=白山泉】中国で新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染が広がっている。8日以降、天津市や河南省で感染が確認された。冬季五輪の開幕を2月4日に控える北京市では既にコロナ対策を厳格化しているが、隣接する天津市で変異株が確認されたことで緊張が高まっている。中国メディアによると、天津市で8日、学習塾に勤める女性(29)と、通っている女子児童(10)からオミクロン株感染が確認された。いずれも直近2週間は市外に出ておらず、市中感染とみられる。他の児童や家族にも感染し、9日には40人に広がった。

 

さて、以上の提言は岸田自公連立政権が採用することはない。立憲民主党が右傾化(親米右翼という言葉は成り立たない。戦後史を紐解けば右翼と自称する人々は必ず反米右翼でならなければおかしい)したため、真正野党側は共闘の再構築が必要だ。コロナ対策として「災害」に指定すべきだとの提言を行っている「れいわ新選組」が「れいわ民主党」に衣替えし、日本共産党も「科学的社会主義」を一新し、これに立憲民主党から離脱したリベラル派と社民党およびその支持者が結集して、野党共闘体制を政党レベルと草の根レベルで再構築すべきだ。差し当たっては、沖縄県でのオミクロン株の異常感染状況と自公勢力による「札束攻勢」がせめぎあう今月23日の沖縄県名護市(辺野古で米軍基地を強行建設中)の市長選挙とともに、今夏の参院選が大きな焦点になる。ただし、今夏の参院選前に、岸田政権と日本維新の会、国民民主党が非常事態条項を含む憲法改悪を行えば、名実ともに日本の議会制民主主義は崩壊する。

東京都のコロナ感染状況の推移(予定)

東京都には全国から企業人、行政に携わる人々、地方に故郷を持つ国民が往来する。沖縄、広島、山口の3県と東京都の国民の往来は活発化する。このため、取り敢えず7日移動平均で見たコロナ感染者は前週同曜日の10倍を突破している。

ディープステート(軍産複合体)による緊張緩和の阻止

台湾海峡有事をめぐって敵基地攻撃論がかまびすしい。実は、東アジアに緊張状態を創出し、維持し続けているのは米国のディープステート(闇の帝国:軍産複合体と多国籍金融資本・企業)だ。政治経済評論家で活発な政治活動を行っている植草一秀氏はメールマガジン第3124号「札束で頬叩く沖縄統治を排除する」で次のように述べている。

米中対立が煽られている。日本では中国の軍事的脅威が拡大し、中国が台湾や沖縄に武力攻撃をいまにも仕掛けてくるかのような扇動的な情報が多く発信されている。しかし、中国政府の行動を客観的に分析する限り、その兆候は存在しない。それにもかかわらず、東アジアの軍事的脅威が常に強調される。認識しなければならないのは米国の軍産複合体の事情。米国の軍事費は途方もない水準。年間50兆円の資金が投下されている。最大の経費は人件費だが、各種装備にも20兆円を超える規模の資金が投下されている。

日本の原子力産業が「大きすぎて潰せない」と言われるが、その規模は2兆円足らず。米国軍事産業の規模がいかに大きいかが分かる。軍事的緊張は軍産複合体にとっての生命線。軍事的脅威が存在することによって巨大予算が初めて正当化される。同時に定期的に巨大な武器・弾薬・装備の大量消費が必要になる。軍事紛争は必然によって生じているのではなく、軍産複合体の必要によって生じている。

トランプ大統領は朝鮮戦争の終結を目指した。米朝首脳会談が実現し、戦争終結、平和条約締結の可能性が模索された。これを徹底的に攻撃したのが米国の軍産複合体だ。朝鮮半島の軍事的脅威が消滅することは軍産複合体にとっての最大脅威なのだ。台湾や尖閣をめぐって緊張を拡大することも重要な「任務」になる。

米国のバイデン大統領の背後にはディープステート(闇の帝国:軍産複合体と多国籍金融資本・企業)が存在することを日本の主権者国民は知らなけれはならない。また、ディープステートが日本の実質的支配者である(日米安保条約と日米行政協定→日米地位協定)。米国の前大統領だったトランプ氏はディープステートに与していない。ハチャメチャな言動が伝えられているが、プアーな白人層の利益を守ることにあるのではないか。そのトランプ氏が米国で再び、人気を得始めているようだ。



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